ハンドラー・ウォルター先生概念。   作:ヤマ

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 声が見える。
 彼の隣にいるのは──。


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 ブラックマーケット。

 学園数個分の規模に匹敵する、連邦生徒会の手が及ばない治外法権区域。様々な企業がこの場所で違法な事柄を巡って利権争いをしており、ここ専用の金融機関や治安機関があるほどの闇市。

 そんな場所に、俺たちは足を踏み入れていた。

 

「これです! ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!」

 

 そんなブラックマーケットに向かうついでに護衛依頼を受けたのは些か早計だった気もするが、現状は特に問題なく、俺たちは依頼人である阿慈谷ヒフミと行動している。

 既に生産されていない限定グッズを手に入れたいがために、闇市に向かおうとする少女は果たしてどんな子供なのだろうと思っていたのだが、俺が阿慈谷ヒフミを見た感想は、普通、だった。

 決して悪い意味ではない。

 単純に、この少女がブラックマーケットでの護衛依頼をしてくるような子に見えなかった、というだけである。

 普通。

 トリニティ総合学園──キヴォトスでも有数の、それこそ三本の指に入るようなマンモス校の生徒だとアヤネは言っていた。確か、ハスミやスズミも同じだったか?

 善良で、それでいて毎日を謳歌できている人間。

 ファンシーキャラクターブランドのグッズを集めることに執心できるような、そんな生活を楽しめる環境にいる子供。

 今まで見てきた子供が、対策委員会、ヘルメット団、傭兵と偏っていたこともあり、この世界にも平和に生きている子供がいることを知った時、俺は多少は救いがあるのかもしれないと思えた。

 そういう意味で、阿慈谷ヒフミという少女は普通だと──日常の象徴とも言える貴重な子供だと思う。

 

「限定生産で百体しか作られていないグッズなんですよ。ね? 可愛いでしょう?」

「……そうか」

 

 ただ、ずい、と押し付けるように見せられた限定グッズ──つまり彼女がわざわざ護衛を付けてまで買いに来た『ペロロ』というキャラグッズは、俺の感性では到底可愛いと思えないものだった。

 故に、ヒフミの可愛いでしょう? という問いに、俺は肯定でも否定でもない曖昧な相槌で答えを濁すしかない。

 白い鳥、はまあ分かる。

 しかし、その白い鳥は嘴にアイスが比喩抜きに捩じ込まれており、白目を剥いているその様は、見方によっては虐待のようですらあった。

 可愛い……のだろうか、これは。

 もし若者の感性でこれを可愛いと感じるのであれば、俺がこれからも子供と関わる以上、その辺りの情報や感覚を一新する必要があるかもしれん。

 

「わあ☆ モモフレンズですね! 私も大好きです! ペロロちゃん可愛いですよねえ! 私はミスター・ニコライが好きなんです」

「分かります! ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くて。最近出たニコライさんの本『善悪の彼方』も買いましたよ! それも初版で!」

「…………」

「……いやあ一何の話だか、おじさんにはさっぱりだなー」

「ホシノ先輩はこういうファンシー系にまったく興味ないじゃん」

「ふむ、最近の若いやつにはついていけん」

「先生ならともかく、ホシノ先輩が言っちゃダメでしょ……」

 

 納得はできなくとも理解はしなくてはならない──と思ったのだが、しかし対策委員会の中ですら可愛いと感じるのはノノミだけのようだった。

 どうやら若者全員の感性で可愛いと判別される造形ではないらしい。

 ホシノの台詞が俺の感想とほとんど同じなのは、それはそれでどうなんだという気もするが。

 一部の人間に刺さる、コアな人気だということだろうか……ノノミを除く対策委員会の反応を見る限り、知名度が高いわけでもなさそうだったので、覚えておくぐらいが丁度いいかもしれない。

 

「本当にありがとうございます! みなさんが依頼を受けてくれなかったら、一人で来るつもりでしたから助かりました!」

「ええ……」

 

 ヒフミのそれは何気ない一言だったが、対策委員会の面々はその発言に後退りするような態度を見せる。

 一人で来るつもりだった。

 それはつまり、ヒフミはこの闇市に、護衛がついていようとトリニティ総合学園の生徒だからと襲いかかって来るようなチンピラがいる危険区域に、平気で足を踏み入れようとしていたということに他ならない。

 胆力がある、などという言葉で片付けていい肝の据わり方ではなかった。

 俺は最初に感じた『普通』という評価を撤回するべきかもしれない。

 

「依頼料はかかりましたけど……ペロロ様のグッズを買うための資金を不良たちに奪われたくありませんので、必要経費と思えば安かったです!」

 

 にこにことヒフミは笑う。

 己の判断は間違っていなかったと言わんばかりに。

 いや、もちろん一人でブラックマーケットに向かわなかったことは英断であるのだが、そもそもグレーな手段を用いてまで限定グッズを手に入れようとするその心持ちが、行き過ぎていて恐怖を覚える。

 あのグッズの一体何がヒフミをそこまで突き動かしているのか、心底疑問になる──ここまでに少し話しただけで、その『ペロロ』というグッズに執着しているのが分かるほどの熱意は、もはや己にグッズを集めることを戒律として掲げているのかとさえ思うほどだった。

 

「えっと、これで私の依頼……というか、買い物は終わりなんですけど、次は皆さんが探し物をするんですよね? 一緒について行きます!」

 

 ヒフミは目的の物を手に入れて満足したのか、いそいそと人形を仕舞いながら俺たちに言った。

 もはや依頼は終了し、ヒフミが俺たちについて来る必要はないのだが、これに関しては予定調和である。

 というのも、俺たちはヒフミと合流し依頼を確認した際に、こちらもブラックマーケットで探し物があり、そのついでで依頼を受けたという旨を伝えてあるのだ。

 仮に見つかってもすぐには帰れない、お互いの目的が達成されるまで付き合ってもらうことになるが、それでも良いか、と。

 そういった条件付きでの依頼だったのだが、ヒフミは快く頷き現在に至る。

 ……思い返すと、ヒフミの依頼を受けていて良かったと心底思う。

 この少女、仮に俺たちが受けていなければ一人で突貫していただろうし、条件を呑んでいなかったら一人でブラックマーケットを彷徨いかねない。

 

「うん。一応、ヒフミちゃんが探してる間も一緒に見てたんだけどね。まだ見つかってないかなー」

「ブラックマーケットも広いですからね。私も協力させていただきます!」

 

 下調べはバッチリですので! というヒフミの台詞を聞き流しつつ、俺たちはこの後、戦略兵器の痕跡、あるいは取引などの証拠を探し回ったのだが、しかしそれらしい物はまるで見つからなかった。

 本当に、一切、何一つとして。

 文字通り空振りである。

 

「ここまで探して見つからないなんて……」

「はあ……しんど」

「もう数時間は歩きましたよね……」

「これはさすがに、おじさんも参ったなー。腰も膝も悲鳴を上げてるよー」

「えっ……ホシノさんはおいくつなのですか……?」

「ほぼ同年代っ!」

 

 流石に一切の収穫なしとなると、精神的疲労も相まって対策委員会全員が疲労した様子を見せていた。

 ヒフミは目的を既に達成していたこともあって、どこか余裕があったのは少し意外だったが。

 

「あら! あそこにたい焼き屋さんが!」

「あれ、ホントだー。こんなところに屋台があるなんてね」

 

 随分と歩いたこともあって、中心街から離れてきたこの場所には比較的普通の店が構えているようだった。

 中心地は法外な値段で売っているものも多かったのだが、あの屋台は良心的(と言っても割高ではある)と思える値段設定である。

 年頃の女子としては、一度見てしまったスイーツを見逃す選択肢はなかったらしい。誰が何を言う前に、全員が屋台に引き寄せられていた。

 ……相当疲れが溜まっているようだ。休憩を兼ねて彼女たちに振る舞うことを考えていると、先んじて、

 

「ちょっとひと休みしましょうか? たい焼き、私がご馳走します!」

 

 と、ノノミが言った。

 偶然かと思ったが、俺が懐から金を出そうとしたところを見ての発言だったようで、ノノミは俺に目配せをしてから首を振る。

 払わせてほしい、ということらしい。

 

「えっ!? ノノミ先輩、またカード使うの!?」

「先生の『大人のカード』もあるよ~」

「…………」

 

 大人の、カード。

 俺の持っていない謎のカード。

 その存在を知ってから俺は『大人のカード』というものを調べてみたものの、聞く限りその名称は、クレジットカードの比喩としてしか使われていなかった。

 勿論クレジットカードそのものは俺とて持っている、いや、正確に言えばキヴォトスに来てから作ったものがあるが、ホシノの言い方は、明らかにそういったカードを差しているように思えない。

 俺が持っていて当然の、何か特別なもののような──。

 

「ううん、私が食べたいからいいんですよ☆ みんなで食べましょう、ねっ?」

 

 とは言えやはり、俺に払わせる流れにはならず、ノノミが屋台へと向かってたい焼きを購入してきた。

 どうあっても俺に金を出させるつもりはなかったらしい。

 ……そういう気の遣い方は、しなくてもいいんだがな。

 

「おいしい!」

「いやあ、ちょうど甘いモノが欲しかったところだったんだー」

「あはは……いただきます」

「ほら、先生も」

 

 シロコがそう言って、俺にたい焼きを差し出す。

 ……最近、老人には重いものを色々と食べ過ぎているような気もするが、断るのも悪いだろう。それは支払ったノノミに礼を失することになる。

 俺はシロコからたい焼きを受け取り、素直に食べた。

 …………甘いな。

 慣れない甘さだ。

 かつて俺は──いや、俺たちはレーションを食すことが多かった。それはルビコンでは満足のいく食事を調達するのが難しいという面もあったが、それ以上に、621の味覚が機能していなかったからだ。

 あいつはもう、再手術を受けただろうか。

 味が分かるようになり、様々な食事を楽しめているだろうか。

 友人と共に人生を楽しめていることを、俺は願うばかりである。

 

「うーん……ここまで情報がないなんてありえません……妙ですね。お探しの戦車の情報、絶対どこかにあるはずなのに、探しても探しても出てきません」

 

 一通り食べ終わった頃、ヒフミがそんなことを言った。

 雰囲気の変わったヒフミの発言に、俺も含めて全員が彼女の発言に耳を傾ける。

 

「販売ルート、保管記録……すべて何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします。いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはず……」

「そんなに異常なことなの?」

「異常というよりかは……普通ここまでやりますか? という感じですね……。ここに集まっている企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです」

 

 異様に詳しいな、と思ったが、そう言えば彼女は『下調べ』はバッチリだと言っていた。

 明らかに普通の方法では調べられなさそうな知識まで仕入れているように感じるのは気になるが、少なくともあの言葉は過言ではなかったらしい。

 そうして彼女は、一つの建物を指しながら言葉を続ける。

 

「例えば、あそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

「闇銀行?」

「ブラックマーケットで最も大きな銀行のひとつです。聞いた話だと、キヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品があそこに流されているそうです……。横領、強盗、誘拐などなど、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまた他の犯罪に使われる……そんな悪循環が続いているのです」

「……そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです……」

「ひどい! 連邦生徒会は何をやってるの!?」

「…………」

 

 一応、俺も連邦生徒会に連なる組織の人間なので、セリカの声を聞き留めておく。

 ちなみに俺以外──シャーレ以外の連邦生徒会が何をやっているかと問われたら、恐らくリンたちは連邦生徒会長を探すのに躍起になっているのだろう。

 シャーレに仕事を押し付ける程の余裕の無さで動き回っているので仕方がない──なんて事を言っても、セリカは納得しないだろうが。

 言い方は悪いが、サンクトゥムタワーの管理しかり、連邦生徒会長に頼り切りになっていた過去に問題があるように思える。

 あるいは、一人に頼り切りにならなければいけなかったこのキヴォトスの問題かもしれないが。

 

「……え、あれって」

 

 そんな風に銀行の方を眺めて激昂していたセリカだったが、唐突に、そして驚いた様子で呟いた。

 彼女の視線の先では、武装した集団がとあるトラックを闇銀行まで護送しており、そしてそれ自体は珍しい光景ではなかったのだが──しかしそのトラックは先程アビドスに来たはずの現金輸送車だった。

 八百万近い現金を回収した、あのカイザーローンの車である。

 そしてその車から出てきた人物も、当然アビドスに来た者と同一人物だ。

 

「見てください、あの人……」

「な、何で!? あいつは毎月うちに来て利息を受け取っているあの銀行員……?」

「あれ、ホントだ」

「えっ!? ええっ……?」

「……どういうこと?」

 

 ……資金洗浄(マネーロンダリング)

 まさかここまで分かりやすい形で見つかるとはな。

 元より予想していた俺からすれば、ある意味予想通りではあったのだが、彼女たちにとっては衝撃的な事実だったに違いない。

 だから一人で調べようとしていたのだが……遅かれ早かれこうなっていたことを加味すると、それは俺の我儘でしかないか。

 

『今日の午前中に、利息を支払った時のあの車と同じようですが……なぜそれがブラックマーケットに……!?』

「か、カイザーローンですか!?」

「ヒフミちゃん、知ってるの?」

「カイザーローンと言えば……かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です……」

「有名な……? マズいところなの?」

「あ、いえ……カイザーグループ自体は犯罪を起こしてはいません。しかし合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業で……。カイザーは私たちトリニティの区域にもかなり進出しているのですが、生徒たちへの悪影響を考慮し、『ティーパーティー』でも目を光らせています」

「『ティーパーティー』……あのトリニティの生徒会が、ね」

 

 やはり、ヒフミは異常にブラックマーケットや裏事情に詳しい。そして『ティーパーティー』()()という言い方を見るに、そういった組織の内情を知ることのできる立ち位置にいるのかもしれなかった。

 

「ところでみなさんの借金とはもしかして、アビドスはカイザーローンから融資を……?」

「借りたのは私たちじゃないんですけどね……」

「そこは話すと長くなるんだよね。それよりも」

 

 それよりも、と。

 ホシノは言う。

 彼女の目つきは鋭くなり、銀行員を見つめて──今までの彼らの行動を思い返しているようだった。

 

「いつも返済は現金だけでした。つまり……」

「私たちが支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた……?」

「じゃあ何? 私たちはブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたってこと!?」

 

 ……まあ、およそ正解だろう。

 そしてカイザーローンはその金自体を当てにしているわけではなく、この収入源が消えても問題ない使い方をしているため、アビドスが仮に借金を返済できなくなったとしても痛手にはならない。

 手慣れているな、と感じる。

 弱者を貪ることに──子供を虐げることに。

 一体いつからやっているのだろうと考えてみたが、かつてのアビドス生徒が借金をしていたことを鑑みるに、何十年も同じ事をしてきているのだろう。

 慣れていると言うよりは、いつもの行動、当然の動き。それだけ彼らはアビドスに深く根を張っている。

 ……カイザーコーポレーション、か。

 悪い友人がいることは把握していたが、しかしここまでの動きができる事を考えると……そうだな、最悪は連邦生徒会まで手が回っていることも視野に入れて動くべきかもしれん。

 トリニティへの進出具合やキヴォトスへの影響力を見る限り、一介の企業という括り方はもはやできないだろう。

 取り敢えず今俺がやるべきことは、あの車を起点にカイザーローンの動きを知り、証拠を握り、そして奴らの目的を探ることだ。

 

「……アロナ。現金輸送車の走行ルートを調べてくれ。追跡できるか」

『いいえ、ウォルター先生。対象が見つかりません。すべてのデータをオフラインで管理しているようです』

「……そうか」

 

 ホログラムで映し出されたアロナは首を振った。

 随分と徹底しているな。無法ハッキング能力のアロナでさえ見つけられないとなれば、やはりネットワークから遮断されているのだろう。

 となれば、現金輸送車の動線を把握する方法は僅かしかないが……。

 

「聞いた通り、外部からのアクセスは無理だろう。となれば──」

「先生」

「……どうした、シロコ」

「あの……えっと」

 

 と。

 アロナでさえオフラインであればハッキングできないことが分かり、それを知らせてから次の策を考えていたところで、遮るようにシロコが俺に声を掛けた。

 珍しく、とても遠慮がちに。いつもであれば、はっきりと、迷いなんて知らないとばかりに直接言葉を発するシロコらしくない態度である。

 どうしたのだろうと俺は次の言葉を待てば、彼女は。

 

「ごめん、聞こえなかった」

 

 と、言った。

 聞こえなかった。

 それはつまり、俺の言葉が聞こえなかったということだろうかと考えて、再び声を発そうとしたが、違った。

 俺の声ではなかった。

 

「その……アロナって子? の声。全然聞こえなかった」

 

 シロコがアロナの声が全く聞こえなかったと主張して、俺は違和感を覚える。

 俺の声が低く聞こえにくいことはあるかもしれないが、しかしAIの、わざわざホログラムを映し出されて喋る彼女の高い声が一切聞こえなかったというのは考えにくい。

 それ以前に、聞こえなかった事をアロナにではなく、俺に言うことも変だ。

 もっとも、どんな時であれ聞こえないことぐらいは不思議なことではないが──たまたま聞こえなかったのが俺の声だろうがアロナの声だろうが違いはないのだが、しかし、シロコの発言はそういった意味ではなかった。

 

「えっと……先生、何が見えてるの?」

『あっ』

 

 そう。

 シロコは聞こえなかっただけではなく、目の前に映っているはずのアロナのホログラムすら見えていなかったのだ。

 気付き、俺は他の反応を見渡してみれば、誰も、誰一人、ホログラムのアロナを見ていない。

 そこには何も映っていないと言わんばかりに。

 

「…………」

 

 その事実に気付いた時の俺の感情を言語化するのは難しい。

 だが、敢えて無理やりに、俺の気持ちを表現するならば。

 621の──あいつの()()を、俺に「幻聴だ」と一蹴されたときの感情は、きっとこれだったのだろうと、そう思った。

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