ハンドラー・ウォルター先生概念。   作:ヤマ

46 / 71

 冒険と仕事の始まり。


Vol.2 1章:レトロチック・ロマン
1-1


 001

 

「廃墟という場所をご存知かしら、先生」

 

 とある一室。

 大量のモニターとコンピュータが敷き詰められた部屋で、黒色の長髪、そして女子にしては長身である彼女──ミレニアムサイエンススクールの生徒会長である調月(つかつき)リオは言った。

 何故か、どこか不機嫌に。

 

「……一般的な意味の廃墟、ではなさそうだな」

「ええ。ミレニアムで廃墟と言えば、ほとんどの場合『特定の場所』を指すわ。ミレニアム自治区内にも関わらず、かつて連邦生徒会によって出入りを制限され、存在の隠蔽が行われ、研究や調査も禁止されていた地域よ」

 

 鉄のような冷たい声に、忌々しさのようなものまで含めた彼女の物言いは、連邦生徒会長への不信を感じさせた。

 随分と嫌っているな、と思う反面、俺も彼女にほとんど仕事を押し付けられているようなものなので、リオの感情は理解できる。ましてや自治区を勝手に占領され、管理されていたとなればその怒りはもっともだ。

 ……まあ、侵略どころか、ルビコンという惑星そのものを焼き払おうとしていた俺に、連邦生徒会長を責める資格などありはしないのだが。

 

「キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる、時代の下水道のような場所──とでも言いましょうか」

 

 そして不機嫌なリオとは反対に、穏やかかつ涼しげな声で、リオの説明に続けて発言した者が、この部屋にもう一人いた。

 比喩としてやや分かりにくい注釈を付け加えたのは、車椅子に乗った白髪の少女、明星(あけぼし)ヒマリである。

 車椅子に乗っていることから彼女の身体が不自由であることは察せられるが、そんな不健康な肉体とは裏腹に、精神や発言に一切の虚弱さは見受けられない──どころか、初対面で『超天才清楚系病弱美少女ハッカー』と胸を張って自己紹介したことから考えると、ヒマリは相当な自信家のようだった。

 

「けれど今は、連邦生徒会長が失踪した事をきっかけに連邦生徒会の兵力が撤収していきました。それどころではなくなったのでしょうね」

 

 彼女の捜索に力を入れなくてはならなくなったのだろう、とはヒマリの推測だが、連邦生徒会行政官である七神リンの多忙さを知っている俺にとって、それは的を射た答えだった。

 つい最近でさえ、忙しいからとビナーの相手をさせられたことは記憶に新しい。

 

「私たちはこの機会を逃す訳にはいかないわ──だからこそ、ウォルター先生。貴方の力が必要よ」

「……その廃墟の探索に、か? こう言ってはなんだが、シャーレは連邦生徒会に連なる組織だ。表面上は独立しているが、お前たちにとって、俺という存在は危険因子に等しいだろう」

「…………」

 

 政治的な問題にまで発展することはないだろうが、少なからず連邦生徒会と関わりのある俺にミレニアムの情報を渡すことになる、と言外に伝えると、リオは少しだけ黙ってから、

 

「……そうね」

 

 と、やや煮え切らない様子を見せつつ頷いた。

 やはり思うところはあるらしい。ましてやこうして呼びつけた『先生』が、こんな怪しい老人とくれば無理もなかろう。

 しかしそれでも、毅然とした態度を保ったままなのは流石三大学園の生徒会長とでも言うべきか──そのあたりの葛藤は、既に済ませているようだ。

 

「私としても、あまり取りたい選択ではなかったわ。この問題について、他人を深く関わらせるつもりもなかったの。……けれど、そうせざるを得ない理由があった」

「……廃墟にそれだけの理由があるということか」

「ええ」

 

 今更だが、この密会は相当な情報規制が敷かれている。この部屋は勿論のこと、ここに来るまで──密会を行うための情報伝達でさえ、何重にも暗号のかかった秘密回線によるものだった。

 ……もっともアロナの前では、その暗号は無いに等しいものだったようだが、とにかく、それだけ彼女たちが気を巡らせていることは察せられる。

 少なくともアロナ以外に、俺が今ミレニアムにいることは知られていないだろう。

 当然、ロイも俺が今、どこで何をしているかまでは把握していない。

 ここにいる三人以外には絶対に知られてはならない情報──となれば、アビドスとはまた別方向の大仕事であることは容易に想像できた。

 

「最初は、先生には何も知らせずに迂遠な手を使おうとしましたが……今までの仕事のやり方から、リオに似た合理的判断をする貴方に、それは通用しないと判断しました」

「…………そうか」

 

 ヒマリの言葉はゆったりとしたものだったが、俺の判断基準が『リオに似ている』という事実に対して、やや棘のある含みもあった。合理的判断というものに対して、ヒマリはあまり良い印象を持っていないらしい。

 まあ、『病弱』であることさえ一つの要素として、自分自身をあのよう(超天才清楚系病弱美少女ハッカー)に表現できてしまうユーモアを持つヒマリからすれば、俺のような堅物は面白みのない人間に見えるのかもしれない。

 ……となれば、俺とヒマリは相性が悪いかもしれんな。

 宇宙を救うために惑星を焼き尽くさんとした俺は合理主義の塊だろう。

 とは言え、流石にそこまで俺のことは知らないだろうヒマリは、涼しい顔で続ける。

 

「例えば、ゲーム開発部からの要請……『廃部になりそうだから助けてほしい』という依頼を利用して、先生を廃墟に誘導するといった手も考えたのですけれど……三大学園の一部活動が廃止になる、程度でウォルター先生は動かないでしょう。いえ、動くかもしれませんが、優先度は限りなく低くなってしまいます」

「……そうだな」

 

 ヒマリの推測はおおよそ正しかったので、俺は頷く。

 内容にもよるだろうが、緊急性の薄い仕事ではどうしても俺自身が動くことは少ない。

 下手をすれば、ロイを派遣して終わりかもしれん。

 

「……今、生きることに苦しんでいる子どもに、優先して手を伸ばす先生の力を借りるには、全てを話す必要があると判断したわ」

「…………買い被りだな」

 

 誰のことだ、それは。

 聞いたこともないような善行を話すリオに、俺は思わず溜息を吐く。

 随分と高潔な人物と勘違いしているらしい。大罪人である俺を、そんな高尚な考えを持っている人間だと思われては困る──妙な期待と勘違いは今のうちに解消しておかなくてはならない、が。

 

「…………」

 

 しかし、これまで生徒たちと会話した経験上、何かを言えば言うほど、俺が必死に悪人ぶっているように見えてしまう気がしたので、沈黙するに止めた。

 カヨコの語った、『そういうところがアルに刺さっている』という言葉を信用するならば、だが。

 

「……とにかく、私たちには貴方の力が必要よ」

 

 妙な空気を断ち切るように、ばっさりとリオは言った。そのあたりの議論をするつもりはないらしい。

 ある意味それは俺の心情を無視する物言いだが、俺の返答を聞いて考え込んでいたヒマリとは違い、リオはあまり重要視していないように見える。

 ……なるほど、合理的だな。

 そんなやや無情とさえ言えるリオに対して、ヒマリはうんざりとした表情を浮かべていた──既に予想していたことだが、俺と思考が似通っているであろうリオと、ヒマリの仲はそこまで良好ではなさそうである。

 口下手な俺としてはリオの切り替えは助かるくらいだったが、誰しもが受け入れられるものではないのかもしれない。

 

「私は兵が退いた後、すぐに廃墟の調査をしたわ。そして、その中のとある工場に眠る、既存の技術に収まらない『何か』を見つけた」

「……何か?」

「……実物を見た訳ではないの。そこに、私たちは入れなかった。『資格』が無いと言われてね」

「そして恐らくその『資格』を持つ者は、管理者である連邦生徒会長と──シッテムの箱の主人である貴方です、ウォルター先生」

「…………」

 

 にわかには信じがたい話だが。

 リオたちの話が真実であるのなら、謎の工場に入るための、ミレニアムの生徒会長でさえ持ち得ない資格を俺は既に持っているらしい。

 廃墟に眠る、時代に忘れられた施設、その工場に入るための資格を。

 連邦生徒会長が管理していた、『何か』が封じ込められた部屋に入るための資格を。

 当然そんな細工をしたのは連邦生徒会長なのだろうが……出会ったこともない人間に、彼女は一体、何を期待していたのだろう。

 それともこれは──“本物”に託したものなのか。

 分からない。

 

「ウォルター先生」

 

 リオは俺を呼び、真っ直ぐに見据える。

 

「これは、眠っているもの次第では、ミレニアムだけにとどまらない脅威となり得るかもしれない。だからこそ、私たちが管理する必要がある」

 

 その目は、覚悟を帯びた、使命を背負う人間の目で。

 既視感のある、どこかで見続けた目だった。

 

「ウォルター先生。ミレニアムの安全のために、ひいてはキヴォトスの未来のために──貴方に仕事を依頼します」

 

 リオはにこりともせず、顔色一つ変えず、眉一つ動かさず。

 鉄仮面の如く、淡々とそう言った。

 

 002

 

 ここで、ミレニアムサイエンススクールについて説明しておく必要があるだろう。

 通称、ミレニアム。

 他のどんな学園よりも『合理』と『技術』に重きを置く、科学技術に特化した新興の学園である。

 キヴォトスにおいて最先端、最新鋭と呼称されるものの多くはミレニアムで開発されたものであり、そのほとんどがキヴォトスに普及している。そのため、歴史が浅いにもかかわらず、ゲヘナ学園やトリニティ総合学園などの巨大な古参校にひけを取らない影響力を持ち、キヴォトス三大学園の一角を担っているようだ。

 つまり──そんなミレニアムの生徒会であるセミナーの一員、早瀬ユウカは、相当な重鎮であると言える、のだが。

 

「せ〜ん〜せ〜い〜!? またポケットマネーで赤字を誤魔化してますね!? いくら生徒のためとは言え限度があります!」

 

 何故か彼女は頻繁にシャーレに訪れる。それなりに忙しい立場であるはずなのだが、週に一回は必ずと言って良いほどシャーレの財政状況を確認しに来るのだ。

 どこにそれだけのモチベーションがあるのか、心底疑問である。

 リオは後輩であるユウカのことをとても優秀だと認めており、事実その通りだとは思うのだが、日々どうにかして目を逸らそうとしている俺の努力をまるで意に介さない計算能力は絶対にここで発揮されるべきではないと、常々思う。

 

「……流石だな、ユウカ。ケーキなら冷蔵庫にある」

「あっ、ありがとうございます……」

 

 もはや見破られるのはいつものことなので、諦め半分、俺は彼女を冷蔵庫に誘導した。

 ユウカはそんな俺の声に素直に従って、資料を置き、手を消毒し、礼を言ってから冷蔵庫に向かい、中に保存されているケーキを一通り見た後。

 

「────じゃなくて!」

 

 と、唐突に大きな声で叫んで、冷蔵庫の扉を閉めた。

 ちゃっかりと取り出した、モンブランが乗った皿を持ちながら。

 ……ユウカがモンブランを取るのは珍しい気がするな。

 

「私が先生に指摘しているのはケーキのためじゃないんですよ!?」

「……そうなのか」

「そうですよ!?」

 

 そこでケーキを取り出していなかったら説得力が増したのだろうが、今すぐにでも食せる状態のモンブランを抱えた状態では格好はつかない。

 ユウカもすぐにその事実に気付いたようで、少し顔を紅潮させて目を逸らした後、大人しくソファに座ってモンブランを食し始めた。

 ……食べるのか。てっきり体裁を保つために冷蔵庫に戻すかと思ったのだが、意外と貰えるものは貰う主義なのかもしれない。

 まあ、そもそもこれはユウカ用に買っている部分もあるので、構わないと言えば構わないのだが。

 余ったとしても、最近はアロナにもケーキを差し入れているので無駄になることはない。

 

「……先生、勘違いしないでくださいね。私が先生にこれを指摘しているのは、本当にケーキのためじゃなくて、先生のためなんですから」

 

 もぐもぐとモンブランを食しつつ、ユウカは言う。説得力に欠ける姿ではあるが、彼女の言う『自腹で組織を運用することは俺のためにならない』という言葉はもっともで、その通りだった。

 今まで運用してきた組織が組織なだけに、俺には環境や状況を己一人で何とかしようとする癖がついているのだろう。

 何とか()()()()どうかはさておき。

 

「その気遣いはありがたいが……お前はセミナーの会計だろう。シャーレの財政状況まで把握する余裕があるのか?」

「うーん、大変と言えば大変ですけど。それより、何というか……身銭を切っているのが他人事に思えなくて……」

 

 これは誤魔化しではなく、単純にユウカの負担を配慮しての言葉だったのだが、それに対して聞き捨てならない台詞が返ってきた。

 それではまるで、ユウカもまた身銭を切っているような物言いだが……まさか。

 

「……待て、ユウカ。まさか、お前も──いや、お前がミレニアムの財政を支えているのか?」

「ま、まあ……ミレニアムは研究機関の側面もあるので……出費がかなり多くて……それに足して諸々の修理費とかまで含めるとお手上げで……」

「…………」

 

 聞けば、どうやら彼女には株取引や投資によって得た収入があり、その資産でミレニアムの赤字を補填する時もあるとのこと。

 ……それは最早財政として破綻しているのではないか?

 と、シャーレの財政状況を棚上げしながら思う。

 しかし、ミレニアムの財政が、投資までして増やした個人の資金により支えられている現状を、リオが把握していないとも思えないのだが……あの優秀な少女が──誰よりもミレニアムの安全を考慮した依頼を俺に出した少女が、財政に気を回していないなどあり得るのだろうか?

 リオはこのことを知っているのか、と、ユウカに訊きたいところだったが、今の俺にそれはできない。

 現時点で、あの場にいた人間以外に(厳密に言えば俺たちとアロナ以外に)リオと俺の面識があることを知られてはならないのだ。

 あの会合が秘匿されたものである以上、出会ってさえいないことになっている人間のことを話題に出すのは危険だ。仮に訊くのだとしたらユウカではなくリオ当人にするべきだろう。

 まあ、次連絡を取れるのがいつになるのかは未定なのだが……。

 

「……先生こそ、どこにそんなお金があるんですか? シャーレのお仕事だけでもこんなに忙しいのに……まさか、お金を借りたりしてませんよね!?」

「そこまで無計画なことはしていない。安心しろ、破産する予定はない。俺は俺で、別の投資先があるというだけの話だ」

「……なら、良いんですけど」

 

 淀みなく言葉を返したのが功を奏したのか、あるいはユウカ自身も投資によって収入を得ているからなのか、俺の言い訳にひとまずは納得する様子を見せた。

 論点がいつの間にかズレているような気がしないでもないが、俺にとっては得なので黙っていることにする。

 ちなみに、今の話題とはまるで関係の無い話だが、最近『スネイル』と名乗る人物が裏社会で荒稼ぎしているらしい。

 具体的には、ブラックマーケットの後ろ暗い企業を相手に金を毟り取っているのだとか。

 俺の計画が失敗した原因とも言える怨敵と名前が一致していることや、キヴォトスにおいてスネイルの悪評が蔓延ること、そして奴の活動開始時期と俺の収入が増えた時期が同じであることは全くの偶然だが、いやはや、妙な因果関係もあったものだ。

 

「……む」

 

 と、一息ついたところで俺は気付く。

 シャーレへの要望が綴られた、数多くある手紙の一つに──()()()()()()()()()()が紛れ込んでいることに。

 妙に眩しい配色のカラフルな封筒に、快活さが滲み出ているような文字で『シャーレの先生へ』と書かれている。

 差出人は──ミレニアムサイエンススクール、ゲーム開発部、才羽(さいば)モモイ。

 

「どうしたんですか、先生?」

 

 書類を選別していた俺の手が止まり、一通の手紙に視線が集中していることに気付いたユウカが、疑問に思って近付いてきた。

 俺は封を開けて中から手紙を取り出しつつ、封筒だけをユウカに渡す。

 

「……お前の学校から依頼だ」

「へえ、誰から……って……」

 

 俺の渡した封筒の差出人を見て、ユウカは硬直する。

 差出人に驚いた、と言うよりは呆れて物も言えないという風だったが。

 

「……何送ってるのよあの子たち……」

「知り合いか?」

 

 既に裏でリオとヒマリから依頼を受けている俺の台詞としてはあまりにも白々しいが、形式的に俺は問う。

 するとユウカは苦々しい顔で、

 

「ええと……まあ、はい。悪い子たちでは……ないんですけど……」

 

 と、歯切れ悪く答えた。

 明らかに言葉を選んでいる。

 恐らく、モモイという少女の第一印象を自分の言葉で植え付けてしまうのはよくない、というユウカの優しさなのだろうが、俺は既にゲーム開発部がどんな部活動で、そしてどんな活動実績を持っているのかリオたちから聞いて把握しているので、その配慮は不要だ。

 とも、やはり言えないのだが。

 

「…………しかし、これは」

「えっ、先生、なんて書いてあるんです!? まさかあの子たち、先生に失礼なことを書いてるんじゃ──」

「……いや。俺については問題ないが……」

「? 何ですか?」

「……ユウカ、お前には知る権利があるだろう」

 

 俺はそれ以上特に語らず、入っていた手紙の()()を渡す。

 彼女は首を傾げながらも受け取り、読んで、ゆっくりと溜息を吐いた。

 以下は手紙の内容である。

 

『ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます。生徒会からの廃部命令により破滅が目前に迫っている今、助けを求められる相手はあなただけです。勇者よ、どうか私たちを助けてください!』

 

「随分と切羽詰まった内容だな」

「あの……すみません……本当に……」

「お前が謝ることではない」

「…………先生、受けるんですか? この依頼」

 

 まさか受けるはずありませんよね、という意味のこもった問いだった。

 断ってほしいと切に思っていそうなユウカの期待を裏切るのはなんとも心苦しいが、これが合図である以上、俺はミレニアムに向かわねばならない。

 

「……取り敢えずはな」

「えっ……本気ですか?」

「……いや、受けるかどうかはともかく、ミレニアムには別の用事もある──ユウカ。できれば、エンジニア部に顔を繋いで貰えると助かるが……」

「それなら大丈夫です! 今日帰ったら、エンジニア部に話を通しておきますね!」

 

 暗にゲーム開発部との顔繋ぎは大丈夫ではないと言っている気がするが、彼女からすれば無理もなかろう。

 リオから聞いた限り、ゲーム開発部の悪評はユウカの心労を増やす一因となっているのだろうから。

 俺は手元に視線を落とす。

 ユウカには見せていなかったが、封筒にはもう一枚、『ボツ!!』と書かれた手紙が入っていた。

 以下、その内容。

 

 ──勇者よ、あなたを待っていました。

 私は、女神「モモリア」。

 私たちの世界「ミレニアムランド」は今、過去に類を見ない危機に瀕しています。

 この危機を乗り越え、生徒会の廃部命令からゲーム開発部を──いえ、ミレニアムランドを救えるのは、あなただけです。

 過酷な道のりになるかもしれません。それでも、どうかお願いいたします。

 これから始まる、あなたの冒険のその先に……どんな試練や逆境が待ち受けているのか、今はまだ分かりません。

 ですが……どうか最後まで、勇気だけは失わないでください。

 勇者様のそばには、旅路を共にする少女たちもいるはずですから。

 新しい世界で、あなたはその少女たちから「勇者」ではなく……もっと特別な、ふさわしい名で呼ばれることになるでしょう。

 ──「先生」と。

 

「…………」

 

 ──今までの仕事のやり方から、リオに似た合理的判断をする貴方にそれは通用しないと判断しました。

 

 なるほど、確かに。

 事情を知らなかったら、絶対に受けていない。











 これからウォルター先生のレトロチック・ロマンを読むにあたり、お願いしたいことがあります。

 1.アリス関連の語られていない部分は、私の考察に基づいたものになります。リオとヒマリの共謀は、タイミング的にはもう少し後かもしれないという考えもありますし、あまりに多くの要素が絡まるパヴァーヌ編は、拙作において間違っていることが多くあるかもしれません。
 もちろん著しく破綻した設定や勘違いは指摘していただいて構いません。
 しかし、考察範疇の内容に関しては「ウォルター先生の世界線ではこうなんだな」と受け入れて頂けると助かります。

 2.現在の作品は、24年10月初期に構成を考えたものです。今後デカグラマトン関係が進み、リオたちが万が一実装された際、矛盾か変更が発生する場合があります。ご了承ください。


 勝手なお願いになりますが、何卒よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。