ハンドラー・ウォルター先生概念。 作:ヤマ
この世界における、世界を破綻させる秘密。
その共有。
037
深く。
深く、俺は息を吐く。
自身の肉体がコーラルに侵されている──否、コーラルそのもので構成されているかもしれないという状況は、俺にとっては救いようもないほどに皮肉めいていた。
ここまでの喜劇もあるまい。
かつて根絶しようとした存在に、俺は生かされている。
恥知らずにも、運命的に。
「……罰としては出来過ぎだな」
死人が生き返るという一点だけを見れば、一種の奇跡と言えるかもしれんが……そこまで肯定的な目で見ることはできなかった。
コーラル(かどうかは現時点では分からないが、そう仮定しておく)を使い、俺を生き永らえさせている時点で、安心などできるはずもない。
いくらアーキバスのファクトリーでも、ここまでの
順当に考えるのであれば、俺にこのような処置を施したのは、俺をキヴォトスに招いたとされる連邦生徒会長なのだろう──もっとも、これはアーキバスのような手術ではなく、もっと空想的な、言わばオカルトめいた奇跡によって成り立っているものだと思われる。
曲がりなりにも技術屋の端くれである俺が言う台詞ではないが、そうでなければ──奇跡でも起きなければ、説明がつかないのだ。
コーラルは確かに、管理デバイスを脳深部に埋め込めば、Cパルスにより知覚を増幅し、あらゆる神経伝達を強化できる──言いようによっては、人の体組織を代替できる可能性を秘めていると言えなくもない。
だがそれは、副作用を無視した場合の話だ。
人体へのコーラル過剰投与の結末は、概ね廃人となる。
それは強化手術の失敗でも起こり得る結末であり、成功したとしても残り続けるリスクだ。
コーラルを使用した強化手術、それによる副作用を、俺は嫌と言うほどに熟知している──だからこそ、今の俺の状態は奇跡としか言いようがない。
──『大人のカード』は、人生を、時間を代価として得られる力。
──その根源も限界も、私たちですら把握できない不可解なものです。
黒服でさえ知らない秘術。
キヴォトスの神秘。
死に損ないの俺をこうして生かしているもの。
俺自身が『大人のカード』だと言うのなら──俺という存在が焚べられた時、何が起こるのだろう。
どんな奇跡が──起こるのだろう。
「……ウタハ。このことを、誰かに話したか」
「いいや。先生が一番最初だ」
「……そうか」
取り敢えず訊いておきたかった内容として、俺は秘密の共有範囲についてウタハに質問した。
『俺の身体が人間のそれではない』という情報を第三者に聞かれたとて、その第三者にどうこうできるような話でも無いが、知られないに越したことはない。
俺の状態を看破し、恐らく既に気付いているであろう黒服はともかくとして、ホシノやリオ、ロイたちには絶対に秘密にしなければならない。
ウタハに知られてしまったことは仕方がないと割り切る他ないが、これ以上の漏洩は避けるべきだ。
これは俺がキヴォトスに持ち込んでしまった異物であり、俺が清算するべき遺産なのだから。
この世界の誰にも、後始末を任せるつもりはない。
「……これが何なのか、知っているみたいだね」
「ああ。おおよその見当はついている。だが、詳細を教えるつもりはない」
「…………」
相手に黙秘を強要するつもりでありながら、その内容を伝えないというのは我ながら随分と自分勝手な主張だとは思ったが、秘密を守るには、この方法が一番確実である。
コーラルという名前さえ、出さない方が賢明だろう。
「知らなくて良い──と言うよりも、
「誰にも……」
ウタハは内心穏やかではなさそうな声で、俺の言葉を繰り返す。
「それは、言葉通りの意味で受け取って良いのかな」
「ああ。何も墓場まで持って行けとは言わないが……俺が墓場に入るまでは口外しないでもらえるとありがたい」
「……縁起でもないね」
「俺は老い先短い人間だ。どのみち俺の方が早く死ぬ」
「…………」
寿命で死ぬとすれば、恐らく十年か、二十年か。
実際は──きっと、
とは言え、今すぐに死ねるわけでもない。
今でこそ、何故かコーラル(と思われる物質)は消極的な活動であり、俺の制御下にあると言っても差し支えない状態だが、俺が無策で死んだ場合、俺の死体から世界中に拡散しないという保証は無いのだ。
下手をすれば、俺の死体が再利用される可能性もある。
俺の死後、確実に全てを灼き払えるという確信を得られない限り、そう易々と死ぬことはできない。
だからこそ、これが俺の最後の仕事となるだろう。
最後の仕事であり、最期の使命だ。
そう思うと、むしろ納得できるというものだ──気持ちが楽になった気さえした。
俺がキヴォトスで分不相応な役職に就いているという現状は正しく罪と罰を表しており、同時に清算の機会でもあるという、俺がこの世界で最初に抱いた感想は間違っていなかったのだ。
俺を正しく
そういう──ことだ。
「……何というか、あれだね」
俺の言葉と態度に何を思ったのか、ウタハはやや口篭るように言った。
何やら言葉を選んでいるらしい。
言いたいことがあるのは間違いなさそうだが、何故か困ったような表情を俺に向けている。
「……どうした。言いたいことがあれば遠慮せずに言え。秘密を共有する以上、お前にはその権利がある」
「…………ふむ」
と、俺が促してみても、ウタハはすぐには言わず、迷う様子を見せた。
言わないことで今後の関係性に支障をきたすのは望ましくないが、話すことを強要する形になるのは俺の本意ではない。
彼女の負担にならないよう、俺は『言わない選択を取るのであればそれでも構わない』と付け加えようかと思ったが、その前に、ウタハは決心したかのように俺をじっと見つめて、そこで一瞬躊躇ってから、しかしはっきりと、
「魔性だね、先生は」
と言った。
「……どうした、急に」
突如放たれた脈絡の無いウタハの発言に、俺は素の反応を返してしまう。
言葉の意味を理解しようとしてみたが、しかし、結果的には困惑した。
魔性、と言われたのか?
俺が?
「いや、相当な
「…………」
俺は何を聞かされているのだろう。
今の今まで、俺たちは真面目な話をしていたのではなかったか。
そんな思いが表情に出ていたのか、俺の考えを察したらしいウタハは一つ息を吐いてから、真剣な面持ちで続ける。
「これは真面目な話だよ、先生。好かれるということは、知ろうとする、探られるという意味でもある。先生が秘密にしたいというのなら、下手に依存させるような振る舞いは止めた方が良い、という忠告さ」
「……そんなつもりはなかったが……」
「案外、既に誰かの心を奪っているかもしれないね」
「……俺のような男を好く奴はいないだろう。ましてや老人だ」
「そういうところだよ」
本心からの俺の言葉だったが、しかしウタハは、一切表情を変えることなく、説得するかのような気迫を持って俺に言う。
冗談めいた話だが、彼女は真剣そのものだった。
「いいかい、ウォルター先生。世の中には歳の差をものともしないで恋をする少女もいるし、そういう障害がある方が燃えるタイプもいる。ましてや、『私だけがこの人の良さを知っている』なんて認識をされてしまえば、年齢程度の障害は踏み越えてくるよ」
「…………」
側から見たら驚くほど滑稽な会話をしているかもしれないが、俺たちは至って真剣だった。
少なくとも、ウタハが俺の心身を本気で慮っていることだけは確かだ。
半世紀ほど生きてきた今、まさか己の振る舞いを改めるように言われるとは思いもしなかったが。
「……仮に、そういう奴がいたとしても、俺がはっきり断れば諦めるだろう。そこまで執着されるとも思えん」
「追う方が好きなタイプもいるからね」
「……いずれ死にゆく者だと伝えれば──」
「だから、そういうところだよ」
「…………」
「本当に気を付けてくれ、先生。現時点でそういった生徒がいるかは分からないけれど……歳が離れているからと言って、警戒をしなくても良いことにはならない」
秘密を探られたくないならね。
と、ウタハはやはり真剣な声で言う。
到底そんなことになるとは俺には思えなかったが、これほど真摯に伝えてくるウタハの言葉を否定するのも違うだろう。
色恋沙汰でコーラルの秘密が暴かれるような事態になれば、俺はカーラにどれほど笑われるか分かったものではない。
「……留意しておこう」
「念の為訊いておくけれど……それ、若返り作用なんてあったりしないだろうね?」
「その点については安心しろ。そう便利なものでもない」
嘘を言ったつもりはなかったが、そう答えた瞬間、カーラの容姿が想起されたので、俺は眉間を押さえながらイメージを追い出した。
彼女は外れ値である。
「詳細は省くが……端的に言うと、俺の世界における汚染物質だった。海や空までも赤く染め上げてしまうような」
「……そんなものが体内にあって大丈夫なのか、先生は」
「どうだろうな」
俺のとぼけるような台詞に、ウタハは眉を顰めた。ここまで来て、誤魔化すようなことを言われたのが不満らしい。
しかしこれは、誤魔化しでも何でもなく、俺の率直な感想だった。
俺の体内にあるものが、果たして本当にコーラルなのかどうか。
状況証拠からコーラルであろうと推測しているだけで、現時点では俺の知るコーラルとは性質が違う。
例えば、大気に触れると不活性化するという性質は、コーラルとは真逆の反応と言えるだろう──実際どうなっているのかはともかくとして、コーラルにあのような性質は無い。
群密度が低い真空などの状況下で増大する性質はあれど、大気中で死滅するなど聞いたこともない。
緩やかに、それでも確実に増殖していくのがコーラルのはずだ。
だが、
まるで俺の意志が宿っているかのように、キヴォトスという世界に侵食することを拒んでいる。
侵食し、侵入し、干渉し、作用するはずのコーラルは、俺の中で共存している。
共存。
言ってみてから俺は、この状態は
最後に見えた『声』──621の友人のように、コーラルが何らかの形を持って俺の中に存在するのであれば、あるいは621の行動が参考になったかもしれんが……残念ながら俺の中にそういった兆候は見られない。
俺は俺だけである、ようだ。
ならば共存というよりも──共生か。
俺はコーラルで身体を維持されていなければ死ぬ状態だろうし、反対に、コーラルは俺という器がなければ死滅する。
──コーラルよ、ルビコンと共にあれ!
今の俺にとって、ルビコン解放戦線の警句は風刺的ですらあった。
俺がルビコン
かつてルビコンを犠牲にコーラルを灼き払おうとした俺が、今やコーラルがなければ生きていけない身体となった。
道化のような末路。
自業自得、因果応報、悪因悪果としか言いようがない。
「……何にせよ、今後も俺の身体は調べておく必要がある。どんな状態なのか──そして、何が起きるのかを」
「教えないのに協力させるつもりかい?」
「……無理に手伝えとは言わん。俺もこの物質がどういった状態なのか判断できていない。俺が知る物質のことは教えられないが……お前が協力するのであれば、これから分かったことは共有するつもりだ」
本来であれば疎遠になるべきなのだろうが、『脚』の製作者でもあるウタハとはこれからも付き合いがある以上、その選択肢は現実的では無い。
新たに他の技術者に頼るという選択肢もあるが、それだけ情報が漏洩するリスクを増やしてしまう。
既に多くを知ってしまったのであれば、このままウタハに協力を求める方が比較的安全だろう。
「……このことを、私以外に知っている人は?」
「生徒ではお前だけだ」
「……生徒では、ということは大人にはいるんだね」
「知っている──と言うより、俺の状態を仄めかした奴がいる。だが、それも一人だけだ」
黒服は吹聴するような性格ではないので、奴から情報が漏れることはないだろうが……いずれ奴にも事情を訊く必要はある。
現状、俺の状態、大人のカードについて詳細を知っているのは奴だけだ。
あのような人種に再び会わなければならないと思うと気が滅入るが、手段を選んではいられない。
「……リオ会長も知らないと?」
「ヒマリも知らん。……ロイもな。そもそも、俺が把握したのがたった今の話だ。そして、これから伝えることも無い」
「それは……思ったよりも責任重大だな」
俺の強情とも言える態度を見てだろうか、ウタハはやや困ったように息を吐いた。
それがどんな感情なのかまでは分からなかったが、何かしらの迷いを受け取ることはできたので、俺は再び、引き返す道を提示する。
「……先程も言ったが、無理に協力しろとは言わん。秘密を守るのであれば、それ以上求めることはない」
「……じゃあ、私が秘密を守らなくて、かつそれを利用しようとする悪人だとしたら──どうするつもりかな」
「その時は……」
ウタハの問いに、ここに来て初めて、どうすればキヴォトスの人間は死に至るのだろうと、俺は疑問に思った。
自然災害や飢餓を除いて、人為的に殺すためにはどうすればいいのかを。
ウタハを見て──そのヘイローを見る。
キヴォトスにおける神秘。
銃弾はせいぜい、打たれ弱いとされているロイでさえ、打撲程度にしかならない。ヒナに至っては銃弾を文字通り弾く。
そんな世界で、命を脅すことなど俺の手では難しいだろう。
だが──それでも。
「…………」
と。
そんな風に、子供であろうとも殺すことが平然と選択肢に入ってきたことに、俺は己を心底嫌悪した。
そして嫌悪したことを、少し、意外にも思った。
善良な心が──良心とも言えるものが、まさかこの期に及んで残っているとは思ってもいなかったのだ。
俺はそういう人間だと、既に十分に理解して手を汚してきたはずなのに。
コーラルを灼き払うために、いかなる犠牲も払ってきた罪人であるくせに。
今更、俺は何を──善人ぶっているのだろうか。
コーラルがこの世界に存在していると言うのなら。
俺自身が
悩むことなど、許されていないというのに。
「
「…………」
子供相手には言うべきでは無い、大人げない俺の脅すような言葉に、しかしウタハは怯えることなく、冷静に目を瞑った。
しばし、咀嚼するように沈黙。
そして言う。
「……狙ってやっていないなら、本当に魔性だね、先生は」
「何?」
「心配しなくても、そんな真似はしないさ。脚のことも含めて、貴方の期待に応えるとも」
「…………」
想像していた反応とは真逆の、むしろ奮起したかのような言葉に、今度は俺が戸惑う羽目となった。
自分で言うのも何だが、大の大人に密室で凄まれているという状況は年頃の女子にはそれなりの圧になると思っていたのだが……こうも平然とした態度でいられると、調子が狂う。
殺すことなどできやしない、と俺を侮っているわけでもないだろう。
ならば、ウタハが特別肝が据わっているだけなのか。
俺が黙り込んだのを確認して、これ以上の脅しはないと察したらしいウタハは、机の上に置いた小瓶を再び手に取り、その血を透かすようにしながら俺を見た。
彼女の紫の目が、血越しに俺を覗いている。
「それと……先生、一つ訊きたいことがある」
「何だ」
「例え話だ、まず一隻の船があるとしよう。その船は様々な部品が古くなったり壊れたりするたびに、当然ながら交換を施す。ある日、最初に使われていたパーツは一つも無くなった──全て交換されたんだ。さて、この船は、最初の船と同じものだろうか?」
唐突とも言えるウタハの問い。
恐らくは思考実験の類いだろう──リオにも同じように訊かれたことを思うと、現実を思考実験に当て嵌めて考えるというのは、ある意味、ミレニアムらしい風土と言えるのかもしれなかった。
あちらはレバーを引くか否か、一人か五人か、だったが……この場合、参照するべき現実とはつまり、俺のことである。
アリスよりも先に、世界を破滅へ導く危険因子になったことは皮肉と言う他ないが……とにかく、俺は答えた。
時間にして、五秒と経たず。
「同じだ」
「……断言とはね。理由を聞いてもいいかい?」
「船のパーツが全て替わろうと──俺の血肉が全て成り代わっていても、俺は俺だ。託された使命、受け継いだ意志は一切が不変だ。俺の意志が変わらぬ以上、俺を構成するものがどうなろうと、俺の存在意義は変わらない」
反対に。
もしも俺の意志が、コーラルをこの世から消すことを諦めてしまったら──俺は俺でなくなってしまうだろう。
だからこそ、
621に対峙した時の俺は、きっと俺ではない。
そう思う。
俺が善人であるはずがない。
俺は成長できず、変われない。
一度生まれたものは──そう簡単には死なない。
死ねない。
「……この思考実験を、人に当て嵌めて使うことがあるとは思わなかったけれど……私の意見も、先生と同じかな。そこに乗る船員が同じなら──そこに宿る意志が同じなら。きっと、それは同じものだ」
「…………」
どこか安心したような穏やかな声で、ウタハは言った。
この質問で俺の何を知りたかったのかは分からないが、俺の答えは彼女の期待に添うものだったらしい。
小瓶を再び机に置いて、ウタハは、
「全面的に協力しよう、ウォルター先生」
と、はっきり宣言した。
「……良いのか」
「やっぱり放っておけないからね」
「…………」
「自覚があるのかは分からないけれど、あんな風に『弱み』を上手く見せられたら、協力したくもなる」
素でやっているなら恐ろしいよ、とウタハは付け加えた。
……相変わらず、俺の言動が年頃の少女たちに悪影響があるかのような物言いだ。
反論しようかとも思ったが、ことこの内容については説き伏せられてしまうような気がしたので、それ以上は何も言わなかったが。
「ああ……でも、協力するからと言って、あなたの生き方に賛同したわけではないよ」
「……どういう意味だ」
「先生の
含みを持たせて、ウタハは言う。
まるで俺の最期を予測しているかのように。
「……ならば何故、協力する」
「面白くないからさ」
矛盾した答えだった。
俺の目的を察しているのであれば──それが面白くないと言うのなら、むしろ協力を拒否しそうなものだが。
「あなたの生き方には、ロマンがない」
と、続けて俺の抱いた感想に後押しするようなことを言うウタハ。
ロマン。
直接ではないが、今回の仕事中にも何度か聞いた言葉だ。
「先生の言動の節々には、『これが俺の生きる理由だ』とか、『これこそが俺の生まれてきた意味だ』とか。そういった思想が見えて仕方がない」
「…………」
「もちろん、私は先生の抱えているものを知らないし、私にそんなことを言う資格がないのも分かっている。
今までのやり取りから俺の精神構造を理解したらしいウタハは、淡々と語りながら、机の上に置かれた瓶と、俺を交互に見る。
その目には、何故か憤りのようなものさえ、宿っているように見えた。
「けれど、それでも。失礼を承知で言わせてもらうのなら──」
深く。
深く。
楔を打ち込むように。
俺に言葉を放つ。
「きっと、
──生きてるなら、笑え。
──あんたも、笑えるといいな。
「…………」
「だから私は協力するよ。私みたいな若輩者のロマンが、先生によって積み上げられた人生観を変えることができたのなら──それはとっても、無駄で、非効率で、ロマンだと思わないかい? ウォルター先生」
──その方が、笑えるだろう?
ウタハの挑戦的な笑みと共に放たれた言葉に、俺は何も言えなかった。
ウタハにも、
何も。