あの世界最強、織斑千冬の師匠がIS学園にやってきた!?

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特殊タグとか追加しての再掲の翁。


織斑千冬のお師匠様!?【改】

「短期間で強くするためにはどうすればいい・・・」

 

 IS学園で教鞭をふるっている織斑千冬は頭を悩ませていた。その悩みの種というのがことあるごとに巻き起こるトラブルである。IS学園はその性質上トラブルが多い。しかし今年はそのトラブルがあまりにも多く、そしてその原因もはっきりとしている。・・・彼女の弟だ。

 

 弟の織斑一夏がIS学園に入学し、専用機であるIS『白式』に受け入れられてからというもの、トラブルの頻度と規模が上がった。クラス対抗戦では謎の無人ISに襲撃され、学園祭では亡国機業(ファントムタスク)という国際的なテロ組織に襲撃され、そしてキャノンボールファストでも再び亡国機業に襲撃された。襲撃されっぱなしである。少しは襲撃以外の手を考えろ。何かあるたびに上への報告と言い訳に胃を痛め始末書の書き過ぎで手を痛める方の身にもなれ。

 

 幸いにもどの事件でも犠牲者は出ていない。だが次はどうなるかわからない。次はそのうち無から生えてきたクソデカ衛星砲の破壊ミッションが発生しそうだと千冬の第六感が告げていた。無から生えてきた衛星砲ってなんだよ。とにか、また何かが起こる前に少しでも強くしなければならない。彼らを。一夏と、彼の周りにいる専用機持ちたちを。そのためには少々手荒い真似をすることになるだろう・・・。だが、何かあってからでは遅いのだ。誰かが犠牲になってからではもう手遅れなのだ。

 

「・・・()を呼ぶか。私の知る限り、頼りになるのはあの人しかいない」

 

 千冬は連絡を取るため、受話器に手を伸ばした。

 

 

 

 ■∵■

 

 

 

「ふん・・・退屈な旅だったぜ」

 

 某月某日。一人の漢が日本の地に降り立った。浅黒い肌の巨漢、身長は優に2mを超えているだろうか。軽くウェーブのかかった水色の髪は無造作に伸ばされていて、漢の細かいことに頓着しない性格が表れている。全身これ筋肉と言わんばかりの肉体をダークスーツに包んだ漢は、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。

 

 『IS学園招待状』

 

「あいえすだかあいえつだか知らねぇが……退屈しのぎ程度にはなるんだろうな」

 

 

 

 ■∵■

 

 

 

 その日、第三アリーナには一年生の専用機持ちが勢揃いしていた。彼らを集めたのは千冬である。

 

「さて、貴様らを集めたのはほかでもない。貴様らに会わせたい人がいる」

「会わせたい人?」

「ああ。私の師匠だ」

「教官の師匠!?」

「いったいどんなゴリラなんだ・・・」

「ゴリラは優しい」

「キングコングかもしれないよ」

「IS用の近接ブレード生身で振るえるしな」

「ブロリーかもしれんぞ」

 

 千冬の言葉にざわめきたつ専用機持ちたち。千冬は「そろそろ来るはずだが」と腕時計を確認していた。その時、

 

ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 咆哮と共に何かがアリーナの上空から落ちてきた。遮断シールドこそ展開されていないが、アリーナの外壁は40mを軽く超える。それを飛び越えた何者かがアリーナの中心に着地した。濛々と上がる土煙の向こう側でゆらりと動く影が一つ。

 

「何者だ!」

「待て、ラウラ。どうやら到着したようだ」

 

 いち早く戦闘態勢に入ったラウラを手で制し、千冬は専用機持ちたちに振り返った。

 

「紹介しよう。彼が私の師匠だ」

「え、あの大男がですの?」

「千冬さんの師匠だというからどんな怪人物かと思えば・・・見た感じは普通(?)だな」

「40mの外壁を飛び越えてくる人間が普通だとはとても思えないけどな・・・」

 

 伝説の超戦闘民族や戦闘力53万を想像していた一夏たちは、その漢の見た目の普通(?)さに拍子抜けしたらしい。しかし、ラウラだけは警戒した眼差しで漢を見ていた。軍人として研ぎ澄まされた感が、この漢は危険だと警鐘を鳴らしていた。

 

「あ、あの、あなたが千冬姉の師匠なんですか?」

「いかにも。俺はバルバトス。そこにいる千冬の師匠だ」

「今日はバルバトス師匠と貴様らとで実戦形式の模擬戦を行ってもらう」

『はっ!?』

 

 何言ってんだこの人と専用機持ち全員の視線が千冬に集まる。

 

「師匠をお呼びしたのはそのためだからな。何をしている、さっさと準備をしろ」

「い、いや、戦うったって千冬姉! 相手は男、しかも生身だろ!?」

「そうです! IS同士の戦いならいざ知らず、ISと生身の人間では勝負にもなりませんわ!」

「心配するな。いまの貴様らでは師匠に勝てん」

「勝てると勝てないとか・・・ああ、もう、バルバトス・・・さん! あんたからも言ってくれ!」

「つべこべとうるせぇガキどもだ。そんなちゃちなオモチャ相手にこの俺が負ける? 笑わせるぜ。さあ、こいよ、精々退屈しのぎにはなってもらわねぇとな」

 

 バルバトスは既に臨戦態勢だった。体中から闘気が赤いオーラとなって立ち上っている。それを見て専用機持ちたちは生唾を飲み込んだ。ISを持つ者と持たざる者と言う絶対的な差があるはずなのに、それをものともしない何かがこの漢にはある。直感的にそう感じ取った。

 

「最初に俺と遊びたい奴は誰だぁ? 何なら貴様ら全員でもいいんだぜ」

「くっ・・・なら、俺が行く」

「一夏!?」

「女の子に戦わせて、それを眺めてるってわけにもいかないだろ。心配するな箒。俺と白式を信じろ」

 

 自身の専用機である白式・雪羅を展開した一夏は近接ブレード『雪片弐型』を呼び出してバルバトスの前に出る。

 

「ふん、最初は貴様か。その目、気に入らねぇ奴を思い出すぜ」

「師匠、そいつは私の弟ですので思いっきりやってください」

「ちょっ」

「千冬の弟だと? おもしれぇ、貴様の力ぁ、この俺にみせろぉぉぉぉぉぉぉぉう!!

 

 雄叫びと共に突進するバルバトス。服はダークスーツのままだが、その手にはどこから取り出したのか凶悪な意匠の巨大な斧が握られていた。それを軽々と振り上げ、突撃してくる。一夏はとっさの判断で多機能武装腕「雪羅」でバルバトスの攻撃を防ぐ。直後、左腕にアーマーごと砕けるのではないかと錯覚するほどの衝撃が走った。

 

「ぐ、ぉぉぉぉ!(なんだこれ!? ISのパワーアシスト受けてるのかってくらい重たい!!)」

「ほぉ、初撃は防いだか。だがなぁ、あめぇんだよぉぉぉ!!」

 

 前蹴りを叩き込むバルバトス。絶対防御越しに伝わる衝撃が一夏の体を突き抜け、後ろに吹き飛ばす。

 

「どうしたぁ? お前の力はその程度か?」

「ちっくしょ・・・あんたほんとに人間かよ」

「来いよ坊主。来ないならこちらからいくぞぉ」

 

 一夏は痛む体に鞭打ち、なんとか立ち上がる。全身の骨が砕けるのではないかと一瞬本気で思った。バルバトス、千冬の師匠だという漢、想像以上の規格外っぷりだ。普通の前蹴りでISの絶対防御を発動させるなど前代未聞である。

 

「くっ、やるしかない……雪羅!」

 

 左腕の多機能武装腕「雪羅」に内蔵されている荷電粒子砲を起動。手を抜けば死ぬ。本能がそう叫んでいる。

 

「こいつで、押し通す!」

 

 高密度のエネルギーがバルバトスに向けて発射された。傍から見れば生身の人間にビーム兵器を使う暴挙であり、ほとんどの人間がバルバトスの肉体が蒸発すると確信するだろう。だが、この漢にそんなものは通用しない。

 

「ぬぅん!」

 

 斧を振り下ろす。ただそれだけ。たったそれだけの動作で荷電粒子砲のエネルギー弾がかき消される。斧の表面には焦げ跡一つない。

 

飛び道具なぞ・・・使ってんじゃ、ぬぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!

「速っ・・・!?」

 

 咆哮、突進。一瞬にして一夏の目の前に移動したバルバトスは斧を振り上げた。

 

死ぬか!

 

 いかな能力の発現か、バルバトスの振るう斧が灼熱の炎を纏って一夏の体を切り裂く。

 

消えるか!!

 

 次に斧は暴風を纏い、一夏の体をボロ雑巾のように殴り飛ばす。

 

土下座してでも生き延びるのか!!!!

 

 最後に斧の先端から極太のレーザー光線が発射され、一夏を飲み込み大爆発が起こった。

 

い、一夏ぁぁぁぁぁぁぁ(さぁぁぁぁぁぁん)!?

 

 煙が晴れるとアリーナの地面にはクレーターが出来ており、その中心にはボロボロの一夏がうずくまるような体勢で倒れていた。

 

「ふん、運がよかったな・・・。今日の俺は紳士的だ」

 

 どこがだよ! というツッコミをできるような人間はいなかった。

 

 織斑一夏の戦闘時間……約40秒。

 

「次は誰が逝く?」

「千冬さん! それ字が違います!!」

 

 このあと無茶苦茶ジェノサイドブレイバーされた。


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