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特設旅団『ヴィーキング』総勢三百名は三手に分かれて、巨人駆逐作戦に従事した。
中でも戦果が目覚ましかったのが、我らがコーバ率いる第三師団であった。第三師団には調査兵団から親衛隊第一師団へ移籍した者が多く配置され、また機動猟兵…立体機動装置により空を駆る歩兵部隊…にはリヴァイを始めとした、壁内最高戦力が集中的に投入されていた。
だが、特筆すべき点はリヴァイたち機動猟兵による近接戦闘に頼った戦果以上に、機動猟兵による誘引からのタイタン砲による撃破数が百を超えた点である。
エルヴィン・スミス指揮下の第一師団、ハンジ・ゾエ指揮下の第二師団、そしてコーバ指揮下の第三師団。
これら三師団全てにおいて、同じ現象が起きていた。
古今、死傷者を上回る撃破数を壁外遠征で叩きだしたのは今回が初の偉業であった。
◇
シガンシナ区以北、巨大樹の森近辺。この時既に、遠征開始から半月が経過していた。
同じ釜の飯を食い、同じ硬い寝床で眠ったお陰で、コーバに魅了されていない兵士は、第三師団の中に最早誰一人としていなかった。
皆、コーバの為ならば喜んで心臓を捧げる革命戦士へと生まれ変わっていた。
残り半月、彼らは壁外で巨人を掃討し続けなければいけなかったが、そこに悲壮さは皆無だった。
寧ろ、過去の調査兵団の惨憺たる成果の数々を知る古参兵たちにとって、未だ誰一人として欠けずに、数十体の奇行種を含む百を超える巨人を討伐できている時点で、それは奇跡を越えた奇跡だと言えた。
コーバへの崇拝が極まる中、今日も今日とて彼らは矢弾尽きるまで巨人を狩った。
◇
トロスト区南方十三キロ地点。コーバ率いる第三師団は一か月に及ぶ遠征の帰路についていた。
第一師団と第二師団は先んじてトロスト区より内地へと帰還しており、残すはコーバ達第三師団のみとなっていた。
特設旅団『ヴィーキング』の遠征が大成功に終わったことは最早疑いようのない事実であった。
だが、最後の最後で、これまでになく俊敏な奇行種が、コーバ達第三師団の前に立ち塞がった。
◇
私の名はイルゼ・ラングナー。栄えある特設旅団『ヴィーキング』第三師団付広報員であり、我らが同志コーバファンクラブの番号一番である。
今日も今日とて同志コーバは美しく気高い。
この一か月間本当に奇跡の連続だった。未だに我が師団は一人の犠牲者も出すことなく、一方的に巨人どもを屠ってきた。その数は百を超えている。
騎乗しながら、常に移動しながらの記録なので字の乱れは悪しからず。
っと、またしても黒の発煙が上がった。奇行種が私たちの帰路、最後の獲物となりそうである。
長距離索敵陣形を瞬時に解き、タイタン砲による狙撃陣形へと瞬く間に変形して見せるところに、我々の練度の高さがうかがえるだろう。誇らしいことだ。
発煙から数分。誘引班を率いる同志リヴァイが親衛隊の仲間たちと共に、機動的に帰還してくるのが見えた。つまり、巨人が現れるのも間もなくだ。
そして奴は現れた!四つん這いでこれまでになく俊敏だ!距離およそ五百を切っている!少なくとも二射は必要だ。急がなければ!
◇
俺は横で黙々と今の状況を手帳に書き込んでいるイルゼの胆力に感心しつつ、今日までともに戦ってきた戦友一同に向けて声を張り上げた。
「敵接近!砲撃戦用意!!」
「コーバ!三時の方向に奇行種発見の黒の発煙を確認!」
傍で俺の護衛を務める機動猟兵のナナバ…この一か月で特に親しくなった…が言った。
「リヴァイ班が誘引してくれる!各員タイタン砲用意!」
俺が叫ぶや、数人が四頭立ての牽引馬車の上に上がり込んで、砲を操作し出した。
「シリンダー開栓!ガス圧縮開始!」
「コーバ!!距離五百を切った!!」
砲手に俺が命じると、ナナバの同僚であるゲルガーが叫んだ。
「第一射用意急げ!」
「砲弾よーいよし!」
砲弾がガコンと重たい音と共に装填された瞬間だった。目を凝らした先の小規模な巨大樹の群生地から、一際大きな、恐らく20m級を優に超す大型の奇行種が、四つん這いの獣のような有様で突撃してきた。
俺の両脇を固めるナナバとゲルガーが、反射的にブレードを引き抜き、馬の鞍から腰を浮かせて機動態勢をとった。
だが、まだだ。まだ距離はある。砲撃で仕留めてやる!!
「奇行種を目視確認!リヴァイ班は離脱を完了した模様!我が方に四つん這いで向かってきます!!」
イルゼが叫んだ。だが、まだだ!まだ引きつけるぞ!
「馬車を止めるな!低伸弾道にマイナス5度修整!!」
俺が叫ぶと、砲手を買って出たトーマが照準器に目を当てた。
「修整完了!目下距離300!!」
まだだ!!
「コーバ!!早く撃ちやがれ!!コーバ!コーバぁッ!!」
リヴァイの叫びが聞こえた。
だが、まだだ!
「距離200!!もうすぐそこです!!」
土埃が霧のように異様に立ち込める。地面を擦りながら四つん這いでやってくる巨人によるものだ。旋回した砲塔の目と鼻の先に、不気味な奇行種の顔面が迫っていた。
夕日が差す中、赤茶けた粉塵に巻かれて視界がふさがっていく。
馬の嘶きが木霊し、ギョロリとした巨人と目が合った。
「距離100!!100を切りました!!」
砂塵は密度を上げ、紅い霧が俺たちを包んでいく。こちらへ騎馬で向かってくるリヴァイの青ざめた顔が印象的だった。
だが、まだだ。確実に当てるためには五十を切らなければ!!
「うわああああああ!!」
大口を開けて奴は目の前で速度をさらに早め、カエルの様に跳躍姿勢をとった。
そして裸の手足で地面を削り、跳びあがった。もう俺たちを食うことしか頭にないんだろう。イルゼの叫びがこだまし、ナナバとゲルガーのアンカーが奇行種の肩に埋め込まれる寸前だった。
目の前に降ってくる二十メートル級の巨人の顔面。巨人が浮かべた不気味な笑みは、己の勝利を確信してのものか?
いずれにせよ、今や我死線にあり!
さぁ!真正面に捉えたぞ!!
今だ!!!!!!
「ってーーーーーーー!!」
バキン!!という音と共に、トーマが引き金を引いたことで、亜音速で射出された砲弾が低伸弾道で、奇行種の歯を砕き、口中で炸裂、軟鉄で覆われた先端部は組織を破壊しながら、マッシュルームの様に暈を広げ、周囲の肉をごっそりと削りながら、うなじにめり込んだ。
ばちゅん!!
次に聞こえたのはそんな音だった。
巨人の首を綺麗に刎ね飛ばし、肉を引き裂き、ねじ切った音だった。
次の瞬間、生臭い血の雨が俺たちに降りかかった。蒸発する血液の匂いに顔を歪めずにはいられない。
不快な血の雨だった。だが、勝利だ!!
◇
トロスト区へ入り、次いでウォールシーナ内地へと凱旋した俺たちは爆発的な歓声に出迎えられた。
壁内人類始まって以来の快挙をダース単位で成し遂げたのだから。
奇跡的に死者はゼロ名だった。腕や足を欠損した負傷者こそ数名出てしまったが、彼らも命には別条なかった。
だが、俺にとっての本番はこれからだった。
「コーバ!!二度とあんな真似はするな!お前は、お前は、いいか?お前は特別なんだ!」
ミットラス共産党本部に帰還するなり、ぞろぞろと湧き出してきた親衛隊の面々。俺は自身の親衛隊に囲まれて、そのまま彼らに地下壕まで連行されてしまった。
そこでのリヴァイの第一声が、あれだ。
「確かに、俺は書記長だし、人民会議の議長と、国家安全保障委員会の委員長も兼任している。そういう意味では特別だろう」
「だが、リヴァイ、お前なら理解できるだろう?俺たちは同じ人間なんだ。俺だけが死から遠ざかることを、俺の愛する人は望まないし、俺自身も望まない」
俺の言葉に、親衛隊の連中は絶句していたようだ。何かまずいこと言ったかな?
「愛…か、ふん、アンタらしい。俺たちにとって、アンタは父親であり、兄であり、そしてそのすべて以上の何かなんだ」
「俺の言うことを聞かなくとも好い。俺も勝手にアンタを守る。他の連中もそうだろう?アンタの愛に答えるには…陳腐な話だが、これくらいしか俺たちには出来ないからな」
「地下街で育った連中も、調査兵団から入った連中も、根っこの部分は同じだ。アンタのことが大好きなんだよ」
「だから、頼むから危険なことは、今回だけにしてくれ…まぁ、約束はしないがな…いざという時の、アンタの選択に救われてきた俺たちに、アンタを止める権利はないんだからな」
リヴァイがそう熱く語ると、リヴァイ以外も皆が異口同音に俺に声をかけて言った。
「君を絶対に守ると誓うよ…でも願わくば君自身に、自分をもっと大事にして欲しい」とはナナバから頂戴した言葉だ。
「酒の席ならいざ知らず、アンタは無茶しすぎなんだよ。俺ぁナナバの恋路を応援したいんでね…頼むからアンタは自分を大切にするこった、でなきゃ悲しむやつがここにはいっぱいいる」
これはゲルガーからの言葉だ、
「スンスン……死臭はしない。好いことだ。だが、無理は止めてくれよ?医務室の匂いは好きじゃない。アンタの匂いは唯一無二なんだからな」
こっちはミケからの言葉だ。
紹介はここまでにして、とにかく、至近距離での砲撃は以後厳禁になった。
俺からすれば弾丸の無駄を省く最高の手段だと思ったのだが…まぁ、いい。
あのあと、イザベルとファーランからもこっぴどく叱られた。
「コーバのバカ!!コーバは兄貴の気持ちも少しは考えた方が好いと思う!」
「珍しく意見が一致したな、イザベルの言うとおりだと思うよ。コーバは少しで好いからリヴァイの心配を思い遣って欲しいね」
ハンジとミカサには泣きつかれた。
「同志コーバ、絶対に、次からは絶対に私の傍で無茶をして。もしも貴方がまだ無茶したりないというなら、その時は…」
「ミカサの言う通り!って訳じゃないけど…私だって限度くらい弁えてるんだよ?できれば君にも、その限度ってやつ、守って欲しいなぁ~…じゃないと、君が腕の一本でも失くした日には、流石の私もおかしくなっちゃうと思うからさ、ね、お願いだよ?」
ハンジもミカサも、俺の行動には限度が足りないといっていた。
もっと自重しろってことらしい。
「貴方がいなくなった時、誰が跡を継げるというんですか!考えたことはありますか?」
最後に、エルヴィンからは一時間の長い説教を受けた。
「貴方はご自身の身分を鑑みておられない!!もしも、もしも貴方に何かがあれば、そんな日にはそれこそ内戦が起きます」
「ですから、くれぐれもお体を大事になさってください。好いですね?同志書記長閣下!」
なぁ、ユミル。俺はそんなに無茶したのかな?
◇
特設旅団『ヴィーキング』の壁外遠征が大成功に終わった。
駆逐した巨人の総数は撃ち損じを除けば約三百五十体に上り、対して死者はゼロ名。負傷者が数名と、損害の少なさの面でも過去最高の記録を打ち出した。
同志コーバは今回の遠征に参加したすべての将兵に、ミットラス共産党政府から発行されるミットラス人民英雄勲章を授与した。
受勲者は戦時下での優先的な食糧配給に加えて、年金として毎年平均的な人民の年収の三分の一に相当する額が受給されることに決まった。
特設旅団『ヴィーキング』は一時的に解体されたが、『ヴィーキング』の名前は以後、親衛隊第一師団の師団名として定着していくことになった。
また、遠征成功後ミットラス中央ソヴィエト国家安全保障委員会より、親衛隊第一師団『ヴィーキング』に続く形で、同じく立体機動装置による機動戦闘を主眼に置いた機動猟兵科の部隊として、ミカサ・アッカーマンを師団長とする親衛隊第二師団『
親衛隊第二師団『
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