進撃の赤い巨人   作:ヤン・デ・レェ

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ミットラス共産党

エルヴィン・スミスや中央第一憲兵に所属するシンパたちのお陰で、俺が日光を浴びるための計画というと少し仰々しいが…ともかく計画は順調に進んでいた。

 

人員も揃い、地下街の支持者もいつでも動ける状態になったことを鑑みて、俺たちは遂に政党を建てることにした。

 

その名も『ミットラス共産党』である。

 

完全民主制で選挙をとったところ、初代書記長が俺…コーバことヨシフ・ヴェトーになり、次席書記官がエルヴィン・スミスになった。

 

俺としてはケニーでもよかったんだが、本人が固辞したらしい。無理強いは出来ないので、そのまま自由に働いてもらうことになった。

 

ついでと言っては何だが、俺の親衛隊が正式に組織化されたらしい。らしい、というのは親衛隊長になったリヴァイの口から初めて聞かされたからである。

 

…なんだか、俺の知らない場所でどんどん話が進んで言っている気がするのだが…。

 

一握の不安を抱えつつ、俺は今日も地下街で息をしている。

 

 

 

 

 

 

ミットラス共産党結成!

 

その報は地下街のみならず、地上の耳聡い者たちにも届けられた。

 

突如として地下街に現れ、そのカリスマで破落戸集団を秩序ある武装組織へと変貌させた張本人、ヨシフ・ヴェトー。彼の存在はこれまでにも幾度となく危険視され、その行動は一挙手一投足に至るまで注視されてきた。

 

現在の王政を支持する者たちにとって、堂々と革命を叫ぶ共産党の存在は脅威どころの話ではなかった。

 

だが、表立ってヨシフを殺すことが難しくなるほどに、民衆人気は地下街のみと言わず高かった。

 

民衆の英雄である彼を狙う暗殺者が幾度となく放たれてきたが、その都度、中央第一憲兵による妨害工作を受け、悉くが頓挫していた。

 

現政権内部にもシンパが存在する…その事実により、皮肉にも見せかけの王家が泰然としている中、真の王家であるレイス家は疑心暗鬼に襲われていた。

 

疑心暗鬼の結果、遂に真の王家であるレイスの名のもとに、中央第一憲兵によるヨシフ・ヴェトー暗殺計画が実行に移された。

 

 

 

 

 

「いいか、お前ら!これは未来の為に必要な措置なんだ!この世界の秩序ってやつを守るためにな!」

 

作戦は深夜。実行部隊を率いるケニー・アッカーマンの点呼から始まった。

 

「暗殺目標の居場所は頭に叩き込んだな?痕跡を残すな、あくまでも、ヨシフ・ヴェトーは「事故死」するんだからな」

 

「承知しました!隊長!」

 

ケニーはこの日の為にと、王への忠誠厚き中央第一憲兵の、その中でも特に忠誠心に厚いエリートだけを抽出し、自らの手元に置いて育ててきた。

 

「では、行動開始!!」

 

ケニーの喝と共に、数十人が夜の地下街の、各自の所定位置へ向かって飛び立った。

 

全員が居なくなった頃合いを狙い、ケニーはヨシフへの連絡員に作戦が開始されたことを告げ、自らも…結果が分かり切っている暗殺計画遂行の為にアンカーを射ち、飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

中央第一憲兵が各地を飛翔し、目的地へと向かってから数十分後、静かだった地下街は真昼のように明るかった。松明を掲げた民衆の行進が、地下街の出口に向かって一直線に進んでいた。

 

民衆は口々に叫んだ。

 

「コーバを守れ!!」

 

「王政を倒せ!!」

 

「革命だ!革命だ!」

 

地下街はいつの間にか巨大なデモ行進の会場へと様変わりしていた。整然と熱狂の渦に吐き気を催した一人の憲兵が銃を構えようとしたその時だった。

 

「こ、これは一体…ぐぉぉッ!?け、アッカーマン隊長!?なぜ!?」

 

つい先ほど自分に訓示を与えた憲兵隊の実働部隊を率いるトップが、自身の首元にナイフを押し付けていた。

 

「何故?そいつぁ変な話だ。俺ぁ最初からコーバ一筋なんでね」

 

「なッ!?騙したな貴様ッ…ぐはぁ!」

 

喉笛を掻き斬るとケニーは「お前で最後だったよ」と言い、ナイフから血を拭った。

 

一晩にして中央第一憲兵の乗っ取りに成功したケニーと彼のシンパは、民衆のデモ行進をより過激に、より強力にするためにと、殺傷能力のない空砲を太陽の見えない空へ向かって乱射した。

 

民衆の中に紛れ込ませたサクラがこれを合図に叫びだした。

 

「銃だ!ついに俺たちを撃ちやがった!コーバも危ない!俺たちが自由になるのを邪魔する気なんだ!」

 

「戦え!民衆よ立ち上がれ!今こそ革命の時だ!ミットラス共産党万歳!」

 

「コーバを守れ!コーバに続け!コーバと共に戦え!!」

 

正に熱狂の爆発だった。

 

目を凝らせば、先頭で親衛隊に囲まれて、民衆に押される形でコーバが歩いていた。

 

エルヴィンが計画を立案し、ケニーが御膳立てし、そしてコーバと彼の親衛隊が革命を実行したのだ。

 

民衆を抑えきれなくなった憲兵は遂に民衆の波に飲み込まれ、地下街の住人は、この時初めて誰に後ろ指を指されることもなく、月を仰いだ。

 

「革命万歳!コーバ万歳!」

 

興奮冷めやらぬ人々は口々にそう叫び、朝日が昇る頃、ようやく沈静された。

 

 

 

 

 

 

中央第一憲兵の失陥により、最早、王家を守る盾は無くなった。

 

大デモ行進の翌日、政権交代の為の調印式が王城で執り行われた。王家に危害を加えないことを条件に、王城は国会議事堂兼ミットラス共産党本部として無血開城が成された。

 

こうしてミットラス共産党は正式に壁内人類の指導組織としての地位を手に入れたのだ。

 

再度の投票の結果、初代ミットラス共産党書記長にコーバこと、ヨシフ・ヴェトーが就任した。

 

駐屯兵団、憲兵団、調査兵団に代表された王政時代の軍事組織は軒並み解体され、コーバが握る軍警察権の下で統合されることとなった。

 

また、対巨人の為の研究機関が正式に発足されるとともに、科学技術アカデミーが設立された。

 

この二大学のそれぞれの初代学長に、それぞれハンジ・ゾエとエルヴィン・スミスが就任し、これまで未開拓だったテクノロジーや学術分野への広い貢献が期待された。

 

コーバが書記長に就任すると同時に、書記長個人を警護するための組織として、親衛隊もまた正式に公的機関として発足した。

 

親衛隊は発足当初から二陣営に分かれおり、片や旧中央第一憲兵所属のケニー派閥、片や地下街出身者で固められたリヴァイ派閥である。

 

これら派閥が、今後致命的な機能不全を組織に齎さないように綱紀粛正を行う責任が、ケニーとリヴァイには与えられた。

 

またこれは余談であるが、ミカサ・アッカーマンは年齢が若いという点も加味され、親衛隊幼年部という組織の統括責任者としてのポストを与えられた。

 

ミカサにより運営されていく親衛隊幼年部が、今後大きな意味を持つようになることは語るに及ばないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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