その鴉は賽を砕く   作:HI-32: BU-TT/A

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要救出系ヒロイン、ついに登場。

評価、感想などありがとうございます。こういった公の場で作品を出すのは初めてですが、お楽しみ頂けていれば幸いです。
正直初めての体験なので筆者はどきどきしてますが励みになっております。


多重ダム襲撃 ALT MISSION

 

「ミシガン、621を預ける件についてだが。」

 

 企業への顔売り、慣らし、名声の下積み。ウォルターはこれからの展望のために、地味な営業努力に奔走していた。

 今回、古い友人の一人に持ちかけた交渉もその一環であり、ある種予定調和とも言える参画だった。

 

「全く、貴様の猟犬にクソほど煮え湯を飲まされたのにも関わらずよくもまあ連絡をして来れたものだな。何だ?訓練生を生かして帰したのだからと恩着せがましくも要件を押し通すつもりか?」

 

 あちらは企業の子飼い戦力で、こちらは独自の目的を持つ独立戦力。過去、幾度か衝突を繰り返した事もあった。

 不幸な衝突もあったし、協働する事もあった。だからこそ、こうして忌々しげに罵られつつも交流は絶えていない。

 621が意図したように、前回受けた仕事の内容は彼の率いる部隊「レッドガン」に本来届けられる予定のACだったのだが、そのパイロットのみを生かして帰した。

 本来ならば、ACとその運命を共にして爆散……が彼の運命だったろう。そこを覆してお情けとも取れる形で見逃したのだ。

 実際、訓練生には才能があった。今は萌芽に過ぎないとしてもいつか芽吹くと期待されたからこそ、輸送にアサインされていたのだから。

 その期待は裏切られる事となったものの、今後より一層激しくなる事が想定される、コーラルを巡る闘争に戦力として換算できる数は、一つでも多い方が良いのは違いないのだ。

 ましてや、MTで遊ばせるよりACに乗る適正のあるような者であれば尚更だ。

 

「……そう受け取って貰っても構わない。第四世代だが、621は感情の波に異常が見られる。腕前はともかく、あいつには少し外からの刺激が必要だ。」

 

 ウォルターは悩んだ。つい先日、621が見せたあの強烈な拒否反応と不安定な激情に、罪悪感を覚えずにはいられなかったのだ。だが、それでも621を出撃させる判断に踏み切ったのは、彼女が大丈夫と言ってくれた事と、背負った十字架を引きずってでも進まねばならないからだ。

 しかし、AC相手との戦いに慣らすには、自分では出来ない。手持ちの戦力は621単独なのだから、模擬戦闘もへったくれも無いのだ。ではどうするか?

 そうして白羽の矢が立ったのが、今交渉している相手であり、ひいてはその彼が総長の精鋭部隊「レッドガン」との協働だ。

 直接対決するよりは、こうして横に並んで戦う事でゆっくりと慣らした方が621の為になるだろう、と判断した。荒々しい対応になるのは間違いないだろうが、ミシガンはこれでも繊細な男。決して部下を見捨てず、一々隊員の特徴や名前まで丸暗記しているマメな奴だ。口で言うより、悪いようにはされないだろう。そういう相手だと信用していた。

 

「媚を売られてもうちの役立たず共と同じ扱いしかくれてやらんぞ、うちからはヴォルタ(G4)イグアス(G5)を出させて貰う。貴様の新しい猟犬、レッドガンの流儀で迎えるとしよう。」

 

 暗に"それでいい"と肯定を返す沈黙が、二人の間に流れた。悪くない相手だ、とも判断していた。

 副長や末席のように過度でもなければ、過小でもない。聞き及ぶ所では、特にG5は同世代の強化人間だった筈だ、これが互いに良い経験となればいいのだが。

 

「言い忘れた事があった、ハンドラー・ウォルター。解放戦線の動きに変化が見られる。独立傭兵に粉をかけて回っているらしい。」

 

「621の仕事が増えるなら歓迎だ。それに、あれはAC戦に慣れる必要がある。」

 

 ……もしそうなれば、レッドガン二名との衝突となる。621の他の追随を許さないような卓越した腕前を見せられている以上、ミシガンには悪いが負けるとは思っていない。

 しかしながら、その選択は……621がどうするか、幾らか思う所はあった。あのような錯乱を見せた後ではあるし、それを踏まえても"大丈夫"と言い切った。その言葉が偽りか否かを判断する好機にも成り得る……だろうか。

 

「……弱者には弱者の戦略がある、レッドガンとしては叩き潰すのみだがな。」

 

 牽制されはするものの、この点について彼は621を信用していた。

 所属不明の機体を看破し、圧倒する嗅覚。訓練生と言えどACを前に手も足も出させずに、しかもその上で生かして帰すために相当手を抜き、それを可能とする技量。どちらも申し分ないのだから。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「621、仕事だ。ベイラム本社の作戦に参加する、ブリーフィングを確認しろ。」

 

 来た。これから先の"みんなに生きていてほしい"という願いを叶える為の、とても大切な分岐点(ターニングポイント)……への布石となるミッションだ。

 今までの戦いは、正直に言えばこれから戦う事となる彼らの口にする"慣らし"と大差がない。助けたいと思う相手もいない汎用兵器とMTしか相手にせず、唯一のAC戦も真正面から不意を打って速攻出来る訓練生のみ。まともな戦いなどしていない。

 無論こちらを殺傷し得るような相手も居らず、ほぼ無傷で完勝するだけだった戦いも、いよいよこれで終わりだ。……つまり今後の戦いは、如何に過去の私(今まで)が熟練していて、それが引き継がれていたとしても、殺傷に至り得る。

 気を抜く事はない。だが、それでも死ぬ時は死ぬ……とても嫌だ。昨日ウォルターのお陰で記憶の奥底に苦痛を追いやったが、あんな思いはしたくない。それに、今までがそうだったからと言って、また死んでも繰り返す……そんな保証はない。

 これで終わりだと思え。次など二度とないと思え。だから気を抜くな、全ての戦いで最高の結果(Sランク)を出せるような気概で行け。……いや、少なくとも今の私(こんかい)にもう一度なんてものは、いつだって無いのだが。

 そしてこの戦いは、前の仕事で訓練生にしたような難易度の高い方法で助ける必要のない、貴重な機会……つまり武装を気にせずに押し付けられる、数少ない戦い。ヴォルタもイグアスも、ちゃんと脱出してくれる。ある意味気が楽だ。

 ()()()()()()()()()()()があるからこそ、万が一の無理すらもしない。しないけど、口を滑らせてしまうからイグアスが同行出来ず……。

 故に、この後考える"生かすための戦い"の為にもここは立場を……少なくとも最低限、後にヴォルタには言う事を聞いて貰える程度には、きっちりと上下関係を叩き込まないといけない。故に今回必要な戦略(アセン)は、一つ。

 

 重四重ショ重ショハクスリーハクスリー三台バーゼル

 

 ケー

 

 

 

 ……いつぞやの私が、仕事だの何だのも死ぬとかも全部嫌だ、と何もかも放り出して、死ぬ恐れのないNESTと呼ばれる場所で鬱憤晴らしを込めて戦いに没頭していた時に辿り着いた答え(for Answer)だ。何やら、使うにはこの呪文のような言葉を宣言しないといけないらしい。

 駄犬の私曰く、数ある誉は浜で死にました(ぶっ壊れアセン)の一つだとか、どうとか。正直SG-027 ZIMMERMAN(ブッ飛んだ性能のアレ)両手に握ってる時点で強いのは察せるが、ともあれこれがあれば、最悪二人同時に相手取る事になっても真正面から圧殺出来る。

 何度か繰り返して、この内容でほぼ全ての相手に問題なく圧勝している。順当にやればいい、順当に叩き潰すまで。向こうがレッドガンの流儀で迎えてくれるのだ、その流儀を以て返礼するとしよう。

 要するに―――泣きを入れるまでもう一発(とにかく真っ向からぶっ倒す)だ。

 

「ウォルターから話は聞いているな!?では作戦内容を説明する、一字一句聞き漏らすな!」

 

 重々しく威厳に満ちて、それでいて何処か優しさもある声が聞こえる。ミシガン(G1)総長だ。いつかの私はベイラムに身を寄せた事もあって、その時に彼の苛烈さに隠され……あんま隠されてないかも……の優しさを知っている。

 彼は助けたい人の一人であり、間違いなく多くの人の運命を握る(レッドガンの生き死にに関わる)立場の人だ。彼の生存なくして望むようなハッピーエンド(馬鹿騒ぎ)なぞありっこない。

 声一つで、身が引き締まる。ラッキーナンバー(G13)が正規所属として呼ばれるようになった、いつかの私が嬉しそうにしているみたいだ。無論、それだけが理由ではないが。

 

「今回ベイラムは解放戦線の治水拠点、ガリア多重ダムを叩き潰すことを決定した!ライフラインの破壊により、連中が泣いて詫びる損害を与えるのが目的だ!」

 

 出た、これはレッドガンの流儀、"泣きを入れたらもう一発"だ。この頃から徹底しているんだなぁ。

 でも、そうなっては困る。ここで解放戦線に弱られてしまうと、結局アーキバス優勢の一助になってしまいかねない。それでは結局、運命が変わらない。そんな結末、私はもう選ばない。

 色々思う所はあるが、ここはいつかの私にミシガンへ心の中で懲戒処分して貰う事にしよう。なむー。

 ……恐らく私が晒してしまったAC戦後での無様な醜態を受け、ウォルターが"慣らし"として用意してくれた一面もあるのだろう。そう考えると今から四名の顔に泥を塗りたくる羽目になるので結構しのびない。が、割り切る。しのびないと言っても六文銭は出てくるとかそういう話でもない。にんにん。

 

「我がレッドガン部隊からはG4(ガンズ・フォー) ヴォルタとG5(ガンズ・ファイブ) イグアス、二名の役立たずが出撃する。貴様はその横、うちの役立たずに付けられた格安値引きのセット品だ!」

 

 ……あ、あれ。安いおまけじゃない?なんで?

 

「セットである貴様には、そんな貴様のお陰で一昨日空きが出たラッキーナンバー、コールサインG13(ガンズ・サーティーン)を貸与する!G13、復唱!」

 

 えっ。あ、そういう。やっぱりこの番号、元々は訓練生にあげるつもりだったんだ。優しいなあ……。じゃなくって、媚売りが功を奏しているのか、その時やった内容を知っているのか、腕前を考慮されたのだろうか。安いおまけからセット品に昇格?値上がり?していた。

 なんだかよくわからない。多分嬉しいことなんだけどよくわからない。

 

「復唱したか!では準備を始めろ!愉快な遠足の始まりだ!」

 

 ごめんなさい、これから愉快な遠足ぶっ潰します。ほんとごめんなさい。

 

 

 

「G13か……名前が増えたな、621。あまり気負わずに行け、レッドガンの流儀を堪能してこい。」

 

「うぃ。がんばる、ね。……やる、よ。R.I.P./R。」

 

 作戦開始だ(わからせよう)

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

【メインシステム 戦闘モード起動】

 

「これよりベイラムグループ専属AC部隊、レッドガンによる作戦行動を開始する。突入しろ!役立たずども!」

 

 一喝と共に、勢いよくブースターを吹かす。アサルトブースト(AB)性能とEN容量に優れたこの機体は先陣を切って真っ先に変電施設へと突貫。

 

「独立傭兵かよ。野良犬の世話をしろってのか……レッドガンも舐められたもんだ。」

 

「関係ねえ、俺たちで終わらせればいい。」

 

 よく聞いた二人のやり取りを尻目に、手早く変電施設に強烈な散弾を見舞い、粉砕。毎度思うが、MTやこういった物体(オブジェクト)を大体綺麗に一発で落とせるこの銃、ぶっ飛んでいる。ベイラムなんだからレッドガンの両手に標準装備するべき。

 

「目標、1基破壊だ。」

 

 ここのMTは二人が片付けてくれると踏まえて、淀みなく次の施設へ。道中は両肩のBO-044 HUXLEY(実弾オービット)を起動しながら蹴りを交え、適度に弾薬を節約しつつも舐めるようにして敵機殲滅。

 

「よう、野良犬。お前のような木っ端は知らんだろうがな、俺たちレッドガンは「壁越え」にアサインされている。この仕事は慣らしだ、終わったら土着どもの要塞を落としにかかるのよ。」

 

 うん、知ってる。そしてそんな軽率な発言が……こ、こんぷら?てんぷら?違反だとかでどやされる羽目になるっていうのも。

 

「前線のMTは片付いたか。」

 

 後ろではきっちり殲滅してくれたのだろう、これでMTは片付いた。たまに取りこぼしがあると引き返す羽目になるので面倒だ。

 

「G5!セットとの交流に余念がないようだな。ついでに仲良く刺繍でもして、そのよく回る舌を縫い付けておけ!ついでに舌を動かす位ならば貴様は手を動かせ!G13は1基目で貴様が亀のように悠長にしている間で敵を殲滅している!」

 

 あーあ、やっぱりどやされた。なむ。

 

「やるじゃねぇか、ズブの素人って訳でもねえな。」

 

 とか言っている間に施設に二回ほど蹴りを叩き込み粉砕。この後に備え、武装の状況を確認する。

 

「前線の施設も片付いたようだな。」

 

「G4!一体いつ貴様が素人でなくなった?批評家はレッドガンには要らん、改めろ!さもなくば荷物を纏めろ!準備運動でちんたらしている内に、貴様らの仕事はG13が掻っ攫っていったぞ!」

 

 手早くやりすぎてヴォルタまでどやされた。ちょっと悪いことしたかも……いや、この後ものすごく悪いことするからノーカウント(パッチ,ザ・グッドラック)にしてほしい。

 

「けっ……野良犬が。」

 

 あ、普段より悪態つかれた。でも、イグアスは向上意欲があるし、勿論あなたが挫折する要因の一つをちゃんと取り除いてみせるから、めげずに頑張ってほしい。……これからめげるぐらいボコボコにしないといけないけど。

 

「準備運動は終わりだ、続けるぞ!役立たず共!」

 

 叱咤を受けて急ぎ足で前線から奥地に向かう二人をよそに、"例のもの"を待つ。

 

 

 

「……待て、621。暗号通信が入った。」

 

 ……来た。

 

「独立傭兵レイヴン、我々はルビコン解放戦線だ。単刀直入に言おう、こちらに付き、レッドガン2名を排除してもらいたい。報酬はベイラム提示の2倍、色好い返事を期待している。」

 

 これがなければ、態々味方の二人(レッドガン)を叩く理由なんてものはない。理由なく噛み付く狂犬なんて評判ガタ落ちだ、そんな事したら今後の名声にすら関わる。

 だから、この取引が来なければ全て御破算になってしまう所だった。壁越えで(これから)あなた達に弓引く事になるというのだけれど、今は感謝。

 

「……なるほど。621、無理をしなくて構わないが……出来ると言うならば、ここはお前が決めろ。」

 

 少しこちらを気にかける素振りがあるのは、やはりあんな無様を晒したせいだろう。見ていてウォルター、その評価をここで覆すから。

 私が選んだ選択は、勿論―――

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

 最初から、気に食わない話だった。俺達二人(G4とG5)で十分カタのつく仕事だっていうのに、何故野良犬(独立傭兵)なんぞが一枚噛みやがるんだ。

 俺達が働いたおこぼれに預かろうだなんて、冗談抜かすんじゃねえ。こんなおまけのせいで、どう転んでもケチの付く仕事になってムカつくぜ。奴が働けば評価が上がり俺達がダシになる、俺達が働いてもおまけとして企業に目を付けられる。気に食わねえったらありゃしねえ。

 そのくせ、聞く所によると俺と同じ旧世代型(第四世代)らしい。それでいて、無名の癖に矢鱈とキレのある動きを見せてんのもイラつく。何だよあの四脚は、ミシガンの野郎に憧れてますってか?くどい、ミシガンの追っかけ(G6 レッド)は一人で十分だっつうのが。

 苛立ち混じりに二手に分かれ、雑兵共を殲滅していく。あの奥にある変電施設、野良犬なんぞに手柄をやってたまるか。俺が先に―――

 

 ガツン、と。不意に強烈な衝撃が俺のAC(ヘッドブリンガー)を打ち据え、不快な異音(ACS負荷限界)をけたたましく響かせる。

 

「!?てンめェ……何しやが……ぐっ!」

 急速に反応が接近した(ABを吹かして突っ込んだ)かと思えば、両手に握った散弾銃(ZIMMERMAN)がその推力を乗せて叩きつけられていた。それと同時に、両肩に乗せられたオービット(HUXLEY)まで展開され、四脚の回避困難な蹴りをブチ込まれる。

 息もつかせぬ連続攻撃に、反撃の体勢を整えるのが追いつかねえ。僅かな隙を縫ってリペアキットを働かせるのがやっとだ。

 

「抱き込まれやがったか!?」

 

 異変を察知したヴォルタの野郎がこちらに急行してくるのをレーダーで確認する。幸い、その距離はさほどでもなかった。すぐに合流して、いつもの連携が叩き込める(俺が引き付けてヴォルタが殺る)だろう。

 だろう、が。

 

「そう来るか……調教師(ハンドラー)・ウォルター。G4 G5!応戦しろ!G13は貴様らと遊びたくなったようだ!」

 

 遊び……これが遊びだと?ふざけやがれ。びったりとブースター(AB)を吹かして密着され、絶え間なく蹴りと散弾を浴びせられ続け、応戦もままならねえ。シールドを展開しても、オービットの追い打ちがあって焼け石に水、どころか事態が悪化する。

 確かにシールドは相手の攻撃を緩和出来る。だが、展開中はダメージをACS負荷に置換するせいで、すぐ限界が訪れる。そうなりゃ痛烈な一撃をお見舞いされ、たまらずリペアキットを使わずにはいられない。

 圧倒的なジリ貧……ジリ貧と言うには性急すぎる。尋常じゃねえ速度で耐久(AP)が溶けていく。

 

「クソが、びったりと密着しやがって……イグアス、退きやがれ!お前が邪魔で撃つに撃てねえんだよ!」

 

「黙ってろヴォルタ!クソッタレが……調子に、がっ!乗り、やがって……!」

 

 打開が、出来ねえ。普段はヴォルタのAC(キャノンヘッド)と中距離程度を保って連携する機体なせいで、こんな超至近距離でやり取りをする事はない。だから接近戦用の武器(ブレード類)は使ってねえが、完全に仇になった。

 

【AP 残り30%】

 

 駄目だ、やられ―――

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「クソッ、野良犬如きが……!!」

 

 ヴォルタの合流が迅速だった時はどうなるやらと思ったが……これはひどい。あまりにも遊びのないアセン(誉を棄てている)……。こんな恐ろしいものを組み上げる程、当時の私(NEST籠もり)は荒れていたのか?じょ、冗談じゃ……。

 とか思ったが、勝つためには致し方ない。誉で命は拾えない。蓋を開けてみれば、ビタビタだったお陰で誤射を恐れたヴォルタが撃ち控え、まあ圧倒してしまった。

 

「イグアス!格下ナンバーにやられたぞ、数学はできるか?相手はいくつ下だ!?貴様はいつまでその番号をしゃぶっているつもりだ!」

 

 ……その言葉は私にも刺さる。数学ぜんぜんできない。何なら算数もむずかしい。やめて。

 

「ヘッ、ざまあねえなイグアス……ぬおっ!?」

 

 巻き添えで精神ダメージを負いつつ、返す刀でキャノンヘッドへ突っ込んで蹴りをお見舞い。ひたすら密着し、蹴り、斉射、蹴り、蹴り、斉射。

 生憎の所、相手はガチガチのタンク(ZIMMERMANにタンク足)。普通に考えて、基本装甲性能でやや劣る四脚だと相手するには分が悪いのだが……そこは誉は浜で死にました(ぶっ壊れアセン)とクソ戦法。距離感もへったくれもなく密着して蹴り、両肩のオービットで畳み掛ける。

 逃げる間も息をつかせる暇も与えない。スタッガーから回復しても、追い打ち(アサルトアーマー)でもう一度。まともに相手の攻撃で有効なのは、こちらのメインウェポン(ZIMMERMAN)と同じ。ならばそれを二丁積んでいる上に、オービットまで付いているこちらが上回るのは自明だ。

 

「こいつ……タダモンじゃ……み、ミシガンの野郎……!何を―――チッ、機体がいかれやがったか……!離脱するしかねえ!」

 

 ……本当に、これはひどい。何なんだろう、ほぼ最初から二人同時に相手していた筈なのに、この速攻っぷり。リペアキットにも余剰があるし。

 

「G4 およびG5、レッドガン2名の撃破を確認した。……ミシガン、機体の修理費は俺に回しておけ。」

 

 これで、私がもうAC戦を恐れてなどいないと証明出来れば。もっとウォルターに、信用……信頼してもらえれば、いいのだが。

 

「ふざけた遠足にしてくれたな、ウォルター。授業料の分は差し引いておくぞ。」

 

 あと、ミシガン総長、ごめんなさい。ほんと、ごめん。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

【新着メッセージ 1件】

 

「……ケッ。調子に乗るなよ、野良犬。ラッキーパンチが当たっただけだ、てめえの実力じゃねえ。俺達レッドガンは「壁越え」を果たす。せいぜい指をくわえて見ていろ。」

 

 予想通り送られてきたメッセージは、何だか()()()より嫌味と苛立ちが含まれているように思えた。

 ごめん。お願いだから、めげずに頑張ってほしい。イグアスには悪いけど、最後の結末の(賽を砕く)為には、間違いなくあなたの力も必要になるから。

 

 

 

 ……「壁」でヴォルタを守った後、ちゃんと向こうにもあいつ(AM)から声がかかるように、頑張らないと。

 

 





いつかの私(NEST籠もり)
 誉は浜で死にました。遊びもクソもへったくれもないようなガチアセンばっか擦ってる闇落ちタイプ。

ケー
 重四重ショ重ショハクスリーハクスリー三台バーゼル
 車椅子ネビュラネビュラニドミサニドミサ128ジェネ
 空母カーラミサカーラミサコーラルミサコーラル盾大コーラルジェネ

 ケー

 レディー

 ケー

 どうして部屋名とかコメント使えないの……?

ミシガン総長
 ほんと、ごめんなさい。

イグアス
 メインヒロインその1。最終的にあんな堕ち方する彼はこの先生きのこる事が出来るのか。

ヴォルタ
 要救出系キャラ。普通にガチアセンで強いからもうちょっとまともな作戦だったら壁は落とせたんじゃないかな……。

訓練生
 G13は彼のものになる筈だった、と筆者は解釈している。ただしそれはACが無事に輸送完了していたらの話で、今後のご活躍をお祈り申し上げます。



筆者はイグ6推しです。♂でも♀でも構わん頼むからもっと流行れ。
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