その鴉は賽を砕く   作:HI-32: BU-TT/A

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武装採掘艦護衛

 

 

 過去の私(いままで)を踏まえた上で、既に気が重い。この後相手にする敵には、散々な目に遭わされた(何度も殺された)のだから。

 あの特徴的な見た目(どう見てもパンジャン)を思い浮かべるだけでも、脳が拒否感を示しそうになる。だが、対処法もまた今までが確立してくれている。

 恐れる事はない、恐れてはいけない。今回は間違いなく、終わった後(・・・・・)こそが重要になるのだから。

 

 

 

「独立傭兵レイヴン、貴方に受けてもらいたい作戦がある。内容は……我々の武装採掘艦「ストライダー」の護衛。企業の侵略行為は留まる所を知らず、ベリウス西部、ボナ・デア砂丘まで広がっている。」

 

 解放戦線の窓口となっている人、確か……"アーシル"という人の声で内容を告げられる。この話で重要なのは、場所が西部(・・)という一点。

 

「……元々ストライダーはコーラルを汲み、分け合う為の移動式拠点だった。ドーザーに大金を積んでまで武装化したのだ、失うわけにはいかない。貴方の助力が得られる事を願う。」

 

「敵対する両陣営から同時に依頼が来るとはな。……お前の仕事だ、好きに選べ。」

 

 いつかの私は、死力を尽くしてあの艦を守った事もあった。が、今回はそうもいかない。気の毒かもしれないが……目的は別なのだ。かかったお金と乗組員達になむなむ。

 まともな手段ではどう転んでも爆発四散してしまうストライダーに、思わず涙を禁じえ……涙でなかったわ。この前みたいな事でもなければ。

 

「解放戦線に付く事を選んだか。……結果さえ出せば名が売れるのが独立傭兵の利点だ。」

 

 そういう意味だと、このミッションはあんまり名声にはならないのだけれど。……考えたことなかったけど、そういえばこの時、この依頼の宣伝ってどうフォローしたんだろう、ウォルターは。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「ミッション開始―――待て、護衛対象が襲われているぞ!」

 

 開幕早々、急速ブースト(ABを使用)。ストライダーへと急行する。初動が肝心だ。

 

「なっ、何だ……この機体は!?」

 

「う……狼狽えるな!我々はコーラルの戦士―――」

 

 まもれなかった。でも、ごめんとは言わない。

 

「レーダーに敵影。……来るぞ、621。」

 

 既に着地地点で構えている(知っている)。だからこそ、今回の武装は完全にこいつら用(メタアセン)なのだ、ある程度まで(・・・・・・)

 

「識別なし。シュナイダーのMTではない……これは……C兵器か!?」

 

 悠長にどっすん着地したC兵器一体に向けて、HML-G2/P19MLT-04(両手の武装)BML-G2/P05MLT-10(両肩の武装)を一斉発射。今から相手にする敵は、どれもこれも対EN、対実弾に優れはすれど、耐爆性能に劣る。

 

「応戦しているな621、話し合いが通用する相手ではないぞ、決して油断はするな。」

 

 1機既に落としているからか、こちらに注意を促す言葉をかけてくれる。実際、このC兵器にはこの後来る奴ら(パンジャン共)程ではないが、辛酸を嘗めさせられた。

 こちらと同じようにミサイルをばら撒き、EL-TL-11 FORTALEZA(車椅子)のように高速機動で撹乱しながらグレネードと蹴りを交えてくる曲者だ。どちらかというと、もっと後(技研都市)の方が苦戦したが。

 しかしそこはメタアセン、適度ABを使用して撹乱しながらミサイルの再装填を待ち、再装填即発射。FCSはこのためにFCS-G2/P10SLT(ミサイル特化)、車椅子のようなC兵器も振り切れずに撃破される。

 

「敵はルビコン調査技研の無人兵器……アイビスの火で失われたはずの遺物だが、やったか……?……待て、まだ何か来る。ヘリアンサス(ヒマワリ)型だと?」

 

 初めて聞いた後、言葉の意味を知って思ったのは、"こんな物騒なひまわりがあってたまるものか"、だった。

 散々打ちのめされたが、今回もこちらが打ちのめさせて貰う。この後(・・・)を考慮すれば、あまり削られたくはない。

 そのために―――

 

「正面衝突は避けろ、621。削り取られるぞ!」

 

 四脚の特性(ホバー機能)を用いて滞空、衝突しない位置からミサイルでお出迎えし、1機、2機撃墜。後続から飛来する内蔵ミサイルに備えて振り切るように退避(ABで逃げる)。再装填確認、再度発射。

 爆発以外では適正距離と対弾・対EN性能の高さでまともにダメージを与えられず、危険な接近時にしか切り返しの出来ないヘリアンサス型も、ミサイルならば無関係だ。しかもこの両手の武装、ハンドミサイルはお誂え向きに、こいつらの走行速度を上回るし、威力もきっちり当たれば両手で撃墜に足りる。ざまみろ、にどとけんかうってくんなばーかばーか。

 トントン拍子に3機撃破まで行った所で、気を引き締める。さあ、正念場だ。

 

「敵影!まだ来るぞ!偶然居合わせたにしては数が多すぎる……621、今は戦いに集中しろ。」

 

 先程先陣を切ってきた、車椅子のようなC兵器が2機追加。こちらに急行して挟撃される前に、再装填したミサイルで先程の残りを撃破して応戦する。

 最初と違って出待ちは通用しない、純粋なぶつかり合いだ。片手落ちでもないから、嫌でも被弾は嵩んでしまうが……極力それを往なしていく。

 

「ヘリアンサス型、接近しているぞ!危険な相手だ、火力を集中させて確実に潰せ、621。」

 

 地獄のような追い打ちに、最初はひどく苦しめられた。本当に、嫌になるぐらい死んだ記憶がこびり付いている。だがもう私は弱くない、絶対にみんな助ける(ハッピーエンドを見る)と決めたのだ。

 合流前に何とかC兵器の片方を捉え、撃墜。何度もABを吹かして時間を稼ぎ、切り返し、撃破……退避、切り返し、退避、切り返す。

 単純作業に近いが、それでも多少は被弾してしまった……リペアキットは2つ目に手がかかっていないなら上々、としたい。

 ……ここまでは(・・・・・)上手く行った。そう、ここまでは。

 

「……打ち止めのようだな、広域レーダーにも反応はない。ストライダーの護衛は出来なかったが、今回は不可抗力だ。」

 

 敵機の殲滅をウォルターが確認してくれて、こちらに非がないとフォローしてくれる。本当に優しいなあ、ウォルター。だからこそ……

 

「背景はこちらで洗っておく。621、お前は戻って―――」

 

 ごめんなさい、今から私はかなり駄犬です(言うことをきかない)

 

「621……?一体、何処に行く?回収ポイントはそっちでは……」

 

「ごめん、なさい。うぉる、たー。いまから、"かべごえ"しえん、いってくる、ね。」

 

 全速力で、東のほう(・・・・)に向けてABを吹かす。被弾が嵩んだのはあいつらに対するセオリーを度外視して、BUERZEL/21D(AB最重視のブースター)を搭載したからだ。ENを管理し着陸、補給、AB、着陸、補給、AB―――

 目指す場所は、ベリウス中部(・・・・・・)……即ち。

 現在、壁越え作戦真っ只中の、レッドガン(G4)を助けるために。

 

 






ストライダー
 ストライダーさん@たすからない。

R.I.P./R(リップル)
 今回も引き続き四脚、普段は機動力重視の逆関節ばかりなので実は珍しい。

BUERZEL/21D(AB最重視のブースター)
 過労死枠。馬車馬の如く働かされ全速力で「壁」に向かって急行中、三台ジェネと仲良くしな。

ヘリアンサス型(パンジャンども)
 なんで破砕機に火炎放射とミサイル積んでんだよ、何を破砕する気だったんだよ、プレイヤーの心?

ごすずん
 急に猟犬が壁に向かい始めた。ハウス!ハウス!!

ヴォルタ
 良いキャラしてるくせに退場が早すぎる奴。まるでマミさんだな。
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