罪(仮)   作:テンレブ

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この小説に名前だけでも出てみたいという方は、感想にて名前を書いてください。
しかし、戦死などする場合もあるので注意を。
なるべく死なせない様にしますが


第1話

あるところにコルト国と言う国があった、コルトは回りの国であるマナラ、カタフ、リースベール、バレスに、核ミサイルを打ち込んだ。動機は分からないが、その核ミサイルは不発に終わった、その理由は・・・・ 着弾する直前にそれぞれの国には地割れが発生し、その中から怪物が出現した。その怪物は核ミサイルを飲み込んだ。その怪物のお陰で、4カ国はそれぞれ助かったが、更なる驚異が5カ国を襲った。その怪物は、何事もなかったかのように歩き出した。

ただ歩き出したならよかったが、下に居る人や動物等を掴み食っていった。学校や会社等の建物を壊し、その中にいる人間を食らっていった。

人々は、地下へと逃げていった。

 

それから5年・・・・

 

 

「おきろよ~。朝だぞ~」

朝から元気な少年の名前は、リュウと言った。

「ン~後2分くらい経つとどうなるだろう?」

朝から惚けている少年の名前は、カイトと言った。

「知らねぇよ! 早く起きな。起きないと・・・・」

と言って少年は、壁に拳を向けて暫く待つと、

バコン!!

壁が壊れて崩れた。

「うるさいーーーー。・・・・目が覚めてしまったじゃないか!!」

「お前が起きないからだ!」

「なんだとー!」

「なん「何時までなにやってるの!」

彼らは声が聞こえた方をみると、鬼がいた。

鬼は名を咲希と言う。

「まぁまぁ咲希も落ち着いて。毎日のことでしょう?」

優しい口調で喋った人の名は、伽凛と言う。

そんなゴタゴタをしていると、ズシンと地面が揺れた。

「不味い!気づかれたか?」

ズシンとさっきよりも大きくなっていた。

「徹哉!早く出して!」

さっきよりも口調を荒めて、このトラックの運転手に言った。

「起きたばっかりなのにー」

文句を言いながらもトラックを出すと、

さっきいた場所にこのトラックと同じくらいの棘が刺さっていた。

「「アブねー」」

リュウとカイトが安堵の声をあげると、咲希が

「あんた達のせいでしょ! しかもトラックの壁に穴あけて!」

このトラックは、やけにでかいため、40人がいても走り回れた。

「まちなさーい!!」

咲希の声がトラックの中で響いた。

 

 

 

あの少年少女達に何があり、

5年で何があったかと言うと・・・・

 

 

 

「なんだあれ!」

リースベールにある、バレリア中学校の1年Aクラスのカイトは、山の用にデカイ怪物を見て言った。

なんだ!なんだ!と、クラスの生徒41人は窓に近づいていった。

バレリア中学校の総人数は、1249人だ。周りの学校と比べると多い。

カイトは、危険を感じたのかクラスのみんなに、

「裏山に逃げよう!嫌な予感がするんだ」

カイトが走り出すと、皆も釣られたように次々に続いていった。

カイト達が、学校の外に出てくると怪物がカイト達の方を向きなにかを飛ばした。

数秒後、その答えがわかったようだ。

棘だ。

その棘は、学校を意図も容易く貫き、数人を貫いた。

カイト達は、学校の人たちを見捨てて裏山に逃げていった。

この行動が後に彼らを苦しめることとなる。

 

カイト達が裏山の頂上に着いたとき、学校がガラガラと音を立てて崩れ去った。

怪物は、学校の瓦礫の中からなにかを探していた。

そして、見つけてしまった。生徒達を。

先輩、同級生、先生、それらを怪物が食らっていく。

「助けてくれー!!!!ま、まだしにた、ギャー!!」

バキバキ!と嫌な音を立てて人を食べて行く。

カイト達の中には、リュウ、咲希、徹哉、伽凛がいた。

リュウは、彼らをみて御免よ、御免よ、と繰り返しており。

咲希は頭を抱えており、徹哉は嘔吐しており、伽凛はまだ状況を理解できていないのか、放心状態であり、

カイトは、恐怖で動けなかった。

怪物は、全ての人たちを食いつくしたのかこちらを見ていた。

カイト達との目線は一緒だった。

怪物はカイト達を掴もうとしたが、横槍が入れられた。

自衛隊の攻撃である。・・・・だが、ほんの少し時間を稼げただけだった。

戦闘機は、棘で全て撃墜され、地上隊は掴まれそのまま食べられてしまった。

カイト達は、皆恐怖で脚が動かないらしく一歩も動かなかった。

すると、援軍がきた。決して多くはなかったが、十分だった。カイトは動こうとしたが、動けなかった。

すると、地上隊の人たちが「お前ら!!此方だ!!」

「す、すいません。脚が動かないんです」

「仕方がない!!」

と20代位の男性だった。

彼は、カイト達全員をトラックに乗せると、運転席に座り走り出そうとしたとたんに、ガタン、トラックが揺れていた。トラックの後ろには怪物がいた。

地上隊の人は、怪物の姿を見ると運転席を飛び出し、

「お前達!!早く逃げろ!」

と言った。彼は、怪物に掴まれそのまま口に運ばれ、口に入った瞬間、ボン!!と怪物の口から爆発音が聞こえた。

「ガァァァァァ!」

怪物が初めて鳴き声を上げた。と同時にトラックを放した。

「徹哉!!お前車弄るの得意だろ!運転しろ!」

カイトが怒鳴った。

「わ、わかった。やってみるよ!」

すると徹哉は運転席に座り、エンジンをかけた。

アクセルを踏むとトラックが発車し、木を倒しながら進み、怪物との距離が開いていって見えなくなった。

「・・・・これからどうするの?」

沈黙を破ったのは、伽凛だった。

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

しかし、誰も返事することなく時間だけが過ぎていった。

 

 

 

5カ国の首脳達は、この怪物達をオールイーターと名ずけた。更に、5カ国は協力し地下鉄を駆使してそれぞれの国の状態を確認した。結果として、どの国もあまり変わらなかった。各国に一体ずつオールイーターが出現し、どこの国も再生不可能と思い知らされただけだ。しかし、5カ国の首脳達は諦めなかった。

地下鉄を広げていき、地下に地下にと逃げていった。

その結果、地下都市グリーンカロラができた。カイト達は、そこに向かったのだが・・・・

 

 

 

 

オールイーター出現から2年・・・

 

「押さずにゆっくりと入ってくださーい。全員入れますからね~」

さながら地下鉄の改札の様なところだ。1つ変わっていることと言えば、線路が無いところだ。

カイト達全員が入りきるとドアが閉まり、ガコンと揺れた。前に進むのかと思ったら、電車の下の線路があるべき場所が開き、下に進んでいった。

2分くらい経つと、グリーンカロラが見えてきた。

グリーンカロラの建物は全部ビルのようなタワーのような感じだ。どうやってオールイーターに見つからずに資材を運んだのか、疑問を抱いた。

「グリーンカロラは、安全安心の生活とすむ場所を提供します。オールイーターの恐怖を忘れて生活してください」

電車?の電工掲示板にリースベールの首脳が映り、グリーンカロラの説明をしている。

「気持ち悪ーい。ただの狸じゃん」

クスッと少し笑ってしまった。周りの人は、その言葉を言っと咲希を睨んでいる。

「すいません。オールイーターの恐怖から解放されて舞い上がってしまっているので」

そこですかさず伽凛がフォローした。

周りの人は、睨めつけるのは止めて心配そうな目を向けた。更にはセンベイをくれた人もいた。食べ物は、大事なものだ。命、金、食べ物。こんな順だ。

「えへへぇ。ありがとう!」

咲希は、笑顔をみせた。今なら中学3年だが背が低く、小学生にも見えなくもない。

「「とんだ詐欺師だな」」

リュウと徹哉が言うと、

「なにかいった?」

またも笑顔を見せて、リュウと徹哉を見えないように殴った。

リュウと徹哉と咲希を除いた、37人全員が苦笑いをした。

そうしていると、

「ようこそ!グリーンカロラ、リースベール地区へ!」

若い女の人の声が聞こえ、ドアが開くと皆が我先にと電車?から降りた。

「全員いるかー?」

最初にリュウが報告し、次に伽凛が報告し、さらに次に、徹哉が報告し、最後に咲希が報告した。

このグリーンカロラが完成するまでの2年間は、このようにグループに別れていた。

リュウ達は、索敵班。伽凛達は、狙撃・狩猟班。徹哉達は、機械班。咲希は、食料班。と分けていた。

カイトは、なぜかリーダーだった。素質があるわけでもなく、才能もない。余ったからである。悲しい話だ。

この2年間は、大事だったと思う。オールイーターに食べれた人たちを弔ったり、自分たちを戒めたり。

グリーンカロラに着いた時、もう大丈夫だと思っていた。だが、これは始まりだった。

 

まず駅のような所に着き、ガイドの人についていった。交差点に着き、目の前に一際大きなビルがあり先頭のガイドは、そこに入っていった。

中は相当広かった。40人+大人数を入れていても大分余裕が持てるぐらいだ。

するとガイドは、大人はこちら。こども、学生はこちらと分かれていった。さっきの大人数にこども、学生はいなかったため、40人だった

道を進んで行くと、エレベーターが見えた。だが嫌な文字が見えた。38人乗り。と、なぜ40人乗りにしないのかわからなかったが、確実に3人は階段だと言うことはわかった。リュウが気付くと、

「ゴホゴホ、なんだか気分が優れないなぁ」

「大丈夫?・・・・そう言うことね」

伽凛はその事に気付くと、リュウと徹哉を抜いた全員がコソコソしながらエレベーターに乗った。ガイドは乗らないようだ。

リュウと徹哉と言えど、この事には気づいた。

「待てよー!ズルいだろ!」

「じゃんけんして勝った方をのせてあげる」

伽凛が提案をすると、数の計算もできないバカどもはじゃんけんを始めた。

「最初はグー、じゃんけん、ぽん!」

その結果を知ることなく、エレベーターは上昇を始めた。

「勝ったー!・・・・ってあれ?いない?」

リュウが勝った用だった。

 

1分ぐらい経つと、92階に着いた。すると目の前に新たなガイドがいた。さすがにリュウた徹哉を置いていく事は出来ずに、待っていた。4分経つと、エレベーターの扉が開き、リュウと徹哉が出てきた。

全員揃った事が分かると、ガイドは一際大きな扉の前に立ち、

「ハンス様がお待ちです」

と言った。ハンスとは、リースベールの首脳である。

俺は見上げるくらいの高さの扉を開けると、大きいデスクに資料がたくさん並べられており、部屋は代々60畳位あった。

「初めまして、私はハンスだ」

部屋を見渡していると、いつの間にかハンスが立っていて挨拶をしてきた。

「挨拶が遅れてしまって申し訳ない。俺はカイト」

「同じく、リュウ」

何処が同じなのだろうか。

「私は伽凛です」

「・・・・咲希」

「徹哉だ」

・・・・礼儀を知らない人が3名。

その後、それぞれ挨拶をしていき全員の挨拶が終ると、

「早速だが、君達に両親はいるかい?」

「居ません。この中にいる全員に」

2年間にそれぞれの肉親を探したが、全員見つからなかった。

「それだと何名か働く事になるがいいか?」

「どうゆうことですか?」

「君達は、学校に行くのだろうから。さすがに無料では無理だ」

「大丈夫です。俺とリュウと徹哉、伽凛、咲希、三崎、飯田、榊、天崎が働きます。此ならば十分ですよね」

何時もの五人とプラス4人を合わせて9人。此で足らなかったらおかしいだろう。

「あぁ。十分過ぎるくらいだ。それでなんの仕事をするのかい?」

「自分たちで探しますので、御心配なさらず」

そう言って、踵を返した時、

「まちたまえ。此を持って行きなさい」

そう言って、何かのカードを投げてきた。

「ありがとうございました」

部屋を出ると、天崎、飯田、榊、三崎が声をかけてきた。

「「「「仕事なんてしたくないよ!」」」」

見事にハモり、俺に詰め寄ってきた。

「大丈夫だ。仕事じゃない」

「「「「よ、良かったー」」」」

「合法だから」

「「「「いったい、何をするのさ!!!」

 

「まず、2年間で集めた銅、鉄を売る。その次に、オークションで壊れ欠けの機械を買う。それを徹哉が直す・・榊と一緒に。直したものを、咲希と伽凛でオークションに賭ける。咲希と伽凛だと、大体の金持ちのオッサンは高値で買うだろう。さらに、その金持ちのオッサンをヒートアップさせるために、俺、リュウ、飯田、天崎、三崎が値段を上げる。それによって、結果的に大儲けと言うことだ。更に余裕が出れば全員学校にいける。何か質問あるか?」

完璧に言った筈たったが、結構質問があった。

「話が理解できない!」

これはリュウだ。リュウにバカと言って受け流した。

「大金持ちの叔父さんが高値で買わなかったら?それと、ヒートアップ出来ずに折れたらどうするの?」

伽凛が質問をしてきた。

「高値で買わ無いわけないだろう。咲希と伽凛なんだから。それとヒートアップしなくて折れたら、どのみち俺達はグルなんだから金は戻ってくる」

伽凛は何故か頭からプスプスと煙を出していた。更には、榊もショートしていた。他の皆がヒューヒューと騒いでいた。

とりあえず、上手く行くかなと思っていた。

 

結果としては、作戦は成功した。上手く出来たかは分からない。途中、オークションをしているとヒートアップしているオッサン共と一緒になっているバカ(リュウ、飯田、天崎)がいた。俺たちの総財産の2倍もの値段を付けやがったが、50歳ぐらいのオッサンが更に2倍で落とした。本当、バカには助かったりバカに危機に落とされたり。

 

「結構集まったなあ~…一億円くらいかな?」

ここ、リースベール地区は物件が高い。コルトに行けば少しは安くなるだろうが、治安が悪い。

今、俺たちが買おうとしている物件はマンションの23、24階を買い占めようとしている。ここは、其処らのマンションよりとても安い。一階に6部屋あって、1部屋100万円だ。

高い所だと1部屋2億だ。半分しかない・・・・。

この話はおいといて、12×100万円・・・・単純計算だがアイツは、

「おい、リュウ。12×100万は?」

「何だよ急に。うーん。・・・・」

答えは1千二百万だがこいつは、

「その答えは、未だに見つかってない!」

数字ですらない。リュウが答えた瞬間に咄嗟に拳が出てしまった。条件反射だ。

 

アレコレしていると、

「待たせたね」

「・・・・・」

着替えを終えて戻ってきた伽凛は何時もと変わらなかったが、咲希が何時もと違がかった。

顔を真っ赤に染めており、何故かこちらを睨んでる。

何かしただろうか?

「どうかしたか?バニ「うるサーーイ!!!」

「あ、そのことかァァァァ!」

言いかけたとたんに殴られた。(俺も)

そうだ、オークションと言ったらバニーだろうと天崎が言ったので三崎に作らせたが、お気に召さなかったらしい。

「すいませんでした。天崎が『オークションと言ったらバニーだろう!』って言ってたので」

スマン、今日の生け贄は天崎だ。

「誰が作ったの!」

「み、三崎です」

「何で私の3サイズを知ってるのよ、アイツはぁ!」

正直恐怖を覚える。

サヨナラ天崎、三崎。

「ったく。いい加減にしなさいよね、もう」

!?あの咲希が殴りに行かないとは、余程機嫌がいいのだろう。

「そんで、どうだったの?」

「?」

と首を傾げると、

「アタシのバニー姿は?」

「良かったと思うよ」

率直な感想を言うと、更に機嫌が良くなった。

「♪♪♪」

スキップしながらリュウ達の方へ行った。不気味である。

「私のは、その、ど、どうだったんだ?」

顔を真っ赤に染めながら聞いてきた。流行っているのだろうか。

「咲希より良かったよ?」

「っ!・・・・あ、ありがとう」

後ろでガッツポーズをしているのがわかった。

「どう致しまして?」

意味もわからず返事をすると、またもスキップで行ってしまった。

スキップも流行っているのだろうか?

 

一人でスキップしていると、

「・・・・」

「・・・・」

榊と徹哉だ。・・・・めっちゃ恥ずかしい、穴があったら入りたい位だ。

「や、やぁ」

「「御愁傷様」」

「その答え一番やだぁ」

良く榊と徹哉をみていると、手と手を繋いでいた。

余程のことがあったんだろう。(榊は女)

「何れくらい集まったんだ?」

「一億円くらいかな?」

「あんなのにそんな価値があったのかよ」

まぁ、当然そうなるだろう。本当に価値がないのだ。

「私と徹哉君が作ったんだから当然だよ!」

あらら、隣の徹哉が恥ずかしがっているよ。珍しい。

「末長くお幸せに」

そう言って、その場を離れた。

 

「広~~~~い」

無事マンションを一括で買った俺達は、早速部屋を確認した。

このマンションは、ハンスの部屋位だった。相当広い。

「よし。部屋を決めるぞ~。女子は24階で男子は、「ちょっと待って!」

伽凛が割り込んできた。

「確か、部屋は6室ある。1部屋4人で考えると、一人はみ出てしまう」

うんうん、納得納得。確か女子の人数は、25人。確かに一人余る。

「そ、そこでだ。わ、私をカイトの部屋に入れてくれないか?////」

うんうん?何故そうなる?女子の誰かに頼んでいれてもらえばいいのに。

「いやいや。女子と同じ部屋に居ると変な誤解されるから。そして、俺と同部屋の人はどうす・・・・バタン」

意識が遠退いていく、いったい誰が・・・・。

「五月蝿い奴は眠らせる」

リュウ、このやろう・・!

 

気付くと、部屋のベットで寝ていた。

「はぁ。してやられたか・・・・!?」

ため息をしつつ寝返りをうつと、

「う~ん。カイトぉ」

寝言を言っている伽凛がいた。纏まったポニーニーテールがほどけてあり、何時もの服ではなくパジャマを着ていた。一緒に寝るつもり満々だったじゃないか、と思いつつ周りを確認した。幸い誰もいなかった。

伽凛が起きないようにベットからでると、そのまま部屋を出た。

出てすぐ隣の部屋を少し強めに叩くと・・・・

「は~い。だ~れでーすか!」

中からは榊が出てきた。奥に三崎の姿も見えた。

「俺だ、リュウの部屋はどこだ」

「ここの真上だよ」

ん?と思った。ここって・・・・

「女子の階だよ!」

俺が眠っている間に変な部屋割りになったらしい。

「あの野郎、・・・・ところで部屋割りはどうなったんだ?」

「男女混合の所が何ヵ所かあるかな?」

「そうか、男子の階で空いてる部屋は?」

「ん~~。ないね!」

呆れて声もでなかった。どうすることもできそうないの事と、夜遅いこともあり大人しくも部屋に戻った。

部屋の中に入ると、さっき出ていった時とあまり変わらない姿勢で寝ていた。

「はぁ。床で寝るかな」

これで、長い長い1日が終わった。

 

「君が悪いんだよ」

寝てからそう時間がたたない内にそう聞こえた。

ハンスの声だろうか。

「君がこそこそと私の事をかぎまわっているからこうなった」

ハンスの声が聞こえたところから薄々気づいていたが、これは夢だ。俺はよく夢を見る、いや体験する。

そっちの方が正しいだろうか。

ハンスが指を指した方を見ると、モニターがあった。

しかも写った物は、皆だった。苦しいのか、もがいている。

「苦しそうだろ。此を観ていると自然と笑みが溢れてしまうよ」

この事にはさすがに夢でも、殴りにかかった。しかし、その攻撃は不発に終わった。体験だとしても夢なんだから。

「てめえ、何処まで腐ってやがる」

夢の俺が喋る。喋ってないのに喋るのは不思議だ。

「さぁ、早く行ってあげた方がいいんじゃないか?」

ギリギリを歯ぎしりをたてながら、その夢から目が覚めて現実に戻った。

「この夢が現実にならないといいんだけどな」

俺が、夢を体験すると大体の事が現実になっていた。

実際にオールイーターが出てきた前の授業を寝ていた時に、体験した。

あの夢を観ない事を祈りつつ、就寝した。

 

「まぁ、なんだその・・・・わ、悪かったな」

バレリア中学校の俺らのクラスの 41人目が口を開いた。

その名前は、光。呼び方はレイ、だ。

レイは、学校をあとにしたあと「くだらねぇ。こんなことをしたって、俺達の罪が消える訳がねぇだろ。糞が!」

町中に散らばっている肉片を集めては埋める、集めては埋める。俺達なりの供養だ。自分らは、学校の人達を見捨てて生き残った。その罪のせめてもの償いだ。

その事を気に入らなかったのだろうか、レイはトラックを降りてしまった。それからは・・・・

 

そしてレイ(夢)は、謝罪したあとにこう続いた、

「あのだな・・・・どうか、この身勝手だけど俺をまた仲間に入れてくれないか?」

と、土下座をして頼んできた。答を言おうとしたら、何やら体に違和感を感じ、この夢から覚めて行った。

 

先ほどの夢から現実に戻ってくると、

「あっ、起きた~!」

顔を赤らめて乱れた髪を直しながら聞いてきた。

逆に俺が聞きたい方だが・・

「何故伽凛がここにいる?」

昨日の夜のことを思い出し、リュウを懲らしめようと、部屋から出ようとすると、

「今はそのぉ、カイトと一緒に居たいってゆうかぁ。

離れたくないってゆうかぁ」

俺と一緒に居て何が面白いのだろうかと疑問に思ったが、リュウに逃げられると厄介なので伽凛を置いていくことに決めた。・・・・が伽凛に袖を掴まれ、

「一緒に居るのっ!」

伽凛が咲希みたいになってきた気がした。

さすがに上目使いには勝てず、

「後で埋め合わせをするから!お願いっ!」

とこの場は逃げる事にした。伽凛の寝起きモードなら忘れるだろう。

「やった~! 何処までいこうかなー。キス?ハグ?それとも「違くね?普通は何処行こうかなー。だよね!?」

伽凛がおかしい、異常な程に。少し考えて閃いた、

「伽凛、昨日肉くったか?」

「ん~?食べたかもー」

またか、とため息をすると部屋のドアを誰かがノックした、と思いきやドアを開けた。

「おっはよ~。いい夜だった?」

榊と三崎が部屋に入ってきた。余計なことを喋ったのは三崎だ。

「女性がそんなこと言ったら駄目だ」

本当に三崎はデリカシーがないと言うか、無神経と言うか。

「女性として見てくれてる?嬉し~!」

こんな奴はほおっておくのが得策だ。

「榊。昨日、伽凛に肉食わせたか?高そうな店で」

伽凛は微弱なアルコールにも反応するのだ。たとえフランベで使った料理酒からでさえも。

「はい。リュウがあなたを眠らせてから、高そうな料理屋に入ってステーキを食べました。それがなにか?」

それだけで大変な事なんだが。

「伽凛は敏感なんだ、アルコールに。それでこの有り様だ」

もう一度伽凛の方を見ていると、

「榊~。今日一緒にっ!」

ドアの方から徹哉の声が聞こえ、俺がその方を見ると

「ゲッ! カイト!忘れてた!」

徹哉が反射的に、逃げようとする素振りをするよりも速く反応し首根っこを掴んだ。

「は、離してくれ! 俺は何もやってない!」

徹哉を掴んでいない方の手で、パチンと指を鳴らすと

「お呼びでしょうか?」

朱音が何処からともなく参上した。

「こいつは俺に何をした」

そう聞くと、

「カイト様と同じ部屋で寝た。それに飽きたらず、カイト様の名前を寝言で言った。・・・万死に値する」

・・・・こいつは俺の秘書みたいなものだ、やり過ぎな気がするが。

更にこいつは、何かを勘違いしているらしい。

「そらみた事・・・・あれ?それ伽凛の事じゃないか?」

「いかにも」

・・・・こう言う所が無ければいい秘書なのだが。

俺が呼ばないと出て来ないのが玉に傷なのだが。

「徹哉の事なのだが・・」

「徹哉はリュウに加担し、スタンガンを作成。更にそれをリュウに売り付た。間接的に関わり、この問題の根源。・・・万死に値する」

「だ、そうだ」

「だ、そうだ」

朱音の言葉を徹哉に突きつけると、徹哉は更にそれを隣にいた榊に擦り付けた、・・・万死に値する。

「エッ?私ですか?」

榊ですら戸惑っている。何時もはクールっぽいのに。

「朱音。このバカ野郎を締め上げていいよ」

「了解」

これで暫くは徹哉も大人しくなるだろう。

「あ、忘れてた。リュウはどうしよう?たぶん逃げてるだろうなぁ」

リュウの事をすっかり忘れていた。徹哉の事に気を取られ過ぎていた。

失敗した!と思い、まぁ今回は許してやろう。と許してやった。

「朝御飯ですよ~」

咲希の声が聞こえ、香ばしい香りがする方に歩いていった。

 

「あれ?リュウがいないな。どこ行ったんだ?まぁ、どうでもいいけど」

皆で食堂に集まり、咲希の料理に舌鼓を打っているのにアホが居ないことに気が付いてしまった。

気が付いてしまった以上放っておく事は出来ないだろう。

「朱音。何か知っているか?」

「生ゴミは火曜日」

・・・・捨てられたのか?可哀想だが、内心嬉しい。

何て事をしていると、

「なんか手紙が来てるみたいだよ。君宛に」

天崎が手紙を持ってきた。

手紙とはアナログな、と思ったが俺宛なので無視もできず、中身を見ることにした。

「「「内容は?」」」

伽凛、榊、朱音は正常だ、朱音は微妙だが。

「「「「ラブレター?(!)」」」」

リュウ、徹哉、天崎、咲希は異常だ。何故かリュウが復活しているかは置いておこう。

「「なんか殺気を感じる」」

遠くの席にいる三崎と飯田は殺気を感じていた。

「ん~と。・・・・光からだな」

昨日の夜の夢の通りだと光は多分、仲間に入れてくれと言うだろう。

「「「「「「「懐かしいな~」」」」」」」

皆は懐かしがっていた。もう昨日の夜に会っているのでそう懐かしくは感じなかった。

「ってゆうことで俺は光に会って来るから、学校の準備は頼んだぞ」

とりあえず光に会いに行くためにこれからやるべきだったことを頼んだ。

「任せとけ!」

リュウが勢い良く答えたが、

「分かりました。確り準備しときます」

生憎頼んだのは榊だ。伽凛に頼もうかと思ったが、

「しっかり~ん!」

この調子なので榊に頼んだ。更に、1日休んでいないと治らないので監視を付けた。

「朱音。伽凛の事を宜しくな」

「了解」

 

マンションを出て数分の所にある小さな丘の上にいた。光に指定されている所だった。

「待ったか?」

「いいや。今きた所だ」

到着すると既に光は丘の上にある木に寄っ掛かっていた。

「あのだな・・・・どうか「良いぞ」

夢を見ていたので、何を言うかを分かっていた。ので、答えた。

「まだ何も言っていないけど?」

「どうせ、『仲間に入れてくれ』とか言うんだろ。土下座もして」

夢で観たとうりにならるならば、こうなる筈だ。

「その通りだ。それに土下座するのも分かったか。

・・・何で許可したんだ?」

「仲間に入れる入れない関係ないだろ。ずっと仲間だったんだから」

そうだ。光がいなくなってから皆心配したが、帰ってくると信用していた。仲間だから。

「あ、ありがとう!」

嗚咽をしながら感謝してきた。それらしい事はしていないと思うが。

「男が泣くんじゃねえよ。そんな顔で皆に会うつもりか?」

俺は、涙を流したことがないと自負している。

何故か?自分でも分からなかった。

「さ、帰るぞ!」

泣き止んだ所を見計らい、光に手を差しのべた。

「あぁ!」

光がガシッと手を握り起き上がると、

「ただいま!」

随分と長い外出だっがやっとのご帰宅だ。

「お疲れさん」

 

日はもう沈み、辺りは暗くなろうとしていた。

暗くならない内に早く帰ろうと、急ぎ足で進んで行った。

光はもう先に帰っており、俺は用事があってハンスの所にいた。その帰り道に見てしまった。

「早くしろよバカ! 見つかったらヤバいんだぞ!」

大声が聞こえたので咄嗟に近くにあった木の後ろに隠れてしまった。

まだ暗くなってはいなかったのでその声の主が分かった。どっかの悪餓鬼が言いそうなセリフだったが、悪餓鬼ではなかった。

・・・・自衛隊の人だった。

その手には携帯電話が握られており、誰かと通話しているのが分かった。

「はい、今着きました。門を開けて下さい」

自衛隊の人が合図をすると、50m手前の地面が割れていき大きな穴が空いた。

その穴が何処に通じているか確かめるために、ハンスから貰ったカードの機能を使い、このタワー通称グリーンタワーの見取り図を取り出した。

この公園はグリーンタワーの敷地に入っていたらしく、見取り図に書いてあった。

この穴が通じている場所は、倉庫だった。

倉庫だった事に余り驚きはしなかったが、その倉庫に入れる物に驚いた。

・・・・それは食料だった。

食料と言ってもこのご時世、パンやごはん等はあったとしても肉や魚はなかなか手に入る事が無く、地上と地下を繋ぐ道の入り口にたまに通りかかる奴を捕まえて、食べる。この前に伽凛達が食べに行った、高そうな店で食べた肉はどれだけ高かったかは考えたくもない。

そうこうしている内に、更に何かを運んでいるのが見えた。それはオールイーターの棘に酷似していた。

もう少し近い所で見ようとした時に、

「誰だ!そこにいるのはっ!」

気付かれてしまい、離れる事をせざるをおえなかった。

辺りはもう真っ暗で顔は見られなかっただろうが、『この事を誰かに見られた』と言うことは広まるだろう。

このままここに居ても見つかるリスクが上がるだけなので、見つからないように帰った。

 

マンションに到着し、後ろを振り向くと誰もいなかった。なんとか無事に見つかること無く、帰れたことにまずはホッとした。

が、そんなホッとした気分をぶち壊された。

ドーン、ドーンと爆発音が聞こえた。その音は、ホッとした気分をぶち壊すほど五月蝿かったがなんだか心地よかった。

空、いや上を見ると真っ暗な紙一つの花が描かれていた。

それに見惚れていると、

「爆発だー。だー。だー。だー。……」

凄まじいエコーだと言うことが腹が立つ。しかも、聞き慣れた声なのが余計に腹が立つ。

ため息をして、声のする方に行った。

「どんどんじゃんじゃん打ち上げろー!」

リュウが狂っていた。いつもの事だが、リュウは爆発係が絡むと性格がかわり、頭が良くなる(爆発物の取り扱い、製作など)のだ。

このリュウのテンションの高さに皆呆れてしまっている。そこで、助け船を出してやることにした。

「あんな所で爆弾テロやっているー。ここは爆弾物に詳しいひ「任せとけー!」

性格がかわっていたってバカなのだ。大事なのでもう一度、バカなのだ。

「ふぅ。やっと行ったな」

酔っている状態から復活した伽凛は、呆れた顔で話し掛けてきた。

「いつから騒いでいたんだ?」

「え~と、私が起きたのは2時くらいだったけど?」

はぁ、このバカ共はと思いながら自分もその騒ぎのなかに入っていった。

 

 




どうでしたか?楽しめたならば私は嬉しいです。
それと携帯で投稿するため結構更新は遅めです。

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