緋弾のアリア Original story   作:ITOSIKI

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第二話

俺とキンジは、アサルトのパートナーとして、組み、パーティを作るときは、不知火とも組んだ。

 

「それにしても、不知火君は、さすがだね。オールAランクなんて」

 

俺は、不知火をほめた。不知火君は、体術、銃技、ナイフの三項目でAを取っている優秀な存在である。

 

「いやいや、僕は、それほどでもないよ、」

 

それに、すばらしい人格者でもある。

 

「ところで、何でお前は、Bランクなんだ?」

 

キンジが、不思議そうに聞いてくる。

 

「仕方がないだろ、銃の分解整備(オーバーホール)がまったくできないんだから。」

 

このときの評定検査で、整備以外は、Sランクだったが、整備のところで絶対につかないはずのGランクを取ってしまっていた。

 

「そういう、キンジこそなんで、Cランクなんだよ。」

 

不思議なことに、今回初めてCランクを取っていた。

 

「今日は、体調が優れなかったんだよ。」

 

そう言ってそっぽを向いた。その時、俺とキンジの携帯の着信が入った。

 

「遠山君、天音君、緊急事態が発生しました。東京湾に停泊中の客船がシージャックされました。直ちに、テロリストの身柄確保と人質の開放任務に当たってください。」

 

「先生、3人で向かってよろしいですか?」

 

俺は、質問した。

 

「構いません、とにかく十分後車輌科(ロジ)の第三格納庫に集合してください。」

 

十分後、俺たちは、装備を整え、第三格納庫へ集合した。

 

「今回のミッションは、少数での潜入ミッションです。テロリストの武装解除もしくは、人質の救出が目的です。くれぐれも武偵憲章を破らないようにしてください。」

 

俺たちは、すぐさま、用意された小型ボートに乗り作戦海域に向かった。

 

船に取り付き無事潜入に成功した。

 

「これより、ミッションを開始する。不知火君は、機関室を掌握してくれ。

 

キンジは船橋(ブリッジ)の確保とテロリストの規模を調べてくれ、俺は、人質を探す。」

 

そう指示して、それぞれの任務に向かった。

 

「くそ、狭いな……」

 

内部の廊下は思っていた以上に狭く、銃の取り回しが難しそうだった。

 

個室を調べてみると、誰もいないが、特に荒らされた形跡もなく何か違和感を感じた。

 

「天音君、機関室を制圧したけど、ボイラーが全部壊されているんだ。」

 

「天音、ブリッジを制圧したが妙なんだ、航海日誌がどこにもなく記録が何一つ残っていない。」

 

「分かった、いったん潜入ポイントに集合しよう。」

 

そう言って、戻ろうとしたその時、後ろのドアから、人が出てきた。

 

「動くな!!」

 

俺は、USPを構えて威嚇したが、その人は止まらず、ゆっくりと着実に迫ってきた。俺は走って合流ポイントに向かった。

 

「先生、人質ならびにテロリストはいませんが、自衛隊の対N,B,C部隊の派遣を願います!」

 

俺は、急いで先生へ報告した。

 

「天音君、まずいよ、次々と人が襲ってくる!」

 

「天音、こいつら、足を撃っても効かないぞ!」

 

キンジと不知火はパニックになっているようだが、俺は、焦らず指示をした。

 

「キンジと不知火君は、ボートでこの海域を離れて。」

 

俺は、考えたように言った。

 

「いや、でも……」

 

不知火は、残ろうとしたが、キンジは、意図が伝わったらしく

 

「分かった脱出する。死ぬなよ。」

 

そう言って、ボートに乗り込んだ。

 

離れたことを確認して、俺は、決意を固め、集中した。

 

「リミッターを解除」

 

俺は、船全体にバリアを張り、次に、魔法を詠唱し始めた。

 

「究極爆発魔法(テラフレア)!」

 

甲板を覆っていた、ゾンビの群れを焼き払い、中へ進んでいった。

 

(おそらく、tウィルスに冒されている)

 

俺は、感染源を断つためにあちこちを調べた。

 

すると、艦長室から、サンプルの入っているケースを発見した。

 

「瞬間移動(テレポート)」

 

俺は、そのケースを、キンジの乗っているボートの下に転送した。

 

「キンジ、下にケースが入っているはずだ、そのケースを自衛隊に渡してくれ、くれぐれも扱いには気をつけろ。」

 

通信を入れて、もう一度甲板に戻った。俺は、道中で邪魔なゾンビを次々と焼き払った。

 

甲板に着いた俺は、魔法を詠唱し、放った。

 

「隕石落下(メテオ)!」

 

次々と、命中する隕石によって船はバリアの中で粉々になった。

 

「召喚(サモン)」

 

俺は、小型の高速船を召喚し海においた。

 

「瞬間移動(テレポート)」

そして、召喚した船に乗り込み、最後の仕事として、

 

「上昇(レイズ)」

 

大気圏外にこの粉々になった、船を捨てた。

 

「ミッション終了」

 

そう言って、武偵高へ帰還した。そして、担当の先生に報告しに行った。

 

「先生、残念ながら、人質の救出はできませんでしたが、船を襲った、ウィルスの駆除に成功しました。」

 

「そう……残念ね……分かったわ、今回の報酬として、三人には、4単位と、300万円を振り込んでおきます。」

 

そう言って、返された。

 

「お疲れさん。」

 

俺は、不知火とキンジに結果を報告した。

 

「天音、今日ちょっと良いか?」

 

キンジにそういわれ一緒に帰った。

 

 

「今日のミッションだが……派手にやったもんだな。」

 

キンジは、憂鬱な面持ちでそう切り出した。

 

「ごめん、今日は」

 

「良いって、それにしてもあいつらは一体何だったんだ?」

 

「分からないが……しゃがめ!」

 

突然、キンジの後ろから銃弾が飛んできた。

 

「こっちだ!」

 

キンジが、路地を示しそっちに逃げた。

 

「二手に分かれよう」

 

そう言って、俺は左に、キンジは右に、逃げた。

 

「逃がすな!!」

 

追跡者たちは俺のほうに来た。

 

「仕方ないか」

 

俺は、普通の状態で、壁を蹴り、ブロック塀を乗り越えた。すると、背後から、車で追いかけてきた。

 

「嘘だろ!」

 

俺は、集中して、能力を使った。

 

「トランザム!」

 

赤色に体が発光し、通常の三倍で走る。

 

無事に逃げ切ったが、携帯に着信が鳴った。

 

「くそ、ドジった。つかまった」

 

そう言って、連絡が途絶えた。

 

「索敵(サーチ)」

 

俺は、携帯の電波の発信源を探し、そこに向かった。そこには、4~50人の武装した、人がいた。

 

「構築(メイキング)」

 

俺は、ステルス迷彩を作り装備した。進入した俺は、ゆっくりと、キンジに近づき、魔法を詠唱した。

 

「治癒魔法(ケアルガ)」

 

キンジの傷が塞がり、動けるようになったことを確認した俺は、集中した。

 

「リミッター解除」

 

その瞬間に俺は、力を込めた。

 

「雷化!」

 

キンジの近くに居た兵士を気絶させ、キンジを逃がすと、俺はさらに、暴れた。

 

「電撃特攻(ボルテッカー)!」

 

近づいてくる兵士を巻き込みながら、出口に向かって、突撃する。銃弾は全て燃え尽きまったく効かない。

 

出口に着いた俺は、扉に向かって最後の仕上げをした。

 

「岩石封じ!」

 

出口を、岩で塞ぎ、出てこれないようにした。

 

「大丈夫か?」

 

キンジは思った以上に疲労しており心配になった。

 

「大丈夫だ、これぐらいでへばっていたら武偵が勤まるか。」

 

そう言って、立ち上がったが、すぐに座ってしまった。

 

「俺の背中に乗れ」

 

そう言って、俺はキンジをおぶった。その時、後ろから、一人の人が、出てきた。

 

「遠山キンジ武偵、私達は、君の能力をほしがっている。こちらに来ないか?」

 

そいつは、キンジにそういってきた。

 

「誰だ、お前たちは」

 

俺は、そう尋ねた。するとそいつは、歌い始めた。

 

「おいで、おいで、イ・ウーは楽しいよ。おいで、おいでイ・ウーは天国だよ~♪」

 

そう歌って、キンジに、襲い掛かった。

 

「トランザム!」

 

俺は、全速力で走ったが、少しずつ追いつかれてきた。

 

「くっ、このスピードで追いつく!?なら!」

 

そう思い、さらに、能力を重ねる。

 

「加速(アクセラレート)!」

 

通常の3倍にさらに3倍を掛けて、合計、9倍のスピードで駆け抜けた。

 

わずか、1分で、武偵高の教務課(マスターズ)にたどり着いた。

 

「蘭豹先生、遠山君が、イ・ウーに狙われました。今、逃げてきたところです。」

 

「何やて!分かったすぐ対処するわ!」

 

そう言ってあわてて、準備して出て行った。

 

「すまないな、迷惑を掛けてしまって……」

 

キンジは申し訳ないようにそう言った。

 

「気にするな、友達だろ。」

 

俺は、励ますように言った。そして、それぞれが、家に帰っていった。

 

(イ・ウーとは、何だ?)

 

俺は、疑問に思いネットで調べてみたが何も出なかった。

 

(もしかして、故意に消されているのか?だとしたら一体何のために……)

 

俺は、その後もしばらく考えた。

 


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