王女とあの日の約束 第1話と第2話の間の話です。
ミグランス王宮を出発する前夜、不思議の森にやって来たベルトランは…

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※御注意※
こちらの作品は、アナザーエデンの二次創作小説です。


極力原作ゲームの世界観や設定に沿うようにしているつもりですが、作者小麦の誤解・曲解が存在する可能性があります。
また創作の都合上、個人の解釈で各キャラクターの過去や背景、未来を描写する箇所があります。

※少しでも世界観を崩したくない方、キャラクターの設定を忠実に守りたい方は読まれるのをご遠慮ください。※
※暴力やグロテスク、性的な表現は含まれておりません。※

※ネタバレについて※
※今回ネタバレに含まれる内容
※アナザーエデン断章「小さな王女の小さな大冒険」
※ベルトラン キャラクエスト
※フェルミナ キャラクエスト


今回の内容について
・「王女とあの日の約束」の第1話、第2話の間の話です。
当初の予定より長くなりそうだった為に削除した部分を、1話分にまとめ直しています。



以上、苦手でない方のみご覧くださいませ。




王女とあの日の約束 第1.5話

王女とあの日の約束 第1.5話

 

〜ミグランス城城内 従者控えの間〜

 

ベルトラン「こんなものか。」

フェルミナ「そうですね。」

ベルトラン「フェルミナ、荷物はそれだけなのか?」

フェルミナ「ええ。もともと私物と言えるものは服、特にお嬢様から頂いたものくらいです。」 

ベルトラン「そうか。相変わらず身軽なことだ。」

フェルミナ「そちらこそ、家も決めていないのに荷物が少ないのでは?」

ベルトラン「俺は仕事のための武具さえあればいい。必要なものは日々調達する。」

フェルミナ「そうですか。」

 

ベルトラン「…今日、姫様に会えなかったのは残念だったな。」

フェルミナ「ええ。…明日にはお会いできるといいのですが。」

ベルトラン「姫様次第だが、できればそう願おう。」

フェルミナ「では、明日の護衛の件、頼みますね。」

ベルトラン「任された、と言いたいが…何せ初めての依頼で『商人のか弱い娘』の護衛なぞ荷が重くてな。」

フェルミナ「ご冗談を。」

ベルトラン「どちらかと言うと護ることよりも、万一の時に『か弱い娘』であることを守り通せるか…」

フェルミナ「どちらにしても貴方の腕次第でしょう。」

ベルトラン「…違いない。それにしてもこんなに凝った設定にする必要があったのか?」

フェルミナ「それは…」

ベルトラン「いや、すまない。フェルミナの仕事については聞かないつもりだった。」

フェルミナ「…ベルトラン。事情も聞かずに依頼を受けてくれたのは…」

ベルトラン「長年の仲間の頼みだ。何も聞かずに受ける。」

フェルミナ「感謝致します。」

ベルトラン「礼は依頼を完了させるまで、報酬と一緒に取っておいてくれ。」

フェルミナ「そうします。」

ベルトラン「では、また明日な。」

フェルミナ「はい。」

 

 

 

〜ミグランス城 不思議の森 入り口〜

 

ベルトラン(夜に来るのは久々か…。姫様に仕えるようになってから、多くのことがあった。あのとき城仕えを辞めていたとしたら…)

ベルトラン「こうして感傷を覚えることもなかったかもな…」

 

???「まだ休まれてなかったのですね。」

 

ベルトラン「フェルミナも、か。」

フェルミナ「ええ。」

ベルトラン「姫様とは、いつもこの森で騒動があった。」

フェルミナ「お嬢様がこの森へ何回も抜け出して。」

ベルトラン「最初の時は、あの窓からカーテンとシーツだけで下に降りたのだったな。全く度肝を抜かれたものだ…」

フェルミナ「なかなかの行動力でした。」

ベルトラン「あの後、窓は簡単に開かないようにして、窓からの脱出は阻止できるようにはなった。」

フェルミナ「でも、お嬢様はあらゆる手段で私たちを上回ってきましたね。」

ベルトラン「かくれんぼを森でやると言って、森へ逃走したこともあった。」

フェルミナ「あの時は王に察知されてしまいましたね。」

ベルトラン「あれは焦ったぞ…陛下のこともそうだが、フェルミナが姫様を吹き飛ばしてしまったのではないかと…」

フェルミナ「作戦勝ちでしたね。」

ベルトラン「陛下には筒抜けだったが、『一本取られたな!』と笑われていたな…」

フェルミナ「『世にも珍しい、取り乱すベルトランを見ることができた』と喜ばれていましたね。」

ベルトラン「そうだったな…人が悪い…」

フェルミナ「夜の森に、魔物の子を帰しに行ったこともありました。」

ベルトラン「まさか姫様は魔物とすら心を通わせようとされるとはな…」

フェルミナ「お嬢様の心の広さがあって、成し得た奇跡でした。」

ベルトラン「その後も何度か逃げ出され…陛下にお詫びと報告をしに行くと叱られながらも『あやつの方が一枚上手だったな!』『だんだん知恵をつけてきたな!』と毎回大笑いもされたがな。」

フェルミナ「…色々ありましたね。」

ベルトラン「ああ、色々あった。」

 

ベルトラン「なあ、フェルミナ。」

フェルミナ「はい。」

ベルトラン「今日陛下に2人とも、姫様からも教えていただいたと申し上げたな。」

フェルミナ「ええ。」

ベルトラン「俺は戦いしか知らない人間だった。だから騎士を辞めてからの仕事も、傭兵しかないと考えていた。」

フェルミナ「はい。」

ベルトラン「だが、姫様に仕えている間に考え方が少し変わった。姫様はとてもお優しい。その優しさが、戦いで護って勝つことよりも、大切なものを護る為の手段の1つが戦いであるという考え方へ導いたのだ。」

フェルミナ「なるほど…。」

ベルトラン「ミグランスの盾などと大層な呼ばれ方をされていたが、それはただ俺の力の振るい方が防戦へ向いていただけの結果であった。今は、目の前の人間を護る為の盾でありたい、と思うようになった。」

フェルミナ「そうですか。…戦いしか知らないと言いましたが、私も似たようなものです。」

ベルトラン「そうだな。フェルミナはこの数年でかなり変わった…そうだな、感情が豊かになったように見える。」

フェルミナ「ええ。自分でもそう思います。」

ベルトラン「姫様に初めて挨拶して泣かれてしまった時は、あろうことか気絶させようとしていたのにな。」

フェルミナ「それはもう…言わないでください。」

ベルトラン「あの後しばらくしてやっと、2人ともあれが嘘泣きか分かる程度には成長したんだったな。」

フェルミナ「振り回されっぱなしでしたね。」

ベルトラン「でも、今となっては心地よい賑やかさだった。」

フェルミナ「ええ、本当に。」

 

ベルトラン「…そろそろ休むか。」

フェルミナ「そうですね。おやすみなさい。」

ベルトラン「ああ、おやすみ。」

 

〜〜

 

王女とあの日の約束 第2話へ

 

〜〜

 




※当第1.5話は短編としての投稿の為、前後話へのリンクはありません。


〜〜

最後までまでお読みいただき、ありがとうございます。

こちらの作品は、原作ゲームであるアナザーエデンの製作・運営に携わる全ての方々への敬意と感謝の上で書いております。

また、個人の趣味で楽しむ範囲の二次創作であり、商用での利用は一切考慮、予定しておりません。

小麦

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