血みどろ無表情のフリーレンに殺されたい転生魔族。 作:たかたけ
あ、俺受験生なんで一応。更新は不定期になります。
「──……なるほどな。つまり、フリーレンは俺と魔族が重なってしまったから、魔族を殺すのが辛くなったと…」
なるほどなー。ふーん、へー。………あれ?これって俺のせいでは?
俺が普通の魔族とは違う、つまり【転生者】と言うことを明かしておけば良かった話では?
……いや、ダメか。魔族と人間は“脳”の構造が違っていると言うのは常識だ。そこに魂という不確定要素を言ったところで焼け石に水だろう。そもそも、フリーレンは原理のわからないことに興味すら湧かない。女神の魔法などが筆頭だ。
そんな理屈を並べたところで、フリーレンを納得させられるとは思わない。
そんな事を考えていると、ナルが怒っていると勘違いしたフリーレンが影を落として謝ってくる。
「…………ごめん。傷つけた…」
「えっ。いや!傷ついたとかじゃなくて少し考え事をだな!それに、俺は別に傷ついてないぞ!!」
「………」
お、重い…。これまで出会ってから、ここまで俺たちの間に走る空気が重くなったのは初めてじゃないのだろうか…。
俺はシリアスよりもシリアルが好きなんだよ!!!
ナルはこの状況ついでに、フリーレンの悩みを一気に解決できる手段は無いかと思案する。
フリーレンに至っては顔を俯いたままでピクリとも動かない。
「あ、ああー…、!俺を魔族だと思わないようにしたらどうだ!?」
「…どういうこと?」
あまりに抽象的な提案にフリーレンは首を傾げた。ナルの足りない脳みそで絞り出した答えをうまく言語化するキャパシティを今、ナルは持ち合わせていなかったのだ。
「ほら!フランメみたいに俺に新しい種族名を付けるとか!?」
「先生みたいに…」
「そうそう!そうすれば多少マシになるかもしれないだろ!?」
割と適当なことを言ったナルは額から溢れる冷や汗を止められない。フリーレンが真面目な顔で考えだしたのを見てを確認してからは尚更だ。
─十分後。何かスッキリしたようなフリーレンが口を開く。
ナルはすっかりびしょ濡れになってしまったハンカチを絞りながら平静を取り繕う。
「決めた。ナルは“魔人”…魔族とは違う、『人の心を持つ魔族の変異種』だ」
「魔人…はは。良い名前だな」
「そうでしょ」
ナルに褒められたフリーレンはむふー、と無い胸を張った。一方ナルは『やっちまった…』と思ってる側面、『フリーレンが喜んでるし別にいっか』というなんとかなったと言う安心感の方が勝っている状況だった。
「──話は終わったかい?」
するとそこに、先ほどまで外で待っていてくれたヒンメルが、ちょうど良いタイミングでそう声をかけてきた。ナルとフリーレンはヒンメルの言葉に頷いた。
「あ!ごめん。客人に外で待たせちゃって」
「なに、フリーレンを誘っているのは僕達だからね。それくらい、いくらでも待つよ」
さらっとイケメン発言をするヒンメルにナルは感嘆を漏らした。
「さて、いきなりだけどもう答えを聞かせてもらえると思って良いのかな?」
「うん。私はヒンメル達の冒険に着いていく」
「─そうか、じゃあこれからよろしく。フリーレン」
物語のワンシーンを見ているような気分になったナルは思わず拍手した。
「いやー、よかったよかった。じゃ、勇者パーティでも頑張ってねフリーレン」
「…?ナルもついてくるでしょ?」
「──え????」
え????
「え?いや、なんで?」
「なんでって、ナルは私がいない間血のことどうするつもりなの」
「─あ」
そ、そ、そ、そうだったああああああ!!!!!フリーレンが勇者パーティに入るってことはフリーレンから血をもらえなくなるってことじゃん!!!!焦っててかんっっぜんにわすれてたあ!!!!
「あ、ああ〜…。勇者パーティって魔族入っても大丈夫かな…?」
「……わかんないかな」
「…わかんないか〜……」
そりゃそうだ(冷静)。魔族が勇者パーティに入った前例なんて無い。
「…隠せばなんとかなるかな?」
「わかんない」
「わかんないよね〜…」
ヒンメルに続きフリーレンにまでそう言われてナルは思わず天を仰ぐ。
ああ…前途多難だな…。
「─って言うことで本日付けでこの勇者パーティに配属になりましたっ。ナルですっっ(ヤケクソ)」
「フリーレン。魔法使いだよ」
外で待機してもらっていたアイゼンとハイターを交え、ナルとフリーレンは改めて自己紹介をした。
「一気に賑やかになりましたね」
「おい、コイツをパーティに入れても大丈夫なのか?」
僧侶のハイターはナルが勇者パーティに入ることには概ね好意的だったようだが、戦士のアイゼンはそうではなかったようだ。明らかにナルを睨みつけながら警戒心を露わにしている。
それをヒンメルは嗜めるように言う。
「まあまあ、アイゼン。これには理由があるんだ。そうだよね?フリーレン」
「そうだよ。ナルは定期的に血を摂取しなければ“暴走”するんだよ。正確には血を摂取しないことによる栄養失調での死にかけの状況で、理性のタガが外れたことによって引き起こされる暴走だけどね」
フリーレンによってそう説明されたアイゼンは、立派な髭を撫でながら理解したように唸った。
「……つまり、コイツを放置すれば被害が出る可能性があると言うことか」
「…まあ、そんな感じだね」
「…(うわ、フリーレン。なんか隠してる顔してるよ…。どうせ朝が起きれないとかそんな理由なんだろうな。俺を連れていく理由…)」
「…(何あの顔…)」
「…(なんでしょうか、あの顔は)」
「…(なんなんだ、その顔は)」
「…(…ナルがいないと魔法の実験もしにくくなるし、ついて来て欲しいんだよね。後、ご飯美味しいし)」
さすが1000年以上の付き合いだろうか、ナルはフリーレンの考えをほぼ完璧に読み取っていた。
「ま、まあ。足手纏いになるつもりはないし。受け入れてもらわなくても良いけど妥協はして欲しいかな?」
「…ふん」
アイゼンはそれ以上は何も言わず目を瞑ってしまう。取り敢えずは認めてくれたと見て良さそうだ。
「それじゃあ。勇者パーティが揃ったところだけど、まずは王都を目指して王様と話さないとね」
「そうですね。私たちはまだ“自称”勇者パーティですからね」
「ああ」
「うん」
「わかった」
って、自称だったのかよ…。
ナルは今初めて知った情報に驚愕しつつも、これからの旅への決意を固めた。
─ナルの角。
ナル「あ、角取るの忘れてた(バキ。ポイ)」
ヒン「え…それって取って良いものなの?と言うか痛くないの?」
ナル「取って良いものかはわかんないけど、ちょっと痛いくらいだし多分大丈夫」
ヒン「そうなんだ…。ちなみにどれくらい痛いんだい?」
ナル「…爪の間に針がブッ刺さった時くらい?」
ヒン「うわっ。待って今ゾワっとした!見て、鳥肌!」
ナル「あー、確かに考えるだけで痛いよね。まあ、慣れだよ慣れ」
後何書けば良いかわかんなくなって来た。