「(何故、餅米と鋼線、銭剣を?)」
左之助さんの用意する道具に戦々恐々としながら、私はキョンシーに作り替えられて、左之助さんの命令を受ける自分を想像し、ドキドキしてしまう。
だ、ダメです、破廉恥なのはダメです!
「顔が赤いぞ、風邪か?」
「え?あ、いえ、なんでもないです」
自分の考えていた妄想に頬を赤らめて、自分のはしたなさに恥ずかしくなります。うぅ、私は何をしているのでしょうか。
恥ずかしいですっ。
「なあ、景」
「は、はい、なんでしょうか?」
「洋服って好きか?」
左之助さんの言葉に暫しの困惑を受けるも、どういう問いなのかは考えずに答えることにしました。いえ、それよりもついに左之助さんもしとりとひとえの洋装の可能性に気付きましたね。
「和装も洋装も好きですよ。洋服は和装ほど気付けに気配りせず、すぐに身に纏えますし。しとりとひとえにも似合いそうです」
「ちなみに洋装だと下着はダメだそうだ」
「デマですよ、それ」
「騙しやがったな、剣心…!」
「拙者は何も言っていないでござるよー!」
「左之助さん?」
思わず、身体を守るように抱き締めて、すすすっと居間と廊下の出入り口まで後退りながら左之助さんを見上げると、二十九歳の女が着るには抵抗を感じてしまう。
とても可愛らしく袖や襟、裾にフリルの付いたワンピースドレスを取り出してきました。そ、そういうのは肉付きの良くて健康的な美女に似合うのでは?
「景、着てみようぜ」
「い、いやです」
「まあまあ」
「や、やめましょう?」
「ん!わたしも着た!」
「ひーも着た!」
ズズンと立つしとりとひとえはとてもとても可愛くてソーキュートです。でも、私みたいにガリガリで不健康そうな身体で着るのは、恥ずかしくなります。
「……うぅ、笑いませんよね?」
「笑わん。むしろ裸のお前も見たい」
「子供の前ではやめてくださいね」
ペチペチと私の目の前にしゃがんだ左之助さんのおでこを叩いて、ちょっとだけ苦言を呈してみます。大好きな人なので悪口は言いたくなんです。
ですが、もうちょっとだけ配慮をですね。
「……こうすると分かりますけど。二人は健康的な肌をしていますね。私みたいに白くないです」
「オレは雪みたいで好きだぞ?あと恥ずかしがると耳まで赤くなるところもな」
「っ、耳も赤くなるんですか?」
流石に、そこまで気付きませんでした。
自分の事を俯瞰して観察することは先ずありませんでしたから、そういう事を知れるのは新鮮でもありますね。エッチすぎるのはダメですけど。