左之助さんに喧嘩を売る人がいたそうです。
喧嘩を売った人曰く「日本最強の喧嘩屋を倒して泊を付けたかった」とのことです。男の人の考えることはよく分かりませんが、自分は強いと誇示したい。
そのために襲ったわけですね。
「そんなに喧嘩したいなら大会でも開けばいいのに、男の人って不思議ですよね」
「おまつり!」
「喧嘩祭りか。面白そうだな」
「ん、母様の提案になるね」
「えっ」
私の提案になるの?とお萩を食べているしとりを見ると「ん!」と粒餡の美味しさに頬を緩めて、笑っている可愛い顔しか見えません。
ひとえはわらび餅ですね。
左之助さんがいるとお餅作りは簡単です。
「景、その大会ってのはどんなだ?」
「どんなって言われましても。武芸を嗜む者、自分の強さを自負する者、極道、ごろつきなど集めて、勝ち抜き戦を開く。または、一対一で戦える場所を用意し、賞金を用意する……というぐらいでしょうか?」
「……良いな。やろう」
「でも、不破と陸奥も来ますよ」
そう言うと唸り始める左之助さんにクスリと笑いながら「会わせないように戦わせては如何ですか?」と提案すると納得してくれました。
……しかし、よくよく考えると提案したのは失敗だった気がします。言うなれば「地下闘技場」や「御前試合」を提案している様なものです。
私の影響ではありませんからね。
「剣心や斎藤も誘うか」
「素手の喧嘩ですよね?」
「喧嘩は何でもありだろ?」
ああ、成る程、齟齬はありますよね。
普通の喧嘩にクリーンファイトなんてものは存在せず、自由に何でも使えますよね。私の立場と左之助さんの立場は違いますから、変わるのも納得です。
「それで、どうするんですか?」
「とりあえず、克の新聞で募集してみるか。アイツの新聞はお前の絵も掲載しってからよく売れるとか言ってたからな」
「ん!わたしも出たい!」
「じゃあ、ひーもでる!」
「待て待て。まだチビッ子だろうが」
「「ちっちゃくないよ!!」」
今のは左之助さんが悪いです。
───というより、しとりはもう私の背丈に並んでいますし、チビと言われると私もチビということになるんですけど。
それは構わないんですか?
「景は小柄な女だろ?」
「ん!わたしも女の子!立派なレディ!」
「ひーもれでぃだよ!」
「二人がレディなら私はマダムになりますよ」
マダムって言うと妖艶なお姉さんになるんですが、私は妖艶さはないです。未亡人と言われることはありますが、あれは酷い勘違いだと思います。
私には愛する家族がいます!