しとりの今後は大丈夫なのは分かりましたけど。左之助さんが、許しているようで許していない事実に何かを言いたい気持ちになります。
ん、わたしばっかり好きな男の子聞かれるのは不公平だと思う。ひーちゃんはいないの?」
「しんちゃん、好き!」
「ぼくもひーちゃんが好きだよー」
「お、おれはしとりが好きだ」
「ん、けんちゃんがわたしを好きなのは知ってる。けど、イタズラするけんちゃんは嫌い。もうひどいことしないでね?」
「……はい」
しとりの言葉にしょんぼりとする剣路君の姿にニヤニヤと笑う左之助さんはすごく意地悪だと思います。しかし、怪我したら真面目に見てあげますよね。
左之助さんはそんなことばかりです。
「かーさまはいないのー?」
ひとえの言葉に答えるよりも先に左之助さんの腕が私を抱き締めて、ニヤリとひとえに笑っています。まだ右目の包帯が取れていないのでいきなりは怖いです。
「景はオレが大好きだよなあ?」
「は、はい」
右目の方から振り返るも塞がっていて見えません。でも、左之助さんはきっと楽しそうに笑っています。私は白紙の本を閉じて、左之助さんを見ます。
気になったことを聞きます。
「どうした?」
「左之助さん、ひとえが心弥君を好きと言うのは寛容なのに剣路君には厳しいですよね」
その言葉に剣路君と心弥君の二人は頷きます。二人とも自覚しているようなので、その理由を聞いておきたいと私は思ったわけです。
左之助さんは楽しそうに私の手を握っている。「なあ?」と言われても反応に困ります。差別も贔屓もしていないのは分かりますけど。
「剣心の子供だからだな。お前の父ちゃんは未だに景が妖しく見えるんだよ」
「くそとうちゃんめえぇ……!!」
「ん、がんばって」
「しんちゃんとひーは?」
「うん」
「弥彦は景の仕事を手伝ってくれていたし。燕も景を慕ってくれていたからな。まあ、お前の悪戯には怒りそうになるのも多いがな」
意外とまともですけど。
緋村剣心を嫌いになるポイントを話しているように聞こえるのですが、それはいいんですか?と、また左之助さんを見上げます。
「ん、全部おじ……おっさんが悪い」
「しとり!?」
おっさんなんて、言っちゃダメです。
「そんなことを言ったら可哀想です」
「ん、本人に言えばかげ口じゃない」
「悪口ではあるな」
「父様もよくしてる!」
しとりの言葉に左之助さんは笑うばかりです。ちゃんと止めてくれないとしとりは本当に言ってしまうのでは?と不安になってしまいます。