某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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花と散る 破

「ん!ん!ん!ん!ん!ん!ん!ん!」

 

「ねーさま、どうしたの?」

 

しとりの振るう布団叩きは鋭く、布団が斬れるんじゃないかと思えるほど素早く。私は左之助さんを見ると「オレは何も教えてねえ」と言われます。

 

本当なのかと怪しみます。だって、いつも変なことを教えるのは左之助さんですし。左之助さん、やっぱり教えていませんか?

 

「ん、母様もする?」

 

「いつもしていますけど」

 

「やって!」

 

「えと、はい」

 

しとりのモノよりも音も小さく、ホコリが出ているのかも分からない勢いでしとりに「母様、そんなのばっかり」と言われてしまいました。

 

「でも、下手のは事実ですよね」

 

「ん、大丈夫。こうやるの」

 

私よりも背の高くなったしとりに肩を触られ、振り抜くと快音がなりました。少しだけビックリしながら布団叩きを視ます。

 

私よりもこの布団叩きがすごいんじゃ?と首輪に傾げて、左之助さんを見つめてしまいます。

 

「次はひーね!」

 

ずぱぁんっ!!!

 

「ん、ひーちゃんは加減を覚えようね」

 

綿が弾け飛びましたね。

 

「ごめんね、かーさま」

 

「フフ、大丈夫ですよ。でも、この布団は剣路君のモノですから、あとで一緒に謝りましょうね」

 

「あい」

 

しょんぼりするひとえの頭を優しく撫でてあげ、しとりにもひとえの頭を撫でてもらいます。しかし、左之助さんは気にしている様子はありません。

 

「ん、今日は私の布団でけんちゃんは寝る」

 

「まあ」

 

「ヴッ」

 

左之助さんは頭を押さえます。

 

そんなことばかりですね。

 

「ん、父様はいい加減になれてほしい」

 

「な、なれねえよ」

 

「私のお父様は普通でしたけど」

 

「オレはそれだけ愛してるんだよ」

 

「...フフ、素敵ですね」

 

そう言って私は本を開きます。

 

「(やはり、もうすぐですね)」

 

子供を見れると思ったんですが、私の人生に関する本はもうすぐ終わります。白紙が続くばかりですが、これにも理由があるんでしょうね。

 

「ねーさま、私もお嫁さんになれるかな」

 

「ん、なれる」

 

「なるな。ならないでくれ」

 

「ひーも、かーさまみたいになりたいもん」

 

「お母さんはそんなに大それた人間ではないので、しとりもひとえも自分で選んだ素敵なお嫁さんになってください。私は、左之助さんだから幸せになれました」

 

「ん、わかった」

 

「あい!」

 

「さらりと言うよな」

 

自分で言うのは良いんです。左之助さんに言われるのが照れて恥ずかしくなるんです。まあ、他にも理由は沢山ありますけど。

 

「大好きですよ、左之助さん」

 

「知ってるよ」

 

「フフ、お揃いですね」

 

そう言って目をとじます。

 

「(ほんとうに、安心します)」

 

 

 

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