某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1553 / 1553
妻は二重人格 破

左之助さんとしとりとひとえによるトヨウケビメ追い出し作戦は悉く失敗し、三人とも悔しそうにしています。ひとえは賛成していたのでは?

 

そんなことを考えながら、左之助さんを見れば平然と私の腰を掴んで、ひとえとしとりはトヨウケビメの身体を引っ張っています。

 

「「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」」

 

「最近、よく聞きますねー」

 

「最近、聞くじゃねえよ。慣れんな!」

 

「だって、ほぼ毎日聞いていますよ?」

 

「それは、そうだがな。景は嫌がってたのに、なんで受け入れてるんだよ」

 

「私ですか?......なぜでしょう?」

 

そう言われると分かりませんね。私は嫌がっていたはずなのに気づけばトヨウケビメのことを受け入れてしまっている気がします。

 

「内部の精神汚染だろうね。糸色君の善意の塊のような精神を蝕むにはかなり時間を労するだろうが、君に身体を譲らせるにはそういう手段が一番だ」

 

ドクトル・バタフライの言葉に流石に困惑し、私の身体から、少しだけ身体を出しているトヨウケビメを見るとニタリと笑いました。

 

どうやら本当のようですね。

 

しかし、そうなると困りました。

 

私の身体は家族のために使いたいですし、死んだら火葬してもらえるように左之助さんにお願いしているので、それだけは無理なんですよね。

 

「は?火葬してもらうって、土葬じゃないの?」

 

「......勝手に頭をのぞくのはやめてほしいです」

 

左之助さんは露骨に嫌そうな視線を向けてきましたが、そういうのはダメだと思います。泣きますよ?と思いながらも、ドクトル・バタフライをみやる。

 

「ドクトル、約束です。ね?」

 

「......私は思うのだ、やはり人を止めてでも君には生きて欲しい。そのためなら何でもしよう。君は私の大事な友人だからね。左之助君も長く生きてほしいだろう」

 

「蝶野のオッサン、勝手に決めんな。オレは、景のためにやるのは一緒に居ることだけだ。邪魔するヤツを追い返してるだけだ」

 

そう言い切ってくれた左之助さんに嬉しく思いながらも、左之助さんを見ると辛そうにしています。やっぱり、辛い思いをさせていることに代わりませんね。

 

「ドクトル、言葉も気持ちも嬉しいです。ですが、私は人間として生きたいんです。トヨウケビメさん、我慢して別の人の身体に……移るのはダメなんですね」

 

「……えぇ、移るのはダメよ」

 

そうですか。そうですよね。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:996/評価:6.52/短編:491話/更新日時:2026年10月30日(金) 22:35 小説情報

シン・南斗の拳 俺達の戦いはこれからだ!(作者:マジカル☆さくやちゃんスター)(原作:北斗の拳)

199X年、世界は核の炎に包まれた!▼海は枯れ、地は裂け、全ての生物が死滅したかのように見えた。▼だが、人類は死滅していなかった!▼――という出だしから始まる、開始した時点で既に詰んでいる世界に転生してしまった一人の男。▼見ている分には面白いが実際に自分が関わりたくないイカれた世界へようこそ!▼そんな世界によりにもよってケンシロウの強敵(とも)、ユリアへの横…


総合評価:38690/評価:8.99/完結:56話/更新日時:2025年07月16日(水) 20:00 小説情報

【完結】最も手を伸ばすのは神威の花。(作者:SUN'S)(原作:ゴールデンカムイ)

彼女は糸色景と相楽左之助の娘だ。▼明治40年、彼女は北海道に来ていた。母のやり残した事を知るため、母の見た世界を知るため、それから中々帰ってこない旦那を迎えに来ている。▼ちなみに彼女は私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に登場する絶景先生こと糸色景の子孫に当たります。▼【スレっぽいヤツ】▼htt…


総合評価:207/評価:8.33/完結:162話/更新日時:2026年09月12日(土) 22:05 小説情報

本好きの魔女、闇の帝王を読書仲間にする。(作者:パラプリュイ)(原作:ハリー・ポッター)

本が好きなのに、司書になる目前で死んでしまった本須麗乃。何故かハリーポッターの世界に転生するも、身体は虚弱で10年も生きられないと言われてしまう。▼『本好きの下剋上』の主人公がマルフォイ家の娘として転生して本狂いとして周囲を振り回していくお話。▼※闇の帝王は読書仲間です。▼半純血のプリンス編完結済▼最終章本好きの魔女編連載中


総合評価:12529/評価:8.97/連載:171話/更新日時:2026年10月22日(木) 12:04 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3162/評価:6.74/連載:108話/更新日時:2026年10月29日(木) 07:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>