しとりとトヨウケビメはおそらく相性がとんでもなく悪く、しとりはものすごく嫌っています。また唸りそうなので手を使って押さえているものの、まだまだ唸りそうで溜め息をこぼしてしまいます。
「しとり、お母さんは大丈夫です。あちらで本を読んでいて良いですから」
そう言って本棚とソファを用意すると、しとりは黙々と本を読んでいます。悪いことをしなければ、しとりはいつだって優しくて可愛い女の子です。
トヨウケビメは無意識に煽りますし、左之助さん達も煽られて煽られて怒っているわけですし。そろそろ本格的にトヨウケビメを注意しないとです。
「あら、注意しないとですって?」
「......心を読むのはやめてください」
「いやよ。貴女の精神は見ていても聞いていても楽しいわ。妖怪大魔王もそう思うでしょう?」
「私に聞くな。そもそもカクレンジャーに三度も封印されることの確定した私は腹立つばかりだ。しかし、糸色景のおかげで退屈はしていない。一度、外的要因で外に弾き出されたがな」
「ああ、あったわね。私、この精神を一時とはいえ汚染したガイアメモリとコアメダルにすごく興味あるのよね。向こうの私も同じ風に考えているわよ」
「ふむ、だろうな。私の想定では二年後に自由になることは決まっているが、貴様の復活でかなり寿命は伸びたように見えるが、精々五ヶ月程度の延命だ」
「五ヶ月も。そんなに長く」
二人の会話に思わず、そう呟くとトヨウケビメと妖怪大魔王に溜め息を吐かれた。まるで、何も分かっていない子供を見るような目にムッとしてしまう。
確かに、そうですけど。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」
「しとり!?」
後ろに振り返ると昆虫の本棚を見てしまったらしく、私に抱きついてきました。
「あら、苦手なものはあるのね」
「てんとう虫もダメなのか。大変だな」
トヨウケビメと妖怪大魔王は元服したしとりを一人前の人間として扱いますが、やはりずっと私の体の中で見ていたせいか。母性愛を持ってくれています。
それは、とても嬉しい。
でも、お母さんのかわいいかわいい大事な娘だからとらないでほしいです。しとりもひとえも私の愛して愛して愛している大事で大切な愛娘たちです。
「愛が重いのよね」
「私にはわからん感情論だな」
それでも、愛しています。