人間へと転生したバハムートは、『永遠の平和』という楽園の創造と、悪にとっての『畏怖の象徴』を志す 作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ
交番の警察官1「だから!その言い分は通用しないと先程から言っている!!」
交番の警察官2「そうだ!いつまでも悪足掻きしていないで早く認めるべきだぞ!」
創滅「断る。俺はその個性とやらの異能など断じて使ってはいない。ただ単に自分自身で会得した体術であの鬱陶しい悪人共を倒しただけだ。そもそも被害を被って迷惑しているのは俺の方だ。この国は被害者には厳しくて加害者には甘い国なのか?ヒーローの次に尊大な職に就いていながらこの理不尽な仕打ちをオレに受けさせるなどなんともまあ人として情け無いw。俺に無理矢理冤罪を掛けようとしたお前ら蟻共こそ俺が言った事実を認めるべきなんじゃないのか?その足らない脳でしばらく考えてみろ。ま、考える時間ぐらいだったら少しくれてやるw。」
交番の警察官1「ぐっ、こいつ・・・!言わせておけば・・・!」
交番の警察官2「大人を舐めた口をベラベラと!」
あの後、創滅はリューキュウに警察官の元へと引き渡され、そして警察官に連れられて創滅は事情聴取を受けていた。
聴取をする警察官は、始めは創滅に対し優しく諭そうと努めていたが、何度聞いても全く変わらない彼の“個性”無使用主張に次第に苛立ちが募っていた。
交番の警察官2「身体から刃物を出す"個性"を持った敵、さらに、連続強盗殺人犯として指名手配もされていた《僧帽ヘッドギア》……これらを、ただの純粋な体術で全て撃退したなど、一体誰が信じる!!」
交番の外にまでよーく聞こえる警官の怒鳴り声を聞きながら、イレイザーヘッドやリューキュウと共に待機していたミッドナイトが困り顔をしていた。
ミッドナイト「あの子、警察との事情聴取大丈夫かしらねぇ。なんかやけに強情だけど・・・そこまでして青春を送りたいのかしら?相澤くん、リューキュウ」
リューキュウ「フフッ、どうやらそうらしいかもしれないですね、ミッドナイト先輩」
リューキュウも自然と苦笑し、その逆で相澤は相変わらずの塩対応であった。
相澤「そんなこと、俺は知りません。あと、さっきも言った筈です。学外ではヒーロー名でお願いします、ミッドナイトさん」
ミッドナイト「こっちの男も相変わらず固いわね」
そう苦笑するミッドナイト。だが内心は正直、あの大人並みの体格を持つ少年──大古神 創滅の力量に感心していた。それはミッドナイトと同じ女性ヒーローであるリューキュウも同じ感想を持っていた。
件の
この
リューキュウ「それにしても、プロヒーローでも手を焼く
ミッドナイト「相澤く──イレイザーヘッドはどう思う? あの大きい子」
相澤「……僧帽ヘッドギアを筆頭にした
リューキュウ「確かに・・・。私の個性であれば、万が一
「どういうこと?」と言って首を傾げるミッドナイト。また、イレイザーヘッドが未だ交番で警官と言い争っている創滅を見た。
そして髪が
相澤「“僧帽ヘッドギア”を別の場所へ吹っ飛ばした後に、俺はあの子を見ました。“個性”での筋肉の増強なり、持っている得物の強化、“個性”による何かしらの変化をしていたなら、それは消えるはずでした。」
リューキュウ「イレイザーヘッド、それは・・・」
そしてもう一つの可能性、とイレイザーヘッドは指を立てる。
相澤「異形型なら全然納得できた。けど、あの子はそんな感じには見えない。……俺自身信じられませんが、少なくともあの時、あの場では“個性”は行使されていなかった。つまり・・・」
リューキュウ「つまり?」
相澤「あの子は本当に、
リューキュウ「・・・そうですか。じゃあその可能性は高いと、いうことですね?イレイザーヘッド。」
相澤「はい、そのように捉えても良いかと。リューキュウ。」
ミッドナイト「けど、不思議ねぇ・・・なんであの警官二人にそれを言わないの?」
相澤「俺、あの警官二人とは少し合わなそうなので、塚内さん待ちです。」
ミッドナイト「合わないって……」
塚内「すまない、遅くなった」
リューキュウ「噂をすれば、ようやくですよ。イレイザーヘッド、ミッドナイト先輩。」
声がした方に視線を移すと、ハットを被ったトレンチコートを羽織ったスーツ姿の刑事が、交番前に到着していた。
相澤「どうも、塚内さん」
塚内「聞いたよイレイザーヘッド、あの子が例の?」
相澤「ええ、そうです。お願いします。」
会釈をするイレイザーヘッドに、塚内という刑事が交番の中に入ろうとする前に足を止める。
塚内「三人の仕事が済んだのなら上がってもらって構わないよ。長らく済まない、ここからは我々の仕事だ。」
相澤「……塚内さん。今は教師でも、ヒーローだ。一度救けた人間は最後まで見ます。それに・・・」
ミッドナイト「そうね、イレイザーヘッドの言うことが事実であれば、場合によっては長い案件になりそうなんですよね?」
リューキュウ「私もイレイザーヘッドと同じく
ウインクしてみせるミッドナイトや、女神の微笑みのような笑みを浮かべたリューキュウに、塚内は申し訳なさそうな顔をした。
塚内「……すまない、ありがとう。とは言っても、そんな大事にはならないだろう」
相澤「塚内さん、あの子の詳しい身元は────」
イレイザーヘッドの問いに、塚内は口を噤む。
大古神 創滅を調べた結果────
塚内「……身分証と住民票は問題なく合致。診察も受けており“個性”因子も見受けられたそうだ。そして、“個性”登録もされている。だが、実はもう一つ気になったことがあった。」
相澤「それはなんですか?塚内さん」
塚内「ああ・・・、あの子が持つ"個性"についてだよ。当時、四歳の時のあの子を担当した医師から手に入れた記録なんだが、正直僕も一瞬だけ半信半疑になったよ。まさか両親の個性の面影を全く残していない
相澤「突然変異型の個性、ですか?まあほんのごく稀に発言するケースはあると何処かで聞いたことはありますが・・・そもそもその個性は一体どんな個性なんですか?」
リューキュウ「確かに、他人のプライバシーに干渉するのは悪い気がしますが、私も気になります。」
塚内「手に入れた情報では、龍に変身できる個性のようらしい。ということはおそらく・・・リューキュウ、あの子の個性は、貴方の個性とよく似たものだと思うんだよ。」
リューキュウ「私の個性が?ということは私と同じようにあの子も個性によってドラゴンに変身できるという訳ですか?」
塚内「ああ、基本的にはそう捉えて貰って構わない。ただ、"個性"の名前が良い意味で
リューキュウ「はい、一応知っておきたいと思います。あの子とは、何故だか今後縁がありそうな予感がしますので。」
相澤「・・・確かに、事前にあの子の情報を知っておくことは合理的で良いと思います。まあ勝手にあの子のプライバシーを見る感じで嫌な気はしますが。」
ミッドナイト「確かに気になるわね。あの子の個性の名前、ドラゴンに変身できる個性だから名前がワイバーン、とか?ま、兎に角早く見せて頂けませんか?」
塚内「そうか、わかった。じゃあ言うよ?この子の個性の名前は・・・」
そして、創滅が決めた個性の名前が、塚内の口から放たれる。
塚内「『バハムート』。そう書いてある。」
イレイザーヘッド、リューキュウ、ミッドナイトは一瞬その名前を聞いて硬直してしまった。だがその後、なんとか落ち着きを取り戻した三人は各々が感想を述べ始めた。
相澤「バハムート・・・か。確かに今までで聞いたことがない個性ですね。ミッドナイトさんはーー」
ミッドナイト「バハムート、ね。その個性の名前かっこいいわ!なんかこう、響きが!」
相澤「ハァ・・・こんな時にふざけないでください、ミッドナイトさん」
ミッドナイト「いや、全然ふざけてなんかないわよ!?ただの熱い感想よ!感想!うわーん!また相澤くんが私のことをいじめたわー!」
相澤「ハァ・・・全く。ん?リューキュウ、どうかしましたか?急に考え込んで。」
リューキュウ「バハムート、バハムウト、ばはむうとのかみ・・・ハッ!」
相澤とミッドナイトが雑談混じりの感想を語り合っていた最中、リューキュウはふと、バハムートの言葉をそのままもじったような感じの言葉である、
相澤「!もしかして何か思い出しましたか?リューキュウ」
リューキュウ「塚内さん、そしてイレイザーヘッド。今、「バハムート」という個性に対して、心当たりがあるというか・・・少しだけ名前が似ているキーワードが浮かび上がりました。」
相澤「「バハムート」という個性の名前と似ているもの・・・それはなんなんですか?リューキュウ」
塚内「僕も相澤くんと同義だ。リューキュウが良ければ是非話してくれないか?」
リューキュウ「はい、わかりました。ただし、今から話すことは架空の御伽噺のような感じになるかもしれませんが、大昔、それも古代の日本から伝わる、実在した神話の伝説、伝承らしいです。本当に信じて頂けるのであれば今此処で話そうと思っています。大丈夫ですか?」
リューキュウは、「ばはむうとのかみ」というキーワードについて信じて貰えるか確認を取った。だが、その心配は必要なく、塚内、相澤、そしてミッドナイトは、あの冷静で真面目なリューキュウが嘘をつく筈がないと、最初から信じていた。
塚内「ああ、信じるよ。別に大丈夫だ。それに、リューキュウが安易に嘘をつく人じゃないのはもう承知しているしね。」
相澤「俺も同じくだ。なのでリューキュウ、是非話してくれませんか?その「ばはむうとのかみ」とやらについて・・・。」
ミッドナイト「確かに、実在した古代の日本の伝説ならば気になるわ!是非話して頂戴、リューキュウ。」
リューキュウ「!わかりました、信じて頂いてどうもありがとうございます。では話します、
〜説明中(15分ほど)〜
リューキュウ「ーーという感じで、
塚内「ああ、まだ完全には理解しきれていないかもしれないけどだいたいはわかったよ。ありがとうリューキュウ。それにしても、
相澤「俺も同じ気持ちです、塚内さん。それに、リューキュウに話して頂いた
『数多ノ弱者ヲ駆逐シ、苦シメシ時』『伝説ハヨミガエル』『数多の弱者ノ肉ヲ裂キ、骨ヲ砕キ、血ヲ跨イダ時』『彼ノ者ハアラワレン』『大陸ヲ地鳴ラス者』『大海ヲ煮エ立タス者』『天空ヲ黄昏ニ染メル者』『森林ヲ薙ギ倒ス者』『烈風ヲ起コス者』『大岩ヲ砕ク者』『黒鉄ヲ溶カス者』『獄炎ヲ生ミ出ス者』『雷鳴ヲ轟カセル者』『ソノ者・・・イヤ、ソノ神ノ名ハ・・・【刃覇無生斗之神】』『ソノ神ノ名ハ、創世ト終末』『ソノ神ノ名ハ、避ケラレヌ裁キ』『ソノ神ノ名ハ、宿命ノ神罰』『喉アラバ叫ベ』『眼アラバ見開ケ』『耳アラバ聞ケ』『心アラバ祈レ』『刃覇無生斗之神』『天ト地ヲ覆イ尽クス』『彼ノ神ノ名ヲ』『世界ノ秩序ヲ見守ル』『彼ノ神ノ名ヲ』『彼ノ神ノ名ヲ』『刃覇無生斗之神』
・・・という感じで刃覇無生斗之神について纏められていると言った感じになっています。まるで歴史的な石碑にでも刻まれていそうな文章でした。あと説明が長くなってすいません。」
塚内「そうか、確かに言われてみれば確かにそうだな・・・まあ兎に角イレイザーヘッドも
相澤「いえ、お気になさらなくて大丈夫です。塚内さん。俺もやっぱり
塚内は、
ミッドナイト「それにしても、随分と長めな伝承の記し方だったわね。あんな長ったらしい伝承の記し方をいつもあなたのひいおじいちゃんとひいおばあちゃんに良く言い聞かせられていたの?それに、良く完璧に言えたわね。私なんかじゃあ暗記は序盤の方でもうギブアップするかもしれないわ、それを考えたら滅茶苦茶すごいわね!リューキュウ。」
リューキュウ「フフッ、どうもありがとうございます、ミッドナイト先輩。確かに最初は私も覚えるのは大変でしたよ。でも、私が子供の頃に私の曽祖父母から教わった
ミッドナイト「本当!?だったら今度お互いのヒーローの仕事がオフの時にそのコツ、是非私に教えて貰える!?よろしく頼むわ、リューキュウ・・・いや、よろしく頼みます!リューキュウ先生!」
リューキュウ「はいはい、わかりました。それに先生だなんて、少し大袈裟過ぎますよ。ミッドナイト先輩。フフフw」
そんな感じで、今ミッドナイトとリューキュウが楽しく話をしていたが、塚内は大古神 創滅について未ださらに事前に調べ上げていた。そして、塚内は、あることをまた思い出し、そのことをイレイザーヘッドにも相談した。
塚内「・・・イレイザーヘッド、今さっきさらに調べ直してみたら、もの凄く驚愕したことがあった。あの大古神 創滅という子、あの神奈川県内での政策や古くから続く自警団として神奈川県内の犯罪の取り締まりなどを行なっている、日本の国家に匹敵するほどの権力や財力、そして技術力などを持った、古墳時代から続く豪族の末裔の一族『大古神家』・・・いや、今も尚、神奈川県の県民を中心に根強く信仰されている『創破龍神教』の199代目教祖『大古神 森羅』さんのご子息らしい。」
相澤「ッ!本当ですか?ではあの子は、随分前に俺が創破龍神教の寺院に参拝しに行った時に一度だけ合ったことがあるあの大古神 森羅さんの・・・」
塚内「ああ、そのように捉えてくれても問題ない。それに、『創破龍神教』は、噂では元々『大古神家』が、
相澤「ええ、先程も言った通り、俺も行ったことはあるんで名前とかはわかります。まるで東洋の「寺院」と、西洋の「教会」の、両方の長所や要素を詰め込んだかのような名前の寺院でした。それにしても塚内さん、古墳時代を生きた過去の人たちが、
塚内「ああ・・・だからこそ、古墳時代を生きた彼らが後世の未来の人々に伝え、築き上げてきたものを、今度は平和な今の世を生きる私たちがしっかりとまたさらにもっと遠くの後世の未来の人たちに伝えて上げれられればと僕は思うよ。」
相澤「そうですね、塚内さん。だとしたら、私たちも争いのない永遠の平和のために『創破龍神教』をほんの少しだけだとしても広められるよう、森羅さんに相談したりなどをして最大限できることをして行きましょう。」
塚内「ああ、そうだね。イレイザーヘッド。」
塚内と相澤はそんな熱い決意を、静かに心の中で秘めていた。そして、長話をキリの良いところで終わらせ、塚内はいよいよ創滅の事情聴取に取り掛かり始める。
塚内「さて、随分と話が長くなってしまったね。話はとりあえずここまでにして、私はそろそろあの子の事情聴取に取り掛かってくるよ。それと、そこで二人で話し合っているミッドナイトとリューキュウにもそのことを伝えておいてくれないか?イレイザーヘッド。もしかしたら少しだけ時間がかかる可能性もあるからね。」
相澤「わかりました、ミッドナイトさんとリューキュウには俺から伝えておきます。お気になさらずあの子の事情聴取に専念してください。」
塚内「ああ、そうしてくれると此方としても大変助かるよ。では行ってくる。」
こうして、塚内は大古神 創滅の事情聴取を取るために創滅がいる交番の中に入って行った・・・
塚内「
創滅「そのままの意味だ。最近、
塚内「なんてことだ・・・まだ中学生の歳だというのに。」
創滅は、パンパンに金銭が溜まっている一つの財布袋を塚内に見せる。また、塚内はそれについて、話の話題を変える。
塚内「因みに創滅君、雑談なんだけど、親御さんからのお小遣いとかはだいたいいくらぐらい貰っているんだい?事前に見たから、だいたいもうわかってるけど、君は、神奈川県では有名なあの古墳時代から続いている豪族の末裔の一族の『大古神家』の跡取り息子なんだろう?血の繋がり的には。」
創滅「ああ、親父から貰ってる小遣いのことか。まあ毎月だいたい5万、多くて10万といったところかな。」
塚内「えっ!?普通でも5万円なのに、多い時で10万円もお小遣いが貰えるのかい!?それはすごいな・・・はっきり言うと、そんな裕福過ぎる家系にいて僕も羨ましいよ、ハハハ。自分なんか、子供の時は両親からの毎月のお小遣いが5000円だったんだけど、それでも、出稼ぎなどで大変だった僕の両親のことを考えたら充分に満足していたよ。」
創滅「いや、毎月5000円貰えるだけでも俺にとっては逆に羨ましい充分な金額だ。俺の方は何に使うか迷ってる内に、こんな感じでどんどん大金がどんどん貯まって行ったからな。だからたまには5000円とかの、俺にとっては少ない方の小遣いを手に入れて最初からコツコツと貯めて行きたかったのもあった。すぐ大金が手に入るのはそれはそれでつまらんからな。まあそんな少しだけのロマンを味わって見たかった。」
塚内「そうかそうか、創滅君は裕福過ぎる家系に産まれたせいか、一般家庭の家系の子供にしか味わえない嬉しさや達成感などを一切味わえなかったんだね。可哀想に。それはそれで創滅君にとっては狭くてつまらない世界だっただろう。僕も気持ちはわかりそうな気がするよ。」
創滅「そいつはどうも。他にも趣味として美味いもの巡りやゲームという娯楽物などで遊んだりすることもーー」
と、そんな感じで雑談を交えながらも俺はこの塚内という、警察の刑事をやっている人と事情聴取をやっている。
創滅「それにしても・・・やはりお前は俺に冤罪を掛けようとしたさっきの阿保な警察官二人よりかはまだ話がわかりそうな奴でまあ安心した。感謝はしておく。」
塚内「ハハハ、そうか、信じてくれてありがとう。感謝するよ。それと、あの二人の警察官に対して阿保だとかそんな粗暴なことを言っちゃ駄目だよ?あの二人の警察官も本当は真から冤罪を君に掛けようとしたつもりはないんだ。そこは許してあげてくれ、創滅君。」
創滅「まあ、そうだな。不快な機嫌は元に戻ったからそういうことにしといてやる。」
そして、とりあえず雑談を此処までにし、塚内は創滅の個人情報を見ながらまた真剣な眼差しで創滅を見る。
塚内「さて、また真面目な話に戻そう。まず、君はどうやらたくさんの国外の国へ出向いているようだね。それはどうして?」
創滅「そうだなぁ・・・俺は俺と対等に戦える強者と戦うことが大好きだからな。そこで俺はその目的を達成することを目標にして五年前、個人的に
塚内「ある恒例行事?それは一体何なんだい?」
創滅「ああ、『世界遠征』だ。」
塚内「せ、世界遠征!?」
困惑する塚内に対して、創滅は机に立て掛けてある自分の長物袋を指し示す。それは、明け暮れていた夏休みの修行でも使われた、年期のある長めの木刀であった。
創滅「俺は世界中を旅することで、大自然の生命、つまりは野生の生物と触れ合いながら戦ったり、さらに町や村に辿り着けば、多種多様に存在する日本以外の格闘家を営むヒーローや剣術家を営むヒーロー、さらには事務所に所属しているヒーローたちの元へ赴いて俺の鍛練に付き添って貰ったりした・・・世界遠征の内容についてはまあそんな感じだ。」
塚内「確かに、君の在学する中学の「神奈川県横浜私立横浜学院中学校」は、授業などのカリキュラムが比較的自由な校風で、さらにそれを象徴するのがこの『遠征制度』で、特に海外、つまりは国外への遠征を希望した生徒に対し、長期の公欠扱いとして全面的に支援しているようだが……」
神奈川県横浜私立横浜学院中学校は、創滅が通う横浜の私立中学校であり、その中学からの排出高校も結構名が通った高校ばかりだが、だいたいは、高等部である横浜学院高等学校にそのまま入学して行く生徒が多いことで有名である。
そして、また書類をめくり、塚内はふむ、と頷く。
塚内「なるほど。それはまた随分と壮大な旅だったね。因みにこれは答えなくても構わないんだけど、今年の遠征範囲はどれ程の?」
創滅「今年は5月上旬から6月下旬にかけてヨーロッパの国々を中心に世界遠征の旅をした。そして、今日は夏休みの一人合宿鍛練の最後の日で親父が権利を持つ山から下山した。」
つまり、出発が日本だとすると、全てのヨーロッパの国々への旅を終えて日本に戻ってくるまでに約1ヶ月半以上掛かったということらしい。はっきり言うと滅茶苦茶長い世界の旅である。
口で言うのは簡単だが、改めて一から考えると中学生が一人で世界の国々を跨る旅をするのは、流石に常軌を逸していた。そんな極稀有な例であった。
塚内「わざわざ丁寧に説明してくれてありがとう。しかしまあ、君は大昔の流離の旅人か修行僧か何かかい? よくやるねぇ。しかも今年の夏休みは山に篭って全て修行に明け暮れていたなんて。」
創滅「ま、見聞を深め、さらにこの世界を良く知るための修行でもあるからな。」
笑みを浮かべながら淡々と言い張る創滅に塚内は息を呑む。
知らずの内に、塚内は青年らしい少年の発する謎の威に威圧されていた。とりあえずは咳払いをして立て直す。
塚内「まだ10代の歳の若さなのに凄いな。はっきり言って尊敬してしまうよ。私が創滅君位の歳の頃は遊び呆けてばかりだったから。」
創滅「そうか?塚内もまだまだ歳は若いと思うがな。やろうと思えば遠征なんてまだまだできるだろう?」
塚内「はは、ありがとう。しかしそうか……今回が初めてではない、か。では今まで遭遇した
創滅「わかった。お前は信用できる奴だ。信用はしてやる。まず、今まで遭遇した
塚内「それにしても『創破龍神教』、か・・・」
塚内の部下の刑事「塚内警部、大古神 創滅という少年の父親である大古神 森羅さんとようやく連絡が取れました。これがその時に森羅さんに言われた事項をメモにしてまとめたものです。」
塚内「どうもありがとう」
部下の刑事から手渡されたメモの書類を見た。
あの後、警視庁庁舎に戻ってきた塚内は件の少年が宿す個性『バハムート』と『
まず、リューキュウが実際に暗記したとされる、
塚内が、そのところを見始める。そこには、先程、リューキュウが暗記していた
その瞬間、塚内はメモとして書かれたその
塚内「それにしても、一から考え直して見たらすごい長めの伝承の文だな・・・とりあえず最初のここからここまでの意味を解読し始めてみるか。えー『数多ノ弱者ヲ駆逐シ、苦シメシ時』『伝説ハヨミガエル』『数多の弱者ノ肉ヲ裂キ、骨ヲ砕キ、血ヲ跨イダ時』『彼ノ者ハアラワレン』、か。まず最初に、『数多ノ弱者ヲ駆逐シ、苦シメシ時』のところは・・・おそらく、「たくさんのか弱い人たちを追い払ったりして苦しめた時」っていう意味合いか・・・なるほど。」
塚内自身、
塚内「よし、次だ。次は・・・『伝説ハヨミガエル』のところか。まあここはそのままの意味合いだろう。そして次が『数多の弱者ノ肉ヲ裂キ、骨ヲ砕キ、血ヲ跨イダ時』か。うーん・・・ここはおそらく、「たくさんのか弱い人たちを遊びのように殺してその遺骨をも粗末に扱い、悪事を働いてもその血をも跨いで平然としながら去って行く悪人」を現しているのか?考えれば考えるほど謎解き要素が強い伝承の文だな・・・」
因みに余談だが、神奈川県にあるテレビ局などでは、都市伝説系統の番組や未確認生物・ミステリー系統の番組などで、
そんな
塚内「そしてとりあえず伝承の序盤の最後の文が、『彼ノ者ハアラワレン』か・・・なるほど、ここで初めて
そして塚内は、『バハムート』という個性と
塚内「(それにしても、イレイザーヘッドが見てもその身体能力は変わらなかった。であれば“個性”を使っていなかった線がほぼ濃厚か。)」
塚内は内心安堵していた。何せ、“個性”はヒーローの資格を持たなければ行使することを許されない代物だからだ。
つまり、昔よりも正当防衛に限度が出てきているのだ。
塚内「けど大丈夫かな。事件現場周辺には見物している人間も多く居た。メディアにも迫られて、創滅君が変なことを口走らなければ良いが…」
そうも思いながら、塚内は、『バハムート』という個性と
四十分前、交番。
創滅「なんだ、わざわざ待っていてくれたのか?まあ気遣いは感謝するんだが。」
長い長い事情聴取が終わって創滅は交番を出ると、外で待機していたイレイザーヘッドとミッドナイト、そしてリューキュウが出迎えた。
相澤「ああ、
リューキュウ「そうよ、創滅君。見なさい。」
創滅「見なさい?一体何を・・・」
なんとそこには、交番前では大きなカメラや、ボイスレコーダーらしき物を持った人間で溢れ返っていた。その後ろにも多くの通行人でごった返していたのだ。
創滅が唖然としたのはそれだけではない。
「目線お願いします!ミッドナイトー!」
「こっちに、こっちにお願いします!」
「“18禁ヒーロー”《ミッドナイト》!! マジで極薄タイツだ、これはたまんねぇ!」
ミッドナイトが、複数のカメラ相手にポーズを決めていた。
創滅「確かに凄い人集りだな、イレイザーヘッドにリューキュウよ。こいつらはお前らヒーロー目当てでこんなに群がってるのか?」
相澤「俺とリューキュウは違う。ミッドナイトさんは……まぁ成り行き上だが、少なくとも
リューキュウ「ええ、創滅君もじきに分かるわ。」
創滅「何?」
イレイザーヘッドが指を差したその先には、ミッドナイトに夢中の一般人を通り抜けてきた一部の集団がいた。こちらに気付くと人混みを抉じ開けながら近付いて来る
大きい機材を積んだカメラと、スーツの女性と男性。
イレイザーヘッドとリューキュウは、創滅を自身らの後ろに隠す。
創滅「おいイレイザーヘッド。あいつらは?」
相澤「……マスコミだ。」
創滅「マスコミ?ああ、あの集団の名前のことか。ガヤガヤと五月蝿いのは少し苦手だ。しかしなぜだ?」
すっ、と後ろ手に相澤が
創滅はそれを眺め、俄かに顔をしかめる。
創滅「ッ!こいつは?」
相澤「さっきの
インターネットに挙げられている動画は、
創滅「流石に同じ場所に長居しすぎたって訳か・・・」
相澤「まあな。マスコミは結構鼻が利く……しかしどうする、俺とリューキュウならお前の壁になれるが……。」
リューキュウ「そうよ、創滅君。此処は私たち大人に任せた方がいいわ。」
創滅「いや、そんな気遣いはいらん。気持ちだけは受け取ってやる。そこで待っていろ。」
相澤「何?って、おい!」
口元で笑いながらその有難い誘いを、創滅は断った。
そして彼は人混みをお構いなしに荷物を背負って歩き出す。そこに、女性記者がすかさず距離を詰めてきた。
スーツ姿の女性記者「ちょっと質問なんだけど、これって、君なのかな? だとしたら、どうやってこの
創滅「……その動画とやらを視て言っているんだったら、どうやって倒したか、などというのはおかしくはないのか?そもそも見ればわかるだろう」
スーツ姿の女性記者「見ればわかるって・・・。けど、“個性”を使っていないという証言は苦しい言い訳だと思うんだけど…」
苦笑いでそう物申してくる女性記者。その言い分に対し、困ったように首を鳴らすと、創滅は口を開く。
創滅「確かに、“個性”は強力な力であり異能だ。だが、よく見て動けば対処はそう難しくはない。それに、今回遭遇した二人の取り巻きの
スーツ姿の女性記者「うっ…で、でも普通は萎縮…怖がるよね? あんな巨体な
案の定の食い付きぶりに、創滅は半笑いだ。しかし、その笑いが不敵に映ったのか、今度は男性記者が違う角度からマイクを突き出してきた。
男性記者「では単刀直入に伺います。君は本当は“個性”を使っていたのでは? 一例として、この動画を見ると、あまりにも不自然な場面が幾つもありました。」
創滅「と言うと?何だ?言ってみろ」
男性記者「君が最初の
創滅「確かに凄いな。で?それがどうかしたか?」
男性記者「それがどうかしたかって……」
数瞬だけ、男性記者は言葉に詰まった。
男性記者「こ、こんな……携帯端末とは言え、電子機器で撮られた動画でも正確に捉えられないのは有り得ない!」
創滅「ふあ〜あ・・・やばいな、また眠くなってきた。」
男性記者「大体、そんな時はプロヒーローに任せるべき状況で──な、なんなんですか貴方は!」
相澤「これ以上の身勝手な取材はやめて頂きましょうか。子供はもう、帰宅しなければならない時間ですよ……大人の事情に、この子を巻き込まないでください。」
創滅「ッ!わざわざ俺を庇いに来たのか?イレイザーヘッドーーって、リューキュウもどうした!?」
リューキュウ「こっちよ、創滅君。」
イレイザーヘッドが、創滅と報道陣の間に割って入った。その動きは迅速で、庇う様に創滅を守ると、いつの間にかリューキュウが彼の手を引いてその場を潜り抜けたのだ。
リューキュウ「ふぅ、何とか抜けられたわね。それにしても、駄目でしょ?あんなにマスコミを刺激して、有名人にでもなりたいの? 創滅君は」
創滅「ああ、確かに少し度が過ぎたな。まあすまんすまん。しかし、もう遅いぞ。陽が沈み始めている。」
……都会の中心はやはり人が多い、というふと出た呟きに、リューキュウは笑みを零した。
リューキュウ「
創滅「いや、習い事はやっていない。全て親父に鍛えられてきたから・・・ッ!」
リューキュウ「あ、イレイザーヘッドにミッドナイト先輩」
創滅とリューキュウが話している際に何かが創滅の脇腹目掛けて軽く当たった。その正体はイレイザーヘッドこと相澤消太の手刀であり、創滅の後ろから軽く、創滅の脇腹目掛けて繰り出された。
マスコミ──報道陣を撒いてこちらに到着していた彼は、少し怒っていた。
相澤「マスコミを煽る奴があるか。有ること無いこと書かれて、干されても知らんぞ」
ミッドナイト「ちょっと相澤くん。」
創滅「……ちっ、俺に手刀をくらわしたのは気に入らんが、俺が目立ち過ぎたせいもあるからまあ大目に見てやる。」
相澤「随分と偉そうだな・・・まあいい、分かってるならああいうことはやめておけ。…ヒーローになりたいならな」
創滅「まあ心得ては置く。なるべくはな。」
頭を搔きながらばつが悪そうにする創滅。イレイザーヘッドも溜息を吐いた。
相澤「……あれらもスクープを撮ることに躍起になってる。特に最近は目立った事件も無かったしな。まあお前は年齢上、未成年だし、今回の事件は可能な限り伏せられるだろう」
ミッドナイト「でも相澤くん、この子結構面白いわよ?」
その言葉にジトっとミッドナイトを睨むように見るイレイザーヘッド。それをウインクで返す辺り、彼女の強かさが垣間見えた。
創滅「そういや今思ったんだが、イレイザーヘッド、ミッドナイト、リューキュウの三人は同期のプロヒーローなのか?」
聴くと、ミッドナイトが頭を横に振る。
ミッドナイト「私たち三人はヒーローだけれど、私とイレイザーヘッドは事務所は構えてないわ。高校で教師をしているの。あ、因みにリューキュウは自分の事務所をもう持っているわ。」
リューキュウ「ハハハ、でもまだまだ人手が足らなくて困っていますけどね、ミッドナイト先輩。」
高校教師、それを聞くと創滅は反応した。
創滅「高校とやらの学舎に属する教官か…この近くにある高校は」
ミッドナイト「ううん、雄英高校よ。仕事でたまたま来てたから。もしかして君、志望校がウチだったりする?」
艶やかな藍色の髪をたくし上げつつ創滅の顔を見上げながら見つめてくるミッドナイトに、創滅はまさか、と乾いた笑いを浮かべた。
創滅「確かに俺は学校の試験とかでは全ての科目で高得点を維持できて、稀に全て満点を取ったりすることはあるんだが、そんなテストでの高得点や順位、成績を維持し続けられているのは裏方で俺の親父や
ミッドナイト「あら、そうなの?なら今からでもあなたの父親とその子の元で死に物狂いになって勉強すれば行けるかもよ?」
創滅「『死に物狂い』、か……」
ミッドナイトの言葉で、小学一年生から中学三年生までの親父やあいつとの地獄の勉学の時間を思い出した。
創滅「やはり、俺はどうも勉学と言い慣れていない敬語だけは嫌いだ。」
相澤「トップヒーローになりたいなら、確かに
目薬を差しながら話に入ってきたイレイザーヘッド。すると、ミッドナイトが不満そうに彼を肘で小突いた。
ミッドナイト「ちょっと相澤くん。せっかく私が、将来有望なヒーローの卵を掴まえちゃおうとしてるのにっ。」
するとその瞬間、創滅が、ミッドナイトとリューキュウに対してそれぞれの爆弾発言を投下した。
創滅「・・・なんか言動がキツいな。だったらせめて俺はリューキュウが良い。何せ若めの年上の女は俺の好みでもあるからな。」
なお、それら二つの爆弾発言は彼女ら二人の元にしっかりと聞こえた。
ミッドナイト「なっ!ななな!何ですってー!!私は?私には女としての魅力がないというの創滅君!?それとも色気の問題!?キー!!」
相澤「ミッドナイトさん・・・あなたは少し落ち着いてください。」
「ちょっと相澤くん!離してよー!」といって今も騒ぎ出すミッドナイトをイレイザーヘッドはガシッと取り押さえながらハァ・・・と溜息をつく。一方でリューキュウは、創滅の爆弾発言に対して頬を赤面させながら滅茶苦茶動揺していた。
リューキュウ「ッ!も、もう!創滅君ったら・・・!そんなことを堂々と言ったら私も何だか恥ずかしいわ・・・」
しかしリューキュウは、動揺しながらも今度は女神の笑みを浮かべたような笑みを溢しながら創滅を見た。
リューキュウ「けど、私みたいな年上の女性を好みだと言ってくれるのは凄くありがたいわよ、創滅君。でもあなたは歳だけで見るとまだ未成年の子供でしょ?だからまだそんな発言はなるべくしちゃ駄目よ?せめて歳が大人になってからにしなさい。ね?」
そう言ってリューキュウは創滅を優しく躾けた。その躾け方に少しだけ動揺したのか創滅はまたバツが悪そうに頭を掻く。
創滅「ハァ・・・そうか、だったらその時まで待ってやる。仕方ない。」
リューキュウ「フフッ、わかれば良いわ。どうもありがとう、創滅君。そういえば話が急に変わるんだけど、創滅君はヒーロー科がある何処かの高校に行くつもりなの?」
創滅「ああ、第一候補はやはり雄英高校にしようと思ってはいる。あとヒーローという職を目指そうと思ったのは、悪人共が恐れる『畏怖の象徴』という新たなヒーローの象徴になりたいから、ということと、世の中の『永遠の平和』という理想の楽園を創り上げるためにヒーローになろうと思ったのがまあ、ヒーローという職を目指したいきっかけだ。」
創滅がそういう訳を説明すると、リューキュウは自分が持つヒーロー事務所について話し始めた。
リューキュウ「そう、やっぱり一番はあの雄英高校を受けようと思っているのね。創滅君らしい良い選択だと思うわよ。あと、ヒーローになりたかったきっかけも半分は凄く素晴らしいきっかけだと思うけど、もう半分はちょっとやり過ぎな感じがするからそこはしっかりと限度を考えなさい。まあ、もし雄英高校に入学したら今後私の事務所に職場体験やインターンなどで来れる機会があるかもしれないわね。あ、実は私はもうサイドキック、つまりはプロヒーローの見習いから独立して自分のヒーロー事務所を持っているんだけれども、私のヒーロー事務所、今人手が少なくてねぇ・・・困ったものだわ。今も新しい若手のプロヒーローを募集しているところなの。」
創滅「そうか、リューキュウも案外大変なことがたくさんあったって訳か・・・。ま、そいつは大変なことだ。」
リューキュウ「ええ、そうなの。だからもし雄英高校に入学できて、雄英高校の
リューキュウはそう言いながら自然とまた笑みを溢した
創滅「ま、リューキュウのヒーロー事務所もとりあえず視野には入れておくとするか。聞いたところ上位のプロヒーローなんだろう?」
リューキュウは「ええ、そうよ。それと、そう言ってくれて嬉しいわ、ありがとう。」と返事を返した。そんな感じでリューキュウと楽しく話していたが、現実は残酷なことに、その時間はついに終わってしまう。
相澤「リューキュウ、陽も殆ど沈んで空が暗くなり始めています。俺たちもそろそろ早く仕事に戻りましょう。」
リューキュウ「わかりました、イレイザーヘッド。創滅君、楽しく話していたのに悪いんだけど、私はまだプロヒーローの仕事が残ってるからその仕事を片付けないといけないのよ。ごめんなさい。」
創滅「・・・いや、別に構わん。そもそもそんなことぐらいで俺は気にしないタチだからな。いつまでも俺との話に付き合わさせていたら逆にリューキュウが迷惑になるだろう?だから早く片付けに行ってくるといい。その仕事とやらの。」
リューキュウ「わかったわ。わざわざ私のことを気遣ってくれてありがとう。創滅君。」
相澤「・・・そうだ、それともう一つ。お前が志望する高校はお前の意志で決めろ。人に全て頼っていたら・・・いつか後悔することになるぞ。まあ、それだけだ。」
創滅「ああ、言われずともわかっている、イレイザーヘッド。それとミッドナイト、さっきは俺が痛いところを突いてしまってなんかすまなかったな。」
ミッドナイト「はぁ、わかったわ。私も私で急に騒いでしまってごめんね?創滅君。帰りは気をつけて家に帰るのよ。」
「それじゃあね」、と手を振り、ウィンクをしながら創滅に向かって微笑むミッドナイト。
創滅「ああ、ミッドナイトも気をつけて家に帰れ。」
さらに、ミッドナイトの後を追うように相澤も、「じゃあお前も気をつけて帰れよ」、と創滅に言い残してその場を離れて行く。そして・・・
リューキュウ「じゃあ私もそろそろ仕事に戻るわ。機会があればまた創滅君と会うかもしれないと思うけど、まあその時があったら私も楽しみにしてるわよ。創滅君。」
創滅「ああ、まあ楽しみにはしているさ・・・リューキュウよ」
リューキュウは、「じゃあまた何処かで会いましょう。」と言い残してミッドナイトとイレイザーヘッドがいる方角へと向かって行ってしまった。
だが、その時
リューキュウ「
創滅「ッ!」
ささやくような女性の美声と柔らかい感触が、創滅の身体に伝った。
離れたリューキュウは、創滅へと振り返り、言った。
リューキュウ「本当なら大手柄だったあなたへの感謝の気持ちよ。」
相澤「……ミッドナイトさん、さっきのあの行動、ちょっと、いやすごくキツかったです」
ミッドナイト「は? 何がよ」
相澤「ハァ……なんでもありません」
ミッドナイトの威圧感でイレイザーヘッドが口を噤んだ。
リューキュウ「フフッ、相変わらず仲が良いことで何よりですね。イレイザーヘッドにミッドナイト先輩。」
多数の人質が取られたにも拘わらず、一人の犠牲者を出すことなく解決したこの事件。
主犯である《僧帽ヘッドギア》含め、
そして、一人の屈強な体格を持った勇敢な男子中学生であった。
この一件は、後に『神奈川県ファーストフード立て籠り事件』として世に出回ることとなった。
文字数が多くなり過ぎました、すいません。ですが此処までお読み頂き誠にありがとうございます!そういえば、今更ですが、 ヒロアカの映画第四作目の内容が少しずつ公開されてきましたね。私自身も結構楽しみです。あと、リューキュウの口調やキャラなどが若干捏造気味になっているところがあるかもしれないので、内容的におかしいところを見かけましたら、私どもにお気軽にお伝えしてください。修正致します。ただし、理不尽な嫌がらせや文句は御法度です。
小説の評価や感想などもどんどん受け付けております。お気軽に送って下さい!よろしくお願いします!次話の第四章は、できればなるべく近日中に投稿致しますので気長に待って頂けたら幸いです。では、また第四章で。