クソボケ邪悪厄介オタク転生者の末路   作:タキオンのモルモット

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ひ っ で ー サ ブ タ イ ト ル 。


第十一話:謀略Ⅰ:推しには貢ぐべし!!/目覚めの砂狼

 

「─────祝えっ!!キヴォトスの仮面ライダーの歴史に新たに名を刻んだライダー··········!!その名は『仮面ライダータイクーン』!!生誕の瞬間である!!」

 

『はっ、まさか仮面ライダーに変身するとはな··········』

 

大袈裟に喝采し、悦に浸っているリョウマを無視し、ミュータントドーパントは、冷静に現状を分析していた。が

 

『(··········現状、仮面ライダーのマギア、ドーパント撃破率は100%。本当ならすぐにでも逃走して少しでも()()を果たしたいところだが··········ああ、ダメだ。本能が刺激される···············)』

 

サーモンシャケキスタンチンの一件から学んだ解ヶ良リョウマが施した、薬物による思考力低下。そのデバフが彼女を蝕んでいた。

 

怪人だって、逃げる時はある。特にガイアメモリ犯罪者に関しては、原作では探偵要素もあったからか、こんな風に破壊活動するのも滅多にない。大体ガイアメモリで悪さをしている奴がいて、その事件が主人公の元に届き、探偵として動き、それを突き止め解決する。そんなステップを踏んでいる。

 

だが─────残念ながら今の所、解ヶ良リョウマにとってガイアメモリは『仮面ライダーの知名度』をあげる準備期間の、舞台装置にすぎない。

 

故に最低でも戦ってもらわないと困るのだ。潜伏されて犯罪なんて、今の所されたら困るのである。

 

だからこその措置。だからこその薬物投与。故に─────

 

『だが、果たして私に勝てるかな!!』

 

ミュータントドーパントは、『交戦』を選んだ。

 

自身の腕を尖った鉄に、更に樹木の根のように伸ばす。

 

その数、凡そ百。

 

通常ならば─────どころかタイクーンに変身した今でも全て避けるのは難しいだろう。

 

─────だが、それは()()()()()()()()

 

仮面ライダータイクーンに変身した今、取れる第三の選択肢。

 

「全て切り落としてやるっすよ!!」

 

そう言って拡張武装であるニンジャデュアラーを構え、高速移動をしながら攻撃に突っ込んで─────

 

「はああぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

切れ味と静音性も相まって、イチカの気合を入れた絶叫以外の殆どが聞こえない。聞こえないのに、全ての鉄の槍は、静かに斬り落とされた。

 

『なんだとぉ!?』

 

「よそ見は厳禁っす!!」

 

ミュータントドーパントが動揺し、動きを止めた瞬間、全力で突っ込み三度の剣戟を喰らわせ吹き飛ばし─────体勢を立て直せずそのまま瓦礫へ突っ込んでいく。

 

「ヒューッ!!流石だ!!仲正イチカァ!!予想以上の戦闘力!!ふむ··········データ上の身体能力だけじゃ不安だから今日は見送ろうと思ってたが··········!!仲正イチカァ!!これを反対側に差し込めェ!!」

 

そんな攻防をしていると後ろからやけにテンションの高い声が聞こえてきたと同時に─────赤いバックルが文字通り飛んできた。

 

「は?これをもう片方に··········?」

 

「説明は後でしてやるが··········端的に言えば強化パーツだァ!!」

 

「は、はぁ··········」

 

戸惑いながらもイチカは空いているもう片方のスロットにそれを差し込んだ。

 

『SET』 『DUAL ON』

 

Boost!!

 

NINJABoost!!』

 

『READY ··········FIGHT』

 

「うわなんすかこれ!?」

 

「見ての通りブースターみたいなものさ!!試しに使ってみるといい!!」

 

「えっ、丸投げっすか嘘でしょ???」

 

『せめて説明書用意してやれ、よ!!』

 

「ドーパントにすらつっこまれた··········!?」

 

そんなやり取りをしながらも、いつの間にか体勢を立て直したミュータントドーパントが、今度は地面をかち割りながら攻撃してくる。

 

咄嗟にイチカは回避行動を取ったのだが─────

 

「うおっとぉ!?」

 

『なっ、さっきより速いだとォ!?』

 

ブォン!!とエンジンのような音が鳴り響いたかと思えば自分の想像以上に飛びすぎてしまったようだ。

 

かなり大袈裟な回避行動のようになってしまった。

 

「─────あーもう!!後で説明書絶ッ対寄越してくださいよ!!このアホ!!」

 

「アホ!?」

 

そんな悪態を吐きながら、イチカはミュータントドーパントに目にも止まらぬ速さで肉薄。

 

そのまままっすぐ蹴りを三発、その後回し蹴りを繰り出す瞬間、ブーストさせ攻撃力を上昇させた一撃を放つ。

 

無論、ドーパントもタダではやられないよう四発目の回し蹴りだけは自身の力を操り、鉄の盾を作ることで直撃だけは防いだ。

 

─────が、ブーストフォームの蹴りはドーパントの予想よりも遥かに強く、そのまま吹っ飛ばされた。

 

『ぐぅっ··········!!』

 

「今だ仲正イチカぁ!!必殺技だァ!!」

 

「言われなくとも─────えっと、こうすかね?」

 

『BOOST TIME!!』

 

『NINJA Boost GrandVictory』

 

そんな音声と共に、足に超高密度のエネルギーが溜まり─────そして、そのままに蹴りを放つ。

 

「はあああああぁっ!!」

 

『この、っ!!やられてたまるかっ!!』

 

それを先程と同じ─────いや、比べ物にならない厚さの鉄の盾に地面を咄嗟に変異させ、ミュータントドーパントも応戦する。が、しかし。

 

その程度では、止まらなかった。

 

「ぶ、っとべぇぇえええええええ!!」

 

『く、そがあああああぁぁぁぁ!!』

 

結果としてその盾ごと、ミュータントドーパントは貫かれた。

 

「ディ・モールト!!ディ・モールトベネ!!実に素晴らしい戦いぶりだったぞ仲正イチカぁ─────いだっ!!」

 

尚、役目を終えたブーストバックルが「うるせぇ」と言わんばかりにリョウマの方に飛んでいったのは、多分天罰だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────と、言う訳で新たにトリニティで仮面ライダーとなった」

 

「仲正イチカっす、よろしくお願いします」

 

後日談、もとい、今回の仲正イチカデビュー戦の顛末。

 

あの後、ミュータントメモリを使用した元トリニティの生徒はそのまま救護騎士団と正実に連行された。

 

因みに動機は─────「暴力沙汰で退学になったのは自分の自業自得だが、そのきっかけを作り自分をはめた奴をぶっ殺したかった」だそうだ。

 

流石治安が良いだけで中身はゲヘナよりクソ、なんて評価が若干あるトリニティである。冤罪を吹っ掛けて暴力に誘導し、退学にしてしまったようだ。

 

幸いその辺は剣先ツルギが現ティーパーティーの知り合いを巻き込んで捜査中らしい。終わったなそいつ。

 

さて、そんなこんなで顔合わせも無事終わり、仲正イチカに説明書も渡した。

 

「···············このブーストバックルがエネルギー切れたら近くの充電器探しに高速で飛んでいくって機能いるんすか?」

 

「いるでしょ!!!?」

 

一悶着あったが、概ね良好な関係を築けていると思う。

 

さて─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふぅ!!さーすが俺の推し!!見てよ黒服!!変身前からこの啖呵!!変身したら変身したでこの動き!!凄いでしょ!!ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ」

 

『わかった!!わかりましたから!!これでそれ聞くの五回目··········くっさ!!貴方酒飲みましたね!?』

 

「推しの初変身と初勝利願ってカンパーイ!!ウェェェェェェェェェェイ!!!!!!」

 

「黒服さん··········これを。私がマギアを改良して作った身代わり人形だ。簡単な受け答えならAIが出来るから··········多分リョウマが酔いつぶれるまで相手をしてくれると思う」

 

『くっくっく、ワタシがクロフクでアル』

 

『··········貴女が私にどういうイメージを持っているかは知りませんがありがとうございますウタハさん。··········彼っていつもあんなんなんですか··········?』

 

「礼には及ばないさ···············酒が入ってなくてもウザイのに酒が入るとここまでうざくなるんだね··········私も勉強になったよ」

 

さて、意思疎通が出来なくなったリョウマに変わって忘れさられしメインヒロインである白石ウタハが事の顛末を─────語るまでもないな。見ての通りだ。

 

リョウマの『推し語り』は今に始まった事では無い。昔から─────それこそ、彼の祖父が亡くなる前からずっと、ロボットアニメだとかで推しが活躍するとこんな風になる。

 

「しかし私は存外嫉妬深い人間だったらしい。昔彼のアニメ推し談義とか聞いてる時は何も思わなかったんだけどね··········こうも他の女について語られるとすっっっごくイライラする」

 

『クックック··········青春ですねぇ。しかしそろそろ彼女に()()()をする時間だったのでは?』

 

··········確かにそうだ。全く、スケジュールを立てておきながらそれを忘れて推し語り··········リョウマらしいと言えばらしいが。

 

「··········仕方ない私が行くよ。マイナーチェンジ版とはいえしっかりボイスチェンジャーはついてるんだ。誰だってできるさ」

 

『ふむ、ではそういう事ならワタシは退散しましょう。これ以上今の彼に絡まれたくない。あ、これ彼女が寝ている実験室の鍵です』

 

「···············ご愁傷様。早めに帰ってゆっくり寝るといい」

 

そして黒服が足早に去った後、私は懐から赤い銃とボトルを取り出しそれをはめた。

 

 

 

 

 

コブラ!

 

「─────蒸血」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めるとワタシは手術台の上にいた。

 

何故ここにいるのか。何をしていたのか。私は誰なのか

 

 

 

何も思い出せない。

 

ただ一つ言えることは─────

 

 

『お、目が覚めたようだね。私の名はブラッドスターク』

 

─────禄でもないことに巻き込まれた。という事だけだ。

 

 

 

 




次回予告!!

「砂漠で倒れていた少女がコレを─────」

「··········これは、ショットライザー?馬鹿なこれは─────」

「彼女は一先ず牢獄送りで─────ちょっとなんですかその冷たい目は!?」

「ん。ワタシが誰で、何者かなんてどうでもいい。ただ─────ワタシを拾ってくれた人達を傷つける奴には熨斗つけて返す─────」

第十二話:「それがワタシのルール」

「ぐ、ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!」

「ちょっ、シロコちゃん使い方間違ってる!!!」

「··········やっぱこうなるんだ??」






仲正イチカ/仮面ライダータイクーン:リョウマの本性には気づいていないが少しウザいと思ってる。

白石ウタハ:怒り爆発激おこプンプン丸。

黒服:後に『前に酒飲んだ時はセーブしてたのか·····』と戦慄したという。

ブラッドスターク:誰でも変身できるようにマイナーチェンジ版。ちゃんと本物はリョウマが持ってるがしっかりCVは原作通り。
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