死神は未来より来たる。   作:その他2人

2 / 2
2話

…まあ良い。

生きている、それだけだ。

 

『強化人間D2-004 通常モード移行』

 

広がるは不毛の大地、あたり一面にごく微弱なコーラル反応がある。

時計は出鱈目を指し、地図は衛星を失い燃やした時のまま。

かつて、いやというほど見たこの景色。地に落ちたはずのグリッドが、遠方に見える。

あり得ないはずのその仮説を立証するためのピースが、淡々と嵌っていくのを感じていた。

 

「俺は…、」

 

一度ならず二度までも、このルビコンを滅ぼした。

それでも尚生かされるというなら…次は█████をというのも。

 

「それも良いかもしれないな。」

 

空嘯くように呟いたこの言葉は誰に捧げたものだったか。

もう思い出せない。

 

 

 

しかしいずれにせよ、このままではどうすることもできない。

動力が尽きることは無いが俺はまだ人間だ、食料が要る。だが手元には無い。そのつもりも無かったからな。

つまり…調達しなくてはならない。

 

つまり仕事が要る。

 

 

 

「Rb38 独立傭兵ウルゴン。 貴方の傭兵登録を完了しました。

傭兵支援システム「オールマインド」へようこそ。」

 

根無草が金を稼ぐ、それならすべきことは古今東西変わらない。

独立傭兵。受けた依頼を力を以てして遂行し、その報酬に金を受け取る。何よりわかりやすい稼ぎ口だ。

それにこの星にはコレがある。勢力争いに不干渉かつ依頼の斡旋から機体の整備、果てはパーツの売買やら演習運営やらまで取り扱う、“都合の良過ぎるシステム”が。

勿論どれも個人の太いコネクションで得られるものほど優れているわけでは無いがまぁ、そのコネクションというのも今の俺には煩わしいだけのものだ。ならばこれだけでいい。それに、一昼夜の飯にありつくにはどれも十分な報酬が得られる。

 

これだけあれば良い。

 

「早速ですが貴方に依頼を用意させて頂きました。

ブリーフィングのご確認をお願いします。

健闘をお祈りしています。

オールマインドは全ての傭兵のためにあります。」

 

相変わらず定型分だらけのぶっきらぼうな対応。今にすればあんな物を腹の中に抱えていたとは思えないこともない、まぁ関係のないことか。

さて、新しい名義での初めての仕事だ、張り切って行こうか。

 

 

 

今回の依頼は得体の知れない名無し草に相応しく、よくあるバラマキ依頼。

内容は…平たく言えば治安維持。もう少し詳しく言えば補給ルート周辺のドーザー殲滅だ。この感じ、久しいな。カイラス星系での仕事の始まりはこんなようだった覚えがある。

 

そう思索を巡らせているうちに、今回のポイントに到着した。

今回の依頼にはノルマが課せられていない。が、完全歩合制だ。まぁ今日の飯代くらいは頑張ろうじゃないか。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。