これは、GBNというゲームの世界でとあるプレイヤーが、とある存在に出会った時の、ほんの一幕である。

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ガンダムビルドメタバースでガンプラ熱が再燃したので、前々から考えていた一発ネタの投稿です。

もしかしたら何番煎じかもしれませんが、ご了承ください。


鬼火仮面のGBN探索記~ELダイバーは頑駄無の夢を見るか~

 

 

――私の名前は、ラウル。

 

このGBNという広大な世界の片隅で、日々ガンプラバトルを楽しんでいる一介のダイバー兼G-Tuberだ。

 

今日も今日とて、何か面白いことはないかと思い、こうして世界を飛び回っている。

 

さて、今回はと言うと、この『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場したダイダロス基地攻略を行うミッションに興味をひかれていた。

 

配置された味方NPDのブラストインパルスガンダムがレクイエムを破壊する為に内部へ潜入する間、守備隊を相手取る原作再現を目的としたこのミッション。敵情報を見るに、なかなかよく出来ていそうだ。

最大5人まで参加できるが、あいにく今回はソロで動いている為、どうしたものか……いっそソロ攻略でもして見るか……等と考えていると。

 

 

 

「なーなー、ナンシー。オレ、このだいだろす基地?攻略ってのが気になる!!」

 

「うーん、確かに面白そうだけど……」

 

……どうやら、同じミッションに興味を持つダイバー達が居たようだ。そちらに視線を向けてみると、フードのついたパーカーに七分丈のズボンといった出で立ちの快活そうな少年と、スーツに身を包んだ、どこかで見覚えのある格好をした金髪女性のダイバーが視界に入る。さて、見覚えがあると言うことはガンダム作品のコスプレだとは思うが、なんだったか……っと今はガンダム知識に思いを馳せている場合ではない……そう、交渉をしなければならないのだ。

 

 

「失礼、少しよろしいかな?」

 

「えっ、な……っ!?!?!?」

 

「あ、こらちょっとユーヒ!?……すいません、この子あまりガンダム作品に詳しくなくて……」 

 

 

二人組のダイバーに近づいて声をかけると、少年の方はぎょっとした表情を見せて女性の後ろに隠れ、女性はと言うとばつの悪そうな笑みを浮かべ、こちらに謝罪してくる。

いや、まぁ確かに私の格好は水色のザフト制服に身を包み仮面を被った、『機動戦士ガンダムSEED』に登場するラウ・ル・クルーゼのコスプレなのだが、まぁその程度で挫けていてはG-Tubeなどやっていられない。

 

 

「いえ、知らなければ無理もないでしょう。それより、ダイダロス基地攻略のミッションに向かわれるのですか?ちょうど私も参加しようと思っていたのですが、いかんせん一人では心ともなく……よろしければ、ご一緒させて頂いても?」

 

「それは、確かにこちらとしてもありがたい話ではあるのですが……」

 

 

ふむ、言葉とは裏腹に警戒されているな。まぁ親切な人を装い悪さをするダイバーもいるからな、それは仕方ない。

 

 

「……ナンシー、この仮面のおっさん、格好は変だけど、大丈夫、だと思う。」

 

「ユーヒ……?えぇ、わかったわ。それじゃあ、お願いしてもいいかしら?」

 

すると、女性の後ろに隠れていた少年が、そんな言葉をかけてくる。それを機に、女性の方も警戒を緩め、こちらに手を差し出してきた。

 

……まるで『ニュータイプ』めいた直感で認められた、というのはなかなかに得難いものであるな。思わず胸が熱くなってしまうではないか。

 

 

「えぇ、私の名前はラウルと言います、どうぞよろしく。」

 

もちろん、この後G-Tuberであることも明かして、場合によってはリプレイ動画をアップすることに了承を得たことは、この動画を見ている視聴者の方々には伝わっているだろう(そうでなければこの動画はアップされていないからな!!!!)

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

――さぁ、やってきましたダイダロス基地。お出迎えと言わんばかりに、ダガーLやウィンダム等の地球連合軍製MSが続々と現れてくる。

 

「だが、私の『WoW(ウィル・オ・ウィス)プロヴィデンス』の敵ではない!!」

 

全身や背部のオニビストライカーから射出したドラグーンが縦横無尽に駆け巡り、その隊列に穴を開けていく。

 

これが私のガンプラ、『WoW(ウィル・オ・ウィス)プロヴィデンス』。

プロヴィデンスガンダムの派生機であるニクスプロヴィデンスにアカツキのシラヌイをベースに改造したオニビストライカーを装着した、まさにドラグーンの申し子とも言うべき機体だ。

 

この機体であれば、敵がいくら数を増やそうとものともしない……といいたいが、そうは問屋が卸さない。

 

「出たな、連合のMA軍団!!!」

 

このミッションの難所の一つ、ザムザザーにゲルズゲー、ユークリッドの連合MA達が今まさに私の目の前に現れたからだ。

 

こいつらは単純にMAというだけあってデカイだけではなく、陽電子リフレクター……所謂ビームシールドを装備した厄介な奴である。

 

とはいえ、ドラグーンによって全方位攻撃ができる私のWoW(ウィル・オ・ウィス)プロヴィデンスならば多少手間取るくらいなのだが……今回は、心強い味方が居る。

 

その考えに答えるように、回転した『鉄拳』が横をすり抜けるように飛んできてゲルズゲーの胴体をねじ折り。

 

大烈弩(ダイレッド)突貫撃(ストライク)!!!」

 

更に飛び出してきた赤い影が、螺旋状に纏った炎と共に陽電子リフレクターを展開したザムザザーをぶち抜いて破壊していく。

 

 

では、心強い味方を紹介しよう。

 

まずは私の後ろに佇む巨大な影。ナンシー氏が操る『「SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編』に登場した機動武者 烈火大鋼に『武者○伝』の鎧丸を思わせる装飾や武装を纏った赤い機体、『機動武者 烈火鎧鋼(レッカ ガイハガネ)』だ。

元々リアル武者形態への変形ギミックを持つ上に内部にSDガンダムを格納できるその鋼の体躯は、SD形態であろうとも並のMSでは太刀打ちできなさそうな威圧感を感じる。そこに、ZZガンダムを思わせる重火器が備わっていれば尚更だ。

しかし、ナンシー氏の姿に見覚えがあると思えば……なるほど、確かに『武者○伝』にはあのような姿のキャラが居たな。その繋がりか。

 

 

そして、赤い影は――正確に言えば、『ガンプラ』ではない。

 

それは、『意思ある機械人形(モビルドール)』。別作品の同名な機械兵器とは違い、このGBNで誕生した電子生命体『ELダイバー』が主にバトル時に使用する躯体(からだ)だ。

 

つまり、ユーヒ少年は『ELダイバー』だった訳だが……うむ、まさかこうしてELダイバーに遭遇するとは思わなかったな。

 

それはそれとして、武装として烈火大鋼の大烈弩銃(ダイレッドガン)を使っているのは実によい。大元の大鋼も烈火大鋼も子武者との連動があったからな、それを思わせるようなのは実によい。

 

 

「仮面のおっさん、なかなかやるじゃねーか!!そのまま、後ろは任せるぜっ!!」

 

「こら、ユーヒ!?」

 

「いや、構わんさ。それでは、このまま基地攻略を進めていくとしよう」

 

 

そんなやりとりを交わしながら、我々は連合の部隊を次々と蹴散らしていく。そうこうしていると、ダイダロス基地に振動が響き渡る。

 

 

『こちらルナマリア、もうすぐ目標地点に到達するわっ!!もう少しだけ、お願いねっ!!』

 

 

NPDであるブラストインパルスからの通信と同時に現れた、このミッションのボス――デストロイガンダム。

 

1/144HGですら約40cmある巨体の大型MSなのだが……あの、なんかそれ以上にデカくありません?

 

いや、確かにモビルバクゥを踏み潰すぐらい大きさで描写されたことはあるけどさぁっ!?

 

はっ、いかんいかん、ダイバー『ラウル』としてのRP(ロールプレイ)が剥がれてしまいそうだった。

 

だが、今回の面々ならば、この巨体を攻略するのも不可能ではないっ!!

 

 

「これがこのミッションのボスか……いいねぇ、滾ってきた、武者魂(ソウル)がっ!!ナンシー!!」

 

「了解っ!!」

 

「「武者、合身!!」」

 

 

その時、ユーヒ少年の声に答えるように、烈火鎧鋼が瞳を輝かせて変形を始めた。

 

烈火鎧鋼の上半身と下半身が分かれ内部から兜のような衣装もある戦闘機(コアファイター)が飛び出してくると、SD形態の頭部が分割され肩アーマーと背部に接続され、更に戦闘機(コアファイター)が合体。角飾りが胸部に装着され、「リアル形態の頭部」がない上半身を形成する。

 

同じように下半身がバックパックから分離した脚部と合体してリアル形態の下半身を形成すると、ユーヒ少年が下半身に乗り込み、更に烈火鎧鋼の上半身がその上に被さる。

 

そして、どこからともなく現れた兜を烈火鎧鋼の腕が掴み、ユーヒ少年の頭部へと被せ――ユーヒ少年の顔に、頑駄無之面(バトルマスク)が装着された。

 

 

「機動武者、勇陽(ユーヒ)頑駄無!!いざ、参るっ!!」

 

 

……うん、今まで色んなガンプラを見てきたが、まさかELダイバーとSDガンダムが合体してリアル形態ガンダムになるってのは、さすがに初めてみたな。

 

だが、驚いてばかりもいられない。デストロイガンダムが勇陽頑駄無を狙って放つ砲撃を、私はオニビストライカーのドラグーンでバリアを形成することで防ぎ、残りのドラグーンで牽制を行う。

 

 

「援護は任せてもらおうっ!!君は、君のなすべきことをなすがいいっ!!」

 

「仮面のおっさん……っ!!あぁ、一気に決めるさっ!!號刀(ごうとう)握締武(アクティブ)!!」

 

(実は烈火鎧鋼のSD形態では背中に背負っていていつの間にか左腰に移動していた)『武化舞可の號刀』を勇陽頑駄無が抜き放つと、背中のブースターを吹かせて一気にデストロイガンダムの頭上へと舞い上がる。

 

 

「號刀、縦、一文字斬りぃぃぃぃっっっっ!!」

 

 

炎を纏った刃がデストロイガンダムを斬り裂き、見得を切ると同時に勇陽頑駄無の背後でデストロイガンダムが、そしてダイダロス基地の内部で大爆発が起きる。

 

こうして、私達のミッションは成功を収めたのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

『――という訳で、今回は機せずして出会ったELダイバー、ユーヒ少年とその相方であるダイバー、ナンシーの紹介がメインとなる動画になってしまったな!!今回の動画には高評価をつけなくてもいいが、もしGBNで彼らを見かけた場合は、紳士淑女としての振る舞いを忘れず一緒にGBNを楽しんでくれたまえっ!!では、シーユーアゲイン!!』

 

「うおおおおおっ!!他の人達から見るとオレ達ってこんな風に見えるのか、すっげぇっ!!」

 

「あはは……まぁ、ユーヒはあまり自分のリプレイ動画は見ないもんね?」

 

 

……そんな感じで〆の音楽が流れつつある動画を食い入るように見ているユーヒを、私――『ダイバーネーム:ナンシー』こと『(アサヒ)梨子(リコ)』はマグカップに入れたホットティーを口に含みつつ眺めているのだった。

 

いやぁ、思った以上にラウルさんがいい人でよかったわ。ちゃんと公開前の動画も見せて問題がないかの確認もしてくれたし。これをきっかけにユーヒの友達がGBNで増えるのは、いいことだと思うから。

 

そして、自分が作った烈火鎧鋼へも視線を向けると、我ながら上手くいったものだと自画自賛もしてしまう。

 

思い返すのは、私がユーリと初めて出会ったあの日。ELバースセンターへ連れて行って登録をしようとした際、なぜかユーヒは「自分がガンダムになりたい!!」と駄々をこねてしまったのだ。

 

「いやガンダム00の刹那かーい!?」と内心ツッコミは入れつつ、せっかくのELダイバーだというのにリアルでガンダムの姿で動くのもどうなんだろうとあれこれ口論した結果、職員(?)のハロが「いっそSDガンダムでも使うかぁ?騎士ガンダムとかそういうネタあっただろ確か」とぼやいたのをきっかけに思いついたのがこれだった。

 

結果、ユーヒも納得してくれて楽しんでくれているので、万々歳だ。

 

とはいえ、他にも色々ユーヒの『ガンダム』としての姿を考えるのも、楽しいかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、ラウルさんは結局ユーヒのことを『少年』と読んでいたが……まぁ、いいか。

 

 

 

 

..End

 

 

 

 




・簡単な登場キャラ紹介

◆ラウル
「鬼火仮面」という自称でG-Tuberも行っている、ラウ・ル・クルーゼのコスプレをしたダイバー。それなりに腕はあるがエンジョイ勢寄りのダイバー。

◆ユーヒ
なぜかはわからないがガンダムになりたいという想いを持つELダイバー。性別不明。

◆ナンシー/アサヒ・リコ
武者◯伝をきっかけにSDガンダム→ガンダムシリーズへと沼に沈んでいったダイバー。さすがに某くノ一のダイバー程SDガンダムに詳しい訳ではない。

・簡単な機体解説

◆WoWプロヴィデンスガンダム
ニクスプロヴィデンスガンダム風の改造を施し、背中にストライクガンダム風の造形を追加、メッキを落として本体と同色にしたシラヌイユニットを装備した、水色と紺のプロヴィデンスガンダム。
シラヌイユニットでのドラグーンバリアも貼れる。
名前は「ウィル・オ・ウィスプ」由来だが、語感の問題でプロヴィデンスと繋げて読めるようにする為、あえてこの名前になっている。

◆機動武者 烈火鎧鋼
機動武者烈火大鋼を鎧丸風に改造した機体。その為SD形態でも瞳はない。なお、鎧丸風にしたのはナンシーの趣味なので特に意味はない。
コアファイターはリアル形態の頭部も兼ねている為、烈火鎧鋼単独でZZガンダム風のリアル形態にもなることが可能。

◆モビルドール・ユーヒ
ELダイバー・ユーヒのモビルドール形態。勇陽頑駄無時の兜はこちらに紐づいているので、ユーヒ単独でガンダムっぽい姿にもなることは可能。

◆機動武者 勇陽頑駄無
モビルドール・ユーヒと烈火鎧鋼が武者合身した姿。うっすらSD特有の瞳がカメラアイに浮かんでいる。
扱いとしてはナンシーがGディフェンサー、ユーヒがガンダムMk-Ⅱを操作した状態でスーパーガンダムになっているようなものなので、この姿が必殺技という訳ではない(なんなら作中ユーヒが放つ技も武者頑駄無系のSD由来なので武装に炎を宿す等がシステム上再現されているのとユーヒがノリで技名を叫んでいるだけなので、別に必殺技ではない)。

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