「彼女ができた」
一誠のその言葉に歩は硬直する。
「…………は」
一誠に彼女だと…………思わず顔が歪む。
たしかにこいつはいいやつだけど普段を見る限り彼女ができるようには全く思えないぞ。まさかゲームの中の女の子が彼女とか妄想とか危ないメールに引っかかってるとかそんな碌でも無いことなんじゃ………
様々な考えが巡る歩。
「おいおい……その顔は信じて無いだろ……まってろよ」
そこで携帯をいじりだす一誠。
「じゃーん、俺の彼女!!夕麻ちゃんだ!!」
携帯に保存された画像には美人でかわいらしい少女が写っている。
「…………」
「なんだ、夕麻ちゃんがかわいすぎて声がでないか」
一誠は自慢げにニヤニヤしながら話す。
「あ、松田ー、元浜ー」
残りの変態が登校してきたことで一誠は自慢するためにそちらへ駆けていく。
「…………」
歩は一誠を黙って見ていた。
ついにきたか………写真の女……あれは堕天使だ。一誠に何かしら力がある以上いつかはこうなるとわかっていたけど……………、一誠には平和に暮らしてほしいんだがな。まあ朱璃さんやバラキエルみたいな例もあるし、一応様子を見ておくか……。
「はぁー、これから苦労しそうだな……」
これから忙しくなると思うとため息がとまらない歩であった。
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数日後、今日は一誠の初デートである。
初デートの日程が決まってからというもの彼女のためにデートプランを考えたり、服装に気を使うなど努力を怠らなかった。
ほんと欲望むき出しにしなければすぐにモテるのでは……そんなことを改めて思う。
だからこそ歩は2人が姫島夫婦のような関係になることを願った。
そうして2人のデートを尾行する歩。
遠くから見る分にはとても仲の良さそうな雰囲気を漂わせている。
考えに考えたデートコースも何事も無く消化できている。
しかし初めて天野夕麻という堕天使を生で見た歩はわかってしまった。
「あぁ、殺気がほんの少しだけ漏れ出てる………」
やはり神器狙いの堕天使だったか。
落胆を隠せない。
このまま今日何も起こらなければ自分が裏で全て終わらせてしまえばいい。
しかし今日一誠を殺そうとするなら一誠の心に深い傷を刻んでしまうかもしれない。
そうならないことを祈ったが、こういうときは通じないことがほとんどだ……
夕方になりデートのしめである公園へ。
他の人の気配は全く無かった。
「ねぇ、イッセー君、初デートの記念にひとつお願いがあるの。」
「な、何かな、お願いって」
一誠が緊張したように答える。
「死んでくれないかな」
いかにも性格の悪そうな顔を見せる夕麻。
「え……夕麻ちゃん、もう一回言ってくれない。なんか俺耳、変だわ」
「死んでくれないかな」
自分の聞いたことが間違いなかったことで動揺、混乱を隠せない一誠。
黒い翼をみせ夕麻は堕天使としての本性を表した。
「楽しかったわ。ほんとわずかなとき。あなたと過ごした初々しいおままごとに付き合えて。」
そうして黒い槍を構える。
「だけど、死んで」
槍が振り下ろされようとしたとき、恐怖で目をつぶる一誠。
どうせ死ぬなら、美少女の胸に抱かれて死にたかった……
一誠の願望に、ポケットに入った「あなたの願い叶えます」と書かれたチラシが反応した。
しかし魔法陣が展開仕切るにも時間がかかり過ぎて間に合わなかった。
終わった、そう思う一誠。
しかし何時までたっても痛みはやってこない。
恐る恐る目を開ける。
そこには付き合いの長い親友の姿があった。
「あなた……何なの…」
夕麻の目の前には剣で槍を受け止めたと同時に粉々に破壊した歩の姿があった。
「まあ、いいわ…あなたも殺してあ「黙れ」」
怒気のはらんだ歩の声、そして圧倒的な重圧にまともに声が発せなくなった夕麻。
「お前は俺の親友を傷つけ、あまつさえ殺そうとした……………このまま生きていられると思うなよ」
まともに息も出来なくなり、自分は死ぬ、そう確信してしまった。
「歩、何がどうなってるんだ」
何が何だかわからない一誠は歩に今の状況を聞こうとしたが、空気を読むように召喚が始まろうとしていた。
「これは……リアス・グレモリ―か……」
朱乃や白音だったら誤魔化せたのに。
一応隠れて護衛する契約であった手前身元がばれるような今、会うわけにはいかない。
ちなみに夕麻がこの隙に逃げようとしていることに気づいていたが、歩にとって所詮は路傍の草にも劣る存在。
あえてここで殺して一誠にトラウマを与える必要は無いだろう……そう思い見逃すことにした。
「一誠、すぐここにリアス・グレモリ―が現れる。事情は後で説明するから俺がここに居たことは黙っていてくれないか」
少しの沈黙。
「はぁー、正直いろいろ聞きてーけどわかったよ。黙っとく。」
疲れたような声で一誠が言った。
「恩に着る」
この場から離れようとする歩。
そこで
「ありがとな、助かったぜ」
笑顔で礼を言う一誠。
こんな非日常的な事が起こっても一誠は何も変わらない。そのことが何よりもうれしい歩であった。
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公園に召喚されたリアス。
「あなたが私を呼んだのね。堕天使のいた気配が残っているのだけれど、堕天使は一体どこへ行ったのかしら?」
質問される一誠だったが、正直嘘が苦手である。
そんな彼がこれからこの状況に対して質問攻めに受けるだろうことはわかりきっていたが、歩のことを秘密にしながら状況を説明できるだろうか。
こうして一誠の戦いが始まった。
リアスの召喚遅すぎwww
まあ歩の力で魔法陣に負荷がかかったんだと思ってください。