そして短いのもすいまそん。
レーティングゲームは大方歩の予想通りだった。
良い勝負をしていたと言うのにリアスが単身ライザーに立ち向かい、リアスがリタイアするレベルの攻撃を駆けつけた一誠が庇って大ダメージ。
そうなったら後はなぶられるだけ。
傷つく一誠を見ていられずリザイン、投了するという結末だ。
鍛えられた一誠が全快だったらもう少し勝負になったのだが、終わってしまったものは仕方が無い。
「よかったにゃん、歩?」
「ああ、一誠がライザーに勝てるまで成長するなら楽だったが、予定通りに進んでいるよ」
黒歌は心配そうにするのも無理無い。
朱乃と白音はすでにリアスとライザーの結婚式場に向かっておりその間、歩がモーションを起こすことは無かった。
「そうじゃないにゃ」
しかしこの黒歌を含めた3人はリアスのことをまったく心配していない。
理由は単純に歩が「大丈夫」と言ったから。
ここで歩に問いかけたのは、当日ライザーとの結婚を妨害すれば冥界中の悪魔に歩の存在が知られる。
歩自身あまり目立たない、隠密のような行動をしていただけに目立つことを避けているのは明白だ。
しかし
「ああ、そっちのことか。まああまり面倒なことは避けたかったけどさ……最近厄介そうなのに見られてるし、少しずつ信用できる味方を作るのもありだと思ったんだよ。いざって時は俺の身一つじゃあどうにもならないこともあるかもしれないし」
ケロッと言ったので黒歌自身も割と拍子抜けだ。
「それに……今回の主役は俺じゃない」
そうしてニヤッと笑う姿は子供のように楽しそうだった。
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「この魔方陣は婚約会場へと転移できるものです」
一誠はグレイフィアの言葉に混乱していた。
「サーゼクス様からのご伝言です」
真剣な面持ちで言葉を続けた。
「「妹を助けたいなら会場に殴りこんできなさい」だそうです。その紙の裏側には魔方陣もあります。お嬢様奪還際にお使いください。必ずお役に立ちますので」
「えっと……」
「いいからさっさと受け取れ。覚悟はとっくに決まってるんだろ」
新たな声の方へ向くとそこには歩がいた。
「アーシアさんに入れてもらった。どうやらドラゴンとの対話も済ませたようだな」
「なんでそれを……」
「さっきから禍々しい力がもれでている」
そんな話しをしていると横からグレイフィア言った。
「歩さんも行かれるんですね」
「予想通りの癖に良く言いますね……まあ俺にとっても予定通りですけど」
「ふふふ、もう少し可愛げをみせてくれてもいいんですよ。昔はもっとやんちゃな子供みたいで可愛かったのに……お姉さん悲しいです」
少し拗ねた様な言い方は、日ごろの彼女を知る人には考えられなかっただろう。
「と…とにかく、行くぞ一誠」
昔のことを切り出され恥ずかしくなったのか一誠を急かす歩。
「お…おう」
一誠だけが置いていかれた空気であったが返事をし、服を着替える。
「よっしゃー歩、準備万端!!結婚式をぶち壊しに行くぜ!!」
こうして一誠の大一番が始まる。