ハイスクールD×D 剣の王   作:しぃー

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3巻突入


生徒会

 

 

「木場が何かおかしい」

 

一誠からそんな相談を受けた。

 

話しによるとオカルト研究部の全員で一誠の家でアルバムを見ているとたまたま聖剣の移っている写真があったことが発端。

 

その写真を見たときから木場は度々ボーっと考え事をしていることが増えたらしい。

 

 

この話しを聞いていると歩は沖田と雑談しているときのことを思い出していた。

 

 

 

 

「弟子自慢ってわけじゃあないですけど……祐斗は将来、私を超えるかもしれません」

 

「へー、リアス・グレモリーの騎士がねー」

 

このときはまだ高校にも通う前。

 

歩は木場との面識は無かった。

 

魔王の騎士に並ぶ逸材が近くにいるのは歩にとっても素直に驚きだ。

 

「しかしね、まだまだ未熟です。技術以前に心が。あの子は復讐に捕らわれすぎている」

 

その後沖田は木場の過去を話していった。

 

聖剣計画。

 

簡単に言ってしまえば聖剣を仕える存在を増やす実験。

 

木場はそのときの被験者だったそうだ。

 

そして実験体として要らなくなった為、被験者の処分を決定。

 

他の被験者が全て亡くなる中、木場だけが何とか生き残り、リアス・グレモリーに拾われる。

 

「中々に壮絶な過去だな」

 

木場を知らない歩にとって正直あまり関心は深くなかった。

 

「ええ、あの子がもしも過去を克服することが出来たら……」

 

たっぷり間をおき沖田は話しを続けた。

 

「あの子はきっと別人のように強くなる。そのきっかけ早くにあればいいんですけどね」

 

 

弟子の成長を思う師の顔に歩も自然と笑みがこぼれた。

 

「そう……なるといいな」

 

そうして歩は知らない人物の成長を素直に願うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去を思うと、様子がおかしい理由は一瞬で分かる。

 

しかし木場の様子がおかしいと思う程度なら一誠に真実を伝えるのはまだ早い気がした。

 

「俺は木場じゃないからな。どんな問題を抱えているかは分からない」

 

「そうか……」

 

「でもさ……本当に困っているようなら相手に迷惑と思われようと助けてやれよ。大切な友達なんだろ」

 

その言葉に一誠は顔を引き締めた。

 

「おう!!」

 

願わくば、これが木場の成長につながることを。

 

 

そう歩は思うのだった。

 

 

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「今日の放課後、時間があるなら部室に来て欲しいの」

 

リアスからの申し出があったので予定も無いので一人部室に向かう。

 

一誠は今回歩が部活に顔を出すことを知らなかったのだろう……同じクラスというのにアーシアを連れてとっとと教室を出て行った。

 

 

 

 

 

部室に入るとオカルト研究部の部員以外の面々がいる。

 

 

生徒会長、支取蒼那。そして生徒会役員のメンバーだ。

 

「こんにちは、神崎歩君」

 

男の生徒会役員……確か名前は匙だったか。そいつと一誠がなにやら口論している中、支取は気にせず言った。

 

「こんにちは、ソーナ・シトリー」

 

「おい、お前。会長に向かって呼び捨てだと」

 

匙がうるさくつっかかってくる。

 

「やめなさい匙。彼はサーゼクス様の友にして現魔王よりも強いといわれるのですよ。逆に私達にとって恐れ多い存在と言っても過言ではないわ」

 

「現魔王様より強いって……」

 

途端に顔を青ざめさせる。

 

失礼なことを言ったためか匙は生きた心地がしない。

 

しかし表情がころころ変わるところが一誠に似てるのか、歩にとって匙の評価は悪くなかった。

 

「歩はソーナのことを知っていたのね」

 

「まあな。サーゼクスやグレイフィアさんにはリアスの護衛につく前に生活環境や重要人物については粗方聞いてる。何より俺が生活していて悪魔の気配に気づかないわけ無いだろう」

 

「そう……顔合わせも済んだことだし来たばかりの歩には悪いのだけれどお開きにしましょうか」

 

リアスの言葉でこの場が仕切られていく。

 

「これからよろしくね、神崎君」

 

大人っぽいと言われることで有名な人だったがその時の微笑みは歳相応、可愛らしいものだ。

 

生徒会の面々とはこれから関わり深くなりそうだった。

 

 

ソーナ・シトリーが部室を出るとき、微笑んだまま言う。

 

「リアス、球技大会が楽しみね」

 

「えぇ、本当に」

 

リアスも笑顔で返していた。

 

昔なじみと聞いていたが本当に仲がいいのだとすぐに理解できる。

 

「あと、神崎君を使うのは反則ですから」

 

ソーナ・シトリーはそれだけ言うと、足早に部室を後にした。

 

 

球技大会はとにかく球技と名のつく競技を一日使って楽しむ行事だ。

 

これがまさか悪魔同士の決戦の場になるとは。

 

「ほんと……最近退屈しない」

 

歩は密かに球技大会を楽しみにするのだった。

 

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球技大会は予想以上の盛り上がりを見せた。

 

リアス対ソーナ・シトリーのテニス。

 

一誠が狙われ続けるドッジボール。

 

歩自身クラス対抗戦などは参加もしていたが、本気を出せない分見ているほうが楽しかった。

 

来年も楽しみだ、そう思う中で

 

パンッ

 

木場は頬を叩かれていた。

 

「少しは目が覚めたかしら」

 

球技大会で全くやる気を見せなかった木場。

 

リアスの言葉にも大きな反応を見せない。

 

写真を見て以降木場は日に日に変わっていった。

 

「球技大会も終わりました。練習も無いですし普段の部活は休ませてください。疲れがたまってたからでしょうか。今日はすいませんでした」

 

その言葉には気持ちが乗っていない。

 

返事を待たず去る姿は危うさに満ちていた。

 

心配になった一誠は木場に駆け寄り何かを話している。

 

しかし

 

「エクスカリバー……それを破壊するのが僕の戦う理由だ」

 

強い意志を秘めた表情。

 

その顔を見て一誠は何も言えなくなってしまう。

 

この日、歩を含め始めて木場の本当の顔を見た気がした。

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