あの後木場の過去を聞いた一誠。
木場の助けになると意気込むも、事態はさらなる問題を抱え込んだ。
紫藤イリナ……一誠の幼馴染にして教会のエクソシストの登場。
そして生徒会、ソーナ・シトリーに提案された悪魔との交渉の場。
波乱は続く。
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今日の部室には2人の来訪者がいる。
一人は栗毛の女性、紫藤イリナ。
そしてもう一人は緑色のメッシュをいれた目つきの悪い女性、エクソシストのゼノヴィアだ。
「先日、カトリック、プロテスタント、正教会でそれぞれ管理、保管をしていたエクスカリバーが奪われました」
大昔の対戦で折れてしまったエクスカリバー。
その折れた破片を集め、錬金術により再構成したことで7本のエクスカリバーが生まれた。
1本1本がそれぞれ違った特性を持つ癖のある剣であるが7つに分かれてもなお強力な力を持つ。
ちなみにイリナが擬態の聖剣。
ゼノヴィアが破壊の聖剣の使い手のようだ。
「聖剣を奪ったのはグリゴリの幹部、コカビエルだ」
ゼノヴィアの言葉に事情の分からない一誠とアーシア、そして特に脅威にも感じていない歩以外が息を呑む。
「古の戦いから生き残る堕天使の幹部。聖書にも記されたものの名前が出るなんてね」
リアスも突然出たビッグネームに驚きを隠せないようだった。
「先日からこの町にエクソシストを潜り込ませていたのだがことごとく始末されている」
自分の管理している土地でそんなことが起こっているなど露とも知らなかったリアスは若干不満顔だったが静かに話しを聞いていた。
「そこで私達の依頼……いや、注文とは私達と堕天使のエクスカリバー争奪戦に悪魔の介入が一切無いようにすること。つまりそちらに今回の事件に関わるなと言いにきた」
さすがの物言いにリアスが眉をつりあげる。
その後はなにやら言い合いをしていたが歩はあまり耳を傾けることはなかった。
それ以上に考えていたこと。
それは
(あの2人でコカビエルを倒せる可能性は正直ゼロだな)
実力はリアスの眷属といい勝負……もしくは少し上。
その程度の力が2人だけでは勝つのは夢のまた夢だろう。
ほんと……教会は酷な事をさせる、そう思わずにはいられなかった。
そして
「エクスカリバー……か……」
歩自身は剣自体に特別こだわりを持ったことは無い。
昔、剣に魅せられただけに剣は等しくすばらしいと思っているし、どんな剣でも必殺の魔剣に変える斬り裂く銀の腕がある以上性能にこだわる必要が無いからだ。
今回も例に漏れないが、悪魔である黒歌と白音に害をもたらす可能性がある以上、放置はできない。
(まあどこかで加勢してあげようかな)
そう自身で完結させるのであった。
その後は魔女と呼ばれたアーシアにゼノヴィアが罵倒、そして死ぬことを進めたためキレた一誠と、聖剣を憎み暴走した木場の2人がエクソシストに喧嘩を売り戦闘が始まった。
結果としては単純な実力不足の一誠、冷静を欠いた木場が勝てるはずも無くあっさり負けてしまった。
去り際にゼノヴィアの言った
「白い龍はすでに目覚めている」
この一言は印象的だった。
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「待ちなさい、祐斗」
リアスの制止する声が聞こえてくる。
「私のもとを離れるなんて許さないわ。あなたはグレモリー眷属の「騎士」なのよ。「はぐれ」になっては困るわ。とどまりなさい」
「僕は同士たちのおかげであそこから生き延びた。だからこそ、この恨みを魔剣にこめないといけないんだ」
それだけ言うと、木場はその場から消えた。
そのとき歩は悲しそうなリアスの顔と何かを決意する一誠の姿を確かに見た。
また何かやらかしてくれそうだな。
やはり一誠はおもしろい。
その後落ち着きを取り戻したリアスがちょっとした疑問をぶつけてきた。
「そういえば人間でありながらこの場にいた歩に何も言わなかったわね、あの2人」
「俺も割と有名になったし、触らぬ神に祟りなしってやつだよ。無関心そうに見えてゼノヴィアはずっと俺を警戒してたし。まあ警戒してる気配を悟られるようではまだまだ未熟としか言えないが……年齢を考えれば優秀だろう。」
一応第2の人生だけで考えれば同い年である歩むが言うことではなかった。
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‐とある場所-
薄暗い空間。
小さな少女が一人ずっと何かを見ている。
「歩、会いたい」
無限の龍神はいつものように遠くから眺めている。
歩の観察は毎日の日課といっても過言ではないかもしれない。
感情が動くことが無い……もしくは本当にしっかりとした感情があるのか……そんなことを言われていたオーフィス。
この姿を見ればそんなことは無かったと誰もが思うであろう。
そして……そんな姿をいつものように確認していた男が一人。
男はゆっくりとオーフィスに近づいた。
「なあ、オーフィス。彼に会わせてあげようか」
悪魔のささやき。
暗躍は止まらない。