基本1話完結の短編集的なのを予定しています。
他の方の創作を見て自分も作りたいなと思い、初書きしたものになりますので読みにくいところなどありましたら意見をいただけると嬉しいです。
それはあるけみすとの世界とは違う世界。高い建物や道を走る鉄の箱、そして多くの人間が暮らす街。そんな世界の住民の1人に、その少女は居た。
「ふぁぁぁ…ねっむ…今日も学校かぁー…」
嫌々そうにベッドから起き上がり、親に用意されていた朝食を食べ、学校の制服に着替え、家を出る。そんな何気ない日々を送っていた少女。苗字は零星(ぜろせ)、名前は癒(いゆ)。彼女は黄色い髪をしていて、右目が紫、左目が黄色のオッドアイが特徴の17歳の人間族だ。
そんな彼女の一番の個性は、【召喚魔法】と呼ばれる魔法を使いこなす魔法使い、ということだろう。彼女は召喚魔法に特化している影響でそれ以外の魔法が使えない。その代償のおかげで他の人の使う召喚魔法より、高度な力を行使できるので、【召喚魔法使い】や、【召喚士】などという呼ばれ方をする。彼女の世界で、魔法を使える人間は珍しくなく、空を飛んだり転移したりで日常生活に役立てている者も居れば、その力を悪用し人を傷つける者、そんな人から罪のない人々を守り、世界の治安を維持する者など、様々な者がいる。かくいう彼女も、召喚魔法を駆使し、移動などの日常生活で大いに楽している。この日も、いつものように学校へ登校するのに召喚魔法を使おうとしていた…
「めんどいけど…行かなくちゃなぁ…さってと、いってきまーすっ!」
と、家を出て、そのまま召喚魔法を使おうと構える。
「さーてっと、行きますかっ…【召喚(サモン)"機能物体(オブジェクト)"】っ!」
昨日までと同じように魔法を詠唱し、学校付近までの転移ゲートを召喚しようとする彼女。しかし、今日は何かが違った。
「あれぇ…?ゲート出てこないなぁ...えっと...もっかいっ!」
普段は展開した魔法陣から出てくるゲートが、出てこない。魔法が失敗してしまったのか...魔法陣自体の展開には成功している為、魔法陣からゲートを出す工程で何かがあったのだろう、そう考えた彼女はもう一回召喚魔法を試みようとする...しかし...
「...ん?あれ?魔法陣が光って...うわっ!?」
展開されていた魔法陣から、思わず目を覆いたくなるような光と共に、一つの光りも差し込んでいないような真っ暗闇の次元の穴のようなものが展開される。
「ま、眩しかった...ってうへぇー...明らかに近づいちゃダメそうなやつ出てる.........時間置いたら消えるよね...?たまには歩いていこっ...」
と、魔法陣から展開された穴をスルーして出発しようとした瞬間...
穴から強烈な引力が発生する。
「...えっ」
気がついたときには遅かった。自らの体を直接遠くに【召喚】する形で退避することも、なんらかの魔法や武装、能力変化を召喚し、対処することも叶わない。
「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」
彼女はそのまま、穴の中へと吸い込まれていくのだった...
...そして、魔法陣は、術者の消失により消滅、魔法陣から展開されていた穴も同時に消えていったのだった...
「ん...ううっ...」
彼女は、穴の中に吸い込まれていった後、意識を失っていた。どれくらい時間がたったかはわからないが、彼女が目を覚ますと.
..
「ここ...どこだ...」
知らない草原、少し遠くに見える知らない町、遠くの山の向こうに見える、大きな国の大きな城。
目覚めたばかりで状況が掴めていないが、一つだけ確信を持てていることがある。ここは自分の知っている世界ではない、異世界だ...と。
「まぁー...なんだかんだ言っても世界間の移動くらい出来るよね、私...」
召喚魔法の中でも、自分自身や他の人を特定に場所に召喚という形で転移させるものは、座標さえわかっていれば世界間の移動も可能になっている。
家の近くは鮮明に覚えているし、普通に帰れば大丈夫。そう思っていた...
「じゃ...っと、【召喚(サモン)】.........あれ?」
...召喚魔法を行使しようとして気がつく。使えない。召喚魔法が使えないのだ。武器や動物など、転移以外の召喚魔法を行使しようとしても結果は変わらず。
「え、マジ...マジかぁ...ちょっと...話が変わってきたぞ...?」
彼女は、自らの能力を失った上で見知らぬ大地へと放り出されたのだった。
「悩んでても仕方ないし...あの町に行ってみよう...」
こうして、その身一つで彼女は【始まりの町】へ向かっていく。この先何が起こるかというのは、今は誰も知らない...