タイトルの通りジグソーパズルをやるよ
【ジグソーパズルの組み立てを】
「トレーナー?」
ネオユニヴァースの声を彼は聞いた。
トレーナーとして、契約をしている明るい金色の髪を持つウマ娘、ネオユニヴァースはトレーナー室を覗き込む。
今日は、休日にした。
というのも彼は昨日、ネオユニヴァースをトレーニングしてからすぐに実家の方に戻って実家の喫茶店を手伝っていて、
手伝いに疲れたので休みにしたのだ。無理はしないで置いた。ネオユニヴァースもこのところトレーニングばかりであり休みが
必要だと想ったからだ。
二十代ではあるし若いねとは年老いた先輩トレーナーに言われることもあるが受け流して置いている。
若いのは確かだろうが無理をすればいずれにせよ体に来るのだ。
「どうした」
「それ」
「いもうとが押し付けてきたんだよ」
トレーナー室には彼が仮眠をとる時に使うソファーベッド……今はソファーとして使用されているが……があり、
彼はそこに座りテーブルの上にジグソーパズルを広げてやっていた。ピースは三百だ。そこそこにある。
久しぶりに家族が揃ったのだが、モデルをやっているいもうとが貰ったのだがやらないからあげると渡されたのだ。
ネオユニヴァースがトレーナー室に入ってくる。
「やっていたの」
「始めたばかりだけどな」
ジグソーパズルのコツはまずは見本を見てピースを似たような色を集めることだ。そして一辺がまっすぐになっているピースも集める。
枠を作ってから中身を入れていくのだが、まずは集めるところからだ。箱には太陽系の星々が描かれている。
太陽、木星、土星、地球。太陽系の惑星は冥王星がいつからか除外されてしまっていた。
「宇宙。太陽系。沢山の星」
「何か飲むか。実家から貰ってきたジュースがある」
「貰う」
「とってくる」
とってくるとしたのは彼が使っているトレーナー室に冷蔵庫はなく、隣の給湯室にあるからだ。部屋を出る。
給湯室にある冷蔵庫を開けるとマカロンが入った箱があった。給湯室のさらに隣の部屋を使っている同期の女トレーナーの字でメモが書かれていた。
”良かったらどうぞ。飲み物はいただきました”とある。
お互い家が大所帯な方で、家族関係の話題で気が合い、ウマ娘たちの話も合うので仲がいい。
冷蔵庫に入れておいた瓶のトロピカルなマンゴードリンクとシンクに置いてあるガラスのコップを二つと栓抜き、そしてマカロンを手に持ち、持っていく。
トレーナー室に戻ればテーブルの上のジグソーパズルのピースは分けられていた。フレーム部分と星部分にだ。
このまま組み立てに行けそうである。
「マンゴージュースに、マカロン?」
「隣のコーチがどうぞだと、ピース。分けておいてくれたのか」
「うん。星を分けた。宇宙も分けた」
「助かる。押し付けられたジグソー、まだあるんだ」
ガラスのコップをテーブルの上に置いてマンゴードリンクを注ぎ込む。ジグソーパズルはテーブルで作ってから枠に移動させて
糊でくっつけるつもりであった。
「他にはどんなジグソーパズルがあるの」
「北海道の星の風景とか。ホワイトジグソーもある。ホワイトジグソーは嫌がらせかってなったが」
フレームももらっているため出来たら飾るだけではあるのだが、作るのは時間がかかる。
最後の嫌がらせかというのはいもうとに対してだ。
ホワイトジグソーは全てのピースが白いジグソーパズルである。押し付けられたのは難易度がかなりあるジグソーパズルだ。
「やってみる。まずはこれ」
「ありがたい。今日は休みだが、ネオユニヴァースはこれをやっていていいのかはあるが」
ありがたいなとなる反面、せっかくの休みをジグソーパズルに使ってもいいのだろうかとなる。ネオユニヴァースは首を何度も振る。
「いいの。貴方と宇宙の旅。宇宙を作る。トレーナー、ホワイトジグソー、貰っても良い?」
「使い道がないぞ。それ宇宙飛行士の選抜試験にも使われたらしいが」
使い道がないというのは作ったとしても出来るのは一面の白い板である。何に使うのだろうかとなる。
彼は置いてあるホワイトジグソーの箱をネオユニヴァースに渡した。彼女は両手に持つ。
「トレーナー、作って組み立てたらメッセージを書くから。そうしたら受け取ってくれる」
「――貰うよ」
ネオユニヴァースが箱を抱えて澄んだ青い瞳で彼を見上げてくる。目を合わせて約束する。
「まずは、これだけど」
「今日中に完成させられるといいな。仕事がままならない」
「仕事があるの」
「ほぼ終わっている」
ほぼ終わっているのに仕事がままならないというのは矛盾しているのだがたまに仕事が降ってくるときがあるのだ。そういうときのために
余力は残しておいた方がいい。
「それならまずはジグソーパズルだね」
「今日中に完成させるか」
三百ピースのジグソーパズル、二人でやればはやい。
今日は休日、思い思いに過ごすことにして、彼とネオユニヴァースはジグソーパズルを再開した。
【Fin】