本当にたった今起こったよくわからん出来事。

1 / 1
【実話】四次元殺法コンビみたいな異形がいた話。

 直近の話、というかこれを書き始めた時につい今しがた起こった、つまり2023年10月26日20時頃に起きた怪事件、というか珍出来事です。

 

 

 地元の貧乏学生御用達の格安部屋料金制のカラオケ屋さんに友達と遊びに行っていた帰りにそれは起こりました。

 

 異変に気付いたのは友達のN君。彼は自転車でわざわざ隣県から来ている子で、赤ちゃんのゲンコツくらいデカいチャーシューが売りのラーメン屋に寄っていくつもりで先を走っていました。

 

 

「Hさん、なんか変なの居ません?」

「寒すぎ都市伝説」

「もうですか? 流石は末端冷え性」

「まじで日番谷冬獅郎の6上ぐらいの氷使いではあるからね。で、なに。アヤカシでも居た?」

「まじな話呪霊の説ありますね」

「まじ? 呪術廻戦、永沢君みたいなオバケと最強の人と両面宿儺が出る事しか知らんけど」

「作品の全てを熟知してるじゃないですか」

「あと伏黒甚爾ね」

「絶対好きそう。で、なんかあっちに変な人らが居るんすけど」

「はぁ。どこ?」

「あっちです」

 

 

 変な人がいる、なんて失礼な事言ってる割に隠れようともせず堂々と歩道で指さすN君。その指の先の方を凝視するが、目が悪い為全然何があるのか分かりませんでした。一寸先は闇です、夜の駐車場なんて視界0%です。

 

 

「ごめん。ちょっと何も見えないというのが適切な視界ではある」

「なんでメガネしないんですか」

「昔メガネかけてた人いじってたもん。その癖してメガネに頼ったらクソ失礼ちゃう?」

「どういうこだわり? 危なくないですか」

「まあまあ。で、どんな感じに変な人がいんのよ。特徴教えてよ」

「サイケデリックに曲がってそうなパキパキ笑顔浮かべてる奴と」「やばすぎ」「サンクラにしか曲あげて無さそうなバラクラバ付けた奴です」「そっちは普通に居るだろそこら中に」

 

 

 要約すると夜中なのににっこり笑顔を浮かべている人間と、イスラム国の人みたいな感じで顔を隠してる人がいる、という事か。その時点では何が変なのか分からなかったが、N君はそうじゃないと首を振りました。

 

 

「バラクラバ、とは言ったんですけど、なんか違うんですよね。なんだろ、被り物をしているようには見えないというか」

「むず。どゆこと?」

「目は見えるんですけど、それ以外のパーツが暗いせいか見えないんすよ」

「目ん玉小僧ってこと?」

「鼻口がのっぺりしてるんすよね〜……」

「あんまガンつけちゃかんよ。アヤカシとして捉えるなら妥当な容姿じゃん。いいやん」

「まあ見間違いだとは思うんすけど。にしてもあの二人、ずっとこっち見てますよ」

「命乞い得意だから任せてよ」

「生殺与奪の権握られたくないなぁ」

 

 

 なんて話をしながらN君と普通にラーメン屋に入っていきました。ちなみにこの時位置関係が変わって、その怪しげな二人の背に電光板が来る位置になったので確かにこの目でその姿を確認できたのですが、如何せん視力の悪さで細部までは見れませんでした。

 

 けれど確かに、その二人の片方はこちらを見てニタニタと笑っており、もう一人はなんていうか、表情が読み取れませんでした。大きく脚を開けば三歩ぐらいの距離なのに、目が異様に大きいという特徴以外に掴めるものはありませんでした。

 

 

 赤ちゃんチャーシューバリうま漢盛りラーメンを平らげ、店を出ると既にあの二人はその場から消えていました。それはそうだ、彼らもきっとラーメンを平らげ談笑していただけに違いない。心の中でそう呟き、一服して帰路を歩きます。

 

 

 ラーメン屋からお好み焼き屋さんのある一本道を歩き、右折して総合体育館のある方へと進み。途中でコンビニに寄りたかったので横断歩道を渡り、ミニストップでアイスとタバコ、濃いめのレモンサワーを入手し店を出ます。

 

 ミニストップ横の、変電施設のある暗所で偶然たむろしていた知り合いと少し会話を交わし、N君を家まで単車で送ってやるという話になりました。自転車はこちらが回収し、明日になったらN君と単車乗りのAちゃんが家に来るとの事です。

 

 一人、買った酒を飲みつつ自転車を押して歩いていました。街灯が等間隔に設置された長い長い直進の道。

 突き当たりにはタコの滑り台がある公園があり、日中はこの令和の時代でも結構子供が沢山いて賑わっているのですが、夜になると人の気配が微塵もしない静かな廃墟のような雰囲気になります。

 

 今は潰れてしまった、クレヨンしんちゃんの大きなイラストが描かれた板で入口を塞いでいる元古本屋の横を通った時、その公園の手前、掲示板の前に人影があるのが見えました。

 

 二つの人影がありました。二つとも、こちらを向いていました。

 

 

(きっしょ)

 

 

 怖かったので進路を変更しました。と言っても、公園の横の道を通らないと家には辿り着けない一方通行の道だったので、車道を渡って逆サイドの歩道に移っただけですが。

 

 移動している間も、ずっとその二人はこちらを見ていました。ただ、こちらに向かってくる気配はしませんでした。

 

 2ちゃんねるの怖い話だったら多分ここで奇声を上げて全力ダッシュで向かってくるだろうなあと頭の中で考えていました。望遠鏡から覗いてたら異形が山から降りてきて家のガレージをぶっ叩いてくる、みたいな怖い話があったと思うんですけど、アレを想像して顔面蒼白です。

 

 

 公園の横道に入り、二人の姿が見えなくなるとそこからはダッシュで登坂まで向かいました。その道を行った先にはかなり傾斜が急な坂があり、普通に歩いていると相当進みが遅くなってしまいます。

 

 オバケとか、神とか、そういうスピリチュアルな物は信じていません。だからこそ走りました。相手がノーマル人間なら、捕まったら誘拐されて全身バラされて、内蔵が世界旅行する所までは考えていたので。流石にこの歳でAKIRAみたいになるのは嫌でした。

 

 

 坂を登り終え、振り向きます。何も音が聴こえなかったということはやはり警戒は杞憂だった。あの二人はラーメン屋で見た二人とは違うし、普通に二人で談笑していただけなんだと、そう思いたかったからです。

 

 

 もう豆粒のように小さくなった道の向こうの向こう側。オレンジ色の電灯の下に、二人の姿はありました。顔は見えませんが、体の向きは、こちらを向いていました。

 

 怖すぎです。見たら呪われる絵にありそうな構図でした。一周回ったら芸術、二週回ったらグロ画像でした。閲覧注意の文字が出るタイプの画像まとめスレで出てきそうな画角でした。前を向き、家に向かいました。

 

 

 と、普通の怖い話、というか、今まで見てきた怖い話だとここで家に着いてその後に何か起こるか、常識を逸した猛ダッシュで距離を詰められて怪談新耳袋の終わり方みたいなラストを迎えるかの二択が定石だと思うのですが。まだ一山あったのです。それマジ? と思うような出来事が。

 

 

「は?」

 

 

 そんな声が出ました。現実で。

 

 

 坂を登り終え、時間にしてみれば1分程歩いた地点。白い壁があり、幼稚園に続く横道があり、古い作りの一軒家が一つあり、コインランドリーや床屋に続く横道があり。

 

 その横道に、居たのです。二人が。

 

 一応、あの真っ直ぐの道を経由せずともその地点まで移動することは当然可能です。住宅街の外側に出て、神社の横の道を経由しコインランドリーの方から来れば、理論上そこにぼったちする事は出来ます。

 

 車を使って8分程でしょうか。信号を度外視するなら、かかる時間はそれくらいかと思われます。

 

 

 有り得ないですよね。人間が、車で8分かかる距離を1分で移動するなんて。

 

 二人の内一人は不気味なくらいの笑顔でこちらを見ていました。そしてもう一人は、よく分かりません。目が悪いからなのか、目しか見えませんでした。

 

 もう幽霊話とか信じる歳でもないので、N君と冗談で話した口鼻無しの妖怪なんだと認める訳には行きませんでした。けれど、見れば見るほど、目以外のパーツが欠損していて人の皮膚が顕になっているようにしか見えませんでした。

 

 

「うィまかェ」

 

 

 いや絶対そんなわけないんですけど、なんかそんな風な事を言っていた気がします。笑顔の方が。多分外人さんですね。

 

 チャリに跨り全力で逃げました。車が来ているかも確認せず、車道を横切って狭い道に入り、一心不乱に家に向かいました。

 

 そして、家に着き、絶対夢。絶対幻覚。絶対思い込み。現実だとしたら絶対テレビ局行く。怖いビデオ系の会社に電話する。とガタガタ震えながらしゃぶしゃぶを食べつつ、今ここにポチポチとスマホから殴り打っている現状です。

 

 これをこのまま投稿するつもりですが、きっと明日になったら「なーんだこれ」ってなって消すと思います。寝たら絶対忘れるし、何も気にしてないと思うので。そうであれ。

 

 以上。摩訶不思議な今日の日記でした。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。