スペシャルウィークは1週間後、中央トレセンに転入する道産子の可愛らしいウマ娘だ。北海道の空気が綺麗な田舎で育った都会知らずの少女でつい最近までは年頃のスター達が日々活躍するトゥインクルシリーズとは無縁に、普通に育ち、普通に進学して普通に就職して、普通に結婚すると思っていた。
「荷物を纏めないと……えーと、これは持っていかない、これは持っていく」
だが、有る時に母親から告げられたのだ。時が来たら中央トレセンに転入するから準備してねと。なんでもスペシャルウィークのトレセン転入はスペシャルウィークの産まれる前から決まっていたとの事であり、来週には中央トレセンがある東京都に向かわなくてはならない。育った地元に別れを告げるのは寂しいが仕方ない事だろう。
そんな時だった。タンスの奥から大事に仕舞われた何かを発見したのだ。その何かはスペシャルウィークの持ち物では無かったが、気になったスペシャルウィークはその何かを手に取る。それは灰色のアタッシュケースであり『サンデーサイレンス』と角に名前が書かれていた。気になったスペシャルウィークはアタッシュケースを開けてみると、そこには灰色の神父服を彷彿させる勝負服、数枚の写真、そして『俺様の大切なこれから産まれる娘 スペシャルウィークへ』と書かれた数枚の手紙が入っていたのだ。
写真の裏にはケンタッキーダービーと書かれており、写真には神父服の勝負服を纏ったウマ娘……だが少女ではなく女性すらでもなく少年だった。少年を挟むように杖をついた60代程の老人、少年より少しだけ歳上のウマ娘が居ており……3人の後ろでは流星が書かれた黒いTシャツを着た黒人、白人、様々な人達が少人数とは言え写っていたのだ。
ケンタッキーダービー……それは日本の日本ダービーとは異なり、アメリカのダービーだ。つまり、この写真に写る少年はケンタッキーダービーに勝利したアメリカ1のウマ娘だと言えるだろう。まあ、少年だから正確には娘では無いのだが。
写真をケースに戻し、次に手紙を手に取り開封するスペシャルウィーク。そこには
『これをお前が大きくなって読んでいる頃。俺は不治の心臓病で死んでいるだろう。なに、簡単には死なないさ、ワイフとお前を遺して死ぬほど俺は弱くない。気合いと根性で耐えて、お前の顔を見てやるよ。
俺はサンデーサイレンス。かつてアメリカ1のウマ娘と成ったが、差別の激しいアメリカのお陰か人気者に馴れなかった哀れな男さ、あとお前のお父ちゃんだ。なに、遺言のつもりで色々と書こうとしたが腕が乗ってしまった。だから、お父ちゃんの話を聞いてくれ、長いぞ?ご飯はしっかりと食べたか?』
手紙を書いたのはスペシャルウィークの父親 サンデーサイレンス。どうやら不治の心臓病に犯されており、娘であるスペシャルウィークの為に手紙を遺したそうだ。
『そうだな。なら、お父ちゃんがハンドラー……日本で言えばトレーナーと出会った事を話してやる。
あの時、俺はバスの事故に巻き込まれてな。俺以外の乗客は全員死亡、俺だけが生き残り病院に居る時だった。孤児で誰にも相手にもされず、医者にも嫌われた俺だったが……あの出会いが全ての始まりだった』
『お前、名前は?』
『ねーよ、こちろとら孤児なんだよ』
『そうか……ならお前に意味を与えてやる。これからの名前はサンデーサイレンスだ』
『ふーん、爺さんは?』
『ウォルター・ストロー。アメリカトレセンに所属するハンドラーだ』
その手紙は遺言の割にはやらならと長い。どうやらサンデーサイレンスが書き記した自分語りのようだった。
サンデー生存ルートと死亡ルートの両方あります、一応……死亡ルートがアニメ通りで
サンデーサイレンスの末路……どうする?
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生存ルートからの嫡男ディープ爆誕
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アニメ通りの展開で病死。但し……?