20XX年!
『曇らせ』創作が大流行した!
しかし、その色は十人十色!
互いの『曇らせ』でバトルする『曇らせバトル』は究極のホビーとして普及した!

『曇らせバトル』!
それは熱き『曇らせバトラー』達の魂のぶつかり合い!
今日もまた、どこかで『曇らせバトル』が行われている!
それは今、この街でも!

1 / 1
爆曇バトル!曇らセイヴァーズ

20XX年!

『曇らせ』創作が大流行した!

しかし、その色は十人十色!

互いの『曇らせ』でバトルする『曇らせバトル』は究極のホビーとして普及した!

 

『曇らせバトル』!

それは熱き『曇らせバトラー』達の魂のぶつかり合い!

今日もまた、どこかで『曇らせバトル』が行われている!

それは今、この街でも!

 

 

 

 

 

★☆★

 

 

 

 

 

「ギョーギョギョギョッ!俺様に負けた罰だ!お前の『曇らせ』を粉々に砕かせてもらうぜー!」

 

「うわー!やめてくれ!僕の『シャイニング・恋人未満友達以上の男女が、時間が経つにつれて想いがすれ違い女側に恋人が出来てBSSされる男・ペガサス』が!」

 

 

一人の少年が手にしていた『曇らせ』が、踏み砕かれてしまった。

『曇らせ』は光の粒子となり、散っていく。

 

 

「あぁ……恋仲だった事もないのに、情けない未練引きずってる男が……」

 

「ギョーギョギョギョッ!」

 

 

踏み砕いたのは『曇天』と文字が書かれた黒い服を着た男だ。

少年とは違い、いい歳をしたオッサンだ。

 

 

「見つけたぞ!『曇天団』!」

 

「ギョ?」

 

 

オッサンが振り返ると、そこには……真っ赤な髪を尖らせた少年がいた。

少年の目は……文字通り燃えていた。

 

 

「『曇らせ』で人を傷付けるなんて、このオレが許さない!」

 

「何だ?お前は?」

 

「オレの名前は『見送(みおくり) 逝太(いった)』だ!ただの……『曇らせバトラー』だ!」

 

 

逝太と自称した少年に、太った少年と少女が走り寄ってきた。

 

 

「ちょ、ちょっと逝太くん!早いよ!」

 

「そうでやんす!」

 

根鳥(ねとり)死蔵(しぬぞう)も!」

 

 

三人の少年少女が、オッサンの前に立ちはだかる。

 

 

「ギョーギョギョギョッ……何を言い出すかと思えば……『曇らせバトル』で勝ったものは敗者の『曇らせ』を好きにしていいのだ!より優れた『曇らせ』だけ残ればいい!」

 

 

オッサンがそう口にした瞬間、逝太の目が見開かれた。

 

 

「違う!『曇らせ』は創作者の数だけ存在していいんだ!他人の『曇らせ』を否定するのは間違っている!『曇らせ』は他人を傷つけるための道具じゃない!」

 

「ギョーギョギョギョッ、綺麗事を!」

 

 

互いに相容れない信念、逝太がその手に『曇らせ』を掴んだ。

 

 

「こうなったらオレと『曇らせバトル』をしろ!お前が負けたら二度と他人の『曇らせ』を否定するんじゃない!」

 

「ギョーギョギョギョッ、えらい自信だな……良いだろう!俺様がお前のちっぽけな『曇らせ』を破壊してやる!」

 

 

オッサンの手にも『曇らせ』が握られた。

 

勝負が、始まる!

 

 

「レギュレーション・非18禁(アンダーエイティーン)!」

 

「いくぞ!」

 

「「『曇らせバトル』、レディ……ファイト!!」」

 

 

二人を中心にイマジナリー・フィールドが展開される。

互いの間に『曇らせエナジー』が充満し、読者が空気に満ちる!

 

逝太が手に持っていた『曇らせ』を構えた!

 

 

「いっけー!オレの『ヴィクトリー・巨悪の下で無理矢理悪事を働かされている少女と、それに気付かなかった後悔と無力感で流した少年の涙・ドラグーン』!」

 

「迎え撃て!『ダーク・好きな相手の曇り顔がみたいが故に、善良なフリをしているが内心がドス黒い少女・ファンタジスタ』!」

 

 

二つの曇らせが衝突した!

パワーは互角……薄暗い、どんよりとした気分の悪い空気がフィールドに充満する!

 

 

「死蔵くん!これは……」

 

「根鳥ちゃん、これはタイプの違う『曇らせ』が衝突したでやんすよ」

 

「タイプの違う?」

 

「そうでやんす!逝太の『曇らせ』は唐突に繰り出される悲劇をテーマにした『受動的曇らせ』、相手の『曇らせ』は曇らされてる推しの顔が見たいという『能動的曇らせ』でやんす」

 

「どっちが強いの?」

 

「使い手の力量次第になってしまうでやんすよ!タイプの違う『曇らせ』……読者の好みを超越した面白さで、相手側のファンを引き寄せた方が有利になるでやんす!」

 

 

二人が会話している中も、『曇らせバトル』は進んでいく。

 

 

「いくぜ!まずは『恋人未満友人以上の少年少女』を描写するぜ!甘酸っぱい日常に、薄暗い影を描写する事で落差を得るぜ!」

 

「何?落差だとぉ……?」

 

「そうだ!『曇らせ』はジェットコースターだ!楽しい日々と悲劇、急降下する事でエネルギーを生み出すんだ!」

 

 

ぎゃあああぁっ!?

 

読者の悲鳴と聞き間違える程に、逝太の『曇らせ』が音を響かせた。

しかし、オッサンは余裕の笑みを浮かべていた。

 

 

「ギョーギョギョギョッ、逝太!お前の『曇らせ』には弱点がある!」

 

「何だって!?」

 

 

オッサンが逝太を指差した。

 

 

「明るい日常パートと、悲劇パート……どちらにもボリュームが必要だって事だ!必然的に物語が長くなる!つまり、チャージが長いって事だ!」

 

「チャージが、長い!?」

 

「そうだ!本筋に入るまでが長けりゃ長いほど、読者の脱落率は高まる!いかに良い作品だろうが、キャッチが弱けりゃ読んでくれねーって訳よ!」

 

「くっ!?」

 

「その点!オレの『曇らせ』は目的がハッキリしてる!推しの歪んだ表情を見たいという目的!それさえあれば長ったるい日常パートもショートカットできるって訳よ!」

 

 

オッサンの『曇らせ』が巨大化し、逝太の『曇らせ』を弾き飛ばした。

 

 

「うわっ!?」

 

「ずばり!速攻!読者に『作品の題材』をダイレクトに提示する事で、性癖とマッチした読者を素早くキャッチする!速攻型の『曇らせ』なのだ!」

 

 

二つの『曇らせ』が衝突し、曇らせエネルギーが頭上へと突き上がる。

 

 

「死蔵くん!」

 

「まずいでやんす!あのオッサン、只者じゃないでやんすよ!読者の心理をよく理解してるでやんす!」

 

 

観客が戸惑っている最中──

 

 

「何……?」

 

 

逝太は『笑って』いた。

 

 

「オッサン、おもしれー『曇らせ』を書くんだな」

 

「く、ギョーギョギョギョッ敗北宣言か?」

 

「……いいや、オレの『曇らせ』だって負けてねーぜ!」

 

 

逝太が小さな封筒を手に持った。

 

 

「ギョ?なんだアレは……?」

 

 

その封筒の正体が分からないオッサンとは対照的に、死蔵と根鳥が反応した。

 

 

「出るでやんす!逝太くんの『必殺コンボ』が!」

 

「ええ!」

 

 

逝太はそのまま、封筒を自身の『曇らせ』に投げ込んだ!

瞬間、逝太の『曇らせエナジー』が爆発的に増加した!

 

 

「なんだ……!?何が──

 

「これは『ヒロインの遺書』だ!」

 

「ヒロインの……遺書!?」

 

 

そう!

逝太が投げ込んだのはヒロインの遺書!

 

彼の『ヴィクトリー・巨悪の下で無理矢理悪事を働かされている少女と、それに気付かなかった後悔と無力感で流した少年の涙・ドラグーン』にヒロインの遺書が合体した!

 

少女の死!

少女の遺書!

少年の涙!

 

即ち……ベストマッチ!

指数関数的に上昇していく『曇らせエナジー』が読者を包み込み、デケェ声の悲鳴を叫ばせた。

 

まるで死を予告する叫び声(バンシーの泣き声)

怨嗟と驚嘆、涙とニチャつく笑みが広がっていく!

 

圧倒的な曇らせパワーにオッサンは──

 

笑みを浮かべていた。

 

 

「ギョーッ!甘い甘い!」

 

「何!?」

 

「追加要素による加速(ブースト)はお前だけの特権ではない!」

 

 

瞬間、オッサンの『曇らせ』、『ダーク・好きな相手の曇り顔がみたいが故に、善良なフリをしているが内心がドス黒い少女・ファンタジスタ』が邪悪な光を放った。

 

観客達も思わず目を逸らす。

 

 

「な、なんて邪悪な光……」

 

「陰欝すぎるでやんす……」

 

 

ただ、逝太だけは真剣に目を向けていた。

 

 

「オッサン!今のは何を!?」

 

「ギョーギョギョギョッ!教えてやろう!今、肉体の欠損描写を追加した!」

 

「肉体の……欠損!?」

 

「そうだ!推しキャラと仲が良くなった少女の身体を欠損させる事で、強烈な無力感と後悔を与えたァ!」

 

 

刹那、逝太はオッサンの思惑を理解した。

 

オッサンの『曇らせ』は曇らされるキャラクターがハッキリしている。

そして、その曇らされる推しキャラに……安易に肉体的なダメージを与えなかった。

 

精神的なダメージを与えるために、敢えて主人公の少女に肉体的なダメージを与えたのだ!

何も悪い事をしていない推しキャラを直接虐待すれば読者にダメージが入るが……性格の悪い少女というクッションを挟む事で、読者は納得する!

 

ずばり!

説得力!

 

それは全ての創作にて優先させる!

無論、『曇らせ』というジャンルにおいても!

 

 

「くぅっ!?」

 

 

衝撃と衝撃がぶつかる!

鳴り響く読者の悲鳴の中、『曇らせ』は互角となっていた!

 

だが、しかし。

 

逝太は苦悶の表情を浮かべていた!

 

その表情に根鳥と死蔵は困惑している。

 

 

「どうして……まだ互角なのに、逝太くんはあんなに辛そうなの?」

 

「逝太はヒロインを殺したでやんす……つまり、既に打ち止め。これ以上、衝撃的なシーンで読者を惹きつける事は難しいでやんす!対して──

 

 

視線がオッサンに集まった。

 

 

「甘すぎる!俺はまだ、進化を残している!何故ならまだ、性格の悪い女主人公が生きているからだ!」

 

「くっ……だがオレも負けてねーぜ!ヒロインの死亡後描写を追加する!」

 

 

逝太の追撃は……ヒロインの死亡後、その心理描写を書く事だった。

ヒロインを死なせっぱなしにするのは三流の『曇らせ』バトラー……しかし、逝太は違う!

 

 

「死なせる事を目的とせず、死による『曇らせ』を描写する!これがオレの『曇らせ道』だ!」

 

「ギョーギョギョギョッ!もう遅い!叩き潰せ!『ダーク・好きな相手の曇り顔がみたいが故に、善良なフリをしているが内心がドス黒い少女・ファンタジスタ』!」

 

 

宣言通り、オッサンの『曇らせ』が爆発しそうな程に輝いた。

 

 

「今、俺は更に『曇らせ』描写を追加した!更なる肉体欠損描写!更なる精神の破壊!尊厳の陵辱!存在の否定!」

 

「ぐわぁーっ!?」

 

「陰鬱力こそ全て!全てを蹴散らせ!!」

 

 

『曇らせ』に続く、更なる『曇らせ』。

臨界点を突破した読者の声が、感想欄を加速させていく!

鬱描写が積み重なり、ついには闇のエネルギーが柱のように立ち上った!

 

 

「ギョーギョギョギョッ!お前の負けだ!」

 

 

オッサンの高笑いが響く中──

 

 

「……ギョ?」

 

 

オッサンの『曇らせ』、『ダーク・好きな相手の曇り顔がみたいが故に、善良なフリをしているが内心がドス黒い少女・ファンタジスタ』のエネルギーが減少していく。

 

 

「な、何!?」

 

 

確かに、『曇らせ』としては描写を重ねられた筈……!

これ以上もないほどに陰鬱!

 

逝太の『曇らせ』よりも、強烈な負のエネルギーがある筈!

それでも読者が……減っている!

 

 

「何故だ!?何故、俺の曇らせが……!」

 

「分からないのか?オッサン」

 

 

気付けば、逝太の顔には……オッサンを憐れむような表情が浮かんでいた。

 

 

「何故、お前がそんな顔を……!」

 

「アンタは……やり過ぎたんだ」

 

「やり過ぎ、だと?」

 

「あぁ、そうさ」

 

 

逝太の『曇らせ』が爆発的にエネルギーを増加させていく。

これは即ち……物語の完結による加速(ブースト)だった。

ヒロインを殺し、遺書を読ませ、明日に向かって少年が涙を流した。

 

それを読者が評価してくれていたのだ。

 

 

「オッサンの『ダーク・好きな相手の曇り顔がみたいが故に、善良なフリをしているが内心がドス黒い少女・ファンタジスタ』には……所謂、好きなキャラの悲しむ顔が見たいという『愉悦』要素が含まれている」

 

「あぁ、そうだ!それが何故っ──

 

「オッサンは……内心がドス黒い少女を虐め過ぎたんだ。読者は推しキャラの悲しむ顔がみたいだけなのに……残虐で陰鬱なシーンを描写し続けた」

 

 

オッサンが目を見開いた。

 

 

「まさかっ──

 

「そうだ!オッサンは自創作を陰鬱にしたいがあまり、読者のことを考えず独りよがりな『曇らせ』をしてしまった!」

 

「ギョーッ!?」

 

 

オッサンの『曇らせ』が燃えていく。

曇らせエネルギーを炎に変えて、感想欄が炎上しているのだ。

 

 

「ぐ、ぐぅっ!陰鬱なだけじゃあ……読者の人気も出ないって訳か!?」

 

「そういう事だ!行け!『【完結済】ヴィクトリー・巨悪の下で無理矢理悪事を働かされている少女と、それに気付かなかった後悔と無力感で流した少年の涙・ドラグーン』!」

 

「ギョ、ギョォーッ!?!?」

 

 

瞬間、爆発した。

 

 

「逝太くん!?」

 

「逝太!」

 

 

逝太の『曇らせ』が、オッサンの『曇らせ』を叩き潰したのだ。

二人を中心としたイマジナリー・フィールドが消滅し……街並みが戻ってくる。

 

オッサンが膝を折り、地面に手をついた。

 

 

「ギョ、ギョギョ……お、俺は、目先の読者に囚われ刺激的な描写を繰り返し……自分の創作を見失ってしまっていたと、言うのか……?」

 

「いや、それは違う」

 

 

逝太が、オッサンの肩に手を置いた。

慰めるような手に、オッサンは顔を上げた。

 

 

「『曇らせ』に正解なんてない。ただ読者が付いてこれなかっただけなんだ……それだけで……オレは、オッサンの『曇らせ』、好きだったぜ」

 

「お前……」

 

「特に推しキャラを庇って、犬型のバケモノに腕を食い千切られて涙を流しながら叫び……それを見た『強い』筈の推しキャラが弱々しく不特定の誰かに『助けて』と弱々しく漏らすシーン……オレは好きだぜ」

 

 

熱いオタク語りに、オッサンの胸が暖かくなった。

誰かの『曇らせ』創作を否定し、叩き潰し、優越感に浸るだけだった彼には……暖かい光だった。

 

そう、彼も昔は純粋に『曇らせ』を愛した『曇らせバトラー』だったのだ。

いつしか、己の『曇らせ』が全てだと信じて、他人の創作を否定するようになってしまっただけの……ただ、一人の『曇らせバトラー』だった。

 

 

「逝太、オマエは……」

 

「そうさ。本当は『曇らせ』に優越なんかない。自分が満足できれば良いんだ……『曇らせバトル』は互いに研鑽するためのバトル。他人を否定するためのバトルなんかじゃあない」

 

 

その言葉に、オッサンは涙を流しながら頷いた。

 

『曇らせバトル』は、逝太が勝者となった。

 

 

「なぁ、逝太……俺も、またお前とバトルしてぇ」

 

「いいぜ、いつでも来いよ。オレもオッサンの『曇らせ』楽しみにしてるからよ」

 

「あぁ、ありがとうな……」

 

 

立ち上がり、手を握った。

年齢も違う。

性癖も違う。

 

だが『曇らせ』という一つの創作ジャンルにかける願いは同じだった。

そして、それだけで十分だった。

 

そうだ。

『曇らせバトル』は、互いを高め合うための究極のバトル。

 

戦う相手は敵じゃなくて……ライバルなんだ。

 

 

 

 

 

今日もまた、どこかで『曇らせバトル』が行われている。

今も、どこかで……もしかしたら、君の街でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

「修がやられたか……」

 

 

暗い部屋、円卓を囲む五つの席。

そこに、四人の男女が居た。

 

筋肉質な男が空席に目を向けた。

 

 

「アイツは『曇天団』の中でも最弱だァ……軟弱な『曇らせ』を見る度に吐き気がしてたぜ」

 

 

それに、化粧の濃い女が頷いた。

 

 

「えぇ、そうよ。読者に想定されるストーリーをなぞるだけの『曇らせ』なんて二流よ。曇天団の恥晒しね」

 

 

身長の高い細身の男が笑った。

 

 

「ヒョヒョヒョ、情けない男でござるな」

 

 

そして……威圧感のあるオーラを纏った少年が、机に手を付いた。

 

 

「だが、それでも修は曇天団のメンバーだった。アイツはどうでも良いが……チームに牙を突き立てた報いは受けさせるべきだ」

 

 

その少年は、メンバーの中で最も若かった。

だが、他のメンバーの誰もが彼を恐れていた。

 

究極の曇らせバトラー……八津咲(やつざき) 駿斗(すると)

彼の『曇らせ』は読者の脳を破壊し、日常生活に支障をきたす程の『曇らせ』を行う。

 

彼の歯牙が自分へ向かないよう、メンバーは焦っていた。

 

がたり、と細身の男が立ち上がった。

 

 

「ヒョヒョヒョ!ここは俺の『エボリューション・長命種人外ヒロインとイケおじの死に別れ・レックス』の出番でござるな!」

 

「あぁ。頼んだぞ、哭瀬(なきせ)。だが、失敗すれば──

 

「し、心配は不要でござる!その辺の餓鬼に俺が負ける訳ないでござるよ!」

 

 

細身の男が焦りながら椅子から離れ……暗室を後にした。

それと同時に他のメンバーも部屋を後にしていく。

 

残ったのは少年、八津咲(やつざき) 駿斗(すると)だけだった。

 

 

「見送 逝太か……」

 

 

手元には一枚の写真。

逝太の写真だ。

 

だが、今よりも……数年若かった。

 

 

「君は僕に、敗北を教えてくれるのかい?」

 

 

暗室で呟いた声は、静かに響いていた。

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

3級フィクサーパンチ(作者:アリマリア)(原作:Lobotomy Corporation)

▼ 一般転生者がLに関わるめんどくさい奴らを3級フィクサーパンチでぶん殴りながら、脱都市のため指定司書を目指す話。▼ なお主人公は別に3級フィクサーではない。▼ 今更ながらにLCとLORを履修して意気揚々と二次創作を読み漁ろうとしたのですが、好みの作品が少ない上失踪しているものが多すぎるので衝動的に自給自足します。▼ 好きなキャラはL社に関わる全員です。対戦…


総合評価:14019/評価:9.26/連載:40話/更新日時:2026年03月17日(火) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>