私はぁぁぁ、神だぁぁぁぁぁ!!   作:狼黒

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復活

『色彩』による騒動、そしてそれらによるキヴォトス各地で起きた混乱が集結し、復興作業が行われている

カイザーにも目立った動きはなく、平和であった

毎日のように銃撃戦が起きているのは、最早日常で平和なのである

しかし、その平和が一人の生徒によって保たれたということを知る者は少ない

ある者は悲しみ、ある者は憎まれ口を叩きながら悔やみ、またある者は彼女が死んだことに対し喜びの声をあげていた

後者は、一つの会社の人間のみだったが 

そうする間にも時は過ぎ、それぞれの道を歩み始めていた

…が、一方でさらなる混乱が起きようとしていた

 

 

 

アリウス分校

かつてベアトリーチェによって支配されていた学園

ベアトリーチェが行方不明になった後、トリニティによって制圧され、今はトリニティの管轄の元、運営されている

しかしベアトリーチェが遺していった負の遺産は非常に多く、今でもなお彼女を崇拝する生徒が多数存在する

そして今、それら生徒らが行動に出た

 

 

 

硝煙漂う世界

銃撃戦によって発生した残骸を踏みつつ、とある場所へと向かうアリウス生徒

彼女はベアトリーチェを崇拝しており、新たな管轄者となったトリニティを憎悪していた…無論、アリウススクワッドも

そしてつい先程、同じ志を持つ同志らと共に蜂起

崇拝するマダムより授けられた戦力と共に、神聖なるマダムの学園にいた不届き物をカタコンベの外へ追い出したのだ

そして今、敬愛するマダムの元へ向かう彼女…と、その後ろからついてくる人物

その手には、『デンジャラスゾンビ』が握られていた

そして、彼女から報告を聞いたベアトリーチェは、行動に移った

自分に屈辱を与えた存在で、同じく屈辱を与えてくれた人物に復讐するために

 

 

 

 

 

 

トリニティ

この学園は今、慌ただしかった

理由は簡単である、負傷者が多く運び込まれ、最早外にまであふれているのだ

全員がアリウス分校を統治する際に派遣されていた生徒である

誰もが負傷しており、救護騎士団だけでは手が足りぬと正義実現員会、シスターフッドまでが駆り出されているが、それでも手が足りないほどに飛び回っている

誰もが程度の差はあれど傷を負っているのだ

ここでふと疑問に思うのが、何故ここまでやられているのかということだ

トリニティは確かにお嬢様学園ではあるが、実のところを言うと武闘派の方が多いことで有名である

ましてやアリウスの管轄に派遣されているのは、正義実現委員会のメンバーとまではいかないまでも、精鋭である

その精鋭がたかがアリウスの残党如きに良いようにやられている光景に、不審を抱いた

 

 

そして、治療などが行われているのと並行して、事情聴取が行われていた

早急にアリウスの残党を制圧するために派遣しなければならず、事情聴取は当然であろう

だが、そこで驚くべき証言が出た

 

「『デンジャラスゾンビ』とかいう音声が聞こえた」

 

これらを聞いた生徒はどういう意味か分からなかったが、この話がティーパーティーのメンバーに行くと、驚愕の表情を浮かべる

当然だろう、何故ならば、

 

 

その音声は、今はもうない筈の『ガシャット』から流れるのだから

 

 

 

 

 

 

 

「…本当に?」

 

「確かな話です、全員が聞いたそうですから」

 

先生の言葉にそう返す桐藤ナギサ

その言葉を聞いた先生は、あり得ないと思う

当然であろう、聞いたという『デンジャラスゾンビ』…その音声の主である『デンジャラスゾンビガシャット』

あの時、檀クロトと一緒に完全に消滅したはずである

しかし現実として、そのような音声が流れるものなど、檀クロトが開発した『デンジャラスゾンビ』以外には考えられない

ティーパーティで用意された紅茶に口をつけながら、思考にふける先生

あのガシャットはサオリ達曰く、「クロト以外が使う体に苦痛が走る」ものらしい

使えないことはないそうだが、あまりの苦痛で動くことは難しいとのこと

そのガシャットが使われ、しかも使っていた人物は暴れまわっていた…

 

「…まさか、クロト?」

 

そう呟いて、すぐさま首を横に振る先生

高度一万メートル以上の高さから崩壊する物体の中にいて、生きられるわけがない

いくらヘイローがあろうと…

だが、完全に生きてるということが否定できないのもまた事実

というのも、彼女の遺体を確認していないからだ

消滅したのだろうと言えばそれまでだが、最期の瞬間を見ていない以上、断定が出来ない

それに、あのクロトの事だ、ひょっとしたらどこかで生きていそうではある

だが、仮にだ

仮に生きているとして、何故アリウス生徒らに加担しているのか

報告によれば蜂起したアリウスの生徒らは、「マダムの学園を取り戻せ!」と叫んでいたという事

黒服からベアトリーチェは追放されたと聞いていたが、何かしらの方法で戻ってきたのか

だが、それならなおさらクロトが加担する意味が分からない

そんな事を考えている時だった

 

 

ドォォン!

 

 

 

爆発音が聞こえたかと思うと、次の瞬間には銃声が響き渡る

何事かと思うと、慌ただしく入ってきた生徒がナギサに耳打ちする

それを聞いたナギサは、表情が険しくなっていく

何が起きたのかと先生がナギサに聞くと、事態は容易ではないことが語られた

 

 

 

 

銃声響き渡る

そこではアリウス生徒とトリニティ生徒による銃撃戦が行われていた

不意をつかれた形となったトリニティ、更には負傷者の搬送に人を割かれていた為、人数的にも不利

対してアリウスは身を隠す訳でもなく、被弾なんて何のそのという戦い方である

無謀な、しかし確かに有効な戦術であった…最初だけは

しかしやがて負傷者の搬送を終えたトリニティ側が優位に立つ

結局のところ、数が正義なのだ

そして、合流した先生の指揮により、徐々に鎮圧されていった

しかし、それが覆った

 

 

『デンジャラスゾンビ』

 

 

そう、このガシャットのせいで

 

 

 

 

 

「ハスミ!大丈夫!?」

 

「わ、私は大丈夫です」

 

そう言う先生とハスミ、そして正実の生徒らの視線の先にいるのは、クロトと思われる人物

思われるというのは、襤褸切れで深く顔を隠しているからだ

因みにツルギはというと、クロトと思われる人物の戦闘で怪我をし、現在後退している

 

「クロト!クロトなんでしょ!?」

 

先生の声に一向に応じる気配がない

何故だ、と先生が考えた時

 

 

 

 

「ソレは『檀クロト』ではありませんよ、先生」

 

 

 

そう言って、ソレは現れる

赤い肌、白いスーツ、多眼

 

「ベアトリーチェ…!」

 

「お久しぶりですね先生、そんな怖い顔をなさらずとも」

 

そう言って口元を隠しながら笑う…ベアトリーチェ

黒服からは宇宙に追放したと聞いていたが、今はそんなことはどうでもいい

 

「クロトに…一体何をした…!」

 

「ですから、ソレは『檀クロト』ではありませんよ」

 

そう言うと顔を隠していた襤褸切れを取るクロト

いや…

 

「それは…まさか…!」

 

「えぇ、名を『バルバラ』…ユスティナ信徒の中でも屈指の戦闘力を誇ります」

 

自慢げに語るベアトリーチェ

体力を消耗していたとはいえ、ミカまでもが追い詰められた存在

だが、何故ガシャットを使えるのか

あれはクロトでしか使えないように、プログラミングされていたはずなのに

そんな先生の疑問を察してか、再び口を開くベアトリーチェ

 

「簡単な話ですよ、彼女はアリウスで一度殺害しました、その時に散った血痕を採取しこれらを復活させる際に取りこませたのです…結果は、見ての通り成功でしたね」

 

パァン!

 

ベアトリーチェに向けて銃弾が放たれる

が、『バルバラ』が撃ち落としたことにより届くことはない

放ったのは正実の生徒、彼女らにとって羨望と尊敬の目で見ていた存在を利用するなんて許せるわけがない

 

「今のソレはあの忌々しき『檀クロト』をすべて引き継いだ最強で究極の存在…最高のサンプルでしょう!!私は幸運でした!!ハハハハハハハハ!!」

 

そんな銃弾なんて気にするものかと、まるで子供が新しい物を手に入れて周りに自慢するように語る

そして、『デンジャラスゾンビガシャット』を体内へしまう『バルバラ』

そして、取り出したのは禍々しい雰囲気を放つガシャット、起動

 

『ゴッドマキシマムマイティX』

 

その時、全てが終わった

 

 

 

 

 

 

「う、ぐ…」

 

『先生!大丈夫ですか!?』

 

「な、何とか…」

 

そうは言うものの、未だに体に走る痛みで立ち上がれない

一体何が起こったのか分からない、気が付いたときには吹き飛ばされていた

視線をめぐらせると、正実の生徒たちが苦痛のうめき声をあげていた

『ハイパームテキ』が自動起動されていたはずの先生ですら吹っ飛ばされている

何がと思っていた瞬間、髪を掴まれて顔を挙げさせられる

目の前には、ベアトリーチェ

 

「ふふふ、どんな気分ですか?大切な生徒達が大切な生徒に吹き飛ばされる光景は?」

 

「だ…ま、れ…」

 

そう言うのがやっとなほどに体を痛めている

『ハイパームテキ』が自動発動していたはずだが、一体なぜ

 

「何故、という顔をしておられますね…忘れましたか?アレは忌々しき者の才能を受け継ぎし存在、『ハイパームテキ』とやらに対抗するのも簡単なんです、よっ!」

 

「がっ!」

 

先生の顔を地面に叩きつけるベアトリーチェ

そして、全員を倒し終えたのか、こちらに来ていた『バルバラ』が先生の頭に銃口を当てる

そして、そのまま引き金を引こうとした時

 

 

パァン!

 

ドドドドドド!

 

「っ!」

 

何処からともなく飛んできた銃弾を躱す『バルバラ』

撃ったのは、負傷した生徒らを安全な場所に運び、戻ってきたトリニティの生徒等

すぐさま応戦しようと、両手に持っていたナニカを向ける『バルバラ』だが

 

「退きますよ、数が多すぎます」

 

ベアトリーチェがそう言うと、大人しく彼女の後に続く『バルバラ』

と、ふと思い出したように先生に視線を向ける

 

「キヴォトスを滅ぼして絶望を与えてあげましょう…では先生、御機嫌よう」

 

そう言って再び歩き出すベアトリーチェと『バルバラ』

それを先生は、ただ見つめることしかできなかった

 

 

 

 

 

その後、勢いのままアリウス残党は『シャーレ』を襲撃

が、すぐさまヴァルキューレが駆けつけ、激しい銃撃戦の後に鎮圧

しかし、各主要学園で謎の生命体が発生し、交戦状態に発展

一度倒しても復活してくる相手に苦戦を強いられるものの、新檀クロトが配布していた『ハイパームテキ』により殲滅に成功

しかし、トリニティで起きた事は、すぐさま主要メンバーの耳に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ…ガシャット?」

 

アツコが、そのガシャットを見つけたのは、幸運だったのかもしれない




嘘は言ってない
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