武田宏光先生の作品の一つ「いま♡りあ」との前代未聞のクロスオーバー!
絶望の果てに二人のヒロインと心中した主人公の無念を、七人の富豪が仕事人となって晴らし、許せぬ悪人どもを地獄へ葬る!
それがこれです。「レイトンミステリージャーニー」「レイトンミステリー探偵社」に登場する七人の富豪が仕事人になっているという設定のクロスオーバー小説です。
注意:ヒロイン二人と主人公は心中してる死ネタ設定があります。流血描写があります。
とある深夜ー
ロンドンの女性市長の部屋でその7人と一人の男は集まっていた。
男は話していた。
「あの噂の心中したという男と…日本のアイドルである水原穂波…そして、夢ノ木セイカは…俺がまだちっとわけぇ頃から近所付き合いのいい三人だった…。その三人が心中したと聞いて、俺ぁ信じられず……独自に調べあげた。あなた方もご存知の通り、俺は情報屋としてかつては名を馳せた男だ。ブランクがあるとはいえ、俺はすぐさま調べあげた。そしたら……とんでもない事がわかったんで。」
男の声は微かにだが、怒りに震えていた。
「ある連中や石川というプロデューサーが、穂波とその男の恋愛関係をネタにっ……損害額50億の精算として、彼女を専属牝奴隷として調教して、狂わせちまったんで……!穂波だけじゃねぇ……セイカすらも自分を拾ってくれた石川プロデューサーに裏切られて同じような事になっちまった…。そして金持ちどもの性玩具としてな……。それを苦に、あの坊主は……二人と心中しちまった。ほぼ無理心中に近いが……。だが!!それもこれもあの二人に目をつけた色ボケなゲスどものせいなんで!!あいつらにあんな事をされなけりゃあ二人は今頃……坊主だって二人を応援して……!!」
感情を抑えきれずに涙する男は部屋にいる市長を始めとする七人へ訴える。
「こいつは、あの三人を弔った資金の余りの金です!!こいつを依頼量として受け取ってくだせい!!七人の富豪!!」
その部屋にいる男以外の七人は…「七人の富豪」と呼ばれているロンドンでも屈指の名富豪である。
ふくよかなおばちゃんで、七人の富豪のリーダー格…スコール・ガルフレッツァー。
父親を跡を継いで富豪となったロンドンの女市長…リドリー・フレメンス。
映画館などの娯楽施設を多く経営する富豪…クラーク・ゴスペック。
七人の中で最年少、うら若き富豪…アンドレア・クイント。
ロングローラー銀行を傘下に持つ、グループ企業の会長…ザック・ライエル。
大手出版社のオーナーでロンドンのメディアを牛耳る男…マーク・スカーロイド。
ロンドン船舶を独占する造船会社の経営者で、穏やかな性格だが昔はやんちゃしていたという老富豪…ヘンリー・エイザーランド。
その一人、ガルフレッツァー夫人はその金をそっと受け取り、こう言った。
「貴方の恨み、あの三人の無念……必ず晴らしてみせるよ。」
「おっっ………おおぉ………!!すると……あんた達はやっぱり……!!」
「もう話は終わりよ。さ……帰国して、三人の墓参りにまた行ってきてあげなさい。」
「………!!」
男は声を押し殺して泣きながら深々と頭を下げて、市長室を出た。
翌日………
七人の富豪は日本へ来日した。表向きは日本の観光と言われているが…もうひとつの目的があった。
そう……彼ら七人の富豪には…決して口外無用の裏の顔があった!
その稼業の発祥は江戸時代の日本。
法で裁けぬ外道への、ゲスへの、悪人どもへの恨みを代わって晴らす対悪人専門の復讐殺人代行稼業。
人々はそんな殺し屋達…闇の稼業の人間達を
「仕掛人」「仕業人」「渡し人」「仕切人」「仕置屋」など……そして、多くはこう呼んだ。
「仕置人」
あるいは………
「仕事人」と。
そう、この七人の富豪の裏の顔とは…
ロンドンを中心に世界を駆ける
仕事人である。
「的は……石川というプロデューサーに、水原穂波の調教に荷担した社長兼監督を始めとした撮影スタッフの連中……。奴等の手で堕落させられて玩具にされたアイドルの娘達の数は知れない……。中には正気に戻ってなお行方を眩ませた後に自ら命を絶ったってのもいくつか……皆、この仕事…乗るかしら?」
ガルフレッツァー夫人の言葉に六人は答える。
「無論…引き受けるとも。」と、ゴスペック。
「この恨みは…必ず晴らさないといけない。」と、アンドレア。
「アイドル達は夢を見せるもの。それを性的な玩具として弄ぶ奴等は法で裁けないのなら生かしてはおけない。」と、スカーロイド。
「無論、私も引き受ける。私情は禁物だが…水原穂波は私もファンだったのでな…。」と、ライエル。
「あのような連中は生かしておけぬ。法の裁きを潜り抜けた事を後悔させてやらんとな…地獄で。」と、エイザーランド。
「仕事人として…この恨みを代わって晴らす。それだけよ。」と、フレメンス。
依頼量を分け合いながらそれぞれにそう言った。ここで、アンドレアの執事であるポルターがやってくる。
「お嬢様…皆様方。彼奴らめが情報通り、それぞれの場所に今いらっしゃるそうです。」
「そう…。ありがとう、ポルター。車の用意をしてちょうだい。……夫人。」
「ええ、決まりね。仕事は……今夜!」
日本の夜の闇…外道隠れる闇の中…外道葬り恨みを晴らす…
闇の仕事人がいざ参る。
…
………
……………
「ぉぉい!もう一件いこうぜぇ!!」
「うるへぇ~~~、飲むんなら女一人二人くらいナンパしてからでも遅くねぇだろうよぉ~~~。」
夜の繁華街を二人の男が歩く。あの水原穂波の過激イメージビデオ…もといAVの撮影に荷担していた男優の二人である。
「おっ?」
そのうち一人が気づく。一人の女性が手招きして誘っている事に。
「な、なんだぁ?あの女……?」
「おいっ、結構いい女じゃねえか!」
サングラスとマスクで顔を覆い、ハンチングを被った女はそれでもかなりの美人に見えた。
二人はそれを追いかけて、やがて人気のない路地裏へとたどり着く。
「おぉ……何々?俺らと…一緒に遊びたいの?」
「いけないなぁ…♡俺らケダモノだから食べちゃうかもよぉ~~~?」
酒に酔って調子のいい二人へその美人は口を開いた。
「あなた達もいけないわ……。…女を食い物にするのと、のこのこついてくるのは。」
「「……は?」」
二人がその言葉に疑問符を浮かべた時、その美人……フレメンス市長の隣にはエイザーランドがいた。
エイザーランドの手にしていた収納式の釣竿を突き出すと、竿は延びていき、やがて先端の鋭い刃が男優の一人の喉を貫いた。
「がっっ……!!」
「えっ!?えっっ!?」
もう一人の男優が突然の事に酔いが覚めて腰を抜かした時、フレメンス市長は跳躍してもう一人の男優の眼前に立つ。
「あ、あんたら!?あんたら一体!?」
突然の事に腰を抜かしたままパニックになる男優へフレメンス市長は冷たく答える。
「仕事人。」
「えっ!?」
男優は噂に聞いているだけでまさか本当に実在するとはと思った。その時既に、フレメンス市長の人差し指と中指に挟まれている太く鋭い殺しの針が、もう一人の男優の脳天に突き刺さっていた。
「ぐがっっ……!!」
太いうめき声と共にその男優は絶命した。既に二人の富豪の姿はそこには無かった。
とある編集部屋に、撮影に荷担していたカメラマンの男がいた。ちょうど他の撮影の編集をしている最中である。すると……
カタンッ
「ん?」
物音がした。首をかしげるカメラマンはその音が気になったのか扉を開けて、外を見る。
「気のせいか?」
そう言ってドアを閉めようとしたその時
「うおっ!?」
凄まじい力でドアが開き、目の前にいた男がカメラマンの喉元を掴み、部屋の奥まで押し込み、扉を閉める。
「なんっ……!?がっあ……!?」
突然の乱入者に驚くカメラマン。その男とは、まさしくライエルである。
「編集の続きは……地獄でやるがいい!」
バキバキと音を立てて片手の骨を鳴らすライエルは、その片手をカメラマンの胴体へ勢いよく貫手をする。
ゴキャッ
カメラマンの肋骨が一瞬にして全て外された。
「あ゛っっ………!!」
片手を引き抜き、カメラマンの死体を無造作にその場に捨てるとそのまま部屋を出たのであった。
暫くして、あの撮影に荷担していたスタッフの一人が様子を見に来た。
「おーい?編集進んでるか?コーヒー買ってきてやったぞ。……?いるのか?」
スタッフの男は扉を開くと、そこで無惨な姿と成り果てているカメラマンの男を見つける。
「お、おいっ!?おいっ!!どうし……ひいっ!?し、死んでる…!?な、なんで……!?」
思わず部屋を飛び出したスタッフの男は、その時廊下を歩く女性の後ろ姿に気づく。
「お、おい!!あんた!!人が死んでんだ!!救急車…いや、警察…を?」
ゆっくり振り向いた女性……アンドレアに男は不審を抱いた。
「誰だ……?あんた……?」
アンドレアは答えず、足早に廊下を歩き角を曲がる。
「あ、おいっ!!」
男がそれを追いかけていくが、曲がった所にアンドレアはいない。あるのは、電灯の消えた暗い廊下のみ。
「ど、どこに行った?」
辺りを見渡すスタッフの男。アンドレアはすでに闇の中でゆっくりと自分の右手の薬指に指輪を着けていた。先端が鋭く尖ったダイヤモンドの指輪を。
「……?」
スタッフの男がやがて振り向くと、そこにアンドレアがいた。
「うわっ!!びっくりした…!!あ、あんた見ない顔だな…き、客人か?」
顔を伏せるアンドレアがゆっくりとその顔を上げた時、鋭い殺しの目つきになっている事に男は気づいた。
「っ!?」
直後、アンドレアの右手がすっと上がる。ダイヤが一瞬煌めいた瞬間、その右手は一瞬にして左へ動いた。
「がっっ!!」
そのスタッフの男の頸動脈を鋭く切断してである。
「あ………あ………!」
呻きながら、頸動脈から血を微かに流しつつ、ふらつくスタッフの男はやがてその場に膝を崩して倒れ、絶命した。
「あっ……?何の音だ?」
微かに音を聴いた別のスタッフの男。言うまでもなく例の撮影に荷担していた者の一人である。
男が音を聴いて自分のいた部屋を出ていった時、暗い廊下の闇からそれは……スカーロイドはその顔を覗かせていた。
辺りを見渡す男…その間にもスカーロイドは革手袋を嵌めたその両手にワイヤーを手にしていた。
「んっ……?」
やがて暗い廊下の奥から見つめている影に気づいた男。
「おい!?誰かいるのか!?おい!!」
直後、いつの間にか背後に回っていたスカーロイドの手にしたワイヤーが男の首にしっかり絡みつき締め上げていた。
「があっ!?あ゛っ……!!ぐあっ……げぁぁあ……!!」
もがき苦しみ悶絶する男へ対し、スカーロイドは非情なる視線を向けながら両手に力を込めて、一気にワイヤーを締め上げる。
「ぐっっ………!!」
白目を剥いた男は苦しみの表情を浮かべたまま息絶えた。ワイヤーを鮮やかに素早くほどくと、スカーロイドは再び暗い廊下の闇の中を消えていった。
とある貸し切りのナイトプール。そこに例の撮影の監督にして、社長の男と、あの石川プロデューサーが二人で酒を酌み交わしていた。
「いやはや……まさかあの三人が心中するとは残念だったよ。」
「心配いりませんよ、社長。他にもこの世にはアイドル達がたくさんいる…将来有望な牝アイドル達が、ね。」
「ふっふっふ……!違いない!ははは……!!」
そんな談笑をしていると、ふと気がつく。そのナイトプールに二人の男女がいる事に。
「え……?」
二人は目を見張った。その二人とは、社長も石川プロデューサーも顔を見たことがある人物。ガルフレッツァー夫人とゴスペックオーナーである。
「あ、あなた方は確かロンドンのっ!?」
「な、なぜここに!?ここは本日、我々の貸し切りですが…」
思わぬ大物の登場に驚き、慌てて立ち上がる二人。
「いや、いいのだよ。君達が呼んだアイドルには私の知り合いからここには来なくていいと伝えておいたんだよ。」
「え……?そ、それはどういうことで?」
社長……もとい監督がキョトンとしつつ問う。
「二人に……新しい地位を紹介したくてねぇ……。」
そう言うと、ガルフレッツァー夫人はその封筒を渡す。
「……?」
互いに顔を見合わせた石川プロデューサーと監督はその封を解いて、中にある一枚の書類を見ると、驚き、夫人に尋ねる。
「何の冗談ですか?何なんですかこれは!?」
「ふ、富豪とはいえ…冗談が過ぎませんか?」
「いいえ……書いてある通りよ。あなた方二人の次のポストは……『地獄の閻魔の付き人』よ。」
「は……!?」
未だに状況の飲み込めない二人にゴスペックがこう言った。
「今の時代……我々のような富豪も裏の顔があるんだよ。…貴様らのようなゲス共への恨みを晴らす…闇の仕事人というね!」
「なっ!?仕事人…!?」
「お、お二人が…噂の仕事人…!?な、何かの冗談で……」
監督が顔をひきつらせながらそう言った次の瞬間、ガルフレッツァー夫人が監督の前へ歩いてきた。そして……
「ぎゃあああっ!!」
その手に持ったドスが監督の心臓を深々と突き刺した。
「冗談ではないと言ったでしょ…?知ってるかしら?このプールへ落ちると……地獄へ逝くのさ!!」
ガルフレッツァー夫人がドスを引き抜くと、すぐさまダメ押しと言わんばかりに監督の喉を切り裂いた。
「ぎゃっ!!」
更なる断末魔と血飛沫をあげながら、監督は音を立ててプールの中へと転落した。
「うっ、うわぁぁぁぁぁっ!?」
突然の事に恐慌する石川プロデューサーに向かってゴスペックが迫る。その杖に仕込んだ…鋼鉄の刀をゆっくりと抜いて。
「ま、待てっ!!待ってくれ!!命だけは…命だけは…!!たた……助けてくれぇっ!!み、ミスター・ゴスペック!!命だけは……」
ゴスペックの縦一線が深々と石川プロデューサーの股関を斬ったのはその瞬間だった。
「ぎゃああああああっ!!」
監督と同じような断末魔が上げ、股間を抑えて両手を血で染める石川プロデューサーの鳩尾へゴスペックの刀の突きが深々と刺さった。
「があ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
苦痛に歪んだ表情を向ける石川プロデューサーへゴスペックはただ一言だけ言い放った。
「彼と仲良く……地獄へ堕ちろ!!」
石川プロデューサーもまた、プールへと落ちた。プールの色はやがて血の色に染まり、そこには絶命した二人の外道が、監督と石川プロデューサーの無惨な死体のみが残っていた。
後日……
七人の富豪は空港にて観光業のお偉いさんに見送られていた。
「この度は日本へ観光のためにおいでくださいまして、誠にありがとうございました!また機会があれば、お忍びでもなんでも、是非ともお声かけくださいませ!!」
「ええ、そうさせてもらうわ。」
「では、お帰りの道中お気をつけて!」
深々と頭を下げるお偉いさんを背に、七人は帰りの飛行機へと向かう。暫くして、七人を乗せた飛行機はロンドンへ向けて晴天の空を飛んでいった。
飛行機の中にて……
「ところで夫人、お土産に一体何を買ってきたので?」
「ふふふ……特注の和服!可愛いペトリーちゃんのね!ああ、帰るのが楽しみだわ!」
「そうでしたか……。ははは……。」
相変わらずだなぁと思いつつ、ゴスペックは一眠りする事にした。
それぞれが眠ったり、外を眺めたり、帰ったらする事を思案しつつ、やがてその飛行機はロンドンへと帰り着くのであった。
日本では、ある男達の死…そして裏で行われていた悪行の数々が表沙汰になり、あの裏のパーティーに出席していたVIP達の情報もリークされていき、大きな話題となった事を七人の富豪はまだ知る由も無かった。
そして世間が知らぬ事と言えば一つ。
その男達を殺したのが七人の富豪…そして、彼らがその男達を殺し、奴等の悪行で絶望の末に命を絶った三人の男女の無念を、彼らの行く末を見守ってきた男の恨みを晴らした仕事人である事……。
そして
彼等の裏稼業はまだまだ続く。地獄へ続く死が訪れるその時まで。
純なる弱者をいたぶり笑う
血も涙も無き外道ども
闇より現れ地獄へ葬る
表に煌めく七人の富豪
己の栄光の内に秘めし
弱きの恨みを晴らす裏の顔
命が的の
裏稼業
~終~
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