呪い解呪のため少し更新遅くなります。
幕下の第一演
昼時を過ぎた東京渋谷の街中で。
待ち合わせ場所として有名なモアイ像の近くに一人の女性が立っていた。
その女性は全身真っ黒なコーデをしていたが、皮膚の肌色以外に一つだけ違う色があった。
血のような灼眼。その眼がミステリアスな雰囲気を醸し出す。周りの男性たちの興味ばかりか、他の女性たちも思わず眼を向けてしまう。
そんな風貌だからだろうか、数名がナンパに行くのだが
「ねえねえお姉さん。今暇?」
「…」
「暇なんだったらさあ、一緒にお茶しない?悪いようにはしないからさあ。」
下卑た目で見てくる男性たち。しかしながら興味がないと言わんばかりにスマホをいじっていた。
「スマホなんて触んないでさ、俺らと一緒に話そーぜ。」
「…」
「つれないなぁ。ほらせっかくの思い出だと思ってさ。」
話しかけるにつれ、彼女の機嫌は次第に悪くなってくるがナンパをしている男性たちは気にする様子すらなく、そればかりかさらにズイズイと近寄ってくる。
何度か男性たちがそのようなことを行なった後、やっとその女性は口を開いた。
「はぁ。」
「ん?一緒に行く気になった?それじゃあさーーー」
無理矢理にでもつれて行こうとナンパしている人たちのうち一名が、女性の手を掴む。
が、一向に動かない。
「この拡張術式は闇に対する『分からない』という概念を形にしたモノだ。」
「お、おい。オネーサンどうしたんだよいきなり。」
いきなり喋り出した女性に男性たちは少し狼狽える。されど女性は構わず続ける。
「術式効果は相手の認識をいじること。術式対象を『闇と言う存在』に書き換えることで、闇には関わりたいくない、興味ないと言ったように認識を変更する。その対象は自身、他者、有機物、無機物などなんでも大丈夫。」
「な、なあ早く行こうぜ?今時そんなの怖がる奴いねーよ?」
そうはいっても男性たちは見るからに怯えている。当然だ。男性の一人が女性の手を掴んでいるのに全くと言っていいほど動かないのだから。
そして術式開示が済んだ今、術式対象の範囲が拡大する。
「さらに術式効果をわかりやすく表現することで効果を底上げする。」
「お、おい!お前ら帰るぞ!さっさとーーー」
非術師にしては感が良いものが、周りに叫ぶがもう遅い。
「拡張術式『隠』」
黒い波動が一帯にひろがる。モアイ像をすり抜け、人をすり抜け、木々をすり抜ける。
すり抜けた後、周りの人々は彼女のことを見ていたというのにそれまでいなかったものとして、スマホやバックに意識を移した。
「はぁ、面倒臭かった。」
そして彼女、輝夜はそのまま待ち人を待った。夏油からもらったスマホを用いながら、時間をつぶす。
しばらくした後、待ち人がやってきた。
「おっ、陀艮やっときたのか。」
「ぷー」
待ち人、と表現するには少し違うかもしれない。正しく言うならば待ち呪、だろうか。
その容貌はタコの顔をした芋虫、と言ったら良いのだろうか。ただ、いつもとは違い陀艮の被るフードには、特殊な印が刻まれていた。
「陀艮は私が作った『隠』付きのフードはちゃんとつけてきたかい?…大丈夫だね。」
「ぷふー」
陀艮のフードについてある印を確認する輝夜に対して、陀艮はちゃんと着ている、と言わんばかりに誇らしげに声を上げる。
そんな陀艮を見て、輝夜は少し笑みをこぼした。
「さてと、今日は私がこの渋谷をエスコートしてあげよう。まずはスイーツ店だ!」
「ぷー!」
二人は息込みながら目的の場所へと向かった。『窓』や『呪術師』も渋谷にはいるが、先程の術式効果によって認識できなくなっている。
呪術師たちは前もって呪力で頭を覆えば問題ないのだろうがそれはIFの話。結局彼らは高専へと連絡ができずに終わってしまった。
輝夜はまだ見ぬスイーツを想像しながら歩き。
陀艮は仲間と一緒の食事を楽しみにしながらついていく。
目指す先は、都内で有名なスイーツを売っているカフェである。双方の思いは違うけれど、仲良くすすんでいくのだった。
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さて、日本の首都東京。その中の渋谷はやはりと言うべきか、多種多様な文化が入っている。
当然奇抜なものや、新しいものもあるわけで。
「『牛乳と牛肉のレボリューションパンケーキ〜豚と鶏、ついでの卵かけ』、『ただただ普通のショートケーキ。この店でこれ頼むのいないよね?』を一つずつ。『ワイン漬けの塩辛アイスを乗せたフロート』を二つ、お願いしまーす♪」
「わかりました!お肉のパンケーキが一、ショートケーキが一、塩辛アイスフロートが二つですね!了解しました!」
いつも通り輝夜は奇想天外ばスイーツを頼んでいた。
ここはゲテモノスイーツで有名なスイーツ店。一般客には足が遠いが、多くの常連客を抱えているため問題なく経営できている。
なお売っているパティシエがイヤイヤ作っている普通のスイーツは凄まじいほどの美味しさである。
常連客たちの一部は普通のスイーツを売れば良いのではないか、と言うがパティシエは頑なに変えようとしない。
それには深い深い過去の酸っぱい思い出があるのらしいが、それはひとまず置いておこう。
閑話休題。
輝夜たちはパクパクとスイーツを食べ始める。さすが呪霊と言うべきか、ゲテモノと言われるこれらをかなりのスピードで食い尽くしていく。さらには陀艮は大食漢である。
そのため凄まじい速度で胃袋の中へと消えていく。
そして次々と注文をしていった。
「追加注文です!『何の変哲もないシュークリーム』と『これを頼むのは違うと思うチーズケーキ』、『パティシエがお勧めしないチョコケーキ』を4つ、『パティシエ気まぐれの闇鍋ホールケーキ』と『激辛唐辛子と山葵コーヒー』、『タラコと明太子とイクラと数の子を使ったタピオカ』ををお願いしまーす♪」
さらに彼女たちが頼んだものはかなりの量のスイーツ。それらがテーブルに来た時には『隠』を使って周囲の関心を減らしているというのに、二度見されたほどである。
まあ再度術式を掛け直したわけなのだが。
さてテーブルに届いたそれらのスイーツは凄まじい色をしている。
『闇鍋ホールケーキ』は凄まじい色をしている。葡萄やらジャムやらチキンナゲットやらが載っており、一番分からないものは食パンである。なんと食パン一斤が乗っている。
店員の一人がなんだか「ヤベ」と言っているが気のせいであろう。
『コーヒー』もまたよく分からない色をしている。赤色と緑色が混ざって凄まじい見た目をしておる。
さらに隣の席にいる客の鼻には、激烈な、なんとも言えない匂いが漂ってくる。辛いような苦いような痛いような。というか匂いが痛いってなんだそりゃ。そう隣の客は思ったのだった。
『タピオカ』はさらにヤバイ。タピオカの粒をしっかり入っているが、中でタラコや数の子が溶け多種多様な色の粒が入ったタピオカが完成した。さらに明太子が入っているため、辛そうな匂いも漂ってくる。
周囲の客たちの総評は『ヤバイ』であった。
しかし呪霊の彼らにそんなのは関係ない。
「んー!なかなか美味しい!コーヒーも美味ーい!」
「ぶふー♪」
先ほどと同じようにパクパクと食べていく。
そもそも呪霊は人間とは違い、肉体構造から術式、価値観まで人間のものとは違う。
当然趣味嗜好も違うわけなのだ。
「いやー、おいしーね本当に。コッチの普通のスイーツも良いけど、奇抜なスイーツも最高だわ。うんめ。」
「ぷー!」
まともな客はその発言に二度見をし、常連客は首を縦に振っていた。さらに一部の常連客は「普通のスイーツも良い」という発言に対して顔に青筋を作っていたりもした。
なんだか息のような可愛らしい声も聞こえているが気のせいだろう。
そう思いながらも、客たちは凄まじいスピードで食べている輝夜のテーブルを見る。
ついでになんだかスイーツが浮いているような気がするが、まあ気のせいだろう。
先程から、黒いスーツを着た眼の隈をつける男性がそのテーブルを何度も見ながら首を傾げているが、気のせいであろう。
そんなこんなでカフェは平和だった。
しかしそんな平和なカフェに激辛が走る。
「追加注文で『デラックスギガントスーパースペシャルダイナミックエクセレントビューティフルっぽいマカロン』お願いしまーす。」
曰く、凄まじいほどに美味すぎて失神者多数。
曰く、店長が利益度外視で作った渾身の作品。
曰く、その美しさは最早芸術作品であると言っても良いほど。
曰くーーー
そのスイーツに曰くは大量に付く。このカフェの看板商品であるからだろう。実際このカフェの看板には『デラックス〜っぽいマカロン』の写真が飾られている。
それを一目見ようとやってくる客は多数いる。
しかし、
「はい、お待たせしました!こちら『デラックスギガントスーパースペシャルダイナミックエクセレントビューティフルっぽいマカロン』です!」
「うぉぉぉ…デッッッカ。」
全ての「曰く」は全てパティシエ談、なのだが。
パティシエが三日三晩泣き続けて、店長を落として作り上げた至高の一品。
このスイーツの値段を見たら、店長が涙を流すほど。おそらく理由は嬉しさのあまりだろう。
凄まじいほどにおおきく、食べる気が失せるほどの量。
見てるだけで胃がもたれる、とも客に言われる。
そしてこのスイーツの別名は『マカロンどこ行った』、である。
「えーっと、エクレアにバニラアイスにチーズにモンブラン…。あ、めっちゃ小さなマカロンあった。」
この大きな大きなスイーツは皿の上に、山のようにこのカフェ独自のスイーツが置かれている。そう、あのパティシエが作った奇抜なスイーツである。
カフェにしては凄まじい量が乗る皿の一番下にマカロンが一つだけ隠れている。なんでパティシエがマカロンを選んだのかは定かではない。
そんな大盛りスイーツに輝夜と陀艮は臆することなく。
「「いただきまーす!(ぶふぅ!)」」
掛け声と共に食べていった。
豪快に、されど上品に。山盛りのスイーツを食べていく。
この大盛りマカロン…、マカロン?は一枚の絵と呼ばれているが(パティシエ談)、彼女たちが食べてこそこのスイーツは完成したのだと後にパティシエは語る。
パティシエは料理の手を止めて目を見入り。
客はスイーツを食べる手を止めて注目し。
店長は利益の少なさに泣き。
チーフは手が止まっているパティシエを見て、フライパンを手に持ち。
三者三様に反応する中で、輝夜がさらに対してとても小さいマカロンをフォークで取る。
そして、食べた。
食べ終わる瞬間になった鈍い音と共に湧き上がるのは歓声、大声、歓喜の声などなど。
それに対して輝夜は手を振る。
店の一部では何か悶えている人がいるが気のせいであろう。
ともかくこの店の中で彼女は英雄となった。そして彼女は意気揚々とレジへと向かい、一言店員へと投げかける。
「会計お願い。」
「はい、えーーと、29850円です。」
「カードで。」
繰り出すのはブラックなカード。それに客は皆目を奪われる。
その輝きは人々を魅了し、素晴らしいステータスであるとともにーーー
「あ、ここそれ使えないです。」
「あ、そ、そうすか。そんじゃ現金で。」
それとともに客は皆目を逸らした。だって、なんか、ねえ?
少し意気消沈した輝夜は出口へと向かう。そこには頭をさするパティシエが居た。パティシエは頭を気にしながらも、輝夜に右手を出す。
それを察して輝夜もまた右手を出し、握手を交わした。
店内には歓声が響き、輝夜は意気揚々とカフェ去っていった
「なんだありゃ」
そしてその様子を見ていた芻霊呪法を使う術師が突っ込んでいた。
なんだこれ
もう一度言うぞ?
なんだこれ
一話ごとの文字数ってどんくらいがいい?
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半分くらいで(2000字前後)
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ちょいと少なめ(3000字前後)
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これでいいんじゃね?(4000字前後)
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ぶふぅー(ぶふぅー)