深紅の航路に祝福を   作:コウハクまんじゅう

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みなさんはじめまして。コウハクまんじゅうです。
まずはこの小説を見つけ出してくださり、ありがとうございます。これが初投稿となるので至らない点が多々あると思いますが、その時は感想欄にて教えてくださると有り難いです。

あ、筆者の初期艦は綾波です。(唐突)

それでは、本編スタートです!


日常

 

 

 

 

 

一人の男が寝ていた。歳は17,8といったところだろうか。

規則正しい寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている。

だが、そんな安眠も突然終わりを迎える。

 

 

 

ピピピピピピ!

 

 

 

主を起こすため、アラームを鳴り響かせる目覚まし時計。

う〜ん…あと少しだけ…と呻く主。

 

 

 

ピピピピピピ!

そんな事知ったことではないと言わんばかりに響き渡るアラーム。

 

 

 

「あと…15分…」

ピピピピピピ!

やかましい。さっさと起きろ。

 

 

 

「う〜ん…」

重い体を引きずるようにして布団から起き上がり、起きる時間を告げる目覚まし時計を止める。

 

 

 

「あ〜…眠い…」

未練がましく布団にすがりつき、もう一度寝ようとする。だが、

 

 

 

「悟〜、ご飯できてるよ〜」

「…あ〜い。…」

母さんが呼んでいる。

朝飯を食べるため、俺…「赤井 悟」(あかい さとる)は瞼をこすりながら仕方なくテーブルへと向かうのだった。

 

 

 

「いただきま〜す。」

椅子に座り、朝飯を食べ始める。家にいるのは俺と母さんの二人だけ。父親は俺が物心がついていない幼いときに他界したらしく、それ以来母さんが女手一つで俺を育ててくれた。父親がいない俺にとって父とはどういう存在かよくわからないが、それでも今の平穏な生活に満足していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーセイレーンの勢いが増しており、世界中で被害が拡大しています。海軍には早急に対応することを…」

 

 

 

朝飯を食べているとテレビからニュースが流れてきた。セイレーン…突如として現れ、人類から制海権を殆ど奪った謎の敵対勢力…そんなセイレーンを打倒するために陣営の垣根を越えて「アズールレーン」なるものが結成された。その結成に大きく関わったのが「ユニオン」「ロイヤル」「鉄血」そして…

 

 

 

「にしても、いつ見ても綺麗だな。」

ふと窓の外を見る。そこには、見事な桜が咲いていた。

 

 

 

俺が住んでいる国…「重桜」。

世界が協力したお陰で一時はセイレーンを退けたらしいがその後内輪もめがあったらしく、アズールレーンから鉄血、重桜が離脱して「レッドアクシズ」を結成した。以降は、アズールレーンに敵対するようになり、そのせいでアズールレーンは「セイレーン」と「レッドアクシズ」の2つの勢力を相手に戦っている。

 

 

 

「あっ、見て見て悟!艦隊が戻ってきた!」

母さんがにわかに騒ぎ出した。どうやらテレビのニュースがセイレーンに関するものから、艦隊が帰投する様子を映したものに変わったらしい。

「かっこいいわねぇ…私も艦船に生まれてたらな〜」

などと冗談めかしながら呟いている。

 

 

 

艦船。それは軍艦の力をその身に宿した少女たち。セイレーンを倒すのに必要不可欠な存在。そして、

 

 

 

(……めちゃくちゃ美人だな…)

 

 

 

そう。なぜかどの艦船も女優顔負けな別嬪揃いなのである。世の女性からしてみれば羨ましい限りなのだろう。

 

 

 

朝食を食べながら横目で見てみると、狐のような耳を生やし、茶色の着物を着た女性と同じく狐のような耳を生やした白い着物を着た女性がチラッと見えた。

 

 

 

……その横顔が、どこか憂いを帯びていたのは気のせいだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま。」

「は〜い。お粗末様。」

 

 

 

朝飯を食べ終わった俺は学校に行く支度をし始めた。歯を磨き、制服を着て、学校へ持っていくものを確認し…

 

 

 

「あ、宿題のプリント忘れてた。危なかった…あれ?どこいった?」

 

 

 

…どうやら、登校するのはまだ先のようだ。

 

 

 

 

「プリントはあったけど、やってないってマジ?昨日やったと思ったのに…」

などとぼやきながら宿題を手にする。時計を見やり、まだ時間はあることを確認する。仮に遅刻しそうになったとしても、この家から学校までは歩いて十数分程度で着くほど近い。

 

 

 

「さっさとやって終わらせるかぁ…」とつぶやき、机に向かう。が、

 

 

 

「うおっと…」

手元が狂い、プリントを落としてしまった。だがそれは床に落ちる前に拾われることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伸びてきた、奇妙な紅い腕によって。

「ふぅ、やっぱこいつは便利だな。」

その奇妙な腕の表面には白い模様が何本も交差するように走っていた。その腕は、肩から生えるようにして出現していた。そして、プリントを掴んだまま溶けるように消えていった。悟の手の中には宿題のプリントがしっかりと握られていた。

 

 

 

この奇妙な腕のことを、悟は「クリムゾン・ハンド」と呼んでいる。

そして、奇妙なものはもう一つある。

 

 

 

「こいつのおかげでプリントが落ちる未来はすでに見えていた。対処するのは簡単だったよ。」

 

 

とつぶやき、額にかかっていた髪をかき分けた。そこには、桃色の人の顔がくっついていた。

 

 

「やっぱ未来が見えるのは便利だな。こっちの思うように使えないのは不便ではあるが…」

 

 

 

この額にくっついている顔のことを悟は「たらこ」と呼んでいる。(「たらこ」と呼ばれるたびに、額の顔がなんとも言えない表情をしているのは内緒。)

しかしながら、今本人が言ったように思い通りに使えないため、任意のタイミングで発動することはできない。

 

 

 

「んじゃ、さっさと終わらせるかぁ。めんどくせー」

ブツブツ言いながらも宿題に取り掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一見すれば、(奇妙な腕が使えて、額に顔がついているということ以外は)ただの朝の日常。

 

 

だが、

 

 

彼は知らない。この後、自分の運命を大きく変える出来事が起こることを。

 

彼は知らない。この後、もう今まで通りの生活を送れないことを。

 

これから起こる出来事を、まだ彼は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、ついたついた〜 それじゃあ早速始めちゃおっか〜 前夜祭、盛り上げていこー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命は静かに、それでも確実に、動き始めていた。

 

 

 




今回は主人公と世界についての説明回です。
あっさりし過ぎたかな…あんま長すぎると飽きちゃうかなと思って短くしてみたのですが…もし短かったら感想欄で教えて下さい。

最後に出てきた人は一体誰なんでしょうねぇ…(すっとぼけ)
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