深紅の航路に祝福を   作:コウハクまんじゅう

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前回、艦船sideの予定だと言ったな?


あれは本当だ。 
悟sideと艦船sideの両方になります。


あとUA1100突破とお気に入り登録者数15人突破ありがとうございます!!
こんな小説でも読んでくれている人がいると思うと嬉しいです!!
今後も頑張って書いていきますのでよろしくお願いします!!





記憶

 

 

 

〜 高雄side 〜

 

 

 

 

「こちら第一艦隊!量産型セイレーンは掃討したが、上位個体のセイレーンが出現!愛宕と夕立が被弾し、燃料と弾薬も残りわずかで戦闘継続が困難と判断し一時撤退、基地へ帰投中!現在綾波が一人で足止めをしている!すぐに他の艦隊の支援と補給の用意を要請する!」

 

 

基地、司令部へと無線で連絡を入れる。連絡している今も遠くから轟音が聞こえてくる。綾波が一人で頑張ってくれているのだろう。綾波のためにも、一刻も早く戻らなければならない。だが、

 

 

「何!?撤退だと!?勝手な真似をしおって!今すぐ戻って戦闘を継続しろ!補給も支援も無しだ。お前たちだけで対応しろ!」

 

 

案の定あいつ(下衆)が無茶苦茶なことを言ってくる。

 

 

「指揮官、その命令には従えない…」

 

 

「黙れ!お前たち(兵器)は俺の命令に従っていればいいんだ!勝手な真似は許さんぞ!さっさと戻って戦え!」

一応反対したが、被せるようにして遮られた。どうやらあくまでも聞く耳を持たないらしい。男の横暴に心底辟易した。だが今回ばかりは命令に従っている訳にはいかない。

 

 

「…了解した。ではこれから第一艦隊は指揮官の管轄から離れ、拙者の独断で行動する。」

 

 

「なっ!?高雄!貴様ァ!!」

まだなにか言っていたがもはや聞く必要はない。無線を叩き切った。あぁ、やってしまった…が、みんなを助けるにはこうするしか無い。この後私は軍法会議か…と考えていたら

 

 

「た、高雄ちゃん…」

 

 

「高雄さん…」

 

 

肩を貸していた愛宕が痛みに顔を歪めながらも、心配そうにこちらを見つめてくる。他の面々も不安げにこちらを見つめてくる。まずは今やるべきことをやらなければ。後のことはすべてが終わってからだ。

 

 

「心配することはない。まずは基地へ帰投して補給をしよう。そして、戦える人を集めて綾波の元へ向かおう。」

 

 

「で、でもさっき指揮官の管轄下を離れるって…」

 

 

「大丈夫だ。すべての責任は拙者が取る。」

と、言ったその時。

 

 

 

 

 

 

 

「おーい!」

と、こちらを呼ぶ声が聞こえる。この声は…

 

 

「古鷹!」

 

 

「高雄!それに、愛宕と夕立はどうしたの!?」

心配そうにこちらにやってくる古鷹。その後ろからは加古、旗風、暁、白露が続いてくる。彼女たちは第三艦隊所属の艦船だ。

 

 

「なぜこんなところに?」

 

 

「委託の帰りだよ。帰っている途中にすごい音がして、びっくりして来てみれば高雄たちが居たってわけ。あれ?綾波はどこ?」

 

 

「今は一人でセイレーンと戦っているのだ!だから、早く戻って助けないとなのだ!」

 

 

「え、ど、どういうこと?」

 

 

「えーと…」

事のいきさつを全て説明した。街を襲撃したセイレーンを撃滅したら上位個体が出てきたこと、二人が被弾したので一時撤退し、綾波が足止めしてくれていること。指揮官が第一艦隊への支援や補給は無しと命令したこと。…第一艦隊は高雄の独断で行動するということ。

 

 

「そんな…支援も補給もなしって…それに高雄、あなたの独断で行動するって…戻ったらただじゃすまないよ!?」

 

 

「承知の上だ。皆を助けるにはこうするしかなかったからな…いや、それよりも今は一刻も早く補給を済ませ、綾波の元へ戻らなければ。」

 

 

「…わかった。じゃあ、これ使って」

そう言いながら古鷹は、委託に行って手に入れた燃料や弾薬などの物資を高雄に渡した。

 

 

「なっ、これは古鷹たちが手に入れた燃料じゃないか…」

 

 

「いいの。どうせ基地に戻ってもあいつにとられるだけだし、それならあなた達に使ってほしいの。」

 

 

「うむ。それがしも古鷹殿に賛成でござる。」

と、古鷹や暁の言葉を皮切りに第三艦隊の面々が委託で手に入れた物資を第一艦隊に引き渡した。

 

 

「…かたじけない」

 

 

「それと、私達も一緒に行くよ。まだ燃料や弾薬にも余裕があるからさ」

 

 

「な…そんなことをすればそっちだって…」

 

 

「綾波、助けないとでしょ?」

ね?と後ろの第三艦隊の面々を振り返る。各々、力強く頷いた。

 

 

「…はぁ、まったくお前たちは…」

こうなれば何を言っても聞かないだろう。だが、正直言って支援してくれるのはありがたい。そして愛宕と夕立を一旦基地まで運ばなければ。

そこで愛宕を古鷹が、夕立を旗風が曳航することになった。

 

 

「みんな、気をつけてね」

 

 

「わぅ、戦えないのはつまらないぜ…みんな気をつけろよー」

こうして第一艦隊(高雄、時雨、雪風)と第三艦隊(加古、白露、暁)一行は綾波の元へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜高雄Sideout〜

 

 

 

 

 

 

 

 

〜悟Side〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無数の弾痕がつき、そこら中に瓦礫が落ちている荒れ果てた海岸。そのなかで二人の人物が対峙していた。一方は背中にシュモクザメのような艤装を背負うようにして装備した少女…ピュリファイアー。もう一方は腕を庇い、苦しげに肩で呼吸をしている男…赤井 悟。相対する二人の様子は正反対だった。

 

 

「ほらほら〜もっと頑張らないと死んじゃうよ〜?」

 

「……う、るせぇ…」

 

最後まで言えずに血を吐き出す。もはや言い返すことさえままならない。現在、彼の体は限界を迎えていた。腕を一発の弾丸が貫通、腹にも二発喰らっておりずっと出血していて立っていることさえやっとの状態。視界がぼやけ、激痛に意識も薄れていっている。対するピュリファイアーは五体満足で無傷。どちらが有利であるかは火を見るよりも明らかである。

 

だが、こうなるのは必然だった。何しろ悟はごく普通の人間。むしろセイレーンと戦って生きている事自体が奇跡なのだ。対するピュリファイアーはセイレーンの中でも上位個体、上の存在なのである。そんな天と地ほどの力の差がある中で悟がこうして生きている理由は…

 

 

 

 

ズドドドド!!

 

 

 

 

なんの前触れもなく弾丸が飛んでくる。とっさに横に飛んだが避けきれない弾丸が悟に向かってくる。だが、

 

 

「クリムゾン・ハンド!!」

その呼びかけに応じるように、赤い腕が飛び出し弾丸を防いだ。

 

 

「また弾丸が()()()()()弾けた!それにその動き!まるで私が撃つ瞬間を()()()()()みたい!ほんっとに面白い!」

 

 

そう。これこそ、悟がセイレーンと戦えている理由。赤い腕(クリムゾン・ハンド)額にくっついている顔(たらこ)のお陰で彼はまだなんとか生き延びていた。そして今の発言からわかるように、他の者にこいつらは見えないようだ。

 

 

「ッ!!ぐあぁ!!」

脇腹を一発の弾丸が抉る。あまりの激痛に身を捩る。いくらクリムゾン・ハンドやたらこがあるとはいえ、いつまでも戦っていたら悟がやられるのは時間の問題である。

 

 

「ちくしょぉお!てめぇぇえ!!」

痛みをぶちまけるようにクリムゾン・ハンドで渾身の一撃を見舞う。ピュリファイアーはまともに受けて吹っ飛び、瓦礫の中に突っ込んだ。

 

 

悟は血を吐き出して低くうめき、脇腹を庇いながら倒れ込んだ。これ以上戦うのはまずい。そう判断すると、そっとピュリファイアーが突っ込んだ瓦礫から離れるが、

 

 

 

ドドドドドォオ!

 

 

 

瓦礫の中から無数の弾丸が飛んでくる。しまったと思ったときには体が宙を舞っていた。そしてあっというまに目の前に地面が迫っていた。クリムゾン・ハンドを出して受け身を取ろうとしても力が入らず出せない。俺は地面を転がった。

転がりながらふと、初めてこいつら(赤い腕とたらこ)を使えるようになったときの記憶が頭の中をよぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは確か、何年か前のことだったか。

その日は海辺を散歩していた。頬に当たる潮風が心地よかった。

 

 

しばらく歩いていたら、俺は奇妙なものを見つけた。それは箱のような、それでいてピクセルのような形をしていて、光を放っていた。いや、光を放つと言うよりかは光を閉じ込めているように見えた。ともかく俺はその奇妙な物に興味を持ち、よく観察するためにその箱のような物を拾い上げた。

 

 

そしたら突然、強い光を放ち始めた。思わず取り落としたが、俺の手を離れてもなおその箱は光るのをやめなかった。それと同時に俺の頭の中に何かが流れ込んでくる感じがした。

 

 

俺はそれが恐ろしくなって逃げ出した。翌日にまたその場所に行ってみたが、その奇妙な箱は見つからなかった。あれが何だったのかは今でもわかない。だがその日を境に、俺はこいつら(赤い腕とたらこ)を使えるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那のうちにこの記憶が頭の中をよぎった。なぜこの記憶を今思い出したのかはわからなかったが、なぜだかとても重要なことのように思えた。

 

「あははは!突然ぶっ飛ばされたぞ!?一体どうやったんだ!?」

 

瓦礫をぶっ飛ばし、狂ったように笑いながらこちらに近づいてくる。攻撃されたのになんで笑ってやがんだ…いや、そんなことより立たなくては…だが、体に力が入らない。激痛と疲労で意識も朦朧としてきた…

 

「あれ?死んじゃった?せっかく面白くなってきたのに残念。…ま、いっか。」

 

倒れたまま起き上がらないのを見て死んだと判断したんだろう。どこかへ飛んでいった気配がした。目の前が暗くなっていく。ああ、俺はここまでか、母さんや友達に心配かけちまうな…そういえば、あの少女は避難しただろうか…薄れゆく意識の中でそんなことを考えていたとき、ふと、視界の端でなにかが見えた。

 

「あれ…は、」

 

どこかで、見たことがある。だがどこで…いや、待て。あれは…まさか!

 

「クリムゾン…ハン、ド…」

最後の力を振り絞り、それをクリムゾン・ハンドに持ってこさせる。これは…

 

「光る、箱…」

それはさきほど思い出した箱だった。そういえば、この場所は箱を拾った場所だ。戦っているのに夢中で気が付かなかった。いつの間に来ていたのか…。箱を掴むと、あのときと同じように光り始め、俺はまばゆい光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またあの何かが流れ込んでくる感覚…だが今度は流れ込んでくるものが何かわかる。これは…

 

「誰かの、記憶か…?」

 

いろんな景色や人物が頭の中に浮かび上がっては消えていく。

 

紫色の拳銃を持った男性、金髪で紫色の服を着た男性、桃色の髪をした女性、ジッパーのついた奇妙な服を着た男性、そしてその他大勢の人物がいろんな景色とともに流れていく…そして、この景色や町並みは…テレビでたまに見るサディア帝国の町並みによく似ている…。

 

すると突然、見覚えのある奇妙なものが一瞬見えた。これは…

 

「クリムゾン・ハンドとたらこか…?なぜ、他人の記憶の中にクリムゾン・ハンドとたらこが出てきたんだ…?」

 

また景色が変わり、色々な景色や人物が流れていく。膨大な情報が頭の中を流れていく感覚にめまいを覚える。すると突然、世界に亀裂が入り、崩れ落ちていく。思わず目を見開いた。なんだ?これは…そう思っている間に、世界は深紅に塗り替えられていく。と同時に、一人の男の声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選ばれた運命からは誰も逃れることは出来ない。

お前達が滅びるという結果だけが残るのだ。

永遠の絶頂は我にのみ存在する。

時の消し飛んだ世界で哀しみの歌を歌うがいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急な変化の連続に驚いていると深紅の世界に一人の人物が浮かび上がってきた。警戒しながら見ているとその姿は徐々にハッキリし始めた。

桃色の髪にまだらの模様がついている独特な頭髪をして、これまた独特な網の服を着た男。そしてその傍らに浮かび上がる紅い不気味な(ビジョン)

 

 

「誰…だ」

警戒しながら話しかけると急に桃色の頭髪の男が消滅した。またもや起こった摩訶不思議な出来事に驚いていると、残された紅い(ビジョン)が喋りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が名は…

 

 

深紅の王(キング・クリムゾン)

 

 

墓碑銘(エピタフ)

 

 

貴様は…選ばれた…

 

 

貴様に…力を…やろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、まえは…」

何者だ、と言おうとしたが言い終える前に意識が現実へと引き戻された。気づけばあの箱は消えており、どこにもなかった。

 

 

「なんだったんだ…一体…」

わからない。すべてが解らない。自分に話しかけてきたあいつは何者だったのか、なぜ自分に力を貸すと言ったのか、選ばれたとは何なのか、なぜ箱を触ったら他者の記憶が頭に流れてきたのか。疑問は尽きないが、今はそれよりも重要なことが。

 

 

「何か…以前と違う…何かが違う!ハッキリとは分からないが、何か違う!」

違いの正体を探すため、試しにクリムゾン・ハンドを出してみる。だが、出てきたのは…

 

 

「ッ!?…お前は!?」

 

 

先程自分に話しかけてきた、あの紅い(ビジョン)だった。だが、なにやら先程とは雰囲気がちがう。さっきまでは確固たる自我があって喋っていたようだったのに、今は何を考えているかわからない無機質な表情を浮かべていた。こちらを向くことさえしない。さっきとの雰囲気の差に少々困惑していたが、さっきまで戦っていたセイレーンの行方が気になり、あたりを見回した。そして見つけた、が…

少々まずい状況になっていた。そのセイレーンは自分が助けようとした少女の近くに居た。少女はまだ気絶しているのだろう、海の上に倒れていた。そしてセイレーンはその少女に対し艤装の砲身を向けていた。それが何を意味するかをわからないほど鈍感ではない。

 

 

「どうする…どうする…!」

これではさっきと一緒ではないか。少女が逃げる時間を稼ぐどころか逆に追い詰められて死にかけ、結局少女の所にセイレーンを行かせてしまった。かと言って今の自分に何が…いや、ちょっと待てよ。もしかしたら…

 

 

と思い直し、相変わらず何を考えているかわからない表情で隣に佇む紅い(ビジョン)に目をやる。

こいつをうまく使えばこの状況、切り抜けられるかもしれない。

 

 

「さっき現れた桃色の髪をした男が言っていたよな…『時を消し飛ばす』と…」

時を消し飛ばすってなんだ?どういう能力なんだ?何ができるんだ?と考え込んでいたが、現実にはそんな時間さえないことを思い知らされる。

 

 

少女に砲身を向けたセイレーンはもう撃つ態勢に入っている。もはや一刻の猶予もない。こいつ(キング・クリムゾン)が何をできるかどうかを知らずにやるしかない。

 

そう決意を固めた悟は、少女を助けるためにまたセイレーンへと向かっていくのだった。

 

 

 




ようやくキング・クリムゾンを出せました!!次回はリベンジ戦ですかね。

あと艦船ですが、だれを登場させるか迷いました。そして、まだしっかりと登場していない人たちも出していく予定ですのでお楽しみに!!




STAND NAME:クリムゾン・ハンド(仮称)

破壊力:B

スピード:B

射程距離:E

持続力:E

精密動作性:?

成長性:?


STAND MASTER:赤井 悟

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