深紅の航路に祝福を   作:コウハクまんじゅう

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遅くなって大変申し訳ございません…前回の投稿からだいぶ経ってしまいました…

ここ最近になってようやく落ち着いてきたので、なんとか投稿できます。


前回はキング・クリムゾンの力に目覚めた悟が綾波を救出して、ピュリファイアーと対峙したところで終わっています。
今回は悟視点で前回の舞台裏が出されるような感じです。


それでは…本編どうぞ!!


浄化者と深紅の王 赤井悟Side

 

 

 

時は、ピュリファイアーが綾波を撃ったところまで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やべぇぇええ!!!

 

 

 

心のなかで盛大なシャウトをかましている男…赤井 悟。彼が心のなかで叫んでいる原因は、彼が腕の中に抱えている少女にある。

 

 

(いくら助けるためとはいえ、女の子を抱えるなんて何やってんだ俺ぇええ!!)

 

 

あたらしく得た(時飛ばし)でなんとか少女を救出することはできたが

この男、女の子耐性がびっくりするほどない。もともと人と話すのはあまり得意ではないし、生まれてこの方女の子と接する機会もあまりなかった彼にとって、女の子を(お姫様)抱っこしているこの状況は刺激の強すぎるものであった。

 

さて、話を悟の方に戻すと、彼は必死に理性を保ちながら次にすべき行動を考えなければならないという苦境に立たされていた。腕越しに感じる女性特有の柔らかい四肢の感触、鼻腔に広がる甘い匂い。それらに頭の中をかき乱されながらも彼は、今はまだセイレーンに見つかっていないが、それもいつまで続くかわからない。ここは早々に逃げるのが最善の選択肢だ。という結論を出した。

 

(だが、そう簡単には逃がしてくれなさそうだよなぁ…この()を助けるために喧嘩売っちゃったし。それに…)

 

と、そこまで考えて、未だに眠ったままの少女の方を見た。

少女の体には無数の傷がついてはいるが、出血も少なく命に関わるようなものはなさそうだ。とりあえず、こっちは大丈夫そうだ。と思った。

次いで、自分の体を見た。見るも痛々しい深い傷を腹と腕に負っている。加えて、止血もままならず、いまだに血が噴き出していた。はやく手当をしなければ命に関わるだろう。

 

(この傷に加え、この娘を抱えながらの移動だ。そこまで早くは動けないな…うっ…)

 

ふいに出血による眩暈が襲い、片膝をついた。

 

(本格的にまずくなってきたな…とりあえず、瓦礫に隠れながら町のほうに…)

 

そう思っていた時だった。頭の中にある映像が流れてきた。

 

 

「ッ…!!くそっ…」

 

 

その映像を見た瞬間に悟は時飛ばし(キング・クリムゾン)を発動した。瞬時に世界が崩れ落ち、深紅に塗り替えられる。その中を、悟は少女を抱えながら必死で駆け抜けた。

 

激痛に思わず顔がゆがむが、足を止めている余裕はない。今しがた崩れ落ちていった世界は、すでに元に戻り始めていた。制限時間(タイムリミット)が迫っている。そんな焦りが災いしたのか、ここにきて悟はつまずいて転んでしまった。せめて少女は…と思い、深紅の王(キング・クリムゾン)を顕現して少女を抱きかかえさせた。しかし、自分のことなど計算に入れずに行動したため、悟はそのまま転んでしまった。

 

 

「!ッッ…!!」

 

 

声にならない悲鳴を上げ、悶絶する。そしてちょうど良く時間が来た。崩れ落ちた世界は再び元に戻り、時は再び刻み始める。

悟が転んだ場所は、幸いなことに大きな瓦礫の影だった。それと同時に轟音が鳴り響き、さきほどまで隠れていた瓦礫が周辺の物もろとも吹き飛んだ。

 

 

「はぁ…はぁ…危なかった…」

 

 

荒い息を吐きながら、さきほど見た映像のことを思い出す。あの映像にはセイレーンが撃った弾が、自分が隠れている瓦礫に向かって飛んできている様子と、瓦礫から体がすこしはみ出していた悟の様子を映し出していた。

 

 

「完全に隠れていたと思っていたのにな…油断した…」

 

 

ちょっとした失態で危うく命を落としかけた事実に背筋が凍る。それと同時に素早く思考を巡らせる。

 

 

(このままじゃいずれ殺られるな…どうする?どうやってこの状況を打開する…?このまま逃げるのは厳しい…かと言って戦うのはもっと厳しい…くそっ…!)

 

 

などと考えていると、独特なエンジン音が聞こえてきた。瓦礫の影から恐る恐る覗くと、あのセイレーンが着弾地点を確認しているところだった。

 

 

「……!!」

 

 

その様子を見て、悟は恐怖した。それと同時に、もはや自分には一刻の猶予もないことを悟った。焦りと恐怖が入り混じり、悟はまた失態を犯してしまう。

 

 

パキ…

 

 

乾いた音が足元から響き、何かを踏んだ感触が足から伝わってきた。ハッとして見てみると、中程から折れた小枝がぐったりと横たわっている。「やべぇ、」と思う間もなく轟音が鳴り響いた。わざわざ確認しなくても、死の気配が近づいてくるのがひしひしと伝わってくる。なぜだか、時間がひどくゆっくり進んでいるように思えた。それと同時に、死の恐怖もゆっくりと体を蝕んでいくように感じられた。

その途方もない絶望感の中、悟はーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟を決めた。

 

視界が暗転する。それと同時に世界が崩れ落ちていく音がかすかに聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと目が覚めると、悟は少女を抱えていた。さらに、知らぬ間に瓦礫の影から違う場所へと移動していた。暗かった視界が突然明るくなることで多少眩しかったが、その中に深紅の王(キング・クリムゾン)海魔女(セイレーン)がいるのを確認すると、一気に頭の中がハッキリし、視界が澄み切った。そうだ、俺は…と直前まであったことを思い出そうとして腹と腕が痛むことに気づく。

痛む箇所に目をやると、血が滲んでいた。血の出る勢いはさっきよりかは収まっていたが、止血とまでは至っていない。それを見た途端、痛みをこらえるために荒い息遣いとなっていた。

 

セイレーンが何言っていたようだが、痛み(と、腕越しに感じる少女の感触)に耐えていたのであまり聞こえなかった。だが、セイレーンが何か言い終えたのか両手を誘い込むように開きながら砲を向けていた。もうここまで来たら逃げも隠れもできないので、こちらも戦闘態勢を取り…たかったが少女を抱えているので、代わりに深紅の王(キング・クリムゾン)を自分の側まで戻し、構えさせた。

 

 

 

 

さぁてと、リベンジマッチと行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ピュリファイアー視点の時、時飛ばしがなかったみたいな感じの描写ありましたが、あれは時飛ばしがあったことすら認識できないくらいの短さで時を吹っ飛ばした…ということで。

あと、前回の内容の一部分を変更しました。
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