まさか初めての評価で9をもらえるとは思ってもみませんでした…おかげでモチベがバク上がりでございます。感謝感激、です!!
さて、今回の話はまぁまぁ長めです。いよいよ悟とピュリっちの決着がつきます…果たしてどうなる!?
では、本編どうぞ!
地響きと轟音が絶え間なく響き渡る。
瓦礫が散乱し、そこかしこに穴ができ、見るも無残な姿に変わり果てた砂浜で、死闘が繰り広げられていた。
「あははっ!!」
狂った笑い声と共に弾丸の雨が降り注ぐ。それらを避けるたびに地面に無数の穴が空き、鼓膜が破れるのではないかと思うほどの轟音が耳に突き刺さる。
「くそっ…!」
常人ならば数秒も持たず粉微塵になってしまうような地獄の中で、一人の男が
〜赤井 悟Side〜
やはり厳しいな…と弾幕の嵐を避けながら考える。
隙がなさすぎてセイレーンに近づくことさえできない。
と思いながら、腕に抱えた少女と未だに血の止まらない腕と腹をちらりと見る。
(腕と腹にこんだけの傷を負って、更にはこの
考えているそばからまた弾幕が飛んでくる。それを後ろにかるく飛び退りながら避け、避けきれなかったものはキング・クリムゾンで弾く。これを避けたらまた弾幕が飛んできて、それをまた避ける…戦いが始まってからというもの、ずっとこれの繰り返しだ。
せめて少女を安全な場所へ…とは考えたものの、あの弾幕では時を飛ばして移動したとしてもほとんど無意味だろうと判断してやめた。
それに、キング・クリムゾンを使っていてわかったことなのだが、どうやらこいつは持続力があまりなく、エネルギーの消費が激しいらしい。そして消費したエネルギーは使用者…悟から自動で賄われている。そのため、乱発してしまうとあっという間に疲れて動けなくなってしまうのだ。なので、無闇矢鱈に時飛ばしを使うわけにはいかなかった。
その点言えば
そういうわけで、悟はジリ貧を敷かれていた。
このまま戦い続けていては、いずれ限界が来て自分と少女もろともやられてしまうのは目に見えている。
何か、何かこの状況を覆せるきっかけさえあれば…
〜赤井 悟Side 終了〜
〜ピュリファイアーSide〜
あははっ♪そろそろ限界かな?いっぱいいっぱいって感じ?
でもまぁ、よくあそこまで動けるねぇ。艦船抱えて、腕と腹に深手を負っているのに。
逃げ回る獲物に絶え間なく弾幕を浴びせ、弄びながら感心する。普通の人間ならとっくにくたばっているか、痛みや出血で一歩も動けないはずなのだが、それでもあの少年は動き続けている。少なくとも並みの人間では到底できない芸当だ。
「だからこそ…遊び甲斐があるなァ~」
こいつはあとどれくらい動けるのだろう?三十分か?それとも二十分か?ひょっとしたら十分も動けないかもな?いずれにせよ、動けなくなるまで遊んでやるよ。
ギラギラとした金色の瞳に加虐心を滾らせながら、逃げ回る獲物を見つめていた。
〜ピュリファイアーSide 終了〜
だんだんと悟の動きは鈍くなり、弾幕は濃密さを増す中、攻防は突如として終わりを告げた。
悟の足を一発の弾丸が掠め、動きが更に鈍くなった所に続けて飛んできた二発目が足を撃ち抜いた。
「ッ…!!」
激痛に顔を歪め、倒れ込んだ。必死に起き上がろうとするが、疲労と痛みによりもはや一歩も動けなかった。
ザッ、と地面を踏みしめる音が背後からした。
「もう終わりかー?」
確かめるように、それでいて獲物を追い詰めるかのように聞いてくる。
「………」
「おい、人が聞いてるんだから答えろよ。………いや、もうそんな元気ないか〜?」
こちらを煽るように言ってくる。
言い返す気力すらない。
「もう動けないなら…」
ザッ…ともう一歩踏み込むのと同時に艤装が動き、全ての砲が一斉に悟を睨んだ。
(なんとか頑張ってみたけど…今度こそ終わりか…結局、この娘を助けることはできなかったなぁ…)
悟は、少女を助けることができなかったことを悔やんではいたが、死への恐怖はさほどなかった。その代わりに、頭の中に浮かんできたのは家族や友人のことだった。
(母さん、ごめん…先に逝ってしまう親不孝な俺を許してくれ…まだ顔も知らない父さん、そっちへ逝ったら色々話せるかな…?そして数少ない仲間達…あいつらは今頃何してるんだろうな…ちゃんと安全な場所に避難してるかな…)
大切な人たちへの色々な想いが頭をよぎる。
「じゃあな」
無慈悲な声が響いた。
ズドォオン!!!
突然、砲撃音が響き渡った。続いて爆発音も響いた。
「綾波ー!無事かー!?」
「やっちゃえー!!」
という声が聞こえた後、また爆発音が響いた。どうやら量産型セイレーンが攻撃されているらしい。次々と黒煙が上がっていくのが見えた。
「ちっ…こんな時に…!」
セイレーンの意識が、そちらの方へと逸れた。
なんだかわからんが、これはチャンスだ。
そう考えた悟はこっそり移動し、少女を安全な場所に避難させた。
「ふぅ…」
なんとか少女の安全は確保できた。さて、あとはこっちだが…
そう考えながら、セイレーンを見た悟の頭に一つの映像が流れ込んでくる。
「……へぇ、なるほどな。」
そのイメージを見た悟は静かにセイレーンに近づいていった。
量産型セイレーンが炎上しながら次々と撃沈されていく。もうもうと上がる黒煙と、艦船達を憎たらしげに睨んでいた。その光景に意識が逸れていたが、ふと我に返り、つい先程まで追い詰めていた獲物のことを思い出す。
向こうの連中も無視はできないが、まずはこちらの瀕死の獲物を仕留めてからでも良いたろう。
そう考えて振り向いた。
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァア!!!!
油断しきっていたその横っ面に、キング・クリムゾンの
「!!!??」
見えない"何か"から食らった攻撃により、ピュリファイアーは吹き飛んだ。そして、吹き飛ばされる間際にあの少年の顔が見えた気がした。
「ッ…!!くそッ!!」
流石はセイレーンの上位個体と言ったところだろうか。吹き飛ばされながらも艤装を動かし、なんとか体勢を整えようとする。が、上手くいかない。
「ッ!?」
いつもなら手足のように操れると言うのに、今はまるで言うことを聞かない。躍起になって動かそうとしていると、あることに気づく。
「あの時…!!」
そう。不意打ちをくらった時のことである。あの時は艤装が盾となったため、大した怪我はなかったが艤装にはかなりのダメージがあったのだ。
「くそ…くそッッ!!!覚えていやがれぇえええ!!!」
小物の悪党が去り際に吐くセリフを盛大に叫びながら、遥か彼方に吹っ飛んだ。
セイレーンがぶっ飛んでいったのを確認すると、キング・クリムゾンは静かに消えた。
「ぐっ……」
苦しげに呻き、膝をつく。重傷を負った体には、ラッシュによる負担は大きかったようだ。
流石にもう動けない…かなりの無茶したなぁ…まあ、最後にかませたしいいか…
そう思いながら先程頭の中に流れてきた映像を思い出す。
「やばい!とどめだジョルノ・ジョバァーナァアアア!!!」
叫び声とともに深紅の拳が黄金の人影を乱打する。
その映像は、キング・クリムゾンが黄金の人影に殴りかかった瞬間のものだった。
さきほどセイレーンにかましたあの攻撃は、悟がこれを見て真似したものである。ちなみにラッシュ時の奇妙な叫び声はキング・クリムゾンが勝手に叫んだものだ。
「というか、頭に流れてきたあの映像何だったんだろう…声も聞き取りにくかったし…」
色々な謎は残ったが、今は気にする余裕も必要も無いと判断し考えるのをやめた。
「さて、そろそろ…」
動くか、と言い終わる前に地面に倒れた。何が起こったのか一瞬理解できなかったが、すぐに自分が倒れていることを理解すると身を起そうとする。
が、体に全く力が入らない。それどころかどんどん体から力が抜けていく。
視界が狭窄してきた。頭の中が真っ白になっていく。まるで眠りに落ちるようだ。
ああ…死ぬのか、俺。
薄れゆく意識の中、ぼんやりとそんなことを考えていた。
誰かの焦ったような声が聞こえた気がした。
書いていて「いや、悟お前……ミスタじゃねえか!?」ってなってた。まさかここまで頑丈になるとは思わなかった…
キング・クリムゾンのラッシュは書きたかったことの一つだけど、どう出そうか悩んでました。ラッシュの時の掛け声(?)も。
悩んだ末、ピュリっちが油断してるところにぶち込んで、掛け声はギャングスターに憧れているあの人の掛け声を使いました。正直掛け声なしでもよかったかなと思っていたけど、それじゃあ地味でしょう!?ということで無駄無駄になりました。
キング・クリムゾンのラッシュってかなり強力だしロマンあると思うんですけどねぇ…あまり出てこなかったのが残念。
戦闘は一旦ここらへんで終わりにして、次回からは本格的に悟と艦船達が関わっていくことになると思います。あとは襲撃の後始末とかになるのかな?
次回もお楽しみに!