惑星封鎖機構第13独立部隊ロンド・ベル   作:スカウトマニア

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本作の惑星封鎖機構はとてもホワイトです。またルビコンの復興にも注力しており、他の惑星やスペースコロニーへの移住斡旋なども行っております。また公的権力が良識があり、頼りになる設定にしています。

追記
惑星封鎖機構とルビコン解放戦線はゲーム本編では敵対関係ですが、本作では最初から協力関係です。ご注意を。


ガンダム ルビコンに立つ

 開拓惑星ルビコン3で発見された新物質コーラルは放置しているだけでも勝手に増殖する性質を備え、莫大な新エネルギー、食糧、人体の強化手術の触媒、麻薬替わりにもなりうる万能の新資源だった。

 恒星間航行すら可能となった人類が死肉を貪るように求める程の有用性は、ルビコン3に富と権力と嵐のような争いを呼んだのは、当然の流れであった。

 

 しかし、コーラルを原因とする星系を焼き尽くす大災害「アイビスの火」が発生し、その後も星系は残留コーラルによる汚染に襲われ、ルビコンでは荒廃した大地に生き残った原住民が大地を舐めるような暮らしを強いられている。

 アイビスの火の再現を防ぐ為、人類を緩やかに統治する「政府」から派遣された「惑星封鎖機構」により、ルビコンが閉ざされてから半世紀。

 

 そしてバンダイ星系に存在する惑星ジオンがバンダイ星系政府からの独立を訴え、星系の住民の半数を死に追いやった「一年戦争」が発生し、そして終わりを迎えたのが十四年前。

 そして焼き尽くされたはずのコーラルが再び湧き出した情報が、独立傭兵レイヴンによって外部にリークされ、ルビコンに強欲な星外企業が殺到し、惑星封鎖機構を突破してルビコンを搾取し始めたのが、現在。

 

 ルビコンの原住民ルビコニアン達は、アイビスの火で焼かれた後、支援一つ寄こさずにいたくせに、コーラルの再発見の知らせを聞くや否や勝手にやってきて、コーラルを搾取する星外企業に猛烈に反発し、ルビコン解放戦線を結成して武力抵抗を行っていた。

 対する星外企業ベイラム・インダストリー、アーキバス・コーポレーションも傘下の系列企業と共に、私兵部隊を大量導入して、大部分を砂と雪で覆われたルビコンの大地に爆炎の花畑を咲かせることに熱中している。

 

 コーラルの利権を巡る戦いに金の臭いを嗅ぎつけた、命知らずの独立傭兵達も多数加わり、混迷を深めるルビコンの惨状に対して、アイビスの火以降、五十年以上に渡りルビコンとそこで生きる人々を見てきた惑星封鎖機構が、なにもしないわけもなかった。

 公的権力としてルビコンの地元企業、ベイラムやアーキバスら星外企業も凌駕する技術力と正規軍としての練度の高さを活かし、不法に活動する企業の舞台や独立傭兵達を見つけ次第、容赦なく駆逐している。

 そして、更なる一手が、その日、加えられた。

 

 惑星ルビコンのベリウス地方に、ルビコン解放戦線の小さな補給基地があった。無数に存在する基地の一つだ。

 元々はルビコンの開拓民を祖先とするルビコニアン達は、星外からやってきた略奪者達に対する敵意が強く、士気が高いのが特徴だが、同時に荒れ果てたルビコンの復興もままならぬ中で、豊富な資金力と工業力を誇る星外企業を複数相手取っている為、苦戦を強いられている。

 ルビコンの地元企業も技術力で星外企業との間に明確な差が生じており、双方の運用する兵器の性能差から、優劣がはっきりとわかっている。

 

 基地を守る年季の入ったMTや武装ヘリ、戦闘車両を相手に、アーキバス製のACが率いるMT部隊と露払いに雇われた低ランク独立傭兵のMTとACが、ほとんど一方的な勢いで襲い掛かっていた。

 軍事作戦に使用する物資ばかりでなく、非戦闘員の為の食料や燃料なども貯蓄されている為、解放戦線側は必死の構えだが装備の質と数の差を前にして、彼らの熱意は空回りしている。

 

「虫食いの土人どもがよ、俺の飯のタネになりやがれ!」

 

「どうせ、畑から採れるような連中だ。潰せば潰すほど、報酬が加算されるんでな。虫けらは皆殺しよ~!」

 

 常に金欠気味の独立傭兵達が時折被弾しながらも、解放戦線に命知らずの突撃を繰り返す様子に、アーキバス側は目論見通りだと高みの見物を決め込んでいる。

 多少のコームと引き換えに自前の戦力を温存しつつ、目障りな敵対勢力を削る、というのはアーキバスの常套手段だ。今日も目論見通りに──とはいかなかった。

 広域レーダーの範囲外から一気に接近してくる熱源反応があった。

 

「独立傭兵各位、作戦地域に急速に接近する反応があった。迎撃を」

 

「追加報酬は出るんだろうなぁ?」

 

「独立傭兵だからってなめるなよ! ただ働きは……」

 

 その傭兵は最後まで喋ることはできなかった。遠方から発射されたレーザーが正確無比の狙いで、彼の機体の頭部に命中し、運悪くカメラアイを貫通して無力化させたからだ。

 音速越えの速度を維持したまま、レティクルが固定されるよりも速くトリガーを引いたパイロットは、たったいま挙げた戦果を淡々と口にする。

 

「一つ」

 

 更に距離を縮めた彼は次々とレーザーを発射し、その度にアーキバスのMTとACが撃墜されてゆく。

 

「……六つ、七つ、八つ!」

 

 補給基地に接近して暴れていた機体から優先して撃破され、見る間に数を減らしてゆく光景に、アーキバス側は目に見えて怯んでいた。

 

「馬鹿な、信じられん!! 一分と経たずに十二機が撃墜だと!?」

 

 アーキバス側の指揮官を務めるACパイロットは、戦域に到着した機体を確認して、顔を引きつらせる。

 角ばった白い手足、胸部は青、腹部は赤、頭部にはV字のブレードアンテナを備え、人間の目を思わせるツインアイが特徴的なデザインだ。

 右手にレーザーライフル、左手には珍しい実体シールド、背中のバックパックにレーザーサーベルのグリップが二本セットされ、腰裏のウェポンハンガーにはハイパーバズーカを携えている。

 そして左肩に描かれたAとユニコーンを組み合わせた、赤いエンブレム!

 

「が、ガンダムだと!!」

 

 惑星ジオンの起こした一年戦争において、伝説を築き上げた惑星封鎖機構のHC『ガンダム』。ACとは異なる当時のHC最新鋭機体であり、パイロット共々、揺るがぬ伝説を宇宙に轟かせている。

 アーキバス指揮官の動揺は部下達にも伝わった。今となっては、ガンダム伝説は民間人にまで伝わっているほどだ。ましてや戦争に関わって生きている者なら、その眉唾物の逸話をより詳しく知っている。

 彼らが手足をすくませている間に、ガンダムはレーザーライフルとハイパーバズーカを両手に暴れ回り、見る間にアーキバス側の戦力をゼロに近づける。

 

「ガンダムとはいえ、十四年も前の機体で!」

 

 ひゅっと息を呑み込んだアーキバス指揮官はVP系のパーツで固めた愛機で、ガンダムに襲い掛かる。両手のレーザーハンドガンの照準内にガンダムを捉え、白いレーザーが光の速さでガンダムへ襲い掛かる。

 だがあらかじめ撃たれるタイミングと射線が分かっていたかのように、撃たれる前に回避していたガンダムにはかすりもせず、逆にまるでガイドビーコンで導かれたように正確にレーザーライフルの銃口が指揮官のACへ向けられる。

 

「ひっ」

 

 アーキバスの指揮官が濃密な死の予感に肌を粟立たせた直後、彼の機体の腹部を高出力のレーザーが連続して直撃した。

 指揮官があっという間に返り討ちになった光景に、絶望的な戦力差を悟ったアーキバス側は、まず真っ先に独立傭兵が戦域から逃げ出し、代わりに指揮を執ったMTパイロットはそれを咎める暇もなく撤退の指示を出す他なかった。

 

 ガンダムの戦場到着から三分で、アーキバスの投入した戦力は五分の一にまで減らされていたのだから。

 ガンダムは逃げる敵を無理に追うことはせず、漁夫の利を狙う第三勢力などの介入を警戒している様子だ。アーキバスの完全な撤退を確認した解放戦線から、ガンダムへと通信が入る。

 

『救援すまない。感謝する。まさかこれほど迅速に助けが来るとは。お陰で基地は少し破壊されたが、人員の被害は抑えられた』

 

「それなら急いできた甲斐もあった。すまないが、この後も任務が立て込んでいる。このまま失礼する」

 

 手短に告げて、ガンダムはこちらに向けて手を振るMTや解放戦線のメンバーに手を振り返してから、颯爽とその場を立ち去った。

 戦域から離れたガンダムは巡航モードへと切り替えて、ルビコンの地上に建設された惑星封鎖機構の秘匿基地の一つへと向かう。

 

 惑星封鎖機構の主な地上拠点は、コーラルの観測地点であるウォッチポイントやアイビスの火の後も残ったメガストラクチャー、あるいは頑健なシェルターに守られていた地下施設などだ。

 ガンダムが帰還したのも、無事だった地下施設を接収して建設された小さな秘匿基地の一つである。

 

 ガレージに機体を収容し、使用した武装を取り外したガンダムから、パイロットがキャットウォークへと降り立つ。

 帰還の連絡を受けてから待機していた整備員の一人が、パイロットを迎える。気安い様子はアムロとの付き合いの長さを思わせた。

 

「無事の御帰還、なによりです。アムロ執行上尉。解放戦線の方はどうでした?」

 

 整備員にアムロと呼ばれた二十代後半の茶色い髪に黒い瞳の青年は、ヘルメットを小脇に抱えながら答えた。

 

「設備は少しやられたが、幸い人員の被害は出ずに済んだ。襲ってきた企業と傭兵達の練度が低かったお陰もある」

 

 惑星封鎖機構第13独立部隊ロンド・ベル、機動兵器部隊隊長アムロ・レイ執行上尉。

 十四年前にバンダイ星系で勃発した一年戦争において、民間人ながらガンダムに搭乗し、圧倒的な戦果をもって政府の勝利に貢献した伝説のエースその人である。

 一年戦争終戦後も政府に軍人として残り、MTからHC、特務機体まで様々な機動兵器の開発と設計、テストパイロットとして携わり、またジオン残党やテロリスト、外宇宙勢力との戦いで戦果をあげ、積み重ねた撃墜スコアは五桁に達する。

 独立傭兵レイヴンのリークにより、騒がしさを増したルビコンの封鎖・隔離、そして秩序再構築の為に、ロンド・ベル本隊から最高戦力であるアムロが先行員として派遣されていた。

 

「上尉の腕前あればこそですよ。他のパイロットじゃこうはいきません。ところで、ガンダムの方はどうです。近代化改修こそしてありますが、設計自体は十四年も前の機体です。上尉にとっては馴染みの機体ですし、不安はありませんが」

 

「ん。そうだな。元々、コストを度外視したHCだ。アーキバスのVPやベイラムのメランダー相手でも、遅れは取らないさ。それに、他の機体は次の輸送便で来る予定だろう?」

 

「ええ。上尉が設計に関わった例の機体は最後発になりますが。それと封鎖機構独自のACも開発するようで、上尉にお鉢が回ってくるはずです」

 

「ACを? なにか俺にやらせたいことがあるのか。分かった、ありがとう、アストナージ。ガンダムの整備、よろしく頼む。後で差し入れを持っていくよ」

 

「これが俺の任務ですから。それと、差し入れ、楽しみにしてますよ」

 

 パイロットスーツから軍服に着替えたアムロは、ガレージを離れて宛がわれた部屋に戻り、備え付けの端末を立ち上げる。端末の画面に惑星封鎖機構のロゴが浮かび上がり、すぐに統括システム『ハロ9000』からのメッセージが届いた。

 

「仕事が早いな。ハロ9000、アムロ・レイ執行上尉だ。次の任務の話か?」

 

『任務お疲れ様です。アムロ執行上尉。今後もルビコニアン解放戦線との関係維持並びにルビコンからの退去活動継続の為、活動をお願いします』

 

「ああ、それは構わないさ。ブライト達、ロンド・ベル本隊が到着するまで、俺一人ではたかが知れているが、最善は尽くす。アストナージから聞いたが、ACを開発するのか?」

 

 ロンド・ベル本隊を指揮するブライト・ノア執行上佐は、強襲揚陸艦ホワイトベースの艦長として一年戦争を戦い抜き、今となっては歴戦の名指揮官としてアムロ同様知られた人物だ。

 惑星封鎖機構の保有する独立部隊の中でも、ロンド・ベルは最強と名高いが、その理由はアムロという突出したイレギュラーばかりが原因ではない。

 

『その通りです。厳密にはすでに組み立てを終えています。これは惑星ルビコン3での活動において、現地での企業の活動に対する調査とルビコン解放戦線への多面的な支援の為に、貴官に独立傭兵として活動してもらう為の機体です』

 

「俺にアムロ以外のもう一人を演じろというわけか。独立傭兵がガンダムに乗っていては、正体を暴露しているようなものだからな」

 

『はい。貴官はペーパーカンパニーである星外企業ソレスタルビーイングと関係の深い傭兵として、執行任務と並列して活動してもらいます。これが傭兵としての貴官の身分です』

 

 新たに端末の画面に表示された情報を見て、アムロは淡々と呟く。これまで多くの任務に参加してきたが、身分を詐称するのは初めてのことだ。

 

「登録番号Rx78、リボンズ・アルマーク。すでに登録は済ませてあるのか」

 

『そしてこちらがリボンズ・アルマークとして活動する貴方の為に、ソレスタルビーイング名義で開発したACです』

 

 そうしてどこか自慢げにハロ9000の表示した、用意されたACのデータを見たアムロの顔は、少しばかり困惑したものとなった。それがあまりにガンダムを連想させるものであったからだ。

 

「これは……誤魔化せるものかな?」

 

 

 アムロはガンダムに乗って企業勢力排除に尽力する傍ら、リボンズ・アルマークとしての活動も始めていた。伝説のガンダムの影響力は強く、アムロとガンダムがルビコンにやってきたことで、ベイラムとアーキバスは慎重さを増している。

 その日、彼が引き受けたのはルビコン解放戦線からの依頼で、汚染都市に設置した移設型砲台の防衛だった。近くベイラムないしはベイラムの雇った独立傭兵の襲撃が予想される為、その備えとして求められたわけだ。

 

 この世界においてルビコン解放戦線は、アイビスの火の再発防止を目的とする惑星封鎖機構と協力関係にある。

 業突く張りの企業がやってくるまでは、再び増殖を開始したコーラルの発見や監視を共同で行い、またコーラル依存からの脱却とルビコンの復興も模索していた間柄だからだ。

 

 用意されたACを駆るアムロは汚染都市に到着後、駐留している解放戦線のメンバーと打ち合わせを行い、防衛を担当する区画の割り振りやローテーションを確認した。

 独立傭兵らしからぬ綿密さには驚かれたが、見たこともないACに寄せられる期待は大きく、正体を隠したアムロは寄せられる期待の重みを確かに感じた。

 

『独立傭兵リボンズ、哨戒のヘリが接近するACを確認した。単機での接近だ。おそらくは独立傭兵となる。どれだけの腕前かは分からないが、気を付けて当たってくれ』

 

「了解した。陽動の可能性もある。君達は持ち場を離れるな。リボンズ・アルマーク、エクシア、出撃する」

 

 架空の星外企業ソレスタルビーイングが、伝説の機体ガンダムを参考に独自開発したACという触れ込みで持ち込まれたのが、このエクシアだ。

 ガンダムと比べて丸みを帯びて柔らかな曲線を描く四肢、右手には珍しい実体剣とレーザーライフルの複合武器、左手には小型シールド、両腕部外側にレーザーバルカンを備え、腰の左右に大小の実体剣、両肩の後ろ側にレーザーサーベル×2、腰裏の装甲にレーザーダガー×2とACにあるまじき近接武装偏重ぶりである。

 

 このエクシア以外にも狙撃型デュナメス、可変高機動型キュリオス、砲撃機ヴァーチェの四機が今後の機体開発の参考もかねて、アムロの為に用意されている。

 ACである為、頭部、コア、腕、足の他、内装パーツと武装も交換可能ではあるが、当面は慣らしもかねて純正パーツのアセンブリで依頼を進める予定だ。

 

 解放戦線からの連絡に従い、接近する独立傭兵を目指してアサルトブーストを用いて急行したアムロは、崖の上を飛行中の敵機を発見する。

 

「アレか。なんだ、意識が薄い?」

 

 エクシアが捕捉したのは不法技術者集団RaD製のパーツを多く使用した、一機のACだった。アムロは相手のACから感じ取れる人間的意識の希薄さに、過去に遭遇した不幸な事例を想起して、かすかに眉根を寄せる。

 

「まさか旧世代の強化人間か?」

 

 一方、依頼によって汚染都市に設置された移設型砲台を破壊するべく赴いたACも、事前情報になかった正体不明のACに気付いていた。

 独立傭兵レイヴン──のライセンスを運悪く入手してしまった、第四世代強化人間C4-621は現在の飼い主であるハンドラー・ウォルターからの通信に耳を傾けながら、接近中の敵機に神経のほぼすべてを割く。

 

『621、予定にない敵だ。AC相手となれば油断は出来ん。今回の依頼は不特定多数へのばらまき。危険だと判断したら、戦闘を切り上げて撤退しろ。この程度の依頼でお前を失うわけにはいかない』

 

 実績作りの為の簡単な依頼だったはずだ。それを失敗してしまっては、今後の実績作りに響くかもしれない。対外的には、あんな簡単な依頼も果たせない、そういう印象を持たれるだろう。

 記憶も、名前も、戸籍も、人権もない人間を買い取って手駒として使い潰すわりには、やけに優しいウォルターからの命令を確かに聞き届けながら、621は機体の右手に握らせたアサルトライフルを迫りくるエクシアへと向ける。

 

 脳を焼かれて身体機能ばかりか人間的情緒もほとんど喪失した621の攻撃には、殺意というものが極めて希薄だ。熟練のパイロットや卓越した勘の良さを持つアムロなどは、機体の装甲越しにも相手の殺気を感じ取る。

 そのアドバンテージが621相手には、上手く機能しない。だが、単なる勘の良さだけでアムロは伝説的エースにのし上がったわけではない。

 

 フルオートで発射される弾丸を回避したその先に、621の機体ローダー4が発射した四連ミサイルが群がり、それをエクシア左腕部のレーザーバルカンがあっさりと撃ち落す。回避と迎撃を同時に行うことによるわずかな動きの遅れを、621の嗅覚は逃さなかった。

 即座にアサルトブーストで超加速し、左腕部のパルスブレードを起動して斬りかかる。アサルトライフルとミサイルを囮に使った奇襲に、エクシアは人外じみた反応速度で応じた。

 アサルトブーストによって音速に近い速度で斬りかかってきたローダー4のパルスブレードを、折りたたまれていた状態から展開された実体剣が受け止める。

 

「反応が良い。機体の性能はそれほどでもないだろうに」

 

 企業の最新鋭ACを最低限の目標として開発されたエクシアのパワーは、探査用と作業用のパーツ、ジェネレーターで構成されるローダー4をあっさりと押し返し、体勢を崩したそこにエクシアの蹴りが叩き込まれて、数百メートル吹き飛ばす。

 細かくブースターを吹かして、地面との激突を避けた621は機体の性能差もさることながら、敵パイロットの技量がブランク明けの自分には荷が重い相手だと実感していた。

 アーキバスからの依頼で、グリッド135に展開する大豊核心工業集団のMT部隊を壊滅させた依頼と比べて、段違いの依頼に621は先ほどのウォルターの言葉を思い返さざるを得なかった。




あくまでAC世界の技術で開発されたガンダムなので、モビルスーツではない扱いです。

全国の621はほぼ初期機体で逆襲のシャア時点のアムロが駆るACエクシアを相手に、ぜひ、奮闘していただきたい。
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