TS転生軍人少女、『太陽系』をもらう   作:ひのかぜ

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2日目

 前世の記憶を持つ私にとって、()()()()に日本で過ごした昨日は、唯一無二の特別な思い出となった。

 

 お偉いさん(本矢首相たち)相手とは言え、懐かしの日本人と直接会話を交わす。

 

 高級和食屋自慢のきつねうどんと天ぷらセットを、気の済むまで味わって食べる。

 

 何もかもが前世の頃と変わらない、アニメや漫画を筆頭とした良質な娯楽を、極めて快適な和風スイートルームでのんびり味わう。

 

 これだけでも、究極のご褒美と断言しても良いくらいである。

 

「……変わらないなぁ、日本」

 

 そして、寝具が最高級なのも勿論だけど、恐らく心が幸せで満ちていたお陰だろう。

 

 今日の午前1時から7時半と、平常時にしては睡眠時間がいつもより少し短めではあったものの、目覚めた時の眠気や残った疲れが全くといって良い程になかった。

 

 加えて、日本滞在は始まったばかりであり、まだまだ楽しむ時間は沢山残っている。文化・娯楽体験、観光地巡り、挙げようと思えばいくらでも挙げられる気がしている。

 

 とは言うものの、期間を含む様々な都合上私の希望を全て叶えるなんて不可能なため、日本政府との相談の下行く場所を決める必要はあった。

 

(結構影響あるっぽいなぁ……ありがとう、日本の人たち)

 

 何せ、今現在日本にとって私は要人と同等レベルの存在であり、私の動き次第で色々と国内に影響を及ぼしかねないのだ。

 

 この点を無視すれば、47都道府県を回るのは物理的に不可能ではないものの、それでは迷惑もいいところ。人としてよろしくない事を、するつもりは決してない。

 

「失礼します……チェイスさん。快適に眠れましたか?」

「はい。お陰様で、良い夢を見る事が出来ました」

「それは良かった。他には何か、不都合な点はございましたか?」

「特にないです。むしろ、まるで我が家のようにくつろげましたので」

「そうですか。満足していただいているようで何よりです」

 

 窓から東京の街並みを眺めつつ考え事をしていると、チャイムが聞こえると共に本矢首相の女性秘書……【大林(おおばやし) 早苗(さなえ)】さんがモニターに映っていたため、すぐさまロックを解除して部屋の中に招く。

 

 色々と準備を済ませた後、起床を伝える電話を隣の部屋にしてからすぐに来たため、街並みを眺めると言うよりは、チラ見したと言った方が正しそうだけど、まあそこはさほど重要でもないから別に良いか。

 

 それよりも、今日のバイキング形式での朝食が楽しみである。

 

 昨日の夕方の高級和食屋とは違い、バイキングである以上一定程度グレードは落ちるものの、それでも美味しい事が確約された和食の数々、加えて洋食やデザートまでもが楽しめるのだ。

 

「では、チェイスさん。準備は出来ているようですが、行きますか?」

「はい!」

 

 と言う事で、大林さんや部屋の外で待っていてくれた警護員の人たちと一緒に、1階にある大食堂に会話をしながら向かう。

 

 なお、この大日本ホテルは私の滞在期間中、日本政府関係者や公安の人、警護員さんやホテルのスタッフさんたち以外、いわゆる一般の日本人は居ない。要は、実質貸し切り状態となる。

 

 しかも、彼ら彼女らは警備上の理由で私の日本滞在中、ホテルの部屋に私物を持ち込んだ上で泊まり込み、仕事をこなす手はずになっているとの事。

 

 更に、万が一に備えてここから近い病院ともホットラインを構築、万が一体調不良の人が出た場合に即座に対処が出来るよう、準備が色々となされているらしい。

 

 何と言うか、私1人のために沢山の人が動いてくれててありがたい限りだけど、そうなるとお土産にも色をつける必要がある。当初の予定で持ってきた量で、果たして足りるのだろうか。

 

 まあ、最悪足りなければルーナに頼んで一旦リーガルへ戻ってもらうなり、イラ辺りに依頼してお土産となり得る物品を立て替えで購入、宇宙船で地球までお土産を運んで来てもらう手段は取れる。

 

 もしくは3ヵ国への訪問を終えた後、次の休日にお土産を渡すためだけに再訪問する、こんな手段だって取れるだろう。むしろ、手段としてはこっちの方が良いと思うけど。

 

「おはようございます、チェイスさん。昨日はよく眠れましたでしょうか?」

「わぁ……あっ、すみません。本矢首相、おはようございます。その点でしたら、実に快適でしたよ」

「ありがとうございます。そう思っていただけているのなら、こちらとしては何よりです」

 

 エレベーターで1階に下り、会話をしながら廊下の案内板に従って大食堂に入ると、そこに広がっていた沢山の料理が並んでいる幸せな光景に呑まれてしまう。

 

 私の希望として、皆で賑やかな食卓を囲んでみたいと伝えたからか、沢山のスタッフさんが凄く楽しそうにお喋りしているのも相まって、本矢首相から話しかけられている事に、数秒間気づけなかったのはちょっとした失態である。

 

 しかし、私や大林さんたちが中に入った後もこの喧騒が収まる事はなく、視線が私の方にそこそこ向けられる以外に変化がなかったのも良い。

 

 事前のメッセージ動画で友好的だとアピールした点、日本で言うところの女子高校生くらいの年代に見え、威圧感があまりないのもあるだろう。

 

 ちなみにだけど、これにあたって大食堂に入っている人たちには、念のために金属探知機による身体チェックが行われているとの事。

 

 朝食を食べるだけで、普通よりも明らかに面倒にさせてしまうのは申し訳ないと心の中でそう言いつつも、日本滞在中はほぼ毎日これが楽しめるのかと思うと、私は嬉しいとか幸せだとか思う方が正直勝っている。

 

(あぁ……これ、どれから手をつけようかな……!)

 

 と、本矢首相との挨拶を含めた軽いやり取りを交わした後、私は用意されていた大きめのお皿を手に取り、大林さんたちと一緒に回り始めた。

本小説の舞台に関して、少し迷いがあります。どちらが適切だと思いますか?

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