TS転生軍人少女、『太陽系』をもらう 作:ひのかぜ
フレンドリー・S・マートでの昼食は、初日の高級和食や今朝のバイキング形式での朝食とは、また違った楽しさを味わえたと言えよう。
美味しい食事は言わずもがな、一般日本人である男性店長の西山さん、バイトの東屋さんに南原さんとも会話が出来たのが、その最たる点だ。
勿論、大林さんたちとの食事や会話が楽しくなかった訳ではない。
ただ、日本政府のお偉いさんとの相対するのはどうしても、私個人的には気を遣う必要が出てくるからである。
なお、私の国的に言ってしまうとたかが原始的文明の生命体がどうたらこうたらとなり、失礼な言動や行動を取った程度なら大した問題になり得ない。
「ふぅ……こうやって自然豊かな公園で、何もせずぼーっとしながら風を感じるのも、良いものですね」
「えっと、その……やはり、私共が想像出来ない程にお仕事、お辛いのでしょうか?」
「まあ、もう慣れました。ですが、少なくとも楽しくはないですね。向こうじゃあまり言えませんけど、出来ることならすぐにでも辞めて、のんびり日常生活を送りたいなぁ」
「……」
「でも、だからこそこうして地球の人……素晴らしい日本の方々や美味しい食べ物、娯楽に出会えました。ありがとう」
「……どういたしまして」
ちなみに、コンビニでの昼食を楽しんだ後は、少しばかりのドライブで街中の景色を楽しみ、午後4時半頃に自然豊かな【桜の風自然公園】でブルーシートを敷いてもらい、寝転がりながらのんびり風を感じている。
敷地の広さが凄まじく、周囲の視界も良好である事から緩衝地帯を設けた上で、おおよそ半分のエリアでは日本の一般人が思うがままに遊んでいる。
最初は全部貸し切りにしようとしていたらしいけど、そんな事はしなくて良いと言った結果、妥協案としてこうなった。
気苦労をかけてしまうのは承知の上、お土産の増量とここで私に何かあった時の責任は絶対に問わないことを、大林さんたちには確約している。
ただし、ドローン数台による上空からの監視は行われ、危険人物や不審者が出現した際はすぐに立ち去る流れを了承して欲しいとは言われていた。
まあ、いくら私が大丈夫と言っても不安なものは不安だろうし、当然の流れではあるだろう。言わずもがな、了承している。
「ところで……チェイスさんは、動物はお好きですか?」
「動物ですか? 地球で言うところの猫とか鳥が1番ですが、基本的に好きですね。動物園巡りとかもしたりするんですけど、地球のそれには数多もの面で到底及ばないですので……勿論、そこで暮らす動物たちは凄く可愛いので、満足自体はしてます」
「なるほど……なら、話は早い。定休日なので、本日すぐとなると厳しいですが、滞在中もし良ければ猫カフェに行ってみませんか? 建物自体は古いのですけど、私行きつけのお店があるんですよ」
すると、私が動物は好きな方と答えたからか、隣に座っていた大林さんから話の流れで、明日以降猫カフェで猫ちゃんとのふれあいをやってみないかと提案を受ける。
(……猫カフェかぁ)
リーガル大帝国にも地球の猫ちゃんと遜色ない『ネコ』は居るし、可愛さも同じと言っても良い。
しかし、前世の思い出補正が強くかかっているからか、頭の中で地球の猫ちゃんたちと戯れながら、のんびりカフェで一時を過ごす光景を想像したら、思わず表情が綻ぶ。
と言うか、大林さんは行きつけの猫カフェを持つくらいに、猫ちゃんが好きで仕方なかったらしい。私にこの話をする時の表情が、本当に楽しそうなのを見れば誰でも分かりそうだ。
きっと、仕事柄滅多に行く事は出来ないだろうし、家で飼う事も難しいだろうから、ここで私が行くと言えば内心飛び上がるくらいには、喜んでくれそうである。
そして、私としても大林さんから話を聞いていて、気遣いとか抜きに猫ちゃんとの戯れをしたくなってきているから、この提案はお互いにとって得でしかない。
「では、その辺の予定立て、お願い出来ますか? 私としても、猫ちゃんとのふれあいは楽しみですので」
「分かりました。可能な限り早めに予定を立てますので、お待ち下さいね」
「ありがとうございます! ところで大林さん、そのカフェのおすすめメニューとか聞いても? 猫ちゃんを見ながら本を読んだりするだけでも十分ですけど、食べ物があるならやっぱり味わいたくなりますし」
「勿論です。えっと……」
と言う事で、行きつけだという猫カフェへ行きたい旨を大林さんに伝えたところ、流石に大手を振って態度に表す事はなかったものの、案の定その表情はかなり嬉しそうに見える。
それに、そのカフェで売られているコーヒーやらお菓子などの食べ物だって、猫とのふれあいと同等には楽しみだ。
(私、日本に来てから何か食べることばかり考えてるなぁ……)
いや、正直猫カフェの食べ物の方が、メイン要素の猫ちゃんよりも楽しみに思えているのかもしれない。
実際に昨日の夕方、前世を含めれば久しぶりに日本の美味しい食べ物を味わって以降、思考の半分くらいを食べ物やその関連ワードに支配されているのだ。決してあり得ない話ではないだろう。
下手すれば、せっかくの日本滞在期間の大半を食べ歩きで消費してしまい、他の娯楽を含めた要素を味わえずに終わってしまいそうである。
何なら、次のアメリカやイギリスの滞在でも食べ物飲み物関連で期間の大半を消費、終わってみれば単に星を跨いだ食事旅でしたとなりかねない。
でもまあ、それはそれで悪くないのかもしれないけど。
「チェイスさん。向こうの売店でアップルパイを買ってきたんですけど、もしよろしければ食べます?」
なお、昨日の今日で沢山食べて楽しんでいたためか、公園に来てから警護の人たちに彼ら自身が買ってきた食べ物を、ちょくちょく譲られるようになってしまった。
彼らの中で私は、食べ物をあげれば喜んでくれる少女と言う扱いらしいけど、反論の余地なく正しいことであるので何も言えないし、正直得しかないのでこれからも言うつもりもない。
「えっ、良いんですか!? 美味しそうな香り……ありがとうございます!」
勿論、今譲られた食欲をそそる甘い香りのアップルパイは、ありがたく味わう事に決めている。
本小説の舞台に関して、少し迷いがあります。どちらが適切だと思いますか?
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