TS転生軍人少女、『太陽系』をもらう 作:ひのかぜ
各種SNSに投稿した自分の文章や動画、写真や絵などを沢山の人々に見てもらうのは、投稿のタイミングや内容や運にもよるけど、相応に難しい。
言わずもがな、自分のSNSアカウントを多くの人たちにフォローしてもらった上で、継続的に応援したいと思わせるには、殆んどの場合はかなりの努力が必要だろう。
勿論、努力をしたから絶対にフォロワーが増えるなんて事はないけれど、しない事には殆んど増えてくれない。
私も一応、前世では様々なSNSをやってはいたものの、フォロワーの数は数十人程度ともはやお察しである。需要だの何だの考えずにただ楽しむためだけにやっていたのだから、当たり前と言えばそうだ。
なお、今世の祖国にも宇宙規模のSNSはあるし、イラに誘われてアカウントを作って運営はしているけど、良くも悪くも有名だからかまあそれなりに見てくれている人は居る。
ただし、積極的に楽しんでいる訳でもないから、もしイラが飽きてやらなくなったりすれば、私もその内自然消滅するとは思う。
「さてと、どうなってるかな?」
ただし、今世の地球のSNSに関しては例外で、自分も楽しんでアカウントを運営しつつも、ある程度のフォロワーを獲得しておきたい。
恐らく抱かれているであろう宇宙人に対する警戒や恐怖心を、滞在予定の3ヵ国の人々を含めた地球人から、少しでも取り除きたい目的があるからだ。
ある程度は誹謗中傷とかも覚悟しているにしたって、やっぱりない方が嬉しい。そもそも、正当な批判や批評はともかくとして、誹謗中傷を嬉しいなんて思う人が居るのだろうか。
勿論、世界中にそう言う人が全く居ない根拠を示す事は出来ないけど、私は居ないと考えている。
(わぉ……)
そんな事を考えつつ、8時半に起きて身だしなみを整えた後に、バノンで世界トップのユーザー数を誇る【
一応動画のURLを載せるだけではなく、本物だと信用されやすくするため、軽めの挨拶や私にしか撮れない方法での自撮り、モドの艦内の写真の投稿を行いはしたけれども、まさかここまでとは思いもしない。
(宇宙人効果って凄いんだなぁ……あっ、また増えてる)
加えて、アメリカの大手株式会社が手掛ける、これまた世界規模の動画サイト【
無論、こっちの方も昨日のお昼の動画のみならず、簡単な自己紹介と魔法のお披露目を行った動画も投稿してはいるけれど、それでもたった3本でこれは予想外。
ちなみに、日本滞在中であるためこれらの投稿は全て日本語で行っている。日本人が読んでコメントを残せるようでなければ、意味がないのだ。
勿論、アメリカやイギリスの滞在中は英語で投稿するつもりでいる。2ヵ国の人々が私のコメントを読んで、コメントを残してくれるためには必須だと言えよう。
(おー……うわ、コメント凄っ。通知は切っといて良かった)
インターネット越しだけども、お偉いさんじゃなくて一般の人たちの生の反応も見れて、私は大満足だ。勿論、お偉いさんや有名人からの反応も嬉しいけど。
なお、想定に反して誹謗中傷と取れる類いのコメントはかなり少なく、パッと見だけど割合にして1%にも大きく満たない。
私の見た目が比較的親しみを持ちやすいからか、少しでも不快に思われれば大変だと官民一体で自重しているからか、そもそもの民度が高いからか……いや、どれか1つではなく、全部だろう。
それはそうと、このコメント欄の和気あいあいとした雰囲気が大きく乱れると嫌なので、日本基準であまりにも過激すぎたり、私以外の他人を酷く傷つけかねない中傷コメントに関しては、対処させてもらうけども。
「失礼します。チェイスさん、何だか嬉しそうですね」
「おはようございます、大林さん。えっと、SNSの反響が予想以上でして。日本の人たちが、沢山コメントを残してくれているのが嬉しいんですよ」
「確かに、凄い勢いでフォロワーの方が増えていますものね。その、水を差すようで申し訳ないんですけど……色々と、大丈夫でしょうか?」
「えっ? 大丈夫って……あー、そう言う事ですか。ふふっ、分かっててやった事なので大丈夫ですよ。あの程度なら、可愛いものです」
「ほっ……しかし、あれで可愛いとは……」
「職業柄ですかね。今まで、腐る程誹謗中傷されてきましたので。何なら、交流を断念しかねない程に凄かった星だってありましたから」
「なるほど。心優しい貴女の事ですし、さぞかし無念でしたでしょう」
「はい。もう少し、私にやりようがあったのではないかと自問自答する日々でした」
バノンの画面を眺めながらどれに返信しようか考えていた時、いつものように扉のノック音がした後に大林さんが中に入ってきたので、中断して会話に意識を向ける。
(いい人だなぁ。心が浄化されていくようだよ)
当たり前だけど、大林さんも私が地球のSNSをやり始めた事を知っている。本矢首相へは、彼女を経由して伝えたのだから当然だ。
それにしても、二言目には私の心配をしてくれるなんて、大林さんはなんて優しい人なのだろうか。
まあ、背後にあるリーガル大帝国を恐れているのも勿論あるだろうけど、私が酷く傷ついていないか心配してくれている方が割合的に大きいと、その立ち振る舞いから良く分かった。
日本に思い入れがあると言う要素を抜きにしても、この人とは故郷に帰った後も個人的に交流を持ちたいと、強く思う。
「そう言えば、大林さんって何かSNSってやってるんですか?」
「ワールドナインなら。投稿しているのは、猫ちゃんの写真とかちょっとした動画ばかりですけど」
「あっ、これですか? 猫好きの大林って名前のアカウント」
「はい。仕事柄、気を使う必要がありますので、高頻度で投稿は出来ないですが」
「へぇ……やっぱり、猫ちゃん飼いたいですか?」
「飼いたいですね。でも、何かあった時にすぐに駆けつける事が出来ないので、飼えないのが残念です。仕事を辞める訳にもいきませんから」
ちなみに、大林さんもワールドナインをやっているらしく、試しに覗いてみたら猫好きなだけあってか、結構な数の猫ちゃんに関わる投稿がされていた。見ているだけで、ほのぼのとしてくる。
フォロワー数も結構多く、更に内容が内容なだけあってかコメント欄も実に平和的であり、私が覗いた限りでは誹謗中傷や荒らしの類いは皆無。
猫ちゃん以外の投稿は一切せず、文章を打ち込む際にも細心の注意を払い、現実の立ち振る舞いにもかなり神経を使っている成果なのだろう。
何せ、大林さんは日本と言う国の舵取りを担う本矢首相の側近。うっかりでも何かをやらかしてしまえば、自分のみならず本矢首相の失態になりかねないのだ。
(プレッシャー、凄いだろうなぁ……)
恐らく、祖国の人たちは地球人に何と思われようと、私が傍若無人な振る舞いを地球にしたとしても、気にも留めない。
加えて、私が地球に来たのも単なる休暇中の旅行だ。別に国家として関係を持つための調査とかではない。
それでも、祖国の品位を落とすような真似は、私はしない。そもそも、地球の人たちに迷惑をかけて印象を悪くしたくないから、してはいけないと言った方が正しいか。
(気を付けなきゃ)
そんな大林さんを見て、心の中で地球での立ち振る舞いにより一層気を使おうと、インターネット上でも同じようにしなければと、改めて心の中で誓った。
唐突な最新話の削除、申し訳ありませんでした。
本小説の舞台に関して、少し迷いがあります。どちらが適切だと思いますか?
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