TS転生軍人少女、『太陽系』をもらう 作:ひのかぜ
親友であるイラの日本滞在初日、今後の地球滞在の予定にも影響しかねない出だしである昨日は、私的には大成功だったと言えよう。
コンビニでの食事にホテルの部屋でのアニメ鑑賞、和風の大浴場での入浴に高級和食屋での夕食など、その全てで満面の笑みを浮かべてくれたからだ。
いくら、娯楽の面ではリーガル大帝国を遥かに凌駕していると言えど、何をしようと必ず楽しくなるなんて事は現実的ではない。
加えて、日本政府の人たちには私経由でイラの好みなどを伝えて、それを元に色々と計画を立ててもらっている。
そんな中、何かの間違いでおもてなしが失敗してしまおうものなら、イラ自身が嫌な気持ちになるのは勿論、本矢首相を含む日本政府の人たちに酷い心労をプレゼントしてしまうし、私も私で気まずくなってしまう。
だからこそ、まだ今日でイラの日本滞在は2日目ではあるものの、今のところはこの方針で問題ないと改めて示され、私はほっとひと安心したのである。
『チェイス、今出れそうか? 昨日のアニメの件で話がある』
「はい、勿論です。女帝陛下」
「えっ!? あっ、私も改まった方がよろしいでしょうか……?」
『いいや、イラはそのままで良い。チェイスも今は休暇中、本を読みながらでも構わぬぞ』
「お気遣い感謝致します。ですが今、ちょうど読み終えたところなので大丈夫です」
『そうか。まあ、そなたが良いなら良いか。強要する事でもない』
ちなみに今、イラは部屋のテレビで用意されたゲーム機で某人型ロボットアニメのゲームを、私は本棚から適当に漫画を開いて読んでいたのだけど、女帝陛下から亜空通信が入ってきたので即中断して出る。
昨日見ていたアニメ、大魔法少女マーナ&ペールに関してリーガル大帝国的にはどうなのかと、私が昨日の夜中に特別通信回線で問い合わせてみていた。
それで今、その結果を含めて色々と難しい判断でも下されたのか、少なくとも会話をする必要性が出てきたのだろう。
(一体、どんな事を言われるんだろうか……?)
簡単に判断出来る案件であれば、例えば「構わない」とか「すまないが、それは許容出来ぬ」みたいな感じで、メール機能ですぐに事を済ませてくる。
こうして、わざわざ特別通信回線を通して連絡をしてくるという事は、まずこの案件がそう易々と判断を下せるものではないという事の表れ。
もしかしたら、魔導技術省を含めたリーガル大帝国の各省庁をも巻き込むレベルの、大きな話に発展していく可能性すらあるのだ。休暇中かつ女帝陛下が気遣ってくれているとはいえ、緊張せざるを得ない。
『でだ、先に結論から言っておこう。そなたの送ってきたあのアニメ、
「なるほど。やはり、魔導技術の面でしょうか」
『そうだ。ただ、この件を鑑みて、日本もとい地球にはこの手の高次元な娯楽、その他の娯楽も多数存在している事を想定、今月の大帝国会議にて議題に上げると決めたが……恐らくは、
「おぉ……そうなると、色々と慌ただしくなりますね」
『間違いない。何せ、今までこのような例がなかったのだ』
しかし、女帝陛下よりされた話は私の想像を超える規模、大帝国会議の議題になるというところまで行った上に、地球の区分が変わる事までもが確実視されているという。何と言うか、ただただ驚きでしかなかった。
2ヵ月に1回、本星の政府庁舎にて今後の方針などを含め、色々な事柄を決めるために行われる大帝国会議。なるための試験がえげつない程に厳しいため、本星の政府の役人でさえあれば下っ端であっても、女帝陛下や他の役人に意見を遠慮なく申し立てる事が可能。
特に差し迫った事のない時は1日で終わるけど、戦争など何かしらの重要な事態が発生したり、前例のない議題であった場合は数日間泊まり込みで行われることもある。
そして、ここで決められた事柄には絶対的な強制力があり、余程の緊急時でもない限りは何人たりとも逆らう事が出来ない。強権行使が可能である女帝陛下ですらそう易々と無視はしないとも聞けば、どれだけ凄いのかが良く分かるはずだ。
『ああ、そうだ。このアニメの制作会社……確か、【株式会社 日本北宝アニメ】だったか。大元の原作者も含めた関係者を、本星へ招けないか?』
「本星に、ですか?」
『うむ。魔導技術省としても、貴殿らの
「なるほど」
『とまあ、ここまで言っておいて何だが……これは、将来可能であればだろう。魔導技術の関わるもののみならず、超科学の面でも多数のアニメを輩出しているらしい、ある意味超越した頭脳を持つ技術者たる彼ら彼女らに萎縮されては、わらわも困る』
「それはまあ、確かにその通りですね」
そして更に、女帝陛下は大魔法少女マーナ&ペールを見た影響で、これを作ったアニメ制作会社の他のアニメまでにも興味を持つのみならず、関係者を本星に招待したいとまで言い出した。
というか、本当にリーガル大帝国の魔導の最高峰たる、魔導技術省までもが興味深々とは、とんでもない事になったものである。
この話を、本矢首相や日本北宝アニメの社長さんに持っていったら、まず間違いなく盛大な胃痛をプレゼントする事になってしまうだろう。
しかし、女帝陛下からこの話が出て来てしまった以上、両方の人たちに持っていかないという選択肢は少々選びづらい。
ただ、将来可能ならとは言ってくれているので、現時点ではこの話を持っていかなかったとしても、まあ問題はなさそうだ。
『だから、この会社のアニメに関わるようなグッズなどを出来る限り仕入れて、送ってきて欲しい。休暇中ですまぬが、頼めるか?』
「分かりました。方々に話をつけておきます」
『感謝するぞ、チェイス。ただし、こちらも出来る限り無理はさせなくてよい』
「無論、心得ております」
なので、その分この会社が作るアニメのブルーレイディスクとか再生機材、その他各種グッズとかを本矢首相を経由して多く仕入れ、本星に送るくらいの事はしよう。女帝陛下にも、そうお願いされたのだから。
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