TS転生軍人少女、『太陽系』をもらう   作:ひのかぜ

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日米英3ヵ国会議【その1】

 地球に存在する196もの国家群の中でも、世界(地球)に与える影響力が大きな先進国に分類される、日本とアメリカ、加えてイギリス。

 

 過去には色々とありながらも、今現在は官民問わず比較的仲良くしているこの3ヵ国のトップは今、特別に強化された回線を使用したリモート会議を行っていた。

 

 3ヵ国の政府機関に対して同時に届いた、リーガル大帝国出身と名乗る異星人からの来訪を伝えるメッセージ、これについての()()を話し合う目的で、アメリカの大統領【ジョージ・ベルマーレ】の呼びかけにより開かれている。

 

 アメリカは真夜中、日本は【本矢(もとや) 勇人(ゆうと)】首相がとある案件による記者会見を行う寸前、イギリスの【アリス・エーテリア】首相は閣僚会合が終了した直後(公務と公務の隙間時間)ではあったが、事が事なために3ヵ国のトップは全員、以降に入っていた予定を全てキャンセルしていた。

 

 一時は何者かの映像編集技術を利用した悪戯の線も想定され、逆探知なども含め色々と調査を行ってはいたが、出てくる結果がことごとく悪戯を否定するものばかり。

 

「届いたメッセージ動画を見る限りでは友好的には見えますが、どうなんでしょうか。これは」

『少なくとも、警戒はしておくべきだろう。無論、相手に察されずにとの条件は付くだろうが』

『そうですわね。しかし、ジョージ大統領。かの国は科学力もさることながら、空想的な事象であるはずの【魔法】が存在する超技術国家……それこそ、日本国で言うところの妖怪【(さとり)】のような能力ないし技術を、内に秘めている可能性もあります』

『確かにな。アリス首相の想定も、あながち的外れでもなさそうか』

「言われてみれば、その通りですよね。仮にそうだとしてもどうしようもないので、ないか使わない事を願いますけども」

 

 加えて、3ヵ国どころか地球の人類史上初めて宇宙人と遭遇し、それに加えて実際に来訪が行われる事になったため、リモート会議場に漂う緊張感はいつもより一段と強い。

 

 特に、最初の訪問先として挙げられていた日本の本矢首相は、3人の中で最もかかる心労が強く、顔色もあまり良くなかった。

 

 昨日の今日で来る訳ではないためまだマシな方ではあったが、それでも3週間しかなく、その間に各所との調整を完璧に済まさなければいけないのだ。致し方ないだろう。

 

 勿論、日本の後となるアメリカやイギリスも楽観視はしていない。来訪までの期間は長く、日本での異星人の様子を見ながら調整が出来るアドバンテージがあるにせよ、文化の違いなどから自国内で何が起きるか分からないからである。

 

 後は、異星人により名前が挙げられなかった他の地球国家群、特に()()()()()()()への対応にも力を割かなければいけなくなる点も、決して小さくはなかった。

 

 最短で3週間後、日本に異星人が宇宙船に乗ってやって来る以上、世界へ存在が露呈してしまうのは避けられない。

 来訪時まで隠し通す事は出来るが、その場合は日本のみならず全世界で混乱が起きかねないのだから、事前に周知するのは尚更であろう。

 

 故に、この期間ばかりは大人しくしていてくれと願ってはいるが、そう上手くいかないのも現実だと理解出来てしまっている故に、ため息が出てしまう。

 

『しかし、色々と考えてみたら我々が最初で良かったな。余計な心配をせずに済むのだから』

『違いありませんわ。緊密に連携が取れる英米日3ヵ国であれば、何かあった時の対応も取りやすいですものね』

「確かに。でも、何もないのが1番ですよ」

『『うん、それは間違いない』』

 

 しかしながら、異星人の来訪は何も悪い事ばかりではない。メッセージ動画通りかそれ以上に友好的との前提条件はあるが、地球の技術革新がこれまで以上に大きく進む利点もあるのだ。

 

 軍事技術は勿論、地球の技術では解決が難しいか不可能な問題を、解決する事が可能となる民間技術が流入すれば、より一層の発展が見込めるのである。

 

 無論、いきなり超技術が使用された物品だけを提供されたとしても、地球人としては嬉しさもある反面、長期的に見れば困ってしまう。

 

 自分たちのみでどうにか出来るよう、リーガル大帝国側から助っ人を派遣してもらうなどして、技術者の育成に力を注ぐのは必須だと言えるのだから。

 

「今日から3ヵ月間は我々はもとより、地球人類にとって大変な期間となります。何もかもが史上初、日米英で緊密に連携して行きましょう」

『そうだな。図らずも、日本を人柱()とした形になってしまったが、アメリカとしても出来る限りの事をしよう。在日米軍にも指示を出しておく』

『同じくですわ、本矢首相。他国の相手はアメリカと我々イギリスに大半は任せて、貴方は異星人と国内に力を注ぎなさいな』

「ありがとうございます。その代わり、可能な限り異星人の情報を日本は提供致しましょう。他にも出来る限りの事はします」

 

 地球でも最高クラスの先進国である3ヵ国でさえ、異星人との交流は決して簡単な事ではない。文化も含めた何もかもが地球の常識には当てはまらない上、何かあれば鎧袖一触で蹴散らせる程の力が相手にはあった。

 

 だが、上手い事付き合えば間違いなく3ヵ国は当然として、他の地球国家群にも恩恵が与えられる。地球に蔓延る厄介な問題も、時間はかかろうとも解決可能となる道筋が見えているのだ。

 

『では、これにて会議を終わりにしよう』

 

 だからこそ、より一層連携を緊密にしていこうとなるのも、至極当然の流れである。

本小説の舞台に関して、少し迷いがあります。どちらが適切だと思いますか?

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