ペルソナ使いとスタンド使いによる奇妙な冒険 作:SKBoom
内容は基本台本通りで進みますので見た事あるセリフやシーンだらけです。それを含めてOKという方のみ閲覧ください。
第一話 スタンド使いの転校
ブーンッ………
田舎特有……そう、稲の何とも言えない匂いがする中、車の中で身長195cmを超えようとする大男はため息をつく。
彼の名は『空条承太郎』。高校生でありながら、筋骨隆々とした体つきに整った顔立ちを持つ青年である。
「はぁ……何でわざわざこんな田舎に一年間も」
承太郎はため息を何度もする。というのも、本来なら彼は海洋学の勉強をするべく高校二年生の一年間を勉強に費やすつもりだったが、思いもよらない"例の件"の関係上家にはいられず、親戚の『堂島遼太郎』という男の家に世話になることになった。
「まぁまぁそう言わずにお客さん! 確かに『八十稲羽市』は周り山と田んぼだらけでな~んにも面白い事はねぇですけど、この田舎特有の澄み渡った空気は美味しいですよぉ!」
タクシーの運転手が俺の独り言が耳に入ったのかこの場所の良い所を説明する。
「ああいや、別に俺は田舎が悪いって言ってるわけじゃねぇぜ」
そう、別に承太郎は田舎が嫌いだとかそんな理由でため息をついていたわけじゃない。ただ、慣れない環境に急に住めと言われたら、集中して勉強が出来ないのじゃないかという心配をしていただけであった。
「そうですかい? ………おっと、そろそろ着きますんで降りる準備お願いしますね」
そう言われて運転手が言うと、やがてタクシーは小さな村の駅に止まった。
「それじゃあ料金は〇〇〇です! ご利用ありがとございやした~!」
「ああ」
承太郎は運転手に料金を渡し、その重い腰を上げ地に足を下す。
「おーい、こっちだ」
声をする方向に顔を向けると、そこには今回お世話になる堂島遼太郎がいた。
「おう、写真で見るより男前……というか体格凄いな……」
堂島は承太郎の体格に驚いていた。しかしそれも無理もないだろう。
「おっと話が逸れたな……。ようこそ稲羽市へ。お前を預かることになっている堂島遼太郎だ」
そう言って遼太郎は手を差し出す。
「……空条承太郎だ。……これから世話になる」
そう言って握手に応じる。
「ええと、お前の親父の弟だ。一応、挨拶しておかなきゃな……それと」
すると、遼太郎は自身の後ろに隠れていた少女を前に出す。
「こっちは娘の菜々子だ……ほれ、挨拶しろ」
「………にちは」
彼女は恥ずかしそうにそれだけを言うと、また遼太郎の後ろに隠れる。
「はは、こいつ照れてんのかぁ?」
バシィッ
「いてっ、はは!」
その言葉に怒ったのか、菜々子は遼太郎の足を叩く。
「…………」
菜々子は頬を膨らませて怒っている様だ。
「さぁて、じゃ行くか。車はこっちだ」
遼太郎は笑いながらそう告げる。
「……ああ」
承太郎はこれからの事を思うと内心やれやれだぜ……っと思いながらも遼太郎の車に乗り込もうとしたが、通りすがった少女に止められた。
「………ねぇ、落ちたよこれ」
「あぁ……? ああ、堂島宅の住所を書いたメモを落としちまったか。すまねぇな」
「………別にいい、拾っただけだから」
「おーい、どうした?」
遼太郎が車の窓からこちらを呼ぶ声をする。
「ああ今行く。………っていつの間に……」
前に向き直すと、先ほどの少女はもうだいぶ先へと進んでいた。
「愛想の無ぇ女だぜ……」
拾ってもらったメモを鞄に入れ、急いで車に向かった。
─────────
堂島宅──
「じゃ、歓迎の一杯といくか」
現在、承太郎は堂島宅に着き、遼太郎の計らいにより自身が家に来た歓迎を挙げている。
「しっかし兄さんは相変わらず仕事一筋だな。……今は確か海外に行ってるんだったか? 一年限りとは言え、親に振り回されてこんなとこに来ちまって……子供も大変だ」
承太郎の父、『空条貞夫』はジャズミュージシャンであり、海外ではかなり名の知れた人物である。そういう事情もあり、貞夫はあまり家には帰っては来れず、今回も承太郎の母である『空条ホリィ』が先ほど言った例の件のため最低一年帰っては来れず、今回は貞夫の弟である遼太郎の世話になるのであった。
「ま、ウチは俺と菜々子の二人だし、お前みたいのが居てくれると俺も助かる」
「俺も世話になる分には迷惑をかけるつもりはねぇ。そこは安心しな」
「まぁそう堅くならず、これから一年俺らは家族同士だ。自分んちと思って気楽にやってくれ」
「……ああ」
「にしてもお前、意外と寡黙というか……堅いというか……最近の子はてっきり軽い感じだと思ってたんだがなぁ」
遼太郎はそう呟きながら、持っていたジュースをグイッと飲む。
「……さて、それじゃメシにするか」
そう言って俺の歓迎の為に買ってくれたであろう寿司を食べようとする……すると、
pipipipipi……
「たく……誰だこんな時に……」
遼太郎の携帯から着信音が鳴る。
「堂島だ………ああ…ああ、分かった。場所は? ………分かった、すぐ行く。………酒飲まなくてアタリかよ……」
そう言うと電話を切り、申し訳なさそうな様子で言葉を続ける。
「仕事でちょっと出てくる。急で悪いが飯は二人で食ってくれ。帰りはちょっと分からん。……菜々子、後は頼むぞ」
「……うん」
奈々子は悲しい表情で頷く。そして遼太郎が外を出るべく玄関を開けると、雨の音が聞こえてくる。
「菜々子、外雨だ。洗濯物はどうした!?」
「いれたー!」
「そうか、じゃ行ってくる」
ガラガラガラッ バタン
遼太郎が出て行き、この場には俺と菜々子だけになる。
菜々子は気まずいのか、テレビを付ける……天気予報のようだ。
「………いただきまーす」
「……………」
俺達はその後、無言のまま寿司を食べ進める。しかし流石に承太郎も気まずくなったのか話題を振ることにした。
「………お前も大変だな」
「………いつもこうだよ。お父さん、けいじだから」
「………そうか」
それ以上会話は続かず、ニュースを見ながら食事を進める。
ニュースの内容は稲羽市の議員秘書である『生田目太郎』がアナウンサーである『山野真由美』という女と愛人関係にあるというニュースだ。
「……ニュースつまんないね」
「……そうだな」
俺もそれには同意だった。誰が誰と不倫や何をしようたってどうでもいい。
菜々子は番組を別のチャンネルへ変えた。
『ジュネスは毎日がお客様感謝デー。来て、見て、触れてください~エブリデイ・ヤングライフ・ジュネス! ~』
「エブリデイ・ヤングライフ・ジュネス~♪」
菜々子が突然CMの歌を歌い始めた。
「……食べないの?」
「………あ、ああ勿論食べるぜ」
俺は急いで寿司を食べ進める。そして食べ終わった後、食器等の片づけを菜々子と一緒にこなし、俺は遼太郎が割り当ててくれた自室に入る。
部屋の中は机とベッドがあり、床には段ボールが積みあがっていた。俺は手持ちの荷物を床に置くと、すぐに荷ほどきを始める。
───数時間後
「……ふぅ、こんなもんか」
俺は自室の片づけを終えた。そして段ボールから荷物を出して一息つく。
「……もうこんな時間か、流石に寝ないとマズいな。明日から普通に学校があるわけだしな」
新天地での学校へ行くという承太郎からしたらクソめんどくさい展開だが、これからの事を考えると行かないわけにもいかないので、渋々と寝ることにした。
─────────
?????──
「………んん、ここは」
承太郎は目が覚めると、そこには自室……ではなく霧がかった謎の空間であった。周りには彼以外には誰もいない。
「何処だ此処は、夢か……?」
そう思いながら、承太郎はここにずっといては埒が明かないと判断し、先に進んでみる。
──────真実が知りたいって……?
「ッ!? おい誰だッ!!! 誰かいやがんのか!!!!」
突然の声に驚いた俺は、声を荒げてそう叫ぶ。だが、いくら叫んでも反応がない……
「……クソ、気味が悪ィ空間だぜ…」
更に承太郎は奥に進む………
──────それなら……捕まえてごらんよ……
「ッ!? ………またか、一体何だってんだ………まさか……」
承太郎は一つの考えがよぎる。しかしそんなはずはないと考え直し更に奥に進む。
すると、赤と黒で形成された謎の扉? のようなものが現れる。
承太郎は怪しみながらも、その扉のようなものを開け奥に進むと……
「……追いかけてくるのは君か」
「ッ!!! 誰だァテメェ………」
そこにはとても濃い霧が漂っているが、微かにだが誰かがいるのが見える。
「ふふふ……やってごらんよ」
「………ああそうか。だったら遠慮なくやらしてもらうぜ? ……『スタープラチナ』!!!」
承太郎がそう呼ぶと、彼の傍に筋骨隆隆の大男が現れた。
『オラオラオラオラオラオラオラァァァッ!!!!!!!』
その大男は目にも止まらぬ速さでラッシュを繰り出したが、謎の人物は霧のように攻撃が当たらない。
「クッ……! なんなんだこいつァ……! まさかこいつは『スタンド』か……!?!?」
スタンド、それは彼……空条承太郎の人生を180度変えた存在である。
「いやしかし……こんな田舎にまでスタンド使いがいるというのか? それに何故俺を襲う必要がある?」
承太郎は考え込む、それは去年……っといっても数か月前だが、彼はとある事情にて自身と同じスタンド使いと戦い、エジプトにまで仲間と一緒に出向いた経験がある。
それはとても険しく困難な道のりだったが、決して忘れられない記憶の一部となった。しかし、その経験をする羽目になった大本は完全に潰したはずだ。ならばこれはスタンドによる攻撃じゃない…?
だったらやはりこれは夢なのか……? っと承太郎は深く考え込む。すると……
「誰だって見たいものだけを見たいように見る……そして霧は何処までも深くなる……いつかまた会えるのかな? ……此処とは別の場所で……フフっ楽しみにしてるよ……」
「おい、何勝手に話を進めて………いや………が………何だ………急に意識が………うッ…………」
………………………………………………
……………………………
……………
「……朝ごはん出来てるよ~」
「……………」
菜々子の声が聞こえる………目を開けるとそこには自室が広がっていた。
「夢……だったのか? それにしてはやけに……いや、それよりも早く起きねェとな」
眠い目を無理矢理覚ましながら急いで学ランを着て、部屋から出る。
「おはよ」
「………おはよう」
そこには朝食を用意している菜々子の姿があった。どうやら朝食は目玉焼きとウィンナーとトーストの様だ。
俺と菜々子は椅子に座り、朝食を食べる準備をする。
「……よしっと、それじゃあいただきます」
「………いただきます」
トーストを取り、一かじりする。
「………いつも食事はお前……いや菜々子が作ってるのか?」
「朝はパンをやいて……あと、メダマやき。夜はかってくるの。お父さん、つくれないから」
「………そうなのか」
承太郎は少し可哀想だなと思った。 別に遼太郎が悪いわけじゃあない、警察という仕事柄大変だというのは分かる……だがもう少しやりようはあるのじゃねえかと考える。
しかし、それを口に出して言うほど承太郎は器用ではない。
「ねェ、今日から学校でしょ? とちゅうまでおんなじ道だからいっしょに行こ」
「……ああ分かった」
特段断る理由も無いので承太郎はOKを出した。寧ろまだ道には慣れてないからありがたい提案だった。
─────────
雨の降る通学路──
「あとこの道真っ直ぐだから。わたし、こっち。じゃあね!」
「……じゃあな」
承太郎は途中で菜々子と別れた。学校頑張れよ……っとか言ってもいいのだろうが今の承太郎にはそんなことを言う考えは無い。
「……にしてもさっきから色んな奴らが俺のことをチラチラと見やがる……チッ……イライラするぜ」
そう、彼を見る周りの人間は明らかに彼のことを噂している。理由は勿論その異常なまで発達した外見と、只物ではないオーラによるものである。
「はぁ………やれやれだz『ギコギコギコ……』………ああ?」
お決まりのセリフを言う途中、後ろから聞くも耳障りな音が鳴り響いて来た。
「よっ……とっ……とっとぉ……」
どうやら傘を差しながら自転車を運転している高校生だった。
ガシャァンっ!!!
そしてその高校生は完全に操作感を失い、傍に会った電柱に思いっきりぶつかる。しかも男の勲章の部分が。
「うっ……おごごごごごご……」
「…………やれやれだぜ」
流石に見てられなかったので、承太郎は自転車に乗る高校生の所へ行く。
「おい」
「うぅ……え、な、何でしょう……イテテテテェ……」
「大丈夫か」
「い、いやどう考えたって大丈夫なわけが………ああいや、取り敢えず今は放っておいてくれェ……」
「………そうか」
どうやら痛みで会話どころではなさそうだった。そっとしておこう。
─────────
八十神高校 校門前──
「ここが一年間通うことになる『八十神高校』か……何とも古臭ェ見た目だな。まぁ……別にどうでもいいか」
承太郎は校舎を眺めながらそう呟く。
俺は職員室へ行き、担任の先生と落ち合う。
「お前が転校生の空条承太郎かァ。俺がお前の担任になる『諸岡』だ。よォく覚えとけよ都会人」
「……………」
「んだァッ? 最近のガキは挨拶すら出来ねェのかァ……? それとも都会じゃァ挨拶の仕方も碌に教えてねえのか?」
「ちょ、ちょっと諸岡先生……その辺にしてそろそろ教室の方に……」
「……チッ、ほら行くぞ」
「……………」
正直言って今の承太郎は諸岡の顔面を殴る寸前にまでキレている。しかし流石に初日早々問題を起こして遼太郎達に迷惑をかけたくないため必死に我慢していた。
「うし、ここが教室だ。俺の後について来い」
ガラガラガラっ
「静かにしろー! 今日から貴様らの担任になる諸岡だ! いいか、春だからって恋愛だ異性交遊だって浮ついてんじゃないぞ」
諸岡はクソどうでもいいことを喋った後、俺の紹介に入った。
「あーそれからね、不本意ながら転校生を紹介する。ただれた都会からへんぴな地方都市に飛ばされてきた哀れなヤツだ。いわば落ち武者だ、分かるな?
女子は間違っても色目などを使w「おいテメェ……さっきから黙って聞いてりゃァ好きかって言いやがって………それに誰が落ち武者だと……? それはテメェの顔面の方だろうが」………あ?」
シーンッ
無言……いや、誰もが言葉を発することが出来な空気が漂っている。
「んだとこのクソガキィィィ!! テメェェエ! 転校初日に教師をナメた口聞きやがってェエ!! もう勘弁ならん、表に出ろォォッ!!」
諸岡は怒り心頭で叫び散らす。
「お、おいあれマズいって……誰か止めろよ」「あの転校生言っちゃったよ………」「落ち武者……ぶふ……ぐふふふ……」「ちょ、雪子……!?」
教室の奴らもざわざわとしだす。
「すまんがテメェの相手をしてる暇はねェんでな。それより俺の席は何処だ」
「ふ、フザケやがって……!! 席だとォ!? そんなもんテメェにはねe「あ~!!! わ、私の隣丁度空いてるからここはどうかな!? ね!!!!!!」
するとオレンジ色気味の髪の少女が慌てて隣の相手席を指さす。
「……じゃあそこにするぜ」
俺はその席に座るべく移動しようとしたが、右腕をがっしりと掴まれる。
どうやら諸岡はよっぽど頭に血が上っているらしい、途轍もない表情で俺のことを見ている。
「おい貴様ァァァッ!!!! 何勝手に座ろうとしてやがるッ!!!! テメェはこの後s「いい加減にしろよテメェ……俺がその腕を折っちまう前に手ェ放しやがれ……」……イテェッ!?」
俺は思いっきり奴の腕を握りしめた。
「いででででッ!! わ、分かった! 分かったから手を放してくれェ!!」
「おい、誰がそんな口の利き方をしろと言った?」
「す、すいませんッ!! 私が間違ってましたッ!! なのでどうか手を放してくださいィィィィッ!!!!!!」
「…………」
承太郎は手を放し、そそくさと自分の席に着く。
「あ~えっと……よ、よろしくね転校生君……」
「…………」
「あ、あはは…………」
「…………」
どうやら先ほど自分の席を提案してくれた隣の女子が話しかけてくれている様だが、今の承太郎は内心まだキレている部分があり、言葉を返す余裕はまだ無いようだ。
「……クソッ……!………それじゃあ授業を始めるぞ」
諸岡は悔しい表情をしながら残りの授業を進めていく………
─────────
八十神高校 放課後──
「……では今日の所はこれまで」
それだけを言うと諸岡はそそくさと教室を出て行った。そしてそれと同時に校内放送が流れる。
要約すると、緊急会議があり先生は集まれという内容と、生徒は指示があるまで帰るなという内容だった。
承太郎は舌打ちをしつつ、カバンから海洋学についての本を出し読むことにした。
本を読んでいると、俺の話やら異常なまでの警察のサイレンの音がうるさかったが気にせず本を読み進める。
「あ、あのさ『天城』。ちょっと訊きたい事があるんだけど……天城んちの旅館にさ、山野アナが泊まってるってマジ?」
「…………」
誰が何を話そうが気にしていない承太郎だったが、昨日テレビでその話題を見ただけあって流石に少し気になったのか、耳を傾けることにした。
「そういうの答えられない……」
「あ、ああ! そりゃそっか……」
そう言うと、話題を振った男は逃げるように別の奴の所にいった。
「はー、もう何コレ。いつまでかかんのかな」
「さあね」
「放送鳴る前にソッコー帰ればよかった……」
承太郎は思いのほか内容が聞けなかったことを残念に思いつつ、再び本の内容に戻る。
「ね…そう言えばさ、前に話したやつやってみた?」
「……?」
「ほら、雨の夜中に……ってやつ」
「あ、ごめんやってない」
「ハハ、いいって! 当然だし。けど隣の男子、"俺の運命の相手は山野アナだー!"とか叫んでたって」
ピンポンパンポーン………
『全校生徒にお知らせします。学区内で事件が発生しました。通学路に警察官が動員されています。出来るだけ保護者の方と連絡を取り落ち着いて、速やかに下校してください。警察官の邪魔をせず、寄り道などしないようにしてください。繰り返しお知らせします………』
「事件!?」「なになに、どういう事?」「ね、見に行こうよ」
ざわざわざわ…………
(事件……か。何か嫌な胸騒ぎがするな……)
何となく……そう、例の"事件"により何かと敏感になっている承太郎は確証は無いが、何故かただ事ではないような気がした。
(……まぁ今の俺には関係のない事だ……っとそろそろ帰らねェとな)
教室に飾ってある時計を見て承太郎は帰ろうとすると……
「あれ、帰り一人?」
「あぁ? ………あん時の女か」
目の前にいたのは隣の席の女……っと赤い服を着た知らない女だ。
「あん時の女って……そ、それよりさ、よかったら一緒に帰んない? あと、あたし『里中千枝』ね? "あん時の女"じゃなくて」
里中という女は最後の部分を強く強調しながら言う。
「………そうか、すまんかったな里中。それと一つ聞きたいんだが、何故わざわざ俺と帰ろうとする? "あの騒ぎ"を見てなかったわけじゃあないだろ?」
あの騒ぎ……そう、承太郎が転校初日から諸岡とかいう教師に対して暴力を振るったのと変わらない行動をしたことだ。
「へ? ま、まぁ確かにあれは正直ビビっちゃたけど……でも
「………えそこで私に話題を振るの? ……えっとまぁ、否定は出来ない……かな」
「そうでしょ~?………あ、んでこっちは『天城雪子』ね」
「えっと……初めまして、なんか急でごめんね……」
「んえェ、謝んないでよ……あたし失礼な人みたいじゃん。ちょっと話を聞きたいなーって……それだけだってば」
里中は少しバツの悪そうな表情になる。
(女と関わるっつうのはめんどくせェ……が、いつまでもそんなこといってちゃぁ成長できねェよな)
もし承太郎が例の事件を体験していなければ今まで通りに断っていただろう。しかし、承太郎は仲間たちとの出会いにより変わった……いや、少しずつ変わり始めている。これも己を変える……少し大人になるための訓練だ……っと思い誘いに乗ることにした。
「……分かった。一緒に帰る件、乗ってやるぜ」
「おぉマジ? いや~正直断られるって思ってたからなんか嬉しいわ! 改めて今日からよろしくね!」
「えっと、よろしくね?」
「ああ……それとだが、モロキン……ってのはどういう意味だ?」
「え? ………ああそりゃそっか。えっとねモロキンってのはね……」
そんな話題を話しながら帰ろうとしていると……
「あ、えーと……里中……さん。これスゲー面白かったです。技の繰り出し方が流石の本場つーか……も、申し訳ない! 事故なんだ! バイト代入るまで待って! じゃ!」
そう里中に話しかけてきたのは、今朝自転車で事故っていた少年だった。
「待てコラ! 貸したDVDに何した?」
ドゴォッ
「どわッ!?」
里中の蹴りが少年の足に当たり、よろけた少年の股間が机の角に………
「なんで!? 信じられない! ヒビ入ってんじゃん……あたしの"成龍伝説"がぁぁぁ………」
「俺のも割れそう……つ、机の角が直に……」
少年はとても痛そうに股間部分を手で押さえ悶えている。
「だ、大丈夫?」
「ああ、天城……心配してくれてんのか……」
「いいよ雪子、『花村』なんか放っといて帰ろ」
里中は気にせず、天城は少し気にしながら教室を出ていく。
「……………」
そっとしておこう………
―――――――――
校門前――
「それでさ~、雪子ったらa「キミさ、雪子だよね。こ、これからどっか遊びに行かない?」
「え……だ、誰?」
突然、それは本当に突然だった。校門前に待っていましたかというかの如く、別の学校の制服を着た男がいた。
「……名前で呼んでるみてェだが、こいつ知り合いじゃねェのか?」
「わ、私知らないよ……?」
どうやら本当に知らない奴の様だ。なんて質問してる内に、周りに人が集まりだす。
ひそひそ……
「なにアイツ。どこのガッコ?」
「よりによって天城狙いかよ。てか、普通は一人ん時に誘うだろ……」
「張り倒されるに俺、リボンシトロン一本な」
「賭けにならねって。"天城越え"の難易度知らねえのか?」
聞こえない様に話しているつもりだろうが、丸聞こえである。
「あ、あのさ……行くの? 行かないの? どっち!?」
流石にこの流れはまずいと思った承太郎は、待ったをかける。
「……おいテメェ、まずテメェから名を名乗るってのが筋じゃァねェか? テメェは一方的に天城の事を知ってるのかもしんねェが、知らねェ天城からしたらテメェは恐怖の対象だぜ」
「は、はァ? だ、誰だよ、お、お前………お前には聞いてねえんだよ!」
突然話しかけられたことと承太郎の見た目にビックリしながらも、男は逆ギレしながら言葉を返す。
「誰に聞いてるか聞いてないかじゃあねェんだよ、名を名乗れっつてんだ。それとも……無理やり聞き出した方がいいか?」
「ひぃいッ!!」
男は承太郎の言葉と圧にビビり、すたこらさっさと逃げていく。
「………それと、おいテメェら」
「……え、お、俺ら……ですか?」
承太郎は後ろで面白げに見ている野次馬共に話しかける。
「テメェの学校の生徒がヤバいかもしれねェ奴に絡まれてるってのに賭け事をするとはいい度胸してやがるな……それに面白げにみてる他の奴らもだ。今のは見世物じゃねェんだぞ……あ?」
最後の一言と共に睨みを聞かせてやれば、野次馬共は脱兎の如く逃げていく……ッ!
「う、うわぁ……モロキンの時も思ったけど……その、空条君って凄いよね……」
里中は何とも言えない表情をしている。
「凄い? 何がだ」
「あ~いやえっとォ、何て言うか………ね?」
里中はヘルプ! っと言わんばかりに天城を見る……が、
「………………」
「………え~と、雪子?」
「………んえ、……へ? ………あ~凄かったよね空条君! う、うん!!!」
天城は顔を真っ赤にしながら答える。
「………もしかしてだけど雪子アンタ……k「よう……えーと……あ、そうそう空条!さっきの凄かったな!」
里中が何かを言いかけようとしたが、それと同じタイミングで花村と呼ばれていた少年が後ろから来た。
「また天城が悩める男子を振るのか……っと思いきやまさかの乱入! いや~俺も去年、天城にバッサリ斬られたのが可愛く思えるぐらいのを貰っちまったなぁあの男子」
「別にそんな事してないよ?」
「え、マジで? じゃあ今度一緒にどっか出かける!?」
「……それは嫌だけど」
天城は先ほどの赤くなった顔は何処へやら……真顔で対応をする。
「……僅かでも期待した俺がバカだったよ。つーかお前ら、転校して来たばっかなんだからあんま空条をイジメんなよー……って言ったものの、そんなことにはなりそうにないな……うん」
花村は承太郎は改めて見てそう感じ取った。
「話聞くだけだってば!!!」
里中は自転車に乗って去る花村に対して怒る。
「……あ~ほらもう行こ。なんかまた注目されそうだし」
そう言うと里中は急ぎ足で歩く。
「………えっと、空条君、私を守るためにあんな事してくれたんだよね。………あ、ありがとう………」
「………気にすることはねェ」
少し顔を赤くしながら天城は承太郎にお礼の言葉を返す。
「あ、ちょっと待ってよ千枝! ………えっと、行こっか」
「ああ……」
俺も里中の後を追った…………
お読みいただきありがとうございました!
さて、早速なのですがアンケートを取りたいと思います。
この後悲惨な目にあう小西早紀パイセンですが、皆様は生存してほしいですか?
それとも原作通り………
小西早紀の運命は……ッ!!!
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原作通り
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生存