ペルソナ使いとスタンド使いによる奇妙な冒険   作:SKBoom

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さて今回は花村のシャドウとの戦いが始まり、承太郎からしたら二連戦というかなりキツイ戦いです!

その状況で一体承太郎はどのようにして戦うのでしょうか!


第六話 ペルソナと相棒

 花村のシャドウが承太郎を警戒し、大きく離れた後、一方は睨みながら、もう一方はヘラヘラとした表情で硬直しあっている。

 

『どうしたぁ? 承太郎君の方から攻撃してきてもいいんだぜェェェ?』

 

「はっ……! てめェ如きに動いてやるのも面倒なんでな」

 

『ははははははッ!!! そう強がんなってッ!!! 俺は知ってるんだぜ? 動かないんじゃなくて、"動けない"ってなァァッ!!!』

 

「……………」

 

 図星である。というのも、先ほどの触手が腹に当たった攻撃が、思いのほかデカすぎるダメージだったため、少し動くだけでも激痛が走るのだ。

 

『しかしそれじゃあ困ったよねえ? だって承太郎君の攻撃を見る限り近距離パワー型だ。つまり近づいて攻撃をしないとダメージを当てられない。更に先ほどの戦闘であんな回りくどい方法で倒したってことは、遠距離攻撃は無いということにもなるかなァ? ………お、その表情を見るに当たっちゃったかな? あははははッ!!!!!』

 

「……さァ、そいつァどうかな? 試しに殴りに来てみればいいじゃあねぇか」

 

『おいおいおいおい、そォんな見え透いたハッタリに俺が引っ掛かるとでも? こりゃバカにされたもんだなぁ』

 

「……………」

 

『まぁでもォ? それじゃあ可哀想だからその誘いに乗ってあげるよ。仮にも"お友達"だからねェッ!!!』

 

 そう言うと、カエルの様な下半身を動かし、ゆっくりと近づいてくる………と思いきや

 

『………なァんてなッ!!! 喰らえェッ! "忘却の風"ッ!!!』

 

「……ッ!?」

 

「センセイ!!!」

 

 シャドウが忘却の風と叫ぶと、切り裂くような風の遠方攻撃が承太郎に向かう。

 

「チィッ……!」

 

 流石に動かずにはいられないので、激痛を耐えながら攻撃を避ける。

 

『おォ? 案外避けれんじゃん。 でもまだまだァッ!!!』

 

 するとシャドウは、容赦なく次々と忘却の風という技を使用する。

 

「ぐゥッ………! スター…プラチナ・ザ・ワールドォッ!!!

 

 

 

ドーンッ!

 

 

 

「はァ……ッ! はァ……ッ!!!はァッ………」

 

 流石に耐え切れず、時間を停止させ呼吸を整える。

 

(マズいな……いや、もうこの停止時間でケリをつけるしかねェッ!!!)

 

 次の時間停止のインターバルまで耐えれる確証がないため、この時間停止内で決着をつけると決意した承太郎は、激痛を耐えながら残り4秒の時間を使い移動する。

 

(奴のところに付く頃には残り2秒……いや1秒程度か。しかしやるしかねェッ!)

 

 そして遂にスタープラチナの射程距離に到達した承太郎は、すかさずラッシュをかます。

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!

 

(これが限界ッ………!!!)

 

 

 

ブウウゥゥンンッ

 

 

 

 

 

 

ボゴアァァァァッ!!!

 

 

 

『ギャガゴァァァッッッ!?!?!?』

 

 突然の激痛に驚きながらも、シャドウは後ろの方へと吹っ飛ばされる。

 

「はぁっ………はぁッ!…………」

 

 承太郎は息を切らしながらも、その敵に向ける睨みとオーラは絶対に途切れさせない。

 

『グギギィィ………イテェなおい。………一体何が起きやがった』

 

 流石にラッシュが効いたのか顔を歪ませてはいるが、まだ立ち上がることは出来る様だ。

 

『………そういや小西を助けた時、そして後ろを取った時、ありえない速度で移動してたよなぁ? 目には移動した瞬間がまるで見えねェ……しかし単純に早すぎるとかそんなもんじゃねえな。瞬間移動? ……いや、それだけならこの痛みの事が証明出来ねェ』

 

 シャドウは承太郎などまるで居ないかの如く、先ほどの現象について推理している。

 

「……テメェ、随分と余裕ぶっこいてるじゃあねえか」

 

 承太郎が今以上の圧をかけ、今にも殺すという表情をすると、「あ、忘れてた」っと言わんばかりの表情でこちらを向く。

 

『あぁメンゴメンゴ承太郎く~ん! ちょっと考え事しててさ、ぶっちゃけ聞くけど………"時間操作系のスキル"使ってるだろ?』

 

「……ッ?!」

 

 まさか能力を当てられるとは思わず、つい驚いた表情をしてしまう。

 

『あ~あ~もう何も言わなくていいぜ! その情けねェ表情で大体は察せるからなぁッ!!! ハハハハハハハッ!!!!』

 

 シャドウまるで小バカにしたかのように、大笑いをする。

 

『しかしそれだとおかしい事があるよな? 何故今俺が喋ってる最中にそのスキルを使わないかだけど………激痛のあまりもう動けないのか、もしくは"クールタイム"があるとかか?』

 

(こいつ………)

 

 今度こそはポーカーフェイスで表情を変えないが、内心承太郎は驚いている。

 

(このシャドウ、中々に観察してやがる………なんて野郎だ)

 

 承太郎は今までいろいろな敵と戦っては来たが、ここまで己の能力を冷静に把握されるのは初めてかもしれない。

 

『しかしそれならマズいなぁ、つまりクールタイムさえ終わればまァた使ってくるわけだ………なら尚の事距離を取らないとなッ!!!』

 

 シャドウはカエルの様な足で後ろに飛び下がり、天井に張り付く。それにより再びかなりの距離が空いてしまう。

 

『からの忘却の風ェッ!!!』

 

「ぐうゥゥッ?!?!」

 

 遠距離からの忘却の風が炸裂する。本来の承太郎なら難なく避けれる攻撃だろうが、今の承太郎の状態では避けることも厳しく、モロに喰らってしまう。それにより服と皮膚の至る所が切り裂かれ、微かに血が溢れ出す。

 

『絶体絶命のピンチだねえ承太郎君! しかしヒーローならもう少し楽しませてくれるよなぁッ???』

 

「……………」

 

(あとインターバルは3秒……これを耐えきれば………!)

 

『おらおらおらおらァッ!!! もっと苦しめェ!』

 

 シャドウはニヤニヤとした表情をしながら、無限に攻撃を仕掛けてくる。

 

(2………1………)

 

『……チッ、何か面白くねェな。どうせクールタイムが終わるまで粘る気だろ? だったらこっちだって考えがあるぜ…………"チャージ"』

 

 何かを呟いたシャドウは天井から降り、そのカエルの様な脚力により一瞬にして承太郎との距離を詰める。

 

「なッ……!?」

 

『おらァァァッ!!!!』

 

 ボゴォッ!!!

 

「ぐうゥッ!!!」

 

 上半身の人間の様な部分から繰り出されるパンチは、先ほど触手によりダメージを負った部分を的確に狙ってくる。

 

『あははははッ! いいねェその表情………もっと見てぇが俺は慎重派だからな、そろそろ下がるか』

 

 またもやその脚力により、後ろに下がろうとする………がその時ッ!!!

 

「………最後の最後で油断したな。………"スターフィンガー"ッ!!!」

 

 何とスタープラチナの指が伸び、シャドウの目に直撃したッ!!!

 

『ぐあぁッ?! いてェェッ!!!! 』

 

 流石に痛みに耐えきれず、地面を転げ回るシャドウ。

 

「ホントの必殺技は最後まで隠す……ってな」

 

『テメェェッ!!!! 遠距離攻撃を隠してやがったなァァァッ!!! それに何故動けるッ! 今のパンチで相当のダメージが……ッ!』

 

 シャドウがありえないといった感じでキレると、今度は承太郎が小バカにするかのように説明する。

 

「おいおいおい、テメェの目は節穴か? 俺のスタープラチナはそもそも時を止めなくともスピードが速ェ。ならあんな遅ェパンチ程度ガードするのは造作もねえことだ」

 

『ぐゥゥッ! クソッ!!!』

 

 目を抑えながら再び下がろうとするが、もう承太郎の準備は出来ていた。

 

「もう遅ェ………スタープラチナ・ザ・ワールド

 

 

 

ドーンッ!

 

 

 

「……散々バカにしてくれたなァ? そのツケ…簡単に払えると思うなよ?」

 

 承太郎は激痛や血が少量溢れる中、そんなモン大したことねえと耐えながら、下がる最中で止まってしまったシャドウに近寄る。

 

「残り4秒………さぁ、ツケを払ってもらうぜェッ!!!!

 

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!

 

 

 

 

 

「永遠に寝てな……」

 

 

 

ブウウゥゥンンッ

 

 

 

 

 

 

ベギャアアアアァァァンンッ!!!!

 

 

 

グギャアアアァァァッ!!!!!!!!!!

 

 スタープラチナの容赦ないラッシュにより、シャドウは壁際に打ち付けられる。

 

ガ………ァァ…………

 

「流石に効いたみてぇ………だ……な………うッ」

 

 

 バタンッ

 

 

「せ、センセイッ?! センセーーー!!!!」

 

 しかし効いたのはシャドウだけにあらず、承太郎にもかなりの疲労とダメージが蓄積してしまい、倒れてしまう。

 

「空条………なんでそこまで………」

 

 どうやら放心状態から回復したのか、花村も近寄り、何故そこまでして戦うのかを問う。

 

「……てめぇが言ったんじゃねえか」

 

「え……? お、俺が何か言ったか……?」

 

 花村が不思議そうにすると、承太郎は「ふっ……」と少し笑いながら答える。

 

「てめぇが……いや、"陽介の本心"が言ったじゃねぇか、『仮にもお友達』ってな。……なら、そのダチが苦しがってたら助けるのが筋ってもんだろ」

 

「……っ!! お前………お前ってヤツは……」

 

 その言葉を聞き、花村は泣きそうな表情で俯いてしまう。

 

「……っ!」

 

「せ、センセイ動かないでクマ! 今手当するクマ………」

 

「……いや、それよりも……そこにいるヤツは陽介、てめえに話があるみたいだぜ」

 

「え………?」

 

 そう言われ承太郎が向いている方向を見ると、化け物の様な見た目になったシャドウが、最初の花村にそっくりなシャドウに戻っており、静かにこちらを見ていた。

 

「お…お前…お前は俺じゃ…ない」

 

「……ヨースケ、もう分かってるはずクマよ。それに、ヨースケが認めなかったら、さっきみたいに"暴走するしかないクマよ……」

 

「…………」

 

 はなむ………いや、陽介はやはり認めたくないのか、俯いて黙ってしまう。

 

「自分自身と向き合うことは難しいことだ、簡単に出来ることじゃねぇ………だが、今のお前なら出来るはずだ………俺の"相棒"だろ?」

 

「っ!!! ………ははっ、やっぱお前には勝てねぇよ。……今の俺なら出来る……か。ちくしょう……ムズイな、自分と向き合うってさ……」

 

 そう言うと、陽介は覚悟を決めたのか、己のシャドウに向かって歩み始める。

 

「分かってた…けど、みっともねーし、どーしょもなくて…認めたくなかった。お前は俺で……俺はお前…か。全部ひっくるめて、俺だって事だな」

 

 するとシャドウは、先ほどの化け物の様な見た目ではなく、まるで正義のヒーローかの様な人型になり、最終的にはカードとなり陽介の魂へと刻み込まれた。

 

「これは……いや、今の俺なら分かる。これが俺の"ペルソナ"………もう一人の自分『ジライヤ』だ」

 

 スッキリした表情でそう言うと、陽介は承太郎達の元へ戻る。

 

「……なあくうじょ、いや承太郎。俺が認めれたのはお前のおかげだ……ホントありがとう」

 

「なぁに気にすることはねえ。それに……結果的に認めたのはお前だ。俺は何もしてねぇ」

 

「はははっ! ホントお前カッコよすぎだろ! …………これから改めてよろしくな、"相棒"」

 

 笑顔でそう言うと、陽介は左手を差し出す。

 

「………ああ、よろしくな相棒」

 

 それに応えるべく、承太郎も右手を差し出し、握手をする。

 

「うっ……」

 

「ちょ、おい承太郎! 大丈夫か?!」

 

 安心して力が抜けたのか、再び倒れそうになる承太郎。しかし寸前のところで陽介が支える。

 

「……すまねえ。やっぱり二連戦ってのがキツかったな……」

 

「うっ………お、俺が素直に自分自身を認めてれば…」

 

「反省会もそれほどにしてそろそろここから脱出するクマ! この世界の空気を吸い過ぎるのも人間にとっては毒クマ!」

 

「それもそうだな………あ、小西先輩の様子は?」

 

 陽介が小西についての状態を聞く。

 

「クマの背中でぐっすりクマ。余程怖かったクマね」

 

「そりゃ無理もねえさ。いきなり本音をバラされて、殺されそうになったら誰だってビビるぜ」

 

 陽介が先ほどの戦いを思い出し、震えながら答える。

 

「……少し確認してぇんだが、これが見えるか?」

 

 すると承太郎は、スタープラチナを陽介の前に出す。

 

「お、おおォォっ?! なんだそのいかついヤツは! まさか、それがスタンドってヤツなのか……?」

 

 どうやら今の陽介には、スタープラチナが見える様だ。

 

「……どうやら見えるらしいな」

 

「ああ! 今の俺ならハッキリと見えるぜ! にしてもカッケぇなぁ」

 

 陽介はスタープラチナを物珍しそうに観察する。

 

(一体何がどうなってやがる……スタンドは基本スタンド使いにしか見えないはず。なのにあの"ペルソナ"という存在を手に入れた今の陽介には見える………)

 

 承太郎は険しい顔をしながら色々と考える。

 

(………これは"じじい"に一度訊いてみねぇとな)

 

「それじゃあ帰るクマ!」

 

「おうっ!」

 

「………ああ」

 

 承太郎は陽介に支えられながら出口へと向かう。そして出口についた承太郎は、クマからある程度の応急処置(包帯で傷を巻く)を受けた後、テレビの外へと出た。

 

 

 

 ─────────

 

 ジュネス 家電売り場──

 

「あ……か、帰っでぎだぁ…!!」

 

「あ、里中?! お前どうしてここに……」

 

 テレビの世界から帰ってくると、目の前には大量の涙で顔がぐしゃぐしゃの里中が居た。

 

 バシィっ!!!

 

「いったァっ?! ちょ、何で急にビンタすんだよお前!!!」

 

「どうして…じゃないよ! ほんっとバカ! 最悪!! もう信じらんない! アンタら、サイッテー!」

 

 何故ここにいるのか分からないが、とにかく物凄く怒っているなと承太郎は感じだ。

 

「里中……まさかお前も帰らずに心配になって見てたのか?」

 

「そうよっ!! なんか空条君の様子がおかしかったから少し様子見てたら、花村がやって来てテレビの中に入っちゃうしさ!? 心配…したんだから。すっげー心配したんだからね! あーもう腹立つ!」

 

 承太郎が宥める様に出来る限り優しく聞くが、どうやら意味はあまりなかったようだ。そしてそれだけを言うと、里中は逃げるかのように去ってゆく。

 

「………まさか里中までいたとはな。何と言うか…ちょっとだけ悪い事したな。いや、やべーかなこれは。……まぁしゃーない、明日謝ろ。……それでさ、小西先輩だけど、どうする?」

 

 陽介が背負っている小西を見ながらどうするのか聞く。

 

「倒れていたところをたまたま発見して保護したって言って、直接親に渡しに行くのが無難だろうな 」

 

「それしかないよな……ってか小西先輩、小西先輩のシャドウとの戦いの途中から気絶してたっぽいけど、あの世界での出来事覚えてんのかな………」

 

「……それはまだ分からねえ。だが仮に覚えてて目が覚めて親に話したとしても信じてはもらえねえだろう」

 

「そうだよな……こんな話誰も信じねえよな。……よし、それじゃあ親御さんに渡しに行く仕事は俺に任せてくれ! 承太郎は早く家に帰ってその傷を癒さないとな!」

 

「すまん、それじゃあ任せる」

 

「おうよ!」

 

 そうして承太郎達は分かれた………

 

 

 

 

 

 ――――――――――

 

 堂島宅――

 

 家に帰り着くと、菜々子はおらず、遼太郎のみが座っていた。

 

「……今何時だ」

 

 遼太郎はこちらを見ず、静かに問う。

 

「……9時37分だな」

 

「……率直に訊くぞ、……お前この時間まで何してた」

 

 そう言ってこちらを見る遼太郎の表情は、一見普通に見えるが、その実、怒りのオーラが途轍もなく漂っていた。そして承太郎は、流石にテレビでのことは話せないので嘘をつこうかと思ったが、なんとなく遼太郎には嘘をつきたくなかったので、代わりに承太郎はこう答えた。

 

「……すまないがそれは答えられない」

 

 そう、黙秘である。

 

「………………」

 

「………………」

 

「………………」

 

「………………」

 

 無言の間が続く……さすがの承太郎でも少し冷や汗が流れ落ちる。

 

「………ヤバい事に手ぇ突っ込んではねえだろうな」

 

「ああ、それはない」

 

 危ない事に関わっているのは事実だが、遼太郎の聞くヤバい事とは多分違う意味の方でのヤバい事なので、嘘を言っているわけじゃない。

 

「………………」

 

「………………」

 

「……はぁ、止めだ止め。なんだかお前と見つめ合ってるとこっちの方が尋問されてる気分になる」

 

 遼太郎は参ったといった感じでため息を吐く。

 

「よく聞けよ、何故こんなにも遅れて帰ってきたのか、今回は不問にする。だが今回限りだ、いいな?」

 

「……恩に着る」

 

 承太郎は許されたことに安堵しつつ、二度と遼太郎を怒らせることをしないと心に誓う。

 

「ったく、ホントに高校生かぁ? ……あ、あとな、菜々子がお前の事すごく心配してたぞ。今は多分寝てるだろうから、ちゃんと明日謝っておくんだぞ?」

 

「分かった」

 

(どうやらまた菜々子に心配をかけたらしい………菜々子には一生頭が上がらねぇな)

 

「……あ、そうだ、そういえば……おい承太郎、ちょっと待ってくれ」

 

 承太郎は反省をしつつ、自室に上がろうとすると、何かを思い出した遼太郎に止められる。

 

「どうした?」

 

「ああいや……少し訊きたいんだが、小西早紀って生徒の事…何か聞いてないか?」

 

「……………」

 

 小西早紀……まさか遼太郎からそのセリフを聞くと思っていなかったので、少しフリーズしてしまった。

 

「? おいどうした」

 

「……いやなんでもねえ。小西早紀……確か遺体発見者だったか」

 

「ああ、まあな…実は…行方が分からなくなったと連絡があってな。うちの連中で捜しているんだが、まだ見つからない。ハァ……仕事が増える一方でな」

 

「それは大変だな。早く見つかるといいが………」

 

 見つかるも何も、こんなに遅く帰ってきたのはその小西早紀を助けていたからである。

 

「ああ……っと、すまんな呼び止めてしまって。要はそれだけだ」

 

 そう言うと遼太郎はポケットからタバコを取り出し、玄関の方へと向かう。

 

「んじゃお休み」

 

「……お休み」

 

 それだけ言うと、今度こそ承太郎は自室へと向かった。

 

 

 

 

 

 ─────遼太郎視点

 

 

 

「……すぅーっ………はぁ………にしても厄介な事件だな」

 

 遼太郎は外でタバコを吸いながら、今回の事件について色々と考える。

 

「しかし小西早紀……か。今回の件の目撃者が失踪……何か嫌な予感がする」

 

 pipipipipi……

 

「ん、誰だこんな時間に………堂島だ」

 

『あ、堂島さん! ちょっと大変ですよ!』

 

 どうやら電話相手は足立だったようだ。

 

「なんだ足立が…切るぞ…『いや何でですか?! ってそれよりも聞いてください! なんとあの行方不明だった小西早紀が先ほど家に帰って来たって親から連絡があったんですよ!!!』……無事だったのか! それで、小西早紀は一体どこにいたんだ」

 

『それが……どうやら何があったのか何も覚えてないらしくて』

 

「はぁ…? 何も覚えてないだとぉ?」

 

 遼太郎は怪しみながら話を聞く。

 

『え、ええ。それがどうにも、気付いたら同じ学校の生徒の花村陽介って少年に家に連れてってもらったらしくて……』

 

「花村陽介……確かジュネスんとこの………それで、他に情報は?」

 

『え? えっと……これだけです』

 

「はぁっ?! お前ふざけてんのか! もっと聞くことがあるだろうがっ!!!」

 

『いや違うんですって! 僕も他に聞こうと思ったんですけど、それだけ言うと一方的に電話切られちゃって……』

 

「はぁ……もういい! 明日早速小西早紀……そして花村陽介に話を訊きに行くぞ」

 

『あ、はい! 分かりまpi……

 

「………はぁ」

 

 遼太郎はタバコを吸う気力も失せ、外の空気を吸うことにした。どうやら堂島の苦労はまだまだ続くようだ………




お読みいただきありがとうございました!

花村のシャドウがもし余裕をかまさずそのまま遠距離攻撃を続けていればどうなっていたのか………

そして承太郎の言う"じじい"とは果たして誰なのか……ジョジョを見ている方はもう予想が出来ているでしょうが、是非次回もお楽しみにしてください!

生存した小西早紀の処遇に関して

  • 特に何もなし(話にほとんど出てこない)
  • 日常話で出す(それ以外でもたまに出る)
  • 承太郎の後方腕組み彼女(自称)
  • 花村陽介といい雰囲気に
  • 助けた分お礼しないとなぁ?^^ ニチャア
  • 私は人間をやめるぞ! ジョジョ──ッ!!
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