ペルソナ使いとスタンド使いによる奇妙な冒険 作:SKBoom
用事があり書けなかったと事情もあるのですが、一昨日くらいからどうもモチベが上がらず、全然と内容が書けずに今日まで持ち越してしまいました……
そのせいもあり、焦り急いで書いてしまったので、地の文やセリフがややおかしい部分が多いですが、どうかご了承ください……
第八話 突然の消失と焦り
通学路――
「よっ、おはよーさん!」
ベルの音と共に、後ろから声をかけられる。
「…陽介か、おはよう」
相手は案の定陽介であった。
「昨日の夜中の、見たろ?」
「ああ、バッチリとな」
「誰だかいまいち分かんなかったけど、アレに映った以上、放っとけない。とにかく放課後、様子見に行こうぜ。クマからなんか聞けるかも知んないし」
承太郎は頷き、その考えに同意する。
「また誰かが放り込まれたんだとしたら、やっぱ、マジでいるのかもな、"犯人"…被害者が死ぬ直接の原因はあの世界のせいかも知れないけどさ…あの世界を"凶器"として、使ってヤツがいるなら許せないよな…」
少し俯いている陽介の表情からは、絶対に許せないといった感情がひしひしと伝わる。
「その通りだ。直接殺してないだとかは関係ねぇ、あのテレビに入れられた一般人は死ぬという事は山野真由美の件で分かってるはずだ。それでもテレビに入れ続けるという事は殺人と何ら変わりはない」
「そうだよな……うしっ! 絶対俺たちで犯人見つけよーぜ!」
「ふっ…勿論そのつもりだ。守りたい奴らだっているしな」
守りたい奴ら……頭の中で陽介たちや遼太郎と菜々子が鮮明に浮かぶ。
「そうだぜ! 俺たちがこの町を平和にしてみせないとな! …それと実は」
「ん、どうした」
陽介は改まった表情で言葉を続ける。
「昨日さ、俺んちのテレビで試したら、頭突っ込めたんだよ、お前みたいに。俺が一人でテレビに入れたの、あの力が目覚めたからかもな…」
「ペルソナ…か」
(……スタンドもまだ謎が多いが、ペルソナも中々に謎だらけだな)
再び承太郎はペルソナについて色々な疑問が生まれる。
「…というか色々あって忘れかけてたけどさ、結局スタンドってなんなの? 俺が授かったペルソナとは別物なんだよな……」
「……ん、ああそうだったな。まだお前には説明してなかったな」
まだスタンドについて詳し事を教えてなかった事を思い出し、スタンドについて分かっている事を教える。
スタンド使い説明中…
「……えーと、つまりだ。本人の生命エネルギーと精神的エネルギー……が形を持った像のことをスタンドと呼び、本来ならスタンドはスタンドを持つ者にしか見る事も触れることも出来ない…ってことであってるか?」
「ああ、その認識で構わない」
「んで、スタンド使いになる条件が、生まれつきの才能か、遺伝によるものか……えっと、あとなんだっけ」
「"スタンドの矢"で射抜かれるかだ」
「あ~そうそれ。……ペルソナもそうだけど、スタンドってヤツも中々に不思議な存在だよな」
その通りである。承太郎たちでさえも、スタンドについて詳しい事は半分も理解はしていない。特に何故スタンドの矢というモノが存在し、誰が何の為に作成したのかも不明である。
「…まぁでも、ペルソナとスタンド…この能力を持つ俺たちなら、犯人見つけてこの事件解決出来そうな気がすんだ…ま、よろしく頼むぜ相棒!」
期待に満ちた笑顔を浮かべながら、自転車を降り、再び左手を差し出してくる。
「……よろしくな」
彼は少し不愛想な表情をしながらも、再び差し出された左手を掴んで握手を交わす。
ピーンポーンパーンポーン……
少し遠くの方で、学校のチャイム音がかすかに響いてきた。
「…ってやべ?! また遅刻だぜ?! 急ぐぞ承太郎!」
「……ったく、やれやれだぜ」
やれやれ…と言いながらも、少しこの状況を楽しんでいる承太郎であった……
―――――――――――
八十神高校 朝――
「ま~たモロキンに怒られちったぜ…つかなんで承太郎にだけはビミョーに言い方優しいんだよ! 不公平だ!差別だぁ~!」
「知らねぇ。あいつが勝手に俺にビビってやがるだけだろ」
結局10分遅れで学校に着き、休み時間になって陽介のモロキンに対する愚痴を聞きながら過ごしていると、慌てた様子の里中がこちらに向かってきた。
「よぉ里中! …つかどしたの、えらい顔色が悪いけど」
「ウソ…どうしよう…ねぇ、昨日の話ってやっぱホントなの? マヨナカテレビに映った人は"向こう側"と関係してるってヤツ」
慌てているせいなのか、陽介の言葉は耳に届いていない様子で、昨日の出来事の真実に対して再び確認を取ってきた。
「本当の話だ。嘘をついちゃいねェ」
「そ、そうだよね。……昨日映ってたの…雪子だと思う」
「なっ…あの映像に映ってたの天城だってのか?!」
「…実はそのことだが、俺もその可能性があると睨んでいる」
「じょ、承太郎もか?! で、でもなんで天城なんだよ……」
あの映像に映っていたのは天城かもしれない……その可能性を知り、陽介は驚きと、何故気付けなかったのかといった表情を浮かべている。
「あの着物、旅館でよく着てるのと似てるし、この前インタビュー受けた時も着てた」
「俺もそのテレビは見ていた。それに、昨日の学校の帰り道、俺はたまたま天城と会っている。その時の服装もあの着物だった」
「…それで、心配だったから夜中にメールしたんだけど、返事こなくて……でも、夕方頃にかけた時は、今日は学校来るって言ってたから……わ、わたし」
天城の事が余程心配なのか、里中の表情は更に優れないモノへと変わってゆく。
「わ、分かったから落ち着けって。で、メールの返事はまだ無いのか?」
その様子に見かねた陽介は心配の声をかけ、メールについての有無を確認するが、静かに首を縦に振る。
「…もし花村達の話が本当ならあそこに入れられたって事になるよね。……早く助けに行かなきゃ」
優れない表情をしながらも、何かを勝手に決意した様子で、この場を去ろうとする……が、流石にマズいと判断した承太郎が、腕を優しく掴み、里中の暴走を止める。
「おい待て……まさかてめぇ、一人でテレビの中に行くつもりか」
「そ、そうだよ!? だったら何! 早くしないと雪子が…!!」
「はぁ……もう少し冷静になって物事を見な」
「そうだぜ…今のお前は冷静じゃ…」
「あ、あたしは至って冷静だって!! だから早くこの手を放し…って!」
腕を無理やりほどこうとするが、承太郎がそれを許さない。
「…いいか、あくまで"可能性がある"だけだ。テレビの中に入ったという事は確定してねぇ。まずは電話をしてみろ。それで電話に出なけりゃ、俺たちもテレビの中に入る…それに、俺たちの力無しでどうやってテレビの中に入るつもりだ」
「っ…! そ、そうだよね。ごめん…あたし冷静じゃなかったみたい」
承太郎の説得により、どうにか里中は落ち着いてくれた。そして里中はポケットから携帯を取り出し、天城へと電話をかける。
「…どうしよ……留守電になってる…で、出ないよ……」
「マジかよ…じゃあまさか、天城はあの中に?」
「や、やめてよ! き、きっと他に何か…用事とか……」
自分にそう言い聞かせつつも、また顔色が悪くなってゆく。
「あ、旅館の方で手伝いしてるかも…そしたら携帯に出れないと思うし…」
「手伝いって…学校休んでか?」
そこまでするか? と言いたげな表情をする陽介だが、承太郎が待ったをかける。
「いや、里中の言う事には一理ある。念の為、旅館の方にも電話をかけてみろ」
「う、うん…そうしてみる。えっと…天城屋旅館は……」
不安な表情をしながらも、震える指で電話番号を入力する。
「雪子…お願い……」
prrrr prrrr prガチャッ
「あ、雪子!? よかった~! いたよ~!」
どうやら電話に天城が出たようだ。それに安堵したのか、里中は笑顔になりながらも、涙ぐんだ声になってしまっている。
「うん…うん、そっか…あ、ううん、なんでもないっす! また後でメールするから…」
天城と少し言葉を交わすと、今度は落ち着いた手付きで、通話を切る。
「よかった、雪子いたよ~…急に団体さんが入って、手伝わなきゃいけなくなったって……あ~そう言や今までも、年に一回くらいはこゆ事あったっけね~。明日もずっと旅館のほうにいるって!」
余程安堵したのか、今まで不安だった感情が溢れるかのように、言葉を次々と続ける。
「見つかったようだな…しかし、だとしたらあのテレビに映った人物は誰だ?」
天城が無事だったことに承太郎も安堵しつつも、結局あのテレビに映った人物が誰なのかが疑問となる。
「誰かは分かんねえけど、どういう事か確かめた方がいいかもな……うし、今日の放課後、ジュネスで待ち合わせしようぜ。俺、準備して先行ってるな!」
陽介の一声により、承太郎達は真相を確かめるため、再びテレビ前へと集結するのであった……
─────────
ジュネス 家電売り場──
テレビの世界へと入る前に、承太郎は念の為、昨日起きた出来事を里中に改めて説明する。
「ま、まあまあ…俺のイタい体験の部分はそこら辺で…な?」
「改めて聞いて思うけど、普通そんな話絶対信じないよね。実際にあの中見てなかったら」
「まったくだぜ…で、とにかく中の様子を知りたい訳なんだけど……」
そこで言葉を区切ると、陽介は辺りを見渡す。承太郎も辺りを見渡すと、今日はやたらと客が多く見える。
「ハァ…なんで今日に限って客がこんなに…そういや今、家電はセール中だっけか……」
少しの不満を抱えながら、陽介はどうしようかと考える。
「なんとかクマくんの話、聞けないかな…」
「……………」
承太郎と里中も、陽介同様に解決策を考える。すると、陽介は何か思いついたのか、テレビの前へと承太郎を呼ぶ。
「なあ、手だけ突っ込んで呼んでみねえ? どうせクマ、入り口でウロウロしてんだろ。里中、お前は俺の反対側ね。俺と一緒にカベやって」
陽介の指示に合わせ、里中と陽介は承太郎を挟む形でテレビの前へ立つ。しかし近くを通られたら確実にバレるので、承太郎は急いで手を突っ込みクマを呼んでみる……すると、
カプッ!
……何者かに手を噛まれる感触が広がる。それも遠慮なくといった感じだ。流石に驚いた承太郎は、手を一瞬にしてテレビから放す。
「野郎ォ……!」
「ど、どうした!?」
「あの野郎…手を噛んできやがった……」
「うわ…ホントだ、歯形ついてる…大丈夫?」
「……問題ねぇ」
問題ない…とは言ったものの、それなりにヒリヒリとした痛みが広がっている。
「よかった~。もー、クマの仕業だな? おい、クマきち! そこに居んでしょ!」
『なになに? コレ、なんの遊び?』
里中がテレビに向かって話しかけると、テレビの中から呑気な声をしたクマの声が聞えてくる。
「遊びじゃねっつの! 今、中に誰かの気配はあるのか?」
『誰かって誰? クマは今日も一人で寂しん坊だけど? もしろ、寂しんボーイだけど?』
「うっさい! けど、誰もいない…? ホントに?」
『ウ、ウソなんてつかないクマ! クマの鼻は今日もビンビン物語クマ』
誰もいない…その事実に里中は困惑した様子を見せる。しかし、それは承太郎も同じであった。テレビに映った人物はどういう訳かテレビの世界へと入ってしまう……だが今回は誰も入っていない。勿論、入っていないことに越したことはないのだが、承太郎の中での推測と色々と食い違ってしまった。
(その日にテレビに映ったからといって、既に入ってるとは限らねぇのか…? それとも、そもそもの考えが違うのか…)
「…あたし、やっぱり雪子に気を付けるように言ってくる。土日は旅館が忙しいから、一人で出歩いたりしないと思うけど…」
「……そうしてくれ。何か嫌な予感がする」
「ああ、俺も嫌な予感がするぜ……それと明日、一緒に来るんだろ?」
「うん、家まで迎えに行く」
「もしかしたら、今夜の"マヨナカテレビ"でまた何かわかるかもしれない。全部勘違いならいいんだけどな……」
三人の中に不穏な空気が漂う…しかし無理もない。もしかしたら雪子が、テレビの中に入ってしまう可能性が再び現れたからだ。
「今日見たら電話するわ。承太郎、携帯の番号教えてくれ」
「……ああ」
二人はポケットから携帯を取り出すと、携帯電話の番号を交換する。
「じゃあ、今夜見るの忘れんなよ!」
陽介のその言葉を最後に、承太郎達はジュネスから解散した。
─────────
自室──
「もうそろそろか……」
時計を見ると、あと数秒で午前0時になろうとしていた。
カチ……カチ……カチ……カチッ
ジリジリジリジリジリ………
「……来たか」
電源をつけていないはずのテレビに再び砂嵐が起きる。そこに映し出されたものは……
『こんばんは~! え~っとぉ…今日は私、天城雪子がナンパ…逆ナンに挑戦してみようと思います♪』
「……………」
…まるで某ホテルの様なお城、そしてその前に立つ、ピンク色のドレスを着飾り、手にマイクを持った天城雪子の姿……
『題して~? "ヤラセ無し! 突撃逆ナン!雪子姫の白馬の王子様探し!!"も、超・本気ぃ~! 見えないトコまで勝負仕様、はぁと…みたいなね♪ も~私用のホストクラブをブッ建てる位の意気込みで~…じゃあ行ってきます!』
プツンッ……
それだけを言うと、テレビの電源は切れてしまった。
「……………」
有り得ない光景に、承太郎は過去一困惑してしまう。
(…やはり昨日映ったのは天城だった…それは分かったが…この映像は一体…)
承太郎の知っている天城雪子とは真逆の映像…大和撫子からは程遠い、全く別の性格。
「……あれが、天城の本心…っという事なのか?」
承太郎は思い出す。彼女と出会ってまだ数日ではあるが、確かに天城には違和感を覚えていた。
放課後、旅館の手伝いの為、早く帰ることがあったが、いずれもその時の表情は優れないモノであった。更に、帰りの通学路でたまたま会って会話をした際も、無理をしているのではないかと聞いた瞬間、無理やりに話を変えてきた。
「旅館の手伝いがめんどくさい……いや、"旅館そのものが嫌い"……?」
prrrrr prrrrr………
映像の真実について推理していると、ポケットに入れたままにしていた携帯が震える。名前を確認すると、陽介であった。
『お、おい…見たか! 今の!?』
「……バッチリとな」
声の様子からするに、どうやら陽介もかなり動揺している様子だ。
『天城だよな! 顔本人だったし、つか名乗ってたぜ! けど言ってる事おかしくなかったか!?』
「ああ、普段の天城からは想像出来ねぇ発言だらけだ」
『しかもなんか、バラエティ番組みたいな…何だコレ、今までのもこうだったのか? どうなってんだ一体…?』
余程予想外だったのか、かなり混乱している。
「確かに予想外の出来事だったせいで混乱するのも分かるが……こういう時ほど一度落ち着け」
このままじゃマトモな会話が成立しそうにないので、とりあえず陽介を落ち着かせることにする。
『…っ、そうだよな…落ち着かねえと………よし、とりあえず里中にも連絡してみるわ、あいつも混乱してるだろうし……それと、明日は日曜だし、朝イチでジュネスに集合な!』
「ああ…」
電話を切り、明日に備え早めに寝ることにした……
─────────
堂島宅 一階──
ジュネスに集合するため、早めに起き準備を済ませる。
「あ、おはよ」
「……おはよう」
居間の方に行くと、どうやら遼太郎はおらず、菜々子が一人だけで居た。
「今日は早く起きたつもりだったんだが…菜々子も早起きだな」
「お父さん早おきだったから、いっしょにおきた。かえり、おそいって」
「そうか……」
遼太郎は仕事に出たらしい…という事は、承太郎が出かけてしまったら、菜々子は一人きりになってしまう。
「出かけるの?」
「っ……あ、ああ…その……悪いな」
つい顔を伏せてしまう。人の命が掛かっているのだから仕方のない事だが、それでも菜々子を一人にしてしまうという事に、少なからず罪悪感が沸いてしまう。
「………ううん、だいじょうぶだよ! 菜々子、るすばんできるから」
その一言を聞き、菜々子の方を向くと、菜々子は可愛らしい笑顔を向けていた……しかし、何処か悲しげに見えるのはきっと、気のせいではないだろう。
『……が張り出し、終日お出かけ日和の晴れとなるでしょう。続いて、週明けの空模様です』
「晴れだって。せんたくもの、ほそうっと………行かないの?」
「……行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
「……………」
また近いうちに、何処かに連れて行ってあげようと誓いながら、承太郎は外へと歩み出した……
─────────
ジュネス フードコート──
「わり、お待たせ」
「いや、そこまで待ってはねぇ」
約束通り、ジュネスのフードコートで座りながら待っていると、不自然に両腕を後ろに隠している陽介がやって来た。
「……なんで両腕を隠してやがんだ」
「お、やっぱ気付きますか! ……実はバックヤードからいーもの見っけてきたから。見てみ、どーすかコレ!」
意気揚々と隠していた両腕を前に出すと、左手には鉈、右手には日本刀を持っていた。見た目はかなり精巧に出来ているが、よく見ると刃の部分は偽物の様だ。
「いくらペルソナとスタンドがあるからって、武器無しじゃ心許ないからな。つーわけで、承太郎はどっちにする?」
承太郎は意気揚々とした様子の陽介に呆れ果て、少し厳しい視線を向ける。
「てめぇな…ここが何処なのか分かってやがんのか? 周りを見ろ…」
「え?……あ、い、いや! 皆さんこれは違くて…! えっと……!」
そう、ここはジュネス。武器屋でも鍛冶屋でもなく、ただのショッピングモール…それもフードコートだ。そんな場所でいくら偽物だろうが刃物を出せば、多かれ少なかれ、客からの注目を浴びてしまうことは間違いない。
「余計に怪しく見えるから止めろ…」
明らかに動揺してしまった陽介を落ち着かせるべく、席から立って陽介に近づこうとするが……
「…挙動不審の少年二人組を発見。刃物を複数所持、至急応援求む」
一体どちらの運が悪いのか、たまたま近くにいた警察に見つかってしまう。
「は…? あ、や、ちょっ……いや、いやいやいや、何でもないッスよ!? コレ別に、万引きとかじゃなくて……や、疑ってんのそこじゃねえか…て、てか別に怪しくないッス!」
もはや喋れば喋るほど余計に怪しまれるので黙ってほしいが、陽介の動揺は更に加速する。
「あーと、俺ら刃物マニアっていうか…あ、それもアブナイ話っすよね、えへへ……」
「…とにかく詳しい話は署で聞く。それを床に置きなさい。手は頭の上、はー、やー、くー!!」
「はぁ……おいアンタ、こいつは決して悪気があってレプリカを持ってるんじゃねぇ……許してやってくれねぇか?」
「あのねぇ~…いくら悪気が無かったとしても、そうやって大衆の前で見せびらかしたら、ホンモノかもしれないって驚いちゃう人もいるでしょぉ~? だから、君たちにはちゃ~んとお話しないとね」
このままでは状況が悪化してしまう…そう判断した承太郎は、警察にどうか話を聞いてもらおうとするが、どうやら無理なようだ。
「や、でも…これは……!」
その言葉で更に動揺したのか、自身が刃物を持っているという事を忘れ、身振り手振りで潔白な事を説明しようとする。
「な、な、なんだこのヤロー! やろうっちゅうの!?」
それを自身に向けて威嚇したと勘違いしてしまった警察は、腰に付けている警棒に手を伸ばす。
「なっ…おい陽介ッ! テメェいい加減に……!」
もうこうなったら無理やりにでも落ち着かせてやるッ! ……と思った承太郎だが、後ろの方から増援の警察が現れてしまい、承太郎達は無事、連行される事になってしまった………
BADEND
──逮捕end 1/7……………
………とはならず、警察署にいた遼太郎により、なんとか誤解は解いてもらった。しかし、陽介の持ってきた武器は、当たり前だが没収された。
「お前…こういうバカをするタイプには見えなかったがな」
遼太郎の顔を見るに、かなり呆れた表情をしており、少し信頼を落としてしまったようだ。
「今、色々起きてるのは知ってるんだろ。あちこちに警官が配備されてる。…ったく、俺が偶然居なきゃ、補導歴が付いてたとこだ」
「スンマセン…」
「……すまねぇ」
三人の中で、どんよりとした空気が漂う。
「え、じゃ、居なくなったのって、やっぱ天城屋の……」
「ああ…でもまぁ、高校生だ。ただ家出とかってオチかも知れんが…」
すると、たまたま横を通り過ぎて行った刑事たちの会話が耳に入る。
「今の……」
「ああ、これで間違いねぇな…やっぱりあれは……」
二人は目を合わせ、あのテレビに映った人物は天城であると改めて確信する。
「ん? "やっぱり"ぃ…?」
「…いや、なんでもねぇ」
つい天城に関する情報に反応してしまい、目の前に遼太郎が居る事を忘れて会話をした事により、遼太郎はこちらを怪しんだ目を向けてくる。
「…こっちぁ今、事件で忙しいって言うか…色々とデリケートなんだ、ニュースで知ってるだろ。これっきりにしろよ……じゃ、帰ってよし」
しかし承太郎達に構っている暇は無いのか、怪しんだ目はしたものの、なんとか開放してくれた。承太郎達は救出に急ぐべく、早くジュネスへと向かおうとする。
「おっとー…と、ゴメンね」
すると、下を向きながら歩いていたので、寸前まで気付かなかったのか、コーヒーカップを持った若い刑事が承太郎とぶつかりそうになった。
「……あれ? キミ、もしかして堂島さんトコの?」
「……ああ、世話になってるが…」
(こいつ…何処かで…………そうか、あん時の野郎か)
承太郎は思い出した。この男は確か、最初の事件の現場に遼太郎と居た、現場の惨状に耐えきれず嘔吐した刑事だ。
「あのっ! ちっと訊いてもいいですか?」
この男について色々と思い出していると、真剣な表情をした陽介が、この男に質問を投げかける。
「その、天城のやつ…あ、つか天城屋の天城雪子の事ですけど……もしかして、居なくなったんですか?」
「え、あ、うーんとね…言っていいのかなあ?」
目の前の男は言っていいものかと考えている。そこで承太郎も、らしくはないが、ダメ元で情に訴えかけ、喋らせる事にした。
「……実は俺たちは天城…いや雪子の大親友だ。それで行方不明という話をつい耳に挟んじまって、心配でたまらねえ……」
「っ! そ、そうなんですよええ! 俺たち超が付くほどの仲良しって感じ~! ……的な?」
どうやら承太郎の作戦に気付いたのか、陽介も作戦に乗っかってきた。
「う、う~ん……まあ、天城さんの親友なら…特別だよ?」
(……嘘だろコイツ)
なんと、情に訴える作戦が効いたのか、天城についての話を聞けることになった。それと同時に承太郎は、情報漏洩じゃないのか…っと思いながらも、ここまで来たら今更、実は違いますとも言えないので、話を聞くことにした。
「天城さん、昨日の夕方くらいから急に姿が見えなくなったって、ご家族から……。土曜だから旅館の人はみんなキリキリ舞で、夕方頃は誰も天城さんを見なかったって」
「……そうか、……陽介、行くぞ」
「え? ……お、おう!…あ、えっと、刑事さんありがとうございました!」
これ以上聞くことは無いと判断した承太郎は、陽介と共に急いでジュネスへと向かおうとする……
「ああちょっと待って! …キミたちさ、何か聞いてない? 本人が、例えば辛そうだったりとか」
「え…辛そう?」
……が、刑事の一言により再び止められてしまう。
「ほら、一件目の殺人の前、例の山野アナが天城屋に泊っててさ。山野アナ、接客態度の事で、女将さんに酷い言葉を浴びせたみたいなんだよね。で、女将さんがストレスで倒れちゃって……」
「……それで、要するに何が言いてェ訳だ、テメェは…」
この刑事が何を言いたいのか察した承太郎は、鋭い視線と圧を向ける。
「い、いやその…天城さんって女将さんの娘なわけだし…まあその…色々と思うじゃない? だから…えっと…何か都合が悪いことがあって隠れてるとか言ってるヤツも居てさ…」
「……なるほどよーく分かったぜ。要するにテメェらは、天城が犯人と言いてェ訳だな?」
「なっ! んなわけねぇだろ! なんで天城が犯人扱いされないと……!」
「ちょ、ちょっと落ち着いてって! あくまで一部でそういう話が出てるってだけだからさ! みんながみんなそう思ってるわけじゃないよ!」
承太郎の圧もあってか、刑事は必死に違うと説得する。
「足立、部外者と立ち話してんな! …コーヒーまだかよ!」
どうやら刑事が持っていたコーヒーは遼太郎が頼んだものらしく、後ろの方から呼んでいる。
「す、すんません! 今行きます! ……ゴメン! 今の話は無し! 忘れて!」
それだけを言うと、慌てた様子で去って行った。
「…色々と言ってやりてぇが時間が無ぇ。今度こそ行くぞ」
「……おう!」
承太郎達は急いでジュネスへと行こうとするが、警察署の出入り口近くに優れない表情の里中が立っていた。
「あっ、いた! ちょっと、なにやってんの!? すっごい捜したんだから!」
「や、ま、ちっと誤解されて…後で話すって…それより天城だよ!」
「え、もう知ってんの!? 携帯、何度かけても連絡つかなくて…家行ってみたら、雪子、ホントに居なくなっちゃってて…!」
そう話す間も、里中の表情は優れない。
「やっぱ、行ってみるしかないな…それより、警察が妙な事言ってる。天城が都合悪い事があって隠れてるとか…天城のお袋さん、山野アナにイビられて倒れたらしい。動機があって、しかもモメた直後に山野アナが死んだから…」
先ほど刑事から聞いた話を陽介が話すと、優れない表情をした里中は、徐々に怒った表情に変わってゆく。
「なによソレ!? 雪子が犯人って流れ!? んなワケないじゃんッ!!」
「俺にキレんなよ、分かってるっつの! ちっくしょう…ヤバい目に遭ってんの、天城のほうだってのに…」
二人ともかなり動揺してしまっている。
「てめぇらいい加減にしやがれ。天城を助けに行くならこんな所で参ってる暇はねぇぞ」
しかし流石の承太郎。ここは経験の違いを見せるかの如く、精神的支柱として一喝をする。
「そ、そうだよね…あっと……どうしたらいいの!?」
「とりあえずはテレビの中の様子を見に行く。あとは状況で判断だ」
これからの作戦を語ると、里中は覚悟を決めた顔をする。
「あたしも行く!」
「はぁっ?! おい冗談だろ? あの場所は危険なんだって!」
「あんたらがなんて言おうと行くからね! 絶対、雪子助けるんだから!」
「……どうしても付いてくる気か」
承太郎が生半可な気持ちじゃ許さない…といった表情で聞くと、里中は静かに頷く。
「……いいか、俺らから絶対に離れるな」
「お、おい…里中連れてっても大丈夫か……?」
心配なのか、陽介が不安な表情で聞いてくるが、逆に考えろと承太郎は言葉を続ける。
「今のこいつは何をしでかすか分からねぇ。余計な事をされるくらいなら近くに置いておいた方が安心だ」
「ま、まあ確かにそうかもな……けど、まいったな…承太郎はいいかもしれないけど、俺丸腰なんだよ…また何か武器んなりそうなモン見つけないと……」
「武器…? あたし、知ってるよ! とにかく、一緒に来て!」
参ったといった表情で悩んでいると、里中は武器を売っている場所を知っているのか、急いで警察署を出る。
「おいちょ、待てって!」
「………はぁ」
ちゃんとしているようで、ちゃんとしていない仲間を二人も持ち、この先の事を思うと、気苦労が絶えない承太郎であった………
お読みいただきありがとうございました!
次回は遂にあの城へと突撃します!(九話目にしてやっとです…)
小西早紀についての処遇のアンケートの結果がまだお済でない方は是非投票をお願い致します!
生存した小西早紀の処遇に関して
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特に何もなし(話にほとんど出てこない)
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日常話で出す(それ以外でもたまに出る)
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承太郎の後方腕組み彼女(自称)
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花村陽介といい雰囲気に
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助けた分お礼しないとなぁ?^^ ニチャア
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私は人間をやめるぞ! ジョジョ──ッ!!