うちは一族の守り神   作:茉莉亜

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インドラとアシュラと守り神

 

 

 

602:暇を持て余したスレ主

稲荷寿司って美味しいね~

 

 

603:名無しの神様

いきなりどうした?

 

 

604:名無しの神様

気が触れたか?

 

 

605:暇を持て余したスレ主

最近おまいらが冷たくて泣くぞ

稲荷寿司食べてたんだよ 結構いける

[稲荷寿司の画像]

 

 

606:名無しの神様

いや、俺等は食べる必要なんてないだろ

 

 

607:名無しの神様

つーか何で寿司なんか食ってんの?パーティーでもやってんのか

 

 

608:暇を持て余したスレ主

通夜の席で出てきた 

マダラの弟が二人死んじゃってさ、俺の分も出してくれたから食べてる

 

 

609:名無しの神様

>パーティーでもやってんのか

全っっ然真逆のパーティーじゃねえか!!

 

 

610:名無しの神様

寿司、美味い?

 

 

611:暇を持て余したスレ主

≫610

美味いよ

 

 

612:名無しの神様

≫610-611

和む会話だな

 

 

613:名無しの神様

お前もう守り神って名乗るの止めろ

 

 

614:暇を持て余したスレ主

≫613

あのねえ!俺が殺したみたいな言い方やめてくんない?

しょうがないじゃん、いつの間にか死んじゃってたんだから 

人間の弱さを見くびってたよ

 

 

615:名無しの神様

何で死んだの?病気?

 

 

616:暇を持て余したスレ主

戦(いくさ)

死んだのは三番目と四番目の子だったんだけど、今日が二回目の戦場だったんだって

途中までいい感じに戦ってたけど、ダメ 

千手一族と羽衣一族で三つ巴になったから

 

 

617:名無しの神様

>羽衣一族

ハゴロモ様の子孫まだいたの!?

 

 

618:暇を持て余したスレ主

うーん、分からん

千手の方ばっか見てたから、正直羽衣の方は何とも 

そこそこ強そうだったけど

 

 

619:名無しの神様

一つ聞きたいんだが

まるで見てきたように話してるけど、ナギ様戦場にまで参加してんの?

 

 

620:暇を持て余したスレ主

まさか 流石にそこまでしないよ 

戦がある度にマダラに引っ付いて戦場には行ってるけど、眺めるだけだし

 

 

621:名無しの神様

おい!!?

 

 

622:名無しの神様

いや掟とかも最早今更だけど……うん……

 

 

623:名無しの神様

ナギ様、まだ間に合うからすぐ帰ってきな 

そこまで干渉したら下界のバランスが崩れる

 

 

624:名無しの神様

既に手遅れ感はあるけれど……

 

 

625:暇を持て余したスレ主

≫621-624

予想通りのリアクションありがと

まあ俺も、色々とやばい領域に踏み込んでる感はあるけど……ここで帰れないって

マダラを……生まれ変わったインドラを見守りたいし、放っておけないし

 

 

626:名無しの神様

その心は?

 

 

627:暇を持て余したスレ主

生まれ変わってるアシュラを殺して、インドラの災いを減らしたい

 

 

628:名無しの神様

≫627

【緊急速報】神が禁忌に踏み込むどころか、飛び超えてタップダンスしていた件

 

 

629:名無しの神様

ナギ様何なの??掟とかルールとか絶対破壊するマンなの??

 

 

630:名無しの神様

い、今何を話されてるんだ……?

俺達みたいな末席には早過ぎた行いだったのか……

 

 

631:暇を持て余したスレ主

≫629

失礼な 俺だって別に率先して面倒な事したくはないよ 

インドラの敵は何が何でも消し去りたいだけ 

魂の一欠けらも残さない

 

 

632:名無しの神様

インドラの敵絶対殺すマンだった

 

 

633:名無しの神様

そりゃ俺達もナギ様の気持ちは少し分かる……… 分からねーよ!?

 

 

634:名無しの神様

いきなり殺意に目覚めてどうした 

この間までマダラかわゆい~とか言ってふざけてたのに

 

 

635:暇を持て余したスレ主

おまいらがすごい食いつくから説明できなかったんでしょーが

あのね、最近はマダラとかその弟達とかと結構平和に過ごしてたんだけど、四人目の弟が生まれたくらいで、ふと思ったんだよ

あれ、そういやこの弟達って転生体でもなく普通だなって

 

 

636:名無しの神様

普通?

 

 

637:暇を持て余したスレ主

アシュラって仮にもインドラの弟だから、

あいつも転生してんならまた性懲りも無く弟ポジションを狙ってくるのかと思ってた

でも長男のマダラにはインドラが転生してるのに、弟は四人もいて、誰も転生体じゃないから「あれ?」と思って

 

 

638:名無しの神様

生まれ変わっても兄弟ルールが適用される訳じゃないだろ 

ああいうのって無作為に選んでるだろうし

 

 

639:名無しの神様

前に誰かがアシュラの末裔は千手って言ってなかった?

転生するなら千手一族の方にいってんじゃね?

 

 

640:暇を持て余したスレ主

≫639

そう!俺が思い出したのもそこなんだよ!

→もしかして千手一族にアシュラの転生体がいってる?

→うちはと千手は戦争中

→マダラも初陣以来、戦でブイブイ言わせてる

→まさかアシュラの奴、戦場で会ったらまたマダラ(インドラ)を仕留める気なんじゃ…?

 

っていう事に気が付いて、これは家で呑気にしてられない マダラを守らなきゃ!ってなった訳

 

 

641:名無しの神様

成程……?

 

 

642:名無しの神様

インドラへのストーカーぶりも凄いけど、アシュラへの憎悪がやばい

 

 

643:名無しの神様

百歩譲って、その転生体を守りたいのは分かったけど、俺達には無理じゃん?

天界の禁三則を誰か復唱してくれ

 

 

644:名無しの神様

≫643

もう誰にもこの人は止められないよ

俺達は傍観しとこうぜ

 

 

645:名無しの神様

事情は置いといて、じゃあナギ様は今度はアシュラの転生体探してるの?

 

 

646:暇を持て余したスレ主

≫645

最初はすっっっごい不本意だけど探してた 

見つからないと対策も立てらんないし

でもマダラの時みたいに、ビビッ!て分かる訳じゃない

戦ってる千手一族も、人間ばっかりで全然それらしき奴いないし

今はマダラに悪い虫がつかないか見守ってる

 

っても、俺が何かするまでもなくマダラも強いんだけどね

この前も千手の奴等四人くらいに囲まれてフツーに倒してたし 

[まだ年端もいかなそうなマダラが返り血塗れで帰還した画像]

 

 

647:名無しの神様

≫646

いや怖っ!!?

 

 

648:名無しの神様

これ何歳だよ、8歳くらい??これで大人相手に勝ってるとかやべーだろ

 

 

649:暇を持て余したスレ主

顔に血が飛んで隈取りっぽくなると、ますますインドラに似ていいよね

 

 

650:名無しの神様

いいよね、じゃねーから!

 

 

651:暇を持て余したスレ主

やっぱインドラの転生だと強さも段違いなんだな~って思うと嬉しくって、にやけちゃう 

この時のマダラに思わず抱きついたら、何か嫌がられたんだけどさ

 

 

652:名無しの神様

そりゃあ、人殺しした後にそんなスキンシップされてもねえ

 

 

653:名無しの神様

こんな小さな子が血まみれで帰ってきたら、俺が人間だとしても引くよ

 

 

654:暇を持て余したスレ主

≫653

あーそれはちょっとあったな

タジマとかは喜んでるっぽかったけど、他のうちはの大人とかは少し顔が引きつってた

頭領の息子が手柄立てたんだから喜べよって思ったね 

 

 

655:名無しの神様

人間として正常な感性だと思うが……

 

 

656:名無しの神様

マダラ君はどうなの?ショック受けてるの?

 

 

657:暇を持て余したスレ主

んー弟が死んだ事に落ち込んでる 

三番目と四番目の子が死んだのもその戦だったけど、訃報聞いた瞬間に固まってたから

 

 

658:暇を持て余したスレ主

今は残ってる弟二人とくっついてる 血流さないと固まっちゃうよ

 

 

659:名無しの神様

心配するポイントが違う

 

 

660:名無しの神様

家族思いなんだね、その子は インドラの血かな

 

 

661:名無しの神様

インドラはそこまで弟思いでもなかったような……

人間はさ、戦争してんならすぐに死ぬから、その分愛着も強いんじゃないの

 

 

662:暇を持て余したスレ主

俺も最初はそっとしておいてやったんだけど、そしたら二番目の子が俺に向けていきなり怒鳴ってきた

 

コウヤ「どうしてアズミ達を助けてくれなかったんだよ!あんたは俺達の守り神なんじゃないのかよ!どうしてだよ!」

イズナ「兄さん……」

 

 

663:名無しの神様

ちょっと新キャラが色々出てきたぞ

 

 

664:暇を持て余したスレ主

コウヤがタジマの次男坊で、マダラにとっては最初の弟

イズナが末っ子、一番チビ 三男と四男がアズミとアサヒって名前 双子だったから響きを似せたんだって

 

 

665:名無しの神様

双子ちゃんが一度に死んじゃったのか

 

 

666:名無しの神様

そのコウヤ君がそう言いたくなるのも当然では?

わざわざ守り神~なんて言ってるんだから、期待しちゃうでしょ

 

 

667:暇を持て余したスレ主

≫666

掟掟うるさいのに、こんな時だけ俺を責めないでよ

俺にもどーしようもないからさ、めんどいなーとは思ったけど黙って聞いてあげてた そしたら

 

マダラ「コウヤ、止めろ」

コウヤ「兄上……」

マダラ「アズミ達が死んだのは俺のせいだ。俺が目を離したから……」

コウヤ「っ……」

 

それで耐え切れなかったみたいで、コウヤはマダラに縋りついてワンワン泣くし、イズナもつられて泣き喚くし、もうめちゃくちゃよ

俺を無視して盛り上がらないでほしい

 

 

668:名無しの神様

バッドエンド系の盛り上がりだけどな

 

 

669:名無しの神様

何か僕まで泣けてきた

マダラ君めちゃくちゃいい子じゃん。インドラの転生とは思えん

 

 

670:暇を持て余したスレ主

≫669

インドラだって優しいしかっこいいし強いしいい子ですけど!?

 

 

671:名無しの神様

出た、過激派

 

 

672:名無しの神様

返しが早ぇーよ

 

 

673:名無しの神様

いい子ね……うん、いい子だったよね…彼は……

 

 

674:暇を持て余したスレ主

うちは三兄弟が泣き止まないよ……いやマダラは泣いてないっぽいけど

三兄弟じゃなくて五分の三兄弟って言うべきかな

俺は余った稲荷寿司をいただいていた

 

 

675:名無しの神様

どうでもよさそうですねナギ様

 

 

676:暇を持て余したスレ主

だって実際どうでもいいっつーかピンと来ない

そんなに弟が欲しいならまた作ってもらえば?って思うし

 

 

677:名無しの神様

それ絶対にマダラ君達に言うなよ

 

 

678:名無しの神様

ナギ様の言い分も理解できるよ

人間の価値観とか倫理観は俺達とは違うんだからさ 

これでナギ様を責めるのも変でしょ

 

 

679:暇を持て余したスレ主

あ、マダラが弟達連れて引っ込んじゃった

俺を除け者にしないでよー

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

724:暇を持て余したスレ主

何か、タジマにお願いされちゃった

 

 

725:名無しの神様

お願い?

 

 

726:名無しの神様

タジマって、うちはのトップの奴だっけ?

 

 

727:暇を持て余したスレ主

そう、うちはの現頭領

何か朝っぱらから俺に会いに来て、息子達を指南していただきたいとか言われた

 

え?って感じ

 

 

728:名無しの神様

えっ??

 

 

729:名無しの神様

えっ???

 

 

730:名無しの神様

皆戸惑い過ぎ 俺もだけど

 

 

731:名無しの神様

指南ってあれか、剣術指南みたいなこと?

子供達に教えてほしいっていう意味?本気?いや、正気か?

 

 

732:暇を持て余したスレ主

俺も幻聴を疑って聞き返したら、大真面目に言われた

 

ナギ「んん?タジマ、ちょっと言ってる事分かんない」

タジマ「そのままですよ。戦が無い時に、息子達の修業を見てやっていただきたいんです。忍術でも組手でも構いませんが」

ナギ「無理無理。俺教えられる事なんてないし」

タジマ「前にアズミ達が火遁の修業をしていた時に、庭の木が燃えた事がありましたよね。あれナギ様でしょう?」

 

バレてたの!?

微笑みながら言うなよ、こえーよ

 

 

733:名無しの神様

そんな事してたんかい

 

 

734:名無しの神様

人間の前で術やったの??

 

 

735:暇を持て余したスレ主

大した事はしてない

前に、アズミとアサヒが火遁の稽古?してたんだけどさ

何かあんまりショボいから俺が手本見せてやったら、庭の木が丸焼けになった

 

 

736:名無しの神様

それタジマさん怒ってんじゃないの!?

 

 

737:暇を持て余したスレ主

そうかもしれない

いやだからって俺に子供の世話押し付けようとしないでよ 

マダラだけで十分なんだからさ

 

 

738:名無しの神様

だから人間に関わり過ぎるなと

 

 

739:名無しの神様

でも、ナギ様って生まれ変わったインドラを守りたいんでしょ?

だったら見守るとかせずに、直接ナギ様がそいつを鍛えて強くしてやった方がよくない?

 

 

740:暇を持て余したスレ主

≫739

採用

 

 

741:名無しの神様

また一つ掟破りが増えるのか……

 

 

742:名無しの神様

今更だって

ゴミだらけの部屋に空き缶ポイ捨てするぐらい変わりないよ

 

 

743:暇を持て余したスレ主

≫742

お前本っ当天界戻ったら覚えてろよ

それはそれとして、マダラを探しに行かないと 

俺がお師匠様になったげるよ~

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

821:名無しの神様

提案しといて何だけど、ナギって誰かに教えるとか出来たっけ?

 

 

822:名無しの神様

無理でしょ

 

 

823:名無しの神様

≫822

即答で草

 

 

824:名無しの神様

そりゃ確かにナギ様は強い方だと思うけど、それと教える事とは別問題だからね

しかも相手は人間だし

 

 

825:名無しの神様

加減間違えて殺してんじゃねーの?

 

 

826:暇を持て余したスレ主

≫825

俺だって加減くらい出来る

[ボコボコにされて地べたに寝転がっているマダラの画像]

 

 

827:名無しの神様

加減……??

 

 

828:名無しの神様

あの、何か腕が変な方向に曲がってません?

 

 

829:名無しの神様

こうなるとは思ってたよ

 

 

830:暇を持て余したスレ主

生きてるから!大丈夫だから!

あれからマダラと弟達の修業見てあげる事になったんだけど、マダラってばガチで殺しにかかってくるんだもん 正当防衛よ、うん

 

 

831:名無しの神様

過剰防衛の気配がする

 

 

832:名無しの神様

だとしてもナギ様にここまでやらせるってとんでもないな

今の人間ってそれなりにレベル上がってんの?

 

 

833:暇を持て余したスレ主

≫832

マダラだからなんだと思う

俺も最初は、人間の子供ってこんなにやるのかって思ったけど、前の戦で、マダラと同じくらいか下の子達はあっさり死んでいったし 

インドラの魂のおかげなのか分からんけど……この子は強くなるよ

 

 

834:名無しの神様

どんな修業やってるの?組手?

 

 

835:名無しの神様

弟まで面倒みてやってんの?

 

 

836:暇を持て余したスレ主

≫834

組手中心 

最初は手っ取り早く術見せようかと思ったけど、俺とマダラじゃ元々のチャクラが違い過ぎるから、それこそ殺しかねないし この先の事考えたら体術中心で地力を上げてやった方がいいから 

俺を蹴ったり殴ったりするのもチャクラがある程度無いと無理だし、コントロールの稽古になるし

 

≫835

一応ね マダラだけ見てやるつもりだったけど、庭でわちゃわちゃしてたらコウヤとイズナも来た つーか押し切られた

コウヤの方が「俺も鍛えてくれよ!」ってうるさいし

マダラはちょっと嫌そうな顔してたけど

 

 

837:名無しの神様

何で嫌そう?自分以外に教えてて不満とか?

 

 

838:暇を持て余したスレ主

なんつーか、マダラって本当に弟の事が好きみたいで、出来るなら弟には戦場に行ってほしくないって思ってんじゃね?

強くなればなるほど前線には早く行く事になるし

 

 

839:名無しの神様

そっか……

 

 

840:名無しの神様

良いお兄ちゃんなんだね……

 

 

841:暇を持て余したスレ主

この子達も強くなってた方が万が一の時マダラの盾になってくれそうだし

俺も全力で鍛えるよ

 

 

842:名無しの神様

ナギ貴様

 

 

843:名無しの神様

マダラ君、真の敵はこの男だ

 

 

844:暇を持て余したスレ主

何で俺にばっかり当たりが強いのさ

仮にも師匠なんだから手は抜かないよ アシュラを殺せるようにって願いを込めて組手してあげてる

 

 

845:名無しの神様

何その汚れた願い……

 

 

 

 

 

 

  ◇◇◆◇◇

 

 

 

 

 

 

うちは一族には守り神がいる。

 

マダラは6歳の時分にそれと出会った。そして淡い恋心を持ち、呆気なく砕けた。

ある意味最初の愛の喪失ではあったが、「美少女顔して実は(一応)男だった神様に初恋奪われた」なんて事実は認めるには重過ぎたので、マダラは早々に忘れる事にした。結果的にあまり引きずらずに済んだ。

 

それからは戦に明け暮れたり、弟の世話に忙しかったりして、守り神の存在はそこまで大きなものじゃなくなっていた。というか、忙しくて普通に忘れていた。

何なら、自分や父や一族が忙殺されている時に縁側に寝転がりながら「あ?マダラー?おかえりーもう戦終わったの?」なんて呑気に話してくる男には殺意すら沸いた。うざい、の一言である。

 

守り神といっても、ナギは基本的に何もしない。

(食べてる様子はないが)食っちゃ寝食っちゃ寝の怠惰を極めたような生活を繰り返して、マダラや弟達に絡んでくる。はっきり言えば穀潰しである。働かざる者食うべからずとはよく言ったものだ。

こんな奴に、一族の人間がそれなりに敬意を払っているのかがマダラには謎だった。

 

 

「我々の写輪眼はな、遠い昔、あの方が地上に降り立った時に覚醒したという逸話があるんだ」

 

 

父にそれとなく訊ねたら、そんな答えが返って来た。

 

 

「まあ働くのがお嫌いのようだが、気にしてやるな」

 

 

やっぱり穀潰しって思ってんじゃねーか。

だとしてもマダラには納得いかなかった。神なんて言っても名ばかりじゃないかと。

 

そんな時、いきなりマダラの指南役としてナギがつけられたから驚きだ。

弟が二人も死んでささくれている時に、何でこいつの遊びに付き合わなきゃならん。

弟の通夜で一人だけ稲荷寿司食い続けてたような奴に。

マダラは本気で殺意を覚えて、ナギに飛び掛かった。何なら殺す気まであった。

 

でも殺せなかった。

 

何ならマダラの方が殺されかけた。顔が腫れるまで殴られ、右手首は折られて、体を地面に叩きつけられた。普段は縁側に寝そべってゴロゴロしてるか、出された食事をつまんなそうに食べてるかばかりの奴に、そんな悪い大人の見本にボコボコにされた。

マダラのプライドもボコボコにされた。二重の屈辱だった。

 

本人が言うには、神と人間では次元が違うから元々の耐久度やチャクラも全然違うらしい。

だとしてもここまでやられるのか……?

戦でも、自分よりずっとでかい大人だって返り討ちにしてきたマダラには信じられない出来事だった。

 

 

それから暇さえあれば、あのムカつく守り神に挑んだ。

修業とか指南とか以前に、こいつをボコボコにしたかった。

 

 

でも結局あしらわれるような形で負けてしまい、生傷は増えるは、自尊心がズタボロになるやらで散々だった。

何であんなだらしない癖に強いんだよ。反則だろ。何であんな情けない生活してんのに容赦ないんだよ。飯抜きにしてやろうか。

 

連敗記録が30回を超えたあたりで、ある日ふと、マダラは外に出た。

流石に心が折れかけたので、家に居座ってる守り神から距離を取りたくなった。何なら会いたくなかった。

森をひたすら進み続けて、それが途切れた所に長い河原があった。他に人はいない。戦中だっていうのが信じられないくらい静かな景色だった。

 

マダラは何となく、足元にあった小石を拾った。

――向こう岸に届いたら、次こそあいつに勝てる!

 

気持ちを込めて投げた。

届かなかった。

 

泣き叫びたい気分に駆られたが、マダラは精神力を総動員して冷静を保った。

まだまだ子供なのに、癇癪を起こさず冷静になれるんだから偉いものである。マダラは怯まず、次の小石を取った。

 

投げようとしたら、別の小石が先に届いた。

 

 

「気持ち少し上に投げる感じ。コツとしては……」

 

 

振り返ったら、何かすげーダサい格好したガキが居た。

 

 

 

 

 

 

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