魔法少女リリカルなのはStrikerS 七課の剣銃士 作:ヒアデス
【UZURIPO CHANNEL】出張版
『リリにちわ~! さあ、始まりました! ブレイブデュエルの発祥地たる『
対戦者の片方はこの店の看板娘にして私の大親友、アリシア・テスタロッサちゃん。対するは異国からやって来た新人
実況は、海鳴や聖祥で度々騒動を起こした御神先輩たちが戻ってくると聞いて
『アリシアとデュエルできるなんて……レツヤって子が妬ましいわ。仕事さえなければ私がいくらでもデュエルしてあげるのに。いっそ本当にリニスに店長を丸投げして――』
『聞けよバカ親! そのリニスさんにチクんぞ!! ――コホン、失礼しました。この試合は私がY〇UT〇BEなどの動画サイトに上げている【UZURIPO CHANNEL】でも配信しています。
お店にいない視聴者や彩南の皆さんもチャンネルを通して二人の
なお、このゲームは『
それでは両者――デュエルスタンバイ!!』
モンスター→キャラクター
チューニング→ジャンクション
墓地→ベンチ
変身→リライズアップ
テンションの高い実況と野太い声援が響く中、オレはステージの上でアリシアと対峙し、数十枚の山札を収めた『ブレイブホルダー』という機械を左腕に
「座ってやろうぜ。落ち着かないし腕が疲れるから」
というオレのツッコミなど無視してアリシアは声高に告げる。
「ライフは4000ポイント。さらにアリシアスペシャルルールに
「“お願い”ってなんだよ? 後で揉めるのもなんだし今話してくれ。あと今さらだけど、対戦相手に敬語っつうのは落ち着かないからタメ口でいいよな?」
オレの問いにアリシアは気を悪くせず、笑顔でうなずく。
「うんいいよ。私も年上の人にタメ口で話してるし。じゃあ私からのレツヤ君への“お願い”――私がデュエルに勝ったら、海鳴にいる間私のことを『お姉ちゃん』もしくは『アリシアお姉ちゃん』と呼びなさい!!」
最後の一言に「はあ?」と聞き返しかけた瞬間、その数十倍もの
「それってつまりアリシアちゃんの弟になれるってことか!?」
「むしろご褒美じゃねえか! 俺と変われっ!!」
「僕、僕年上だけどアリシアお姉ちゃんの弟になってもいいよ!!」
『おおっと、久々に出ました。アリシアのお姉ちゃん呼び要求イベント! デュエルに負けたらレツヤ君はアリシアの弟になってしまいます! 一部の人間、特にアリシアファンにとってはご褒美ともいえる条件! もし彼が負けたらプレシアさんの義理の息子になるということでもありますが、プレシアさんとしてはどうでしょうか?』
『アリシアの弟で私の義理の息子!? ま、まあアリシアが望むなら息子や娘くらい増えてもいいけど――でもアリシアやフェイトと結婚して義理の息子になるなんて展開は許さないわよ!!』
『そんな話してませんよ! まあわたし的にはそっちも配信用のネタとしてありですけど。――それはともかく、レツヤ君はこの条件でデュエルを受けるのでしょうか? 無条件でアリシアの弟になってしまう展開もあり得るかもしれません――でも、実況的に美味しくないからわざとデュエルに負けるようなことだけはするなよ』
好き勝手騒ぐ
「実は話に聞いた時から狙ってたんだよねぇ。フェイトもエリオとキャロも移動ルートの都合上こっちに来れないって言うし、その憂さ晴らしついでにレツヤとルーテシアを弟妹に加えちゃいます!」
「……オレが勝ったらそっちも“お願い”を一つ聞いてくれるのか?」
その問いにアリシアはもちろんと頷く。だが――
「アリシアちゃんにお願いって、まさかエロいことする気じゃねえだろうな!?」
「このエロガキめ! 俺と変われ!!」
『アリシアに手を出したらただじゃ済まさないわよ!!』
観客ばかりか解説席にいるアリシアの母親まで
「オレが勝ったら、オレと同僚たちにうまい昼飯を食わせてくれ。隊長から料理が上手い奴がいるって聞いたからな」
その“お願い”にアリシアは快く笑顔と頷きを返した。
「うん、いいよ。デュエルに勝てたらリニスの料理に加えて、私も腕によりをかけたのを一品作ってあげるから。――じゃあいそ、じゃなくてリホ、
『オッケー! それじゃ――
※ブレイブホルダーとカードの絵柄はイメージです。
「私の先攻。【リトル・リニス】を攻撃表示で召喚。さらにリバースカードを置いてターンエンド!」
【リトル・リニス】レベル2
AT600/DF300
「――なにっ!?」
アリシアが【リトル・リニス】という猫を描いたカードをホルダーに置いた瞬間、オレは思わず声を上げ、初めてデュエルを見るルーテシアや一部の観客もどよめきを上げる。
猫の能力に驚いたからじゃない。むしろ攻撃力も守備力も低い
オレたちが驚いたのは、アリシアの前に
『ふっふっふっ、驚いているようですねー! 何を隠そう、二人が填めている『ブレイブホルダー』とこのステージにはプレシアさんが開発した『ヴィジョンマテリアライズシミュレーター』が組み込まれていて、場に出したカードがホログラムとして出現してくるんです! 『カード化システム』ともども有名な科学者や研究機関を驚愕させ、ハラオウンさん一家やレティさんが入念に調べても“ま”の付きそうな技術はまったく使われていないと結論した謎のマシン! 雑誌やネットの画像からイケメンアイドルとかを出したりもできませんかねー?』
おいおい、魔法もミッドの技術も使われてないってマジかよ? あの店長、ただのバカ親じゃなかったのか……。
ということはオレのカードも――
「オレのターン。オレもリバースカードを一枚置いて、【武装隊長ギャレット】を攻撃表示で召喚!」
【武装隊長ギャレット】レベル4
AT1200/DF1000
リバースカードと【武装隊長ギャレット】を置いた瞬間、オレの前にも巨大なカードと武装隊員の格好をしたキャラクターが出てくる。
互いに攻撃表示、しかもオレが
「あれれ~、攻撃力が上なのに攻撃してこないの~? じゃあ私のターンにさせてもらおうかな~。そっちのキャラより強いのが出てくるかもしれないし」
アリシアはニヤニヤした顔と白々しい口調で挑発してくる。あれは明らかに罠。だが、アリシアが【ギャレット】より強いキャラを出せば【ギャレット】は倒され、【リニス】で
それにアリシアの挑発がブラフだった場合、あいつにダメージを与えるチャンスだ……一応保険も掛けてある。
「【ギャレット】で【リトル・リニス】を攻撃――ブレイズカノン!」
オレが命じると【ギャレット】は杖を構え、リニスに撃ち放つ。だが――
「リバースカードオープン!
アリシアが右手を突き出しながら告げた瞬間、床に伏せられていたカードがめくれ上がり、動物が人型化している絵と説明文を映し出され、さらにカードから発せられる光を浴びて、名前通り小さな猫だった【リトル・リニス】が猫耳が付いた茶髪の女になり攻撃力も倍以上に上がった。
【リトル・リニス】→
【使い魔リニス】レベル5 AT1500/DF1300
「【リニス】、反撃ぃ! “プラズマセイバー”!!」
アリシアが命令した直後、【リニス】は手にしていた
だが――
「リバースカードオープン、【緊急出撃】。キャラクターが戦闘で破壊された時、デッキからレベル3以下の局員キャラを三体まで好きな表示で特殊召喚できる!」
【武装局員】レベル2×3
AT800/DF400
三枚のカードを横に置いた瞬間、【武装局員】が三体守備表示で現れた。
『おっとぉ、【隊長】の仇を取りにきたように【武装局員】が三体特殊召喚されました! しかし、三体とも使い魔化した【リニス】より攻撃力は遥かに下。守備表示だから倒されてもダメージは受けませんが、アリシアが新たなキャラクターを出したら2ターンも持たず全滅しちゃいます! レツヤ君、どうするつもりなのかー?』
大げさにピンチを煽る実況を耳にしながらアリシアはニヤリと口を吊り上げ――。
「どうもさせないよ! 私のターン。デッキから一枚ドローして、【古代狼ニコラ】を召喚」
【古代狼ニコラ】レベル4
AT1200/DF1000
アリシアはデッキからカードを引き抜き、額に宝石を付けた犬耳付きの緑髪の女の子を召喚させる。
「そして【リニス】で【武装局員】一体を攻撃!」
アリシアの攻撃命令に従って、【リニス】が【局員】に向かって杖を振りかざす。
そこでオレは伏せたカードに手をかけ――
「リバースカードオープン、【白煙】。このカードを発動させたターン内はどちらのプレイヤー・キャラクターも互いを攻撃できなくなる」
ステージ上に煙幕が張られ、【リニス】は泡を食ったように下がり、【ニコラ】も顔を覆う仕草をとる。
「くっ、私はターン終了。レツヤの番だよ」
悔しげに顔を歪めながらアリシアはターンの交代を認める。オレはデッキの上に手をかけ――
「オレのターン、ドロー。【局員】三体をベンチに
カードをベンチに送った瞬間、三体の局員が光の粒子となって消え、代わりにいくつもの勲章を付けた制服を着、剣を携えた士官【ブレイ】が現れた。
【歴戦勇士ブレイ】レベル6
AT2000/DF1800
「行け【ブレイ】――【リニス】に攻撃!」
【ブレイ】は豪奢な剣を振り下ろして【リニス】を斬り裂き、余剰ダメージでアリシアのLPが【3500】に下がった。
「ぐっ――やるね。健斗に見込まれただけはある」
攻撃のショックでふらつきながらも、アリシアは賞賛の笑みと言葉を漏らす。
――っていや、おかしいだろそのリアクション! オレが攻撃受けた時も衝撃なんて受けてないからな。あと、ゲームの腕を見込まれて七課に入れてもらったわけじゃないぞ!
……ないよな御神さん?
Ⓒ
「レツヤ、案外ノリノリだね。アリシアと同じぐらい楽しんでるかも」
ルーテシアの呟きに俺も頷く。
「あれでもまだ12歳。しかも管理局に入ってからずっと訓練と任務漬けだったからな。久しぶりに遊びらしい遊びができて楽しいんだろう。時間はまだたっぷりあるし、あの戦いが終わったらルーテシアもアリシアかレツヤと対戦してきていいぞ」
そう言ってやるもののルーテシアは首を振る。
「いい。私はこういうの興味ないから……もうカードもあげちゃったし」
「あげたって、じゃあもしかしてレツヤのデッキには……」
チンクの問いにルーテシアは頷きを返す。ちょうどそこでゲームが再開されたらしく、ステージ上からレツヤの声が響いた。
Ⓒ
「カードを一枚置いてターンを終了。アリシアのターンだ」
オレが宣言した直後、アリシアはカードに手をかけながらふふんと言いそうな顔で笑った。
「さっきまでのはレツヤの力を確かめるための
【スモール・アルフ】レベル3
AT900/DF600
アリシアの前にまた犬耳を付けた赤い髪の女の子が召喚される。しかも【ニコラ】と同じく額に宝石を付けている。
ということは同属キャラクター。まさか――
「そして【古代狼ニコラ】の特殊能力“未来への継承”発動。彼女の同属及び現代・未来キャラクターを一体だけ大人形態に
「――なんだって!?」
驚愕するオレの前で【ニコラ】が緑色の魔力光を帯びた両手を翳した瞬間、【スモール・アルフ】は同色の魔力光に包み込まれ、20代近くの女になった。
【スモール・アルフ】→
【アルフ】レベル6 AT2000/DF1500
しかし攻撃力は【ブレイ】と同じ。このまま仕掛けても相打ちになるだけだ。
だが――
「【アルフ】、攻撃だよ! 【歴戦勇士ブレイ】に攻撃!」
アリシアは構わず、【アルフ】と同力の【ブレイ】への攻撃を命じる。
戸惑うオレに対し、アリシアはニヤリとした笑みを向け伏せたカードを掴み上げた。
「そして
「なにっ!?」
驚愕の声を上げた直後、【ブレイ】は鎖型のバインドを腕にかけられる。そこへ【アルフ】の爪が突き立てられ、【ブレイ】は断末魔を上げながら消滅した。
幸い、攻撃力は同じためダメージは入らなかったが――と安心した直後!
「何勘違いしてるの。まだ私の
アリシアの命令通り、【ニコラ】が拳を振るいながら駆けてくる。
やべっと怯みそうになりながらカードに手を伸ばし――
「
宣言と同時に床下から放たれた紫色の斬撃に斬りつけられて【ニコラ】が消滅し、アリシアのLPが【3200】まで下がる。
彼女とオレの間に割り込むように現れたのは、白と黒が半々に混じった剣士風の衣装に身を包んだ――
【閃刀士ルーテシア】レベル6 AT2300/DF1000
『おおっと、レツヤ君のピンチを察したかのように、彼の前に一体の魔法剣士が現れたー! しかもあの子はさっきまでレツヤ君たちと一緒にいた――』
「ルーテシアのカード? さっき登録したばかりだからまだ本人しか持ってないはずなのに!」
アリシアとリホ、つられて観客たちもモデルであるルーテシアに目を向ける。ルーテシアは照れくさそうに、
「カードゲームする気ないからさっき作ったカード、あの後すぐレツヤに渡しちゃった……悪い?」
彼女の聞き返しに答える者はおらず、オレはそのままゲーム続ける。
「【救援】で呼び出したキャラクターはバトルフェイズを前借りした形になるため、次のターンに行動できない。【守備局員】を守備表示で出してターン終了する」
【守備局員】レベル4 AT1300/DF1500
攻撃はできなかったが、今出ているキャラクターの中で一番強いのは【ルーテシア】だ。【ルーテシア】で牽制しつつキャラクターを増やしていけば、攻撃するチャンスは出てくる。
「そうはさせないんだから! 私のターン、ドロー――きたっ! ドローしたばかりの【チヴィットリニス】を召喚!」
アリシアはドローしたカードを一瞥しただけで顔をほころばせ、すぐさま
【チヴィットリニス】レベル2 AT700/DF500
だが、そのキャラは【使い魔リニス】をデフォルメした低級キャラクターで、攻撃力も防御力も【ルーテシア】どころか【守備局員】より下。
守備表示ならともかくこんなキャラを攻撃表示にする理由は――
「――まさか!」
思わず驚愕の言葉を漏らした瞬間、アリシアは歯がむき出しになるほどの笑みを作り、
「そのまさかだよ――私は【チヴィットリニス】と【アルフ】を“素材”としてベンチにリリースし、レベル8の上級キャラクターをジャンクション召喚する……使い魔たちの想いを継いで現れよ、黒き装束を纏いし運命の申し子――【
【
AT2500/DF2300
ベンチに【リニス】、【アルフ】、【アリシア】、【プレシア】のいずれかが置かれている場合、対象キャラクター一体につき攻撃力を300アップする(
つまり、【リニス】と【アルフ】が一体ずつベンチにいる現在の【