魔法少女リリカルなのはStrikerS 七課の剣銃士 作:ヒアデス
時空管理局はどうなったの? とうとう地球の国々が魔法やミッドチルダの存在を知ってしまったのか?
はたしてホントにこのシリーズと同じ世界観でEXCEEDS書けるのかな?
フォーティーンからの砲撃を受け、さらに蹴りまで入れられギンガは地面に落ちる。
フォーティーンは嗜虐に歪んだ笑みを浮かべながらとどめを刺そうと地面に降りる――その瞬間、ギンガは素早く体を起こして光弾を撃ち込み、フォーティーンから距離を取る。
そして、その合間にギンガは足元に幾何学的な模様の“
そして――
「IS発動《振動放出》――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ――」
ギンガは喉からけたたましい声をあげて空気を震わせ、勢いよく殴りつける。それとともにフォーティーンに向けて“高密度に凝縮された空気”が勢いよく撃ち放たれた。
――この速度と距離なら避けられない。
が――
「IS《振動破砕》――はあああああっ!!」
フォーティーンもまたギンガと同じ“
それを見て目を見張るギンガの前にフォーティーンが滑り込んできた。
「はああああっ!」
「ぐあああっ!!」
《振動破砕》の
そこへフォーティーンは金属音の混じった足音を立てながら近づいてきた。
「さてと、そろそろ潰してやるか……って言いたいところだが、このまま壊すのももったいねえ。
「最強の戦闘機人……さっきも言ってたわね。それがあなたの目的……?」
ギンガの言葉にフォーティーンは口を吊り上げながら大きく頷き、
「おうよ! ゆりかごなんて関係ねえ! あたしの力で六課も管理局も他のナンバーズも潰して、この世で最も強い戦闘機人だって証明する――それがあたしの唯一の“目的”だ! その踏み台としてまずてめえを――」
「……そんな
「あんっ?」
ギンガの口から漏れた一言を聞いて、フォーティーンは眉を吊り上げながら訊き返す。
そんな妹に劣らぬほど険しい顔を向けながらギンガは続けた。
「そんな“くだらないこと”のために強くなりたかったのかって訊いてんのよ! あんたが管理局に入ったりなのはさんに憧れてたのは、最強の戦闘機人なんかになるためだったの!?」
「――!」
問いとともに“その人の名”をぶつけられた瞬間、フォーティーン――否、スバルは大きく目を見張った。
「スバルが強くなりたい理由ってなんなのかな?」
「――えっ?」
昼食中、ふいになのはさんに尋ねられ、あたしは思わず怪訝な声を返しながらも……
「それはやっぱり、あたしを助けてくれたなのはさんにあこがれて――」
なのはさんや他の仲間、七課の人たちも聞いてる中、あたしはたどたどしく答える。けど、なのはさんはくすぐったそうに笑いながら首を振った。
「ううん。そう言ってくれるのはうれしいんだけど、そうじゃなくて……強くなって、スバルは何をしたいのかなって聞きたくて」
その質問に戸惑いながら、少し考えて……。
「なのはさんに憧れたのは本当なんですけど……あたしが強くなりたい理由は」
「――うるせえっ!!」
フォーティーンは声を張り上げて“それ”を打ち消す。
「あたしは強くなるんだ……なの……エースオブエースやファーストより……誰よりも強い戦闘機人として……もうあの頃の――あんたやあの人に守られていた“あたし”とは違う!」
「…………」
過去の自分を否定するようにフォーティーンはつぶやき、そしてきっとギンガを睨んだ。
「やっぱりてめえはここでぶち壊す! タイプゼロはこのあたしだけで十分だ!」
そう吐き捨てながら、フォーティーンはローラーを稼働させ、《振動破砕》の“
だが――
「はああぁっ!」
軋む体に鞭打ち、ギンガは左足を上げフォーティーンの腕を蹴り上げる。
さらに体を捻ってフォーティーンの腹を蹴り上げ――
『Calibur shot, right turn--shoot it!!(キャリバーショット、右回転――撃って!!)』
ブリッツキャリバーの合図とともに左腕を突き出し、フォーティーンの顔を思い切り殴りつけた。
「ぐああああっ!」
思わぬ攻撃を喰らい、フォーティーンは鈍い呻きをあげながら後ろに弾かれる。
そんな“敵”に向かって――
「何を驚いてるの? これぐらいの動き、シューティングアーツじゃ基礎の基礎よ。あなただって何度も練習したはずじゃない。……はっきり言うわ“フォーティーン”さん。あなたなんかより六課にいた頃の“スバル”の方がずっと強い! ――なにが“最強の戦闘機人”、新しい武器と技能が使えるようになった程度で調子に乗らないで!」
「てめえ――」
嘲るように笑ってみせるギンガに、フォーティーンは顔を歪める。
それを前にギンガは拳を構え、手足に嵌めたデバイスたちに向けて言った。
「いくわよ、ブリッツキャリバー、リボルバーナックル! 遅めの反抗期をこじらせてる妹をとっちめてやるわ!」
『Yes, My buddy!』
ブリッツキャリバーが応えると同時に、ナックルも数発のカートリッジを吐き出す。
それを嵌め込んだ
「ギア・エクセリオン!」
『Ignition--A.C.S. Standby!』
ギンガとブリッツキャリバーが告げた瞬間、彼女らの足元にベルカ式魔法陣が展開し、キャリバーから濃藍色の翼が生える。
それに対し、フォーティーンも足元に浮かぶベルカ式魔法陣の上で体を前に屈めた。
「……いくわよ、フォーティーン」
「ああ、次で
◇
「ぐああああっ」
メガーヌが体をひねった瞬間、
その腕から放たれたおびただしい衝撃波をまともに喰らい、オレはそのまま地面に落とされた。
「「――レツヤ!」」
ルーテシアはその場に立ったまま、チンクはガリューと刃を交えながら、不安げな声でオレを呼ぶ。
メガーヌは涼しげな表情でそれを眺め下ろし、失望を含んだ声を落とした。
「バインドをかけたぐらいで勝った気になってるようじゃまだまだね。やっぱり今のあなたにスカリエッティたちの相手は荷が重すぎる。向こうは私が片付けておくから、あなたたちはそこでじっとしてるか別のとこにいるガジェットの掃除にでもいってなさい」
「……っ」
その一言にルーテシアは悔しげな顔で母親とオレを見比べる。そんな中、オレは剣を支えにして立ち上がりながら言った。
「……そうはいくかよ。この事件はオレたち七課がずっと追ってきた事件なんだ。それを最後の最後であんたみたいな隠居に横取りされてたまるか。あんたこそ隠居らしくオレたちに任せて引っ込んでろ、“アルピーノ元捜査官”」
最後の一言がプライドに障ったのか、メガーヌはぴきっと眉間を引きつらせ……。
「身の程知らずのひよっこが。ここは徹底的に格の違いを教えてあげた方がよさそうね――アギト!」
『――お、おう!』
メガーヌとアギトが声を上げた瞬間、彼女の全身から炎が吹き上がる。その真下でオレは態勢を整えながら刀を構えた。
その時
そこを狙ったようにボール大の炎弾が撃ち込まれた。
オレは炎弾を避け、そのまま上空へ飛び上がる。そこへメガーヌが拳を振りかぶりながら飛び込んできた。
「はあああっ!」
「――っ!」
オレは反射的に刃を立てメガーヌの拳を受け止める。が、がら空きになった腹に蹴りをねじ込まれビルへ叩き込まれる。メガーヌはさらに追撃しようと炎を握り込むが――。
「させない!」
真下から飛んでくる紫色の光弾を弾きながら、メガーヌは眼下に目を移す。そこには険しい顔で両手を伸ばす娘の姿があった。
「ルー、余計な真似を。ならまずあの子から――」
メガーヌは実の娘に向けて躊躇なく炎弾を撃ち放つ。だがルーテシアは空から降り注ぐ炎を躱しながら、物影に飛び込んだ。入れ替わるように今度はオレがビルから飛び出し――
『Variable Shoot!』
懐から出した
そこでオレは刀を構え、メガーヌに向けて突貫した。
が――
「――甘いわ!」
メガーヌは右手に握った炎弾を放ってくる。
オレは刀を振り炎弾を斬り払うが、その間を突いてメガーヌが肉薄し炎を纏った拳を繰り出す。オレは身をよじって拳を避け、後ろに跳んで距離を取った。
そこへ――
「はあっ!」
メガーヌが炎弾を連続で放ち、オレはそれを斬り払う。
だが、炎弾の処理に気をとられた一瞬に、メガーヌが間合いを詰めて拳を振るってきた。オレは刀の腹で防ぐも、メガーヌは開いたままの掌を突き出しオレの前で止める。
まさか――
「“ギルティ・ヴァシュラ”!」
「ぐあああああ!」
「レツヤ!」
メガーヌの掌から放たれた“炎の矢”に胸を撃たれ、オレの体はそのまま宙を飛ぶ。
それを見上げ――
「生意気な後輩君も少しは身の程を思い知ったでしょう――これで最後よ。おとなしく眠ってなさい!」
とどめのつもりの言葉とともにメガーヌは“二発の矢”を撃ちだしてくる。
それを前にオレはついに――
「ストップ・ザ・シングス!」
技能を使った瞬間、炎とメガーヌはぴたりと止まる。その隙にオレは剣を振りかぶり、炎を斬りながら
――だがその時、彼女の胸元からもう一人の敵の声が響いた。
『やらせるか! この程度、あたしなら……』
中にいるアギトに動かされるように、メガーヌの体が動き始める。……そういえば、前にも一度リインさんが融合した途端、健斗さんに技能が通じなくなったな。この技能、融合した相手には通じにくいのか……。
『――いくぜ姐さん!』
「ええ――」
ある程度体の自由を取り戻したメガーヌ
「『“炎龍王”!』」
彼女たちの右手から放たれた火炎は龍の形を取りながら迫り、ばっくり口を開ける。
――もう駄目か。
“炎で出来た龍王”を眼前にして、そんな弱音が頭中に響く。
だが――
「我は乞う。若き剣士を守る防塁の守りと黒紫の刃を――アスクレピオス!」
『Verteidigung und Angriff!』
真下からルーテシアの声が響いた瞬間、オレの身体と落葉の刃が黒紫色の魔力光に包まれ、龍王の炎身からオレたちを守った。勿論、完全には防ぎ切れずすごく熱いし痛い。でも、
――絶対に負けられない!
「うおおおおぉぉ!」
オレはそのまま龍王を突き抜け、メガーヌまで迫る。だが――
「――“炎盾”!」
メガーヌは片手とともに“炎の盾”が張り、オレを阻もうとする。だが――
「はああああっ!」
ルーテシアの
「――《
「くっ――あああああぁぁ!!」
袈裟斬りに振り下ろした刃がメガーヌの身体に深々と打ち込まれる。その衝撃と激痛に耐えられず、彼女は鈍い悲鳴をあげながら地面に落ちていった。
◇
「はああああっ!」
「あああああっ!」
ギンガとフォーティーンは掛け声を放ちながら互いの足元に敷いたウイングロードの上を滑走し、ぶつかり合う。
何度かぶつかり合ってから、フォーティーンは数発のカートリッジを吐き出しながら右腕を砲状に変え……。
「ライフィス、バスターー!」
彼女の腕から青色の砲撃が放たれた直後、ギンガはその場から飛び降り下に敷いたロードの上に着地する。
そこへフォーティーンが飛び込んできた。“
「いくぜ――IS《振動破砕》!!」
「IS――《振動放出》!!」
ギンガも口から掛け声を上げ、それをデバイスに纏わせる。
その直後、二人は真正面から迫り、ぶつかり合った。
「はああああっ!」
「あああああっ!」
たがいに“振動”を纏った拳を振るいながら、もう片方の手から張ったシールドで防ぐ。
攻撃を受け止めた瞬間、瞬く間に亀裂が走るシールドの前で二人は荒い掛け声を放ちながら拳を打ち込み続ける。
それから三秒ほどもかからずシールドは割れ、二人は互いに拳の顔面目掛けて打ち放つ。
しかし、すんででシールドの破片が横切りギンガの動きがわずかに鈍る。
フォーティーンはそれを見逃さず――
「終わりだっ――死ねええぇぇーー!!」
回転するスピナーの横で、スバルは叫びながら鋼鉄の拳を振り上げる。むろん、《振動破砕》の
だがそこで、ギンガは左手を開きフォーティーンの拳を受け止める。もちろんそれぐらいで“破砕”の力が緩むわけなく、リボルバーナックルはひび割れ、左手からはバラバラになるぐらいの激痛が伝わってくる。
だが、ギンガはうめき声一つ上げず、空いていた右手を構え――。
「一撃必殺――――バイブレット・バンカーーー!!」
「ぐっ――あああああああっ!!!」
鋭い打撃とともに紺青色の衝撃波が放たれ、そのままフォーティーンの身体を撃ち抜く。その衝撃とダメージを堪えきれず、フォーティーンはその場から堕ちていく。
その刹那、彼女の脳裏に“あの時の続き”が再生された。
「なのはさんに憧れたのは本当なんですけど……あたしが強くなりたい理由は、災害とか争い事とか、そんなどうしようもない状況が起きたとき、苦しくて悲しくて『助けて』って泣いてる人を助けてあげられるようになりたいです――
そこまで言うと、なのはさんはうれしそうに笑い、健斗さんも「スバルならきっとなれる」って言ってくれ、他のみんなも応援するように笑みを向けてくれた。
――なんで……なんで忘れてたんだろう? あたしが強くなりたいと思ったのは、最強の戦闘機人になるためなんかじゃなくて……あの時のあたしのように、『助けて』って泣いてる人を助けるためだったのに……。
「スバル!!」
そこで誰かに抱き留められ、硬い手と柔らかい体の感触に包まれる。
目を開けると、涙を浮かべているギン姉の顔が見えた。
それを見た瞬間、視界がにじんで……。
「ごめん、ギン姉……あたし、ギン姉やみんな、他の人たちにもいっぱいひどいことして、迷惑かけて……」
「いい――いいのよスバル! 事件を解決させたら、お姉ちゃんと一緒に謝りにいきましょう!」
そう言って痛みも堪えて抱きしめてくれるギン姉に「うん」としか言えず、あたしはしばらくお姉ちゃんの胸の中で泣き続けた。
◇
「……あーあ、フォーティーンったら大きな口叩いておいて、結局負けちゃったんですか」
《ゆりかご》の暗い操舵室の中、クアットロは誰にともなく呟き大きなため息をついてみせる。しかし、その言葉と仕草とは裏腹に口は三日月状に吊り上がり、嬉しげな笑みを作っていた。
「まっ、別にいいでしょう。いつ裏切るかわからないような
ギンガのギア・エクセリオンモードも、原作からキャラが置き換わっただけなのでmirangaru様からいただいたイラストをそのまま使用します。